京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/14
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第5回 志の式

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式 辞

 日ごとに春の気配を強く感じる時節となりました。この佳き日にあたり、東山開睛館 志の式が、このように大勢のご来賓ならびに保護者の皆様方をお迎えし、盛大に開催できますことを、心より感謝申し上げます。
 本日ここに集う児童生徒は、いよいよサード・ステージへと進まれる7年生、来年度、いよいよセカンド・ステージの最高学年になられると同時に、小学校課程をめでたく修了される6年生、そしてセカンド・ステージの中核を担われる5年生の皆様です。
 本日の式が、皆様にとって、人生の一つの節目として、生涯の思い出に残る記念日になるようご祈念いたします。
 皆様はこれまで、「大きな夢を持ちなさい」「夢を一杯持ちなさい」といわれてきたのではないでしょうか。そうです。夢を持つということは、生きる「めあて」を持つということです。夢を持てば、その実現に向けて日々努力しようとします。そして、達成感や成就感が生まれます。これを生きがいと言います。
アメリカ独立に多大な貢献をしたベンジャミン・フランクリンという政治家は次のように言っています。

お金は何かを買うための道具にすぎないが、たくさんお金を持つと、お金中毒にかかってしまう。いったん中毒になると、お金は単なる手段ではなく、お金が人生の目的そのものになってしまう。
そして、お金が増えている間は安心していられるが、ちょっとでもお金が減ると不安になり、お金が減ることを非常に恐れるようになる。金は良い召使いでもあるが、悪い主人でもある
    
 お金はとても大切なものです。けれど、お金を得ることが人生の目的になってはいけないという戒めです。もしお金を得たとしたら、そのお金をどのように使うのかがその人の生き方そのものなのです。それは「何のために働くのか」ということに通じます。この何のために働くのかということが「志」なのです。
 七年生の皆様は夢を志に高め、いよいよサードステージへと進まれます。ここからはなりたい自分になるための努力を精一杯してください。「将来の夢はなんですか。」と尋ねると「プロ野球選手になりたいです。」とか「Jリーガーになりたいです。」というように返される方もたくさんおられます。それはそれで大いに結構なことです。けれど皆様はその先を考えなければならない、それはなぜプロ野球選手になろうと考えたのかということです。
 「野球が好きだから。」というのであれば,それは一生の生涯スポーツとして野球を楽しめばよい。それだけのことです。志ではありませんよね。でも、もしもプロ野球の選手になって、それを見てくれる多くの子どもに夢を持たせるような仕事がしたい。と考えているのなら,その人にとってそれこそが志です。であるならばその志に叶う仕事はほかにもあります。子どもに夢を持たせる仕事。例えば・学校の先生・おもちゃの開発に携わる仕事・ケーキ屋さん・子供服屋さん。考え方次第でたくさんあるのではないでしょうか。はじめからプロ野球の選手をあきらめる必要はありません。けれど、さんざん努力した結果、壁にぶちあたった時に、このことを思い出してください。

毎年志の式で披露する言葉に、かの有名なウイリアム・スミス・クラークの言葉があります。
少年よ 大志を抱け!
その後にこう続きます。
お金のためではなく
私欲のためでもなく
名声という空虚な志のためでもなく
人はいかにあるべきか、その道を全うするために、大志を抱け
志は私利私欲に基づいてはならない、大義に基づく人としての生き方を全うするための志を立てることの大切さを説かれたのだと思います。
皆様には、夢を志につなぎ、自らの生き方の柱にしていただきたいのです。

先ほど86名の6年の皆様に小学校課程修了証書をお渡しいたしました。皆様は6年間の小学校で勉強する内容を終えらました。これからはいよいよ中学生になられます。今日の7年生の姿を模範として、セカンド・ステージの残り一年を頑張ってください。とにかく多くを学んでいただきたいのです。
人工知能が急速に発達しています。イギリスのグーグル・ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能とプロの棋士が対戦しました。その結果、囲碁世界チャンピオンが、人工知能と戦って敗れました。棋士の戦いぶりも素晴らしかったのですが、人工知能は今や「考える」「創造する」レベルとなったのです。韓国の李セドル九段が、やっと一矢を報い、5戦して人工知能の4勝1敗と聞き及びます。
18世紀半ばから始まった産業革命により,人間はたくさんの体を使う重労働から解放されました。そして今回は人工知能により、頭脳を使う仕事の多くから、人間は解放されることになります。いいかえると仕事がなくなるのです。そのような変化の激しい社会を、皆さんはどのようにして生き抜かれるのか、そのことが心配でなりません。
このような変化に対応するためには、とにかく、問題を解決する能力、それも一人でやるだけではなく、仲間と協力し合って問題を解決できる能力こそが求められていると確信しています。
それと豊かな心と逞しい身体を育んでください。人工知能も、そのプログラミングはまず人間が行います。ですから益々人間の心というものが大切になるのではないでしょうか。そして社会で長く活躍できる身体づくりにも励んでください。

最後に皆さんにお願いがあります。それは、本日という人生の節目にあたり、感謝の気持ちを持っていただきたいということです。保護者の皆様は皆さんを慈しみ、来る日も来る日も愛情を注いで育てられました。その保護者への感謝。そしていつも温かい眼差しでみなさんを励ましてくださっている地域の皆様への感謝。友達や先生方にも感謝の気持ちを持っていただきたい。一人で大きくなれる人間はいません。多くの方々のおかげで今日という日を迎えることができたのです。是非今日一日、素直な心で「ありがとう」を言う感謝の日にしてください。

 7年生保護者の皆様、本日はセカンド・ステージの修了、誠におめでとうございます。早いもので開校した時、3年生だったこの子たちが間もなく8年生になられます。人間として生きることのありがたさ、尊さを感じながら、さらに逞しく成長してくれることをお祈りいたします。
 6年生の保護者の皆様。本日をもって小学校課程を修了いたします。小学校課程の修了、誠におめでとうございます。こころよりお祝い申し上げます。
中には、3月を限りに本校から転出されるお子たちもおられます。これからのご活躍をかげながらお祈り申し上げます。
 そして、本校中学校課程に進まれるお子達には、7年生が残してくれた足跡をたどりながら、さらにその先へと進んでくれることを期待しています。どうぞこれからの3年間、今までに増しての本校教育に対するご支援とご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。
結びになりましたが、ご来賓の皆様方には、式典が重なるこの時期に、公私ともご多用の中、多数ご臨席を賜わり、誠にありがとうございます。子どもたちが本日この日を迎えられますのも、皆様方がそれぞれのお立場からご支援くださいました賜と、心より感謝申し上げます。今後も子どもたちを見守り、共に育んでいただきますようよろしくお願い申し上げます。
   
平成28年3月18日
        東山開睛館 校長  初田幸隆



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