京都市立学校・幼稚園
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7月20日(土)、学校説明会を開催しました。多数のご来場、ありがとうございました!         

また今日が始まってく

 徐々に春のあたたかさを感じる中,3月1日に第74回卒業式を挙行しました。
 21期生の卒業生たちは「自立する18歳」らしく,落ち着いた表情と凛々しい姿を見せてくれました。そして,3年間を過ごしたこの学び舎,BIG BOXを巣立っていきました。

 当日は,新型コロナウイルス感染症の感染予防や拡大防止のため,密集の回避や時間の短縮等にできる限り留意しながら実施しました。みなさまに趣旨をご賢察いただき,また,ご協力をいただきまして,深く感謝申し上げます。

 卒業式前日の午後,ある21期生生徒と話す機会をいただいた。私とその生徒の2人。1年生の時から知っているその生徒は,3年間の月日による変容を感じさせ,成長した18歳の風格を醸し出していた。
 約2時間。その時間に特別な目的があるわけではなかった。各学年で所属したクラスへの思い,学校行事に対して注いだ熱量,あの場面で自分が発したあの一言あの振舞いに対する振り返りと反省,夢中になった部活動のエピソード,自分の18年間の生い立ちと変化,家族への思いと感謝,など。他愛もない話しで盛り上がったり,真剣な思いに耳を傾けあったり。

 最後に聞いてみた。

 堀川高校にどんな学校になってほしいと思う?

 その生徒はうつむきながら少し考えたあと,照れくさそうに伝えてくれた。

 自分は学校行事とか,学校説明会スタッフとか,部活動とか,やりたいことがたくさんあって,その都度,夢中になっていた。勉強よりも優先して取り組んだことも多かった。すべてがうまくいったわけではなかったけど,すごく楽しかった。そんな風に,生徒たちが何かを楽しんでやってみる時間とか,挑んでみたい機会にあふれていてほしい。そして,1人1人の異なるチャレンジを互いに認め合って,それに刺激を受けて自分もやってみようという思いが湧き出て,お互いを鼓舞しあうような人でいっぱいの堀川高校であってほしい。
 
 そう言って,彼は笑顔で去っていった。


 当日。生徒の入場から退場までのすべてを含めると約2時間の卒業式。その後半。卒業生のことば。読み上げる生徒は司会による指名を受け,透き通った返事を会場に響かせる。しっかりとした足取りで登壇し,中央に立つ。静止し,一瞬,私を真正面に見つめる。表情は穏やか。後ろには卒業生全体が起立をしたまま,壇上の生徒に思いを重ねる。司会による「礼。」壇上の1人と後ろの卒業生たちによる,一糸乱れぬとまでは言えないが一体感のある動き。壇上の生徒は一歩前に。少し手を震わせながらも落ち着いて多当紙を開く。奉書紙をめくり,1行目に視線を集中させる。一息ついた後,張り過ぎずこわばらずの第一声を発する。

 見えるだろうか,東の空にやっと太陽が昇り始めた。

 21期生である自分たちは,3年前の入学式で「暁」と名付けられた。なぜ自分たちは,まだ暗い状態を意味することばなのか。そういったピンとこない状態から始まった高校生活。
 3年間での授業や学校行事,探究基礎,スタッフ活動,部活動などは,それぞれがかけがえのないものであり,充実したものだったが,なかなか,自ら光となり,暗闇を凌ぐことができない。やりたいかなえたい思いを増長させるだけでは自分も周りも変わらない。自ら突き詰めて考え,ことばにして共有すること。それがあたりまえと感じさせてくれたのは2年生の真ん中頃。学校での時間が「自分はこんなこともできるのか」という気づきを与えてくれた。自分たちに月光がさし始めたが,でもまだ太陽は昇らない。
 「ひとつになる」「ひとりになる」ことの難しさもまた,自分たちに立ちはだかった。3年生になると,自分の中での無理の決めつけより,やってみようの挑戦が勝る場面が多かった。壁にぶち当たる度に,周りの人が本気で関わってくれた。「ひとりだけど,ひとりではない」を実感した。今思うと,自分たちはそのことを確認しようとして,高校生活を過ごしていたのではないか。
 日が昇るのを待ちわびる時間こそが尊い。そのことを今の私たちは知っている。昇り始めた唯一の太陽を,やっとみんなで見ている。

 先生たち,家族の人たち,後輩たち,21期生の仲間たち,それぞれへの心からの感謝を,読みことばではない素の「ありがとう」に乗せて伝えてくれた。そして,次のことばで締めくくった。

 また今日が始まってく。

 その生徒。卒業式前の最後の日曜日には,1人の先生とともに教室に1日中こもって,先生と対話しながら,自分や自分たちの3年間を掘り起こし,過去の時々を思い,表現を整えていたという。
 卒業式前日の夕刻には,他の生徒が誰もいない会場で練習を行っていた。卒業式当日にも,他の生徒が登校する前の朝早くに,一連の動作と声の調子を確認していた。その生徒の21期生を背負う意気込みと覚悟を感じさせてくれた。

 見えるものはすべて見えないところで準備されている

 第65回卒業式,12期生が卒業する際に卒業記念品として寄贈していただいた石碑には,このことばが刻まれている。これもまた,堀川高校で大切にしたいことばの1つである。

 人は環境を生かし,取り組むことによって,成長することができる。自分自身の力は,自分では気づかないうちに大きく尊いものとなり,その影響力により,他の人を変えることができる。生徒たちからあらためて教えてもらった。卒業生たちには,これから歩む人生において,謙虚に学び,人と交わり,多様な経験を重ねていってほしい。

 21期生のみなさん,卒業おめでとう。

橋詰 忍
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3/6 1年宿泊研修(6〜11日)
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3/9 2年学年末考査
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