京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/26
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全校集会

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 今日は全校集会を実施しました。1年生から9年生までの児童生徒が一堂に会して、学校長の憲法についての講話を聞きました。低学年の子どもたちには少々難しい内容でしたので、そのあと各クラスに戻り、担任から各学年に合わせてわかりやすく説明しました。

 内容は次のとおりです。

●ねらい
憲法が制定された5月3日を記念日として,憲法週間,憲法月間が設定されている。この機会に,平和や人権について考え,児童生徒の人権意識の高揚を図る。

●具体的な内容
 日本国憲法は昭和22年に施行された。この憲法の特徴は「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」の3つを三原則としていることであり,我が国の最高法規として尊重されなければならない。
 一方で憲法の見直の必要性を説く考え方もあり,社会科においてはそれら客観的情勢を踏まえて児童生徒に主体的に考えさせる力を培う必要がある。
 今回の講和においては,特に平和と人権について,国民の努力により初めて実現できる理念であることを諭し,各学年学級での学習につなげたい。

●話の内容
 人間はなぜ、みんなで一緒に生活しているのでしょうか。一緒に生活する最も小さな単位が家族が集まる家庭です。家庭が集まり地域になります。地域はさらに大きな地域である○○地方というような集まりになり、やがて国になります。国が集まって世界ができています。
 人間は一人では生きられない弱い存在であるといえます。ライオンやトラなどの動物は自分で獲物を捕ってそれを食べることで生活しています。ですから獲物が取れなければ死んでしまいます。
 わたくしたちはどうでしょう。今朝食べた朝ごはんを例にとって考えてみましょう。
 私の朝ごはんは卵焼きと焼きノリ、それとごはんでした。これを一人で準備しようとすると、鶏を自分で飼い、卵を集め、海に潜ってノリをとり、乾燥させる。そして稲を育て、刈り取り脱穀して玄米から白米にしなければなりません。
 それだけではありません。卵を割る器を作るために土をこね、形を作り、火で焼いて焼き締めなければなりません。さらにお箸も木や竹を削って作らなければなりませんし、卵を焼くフライパンは鉄鉱石を取りに行って、精錬し、型にはめて作らなければなりません。お米をご飯にするためには炊飯器も作らなければなりません。ガスや電気はどうしましょうか。
 このように考えると、わたくしたちの生活はどのように考えても一人では成り立たないのです。一緒に生活する一人一人がそれぞれの役割をもち、その役割を果たすことで共に生きているのです。
 けれど、人が一緒に生活する上で必ず出てくる問題があります。それは人と人との争いや諍いです。自分は他人よりよりよく生きたいという欲が出て来ます。小さな諍いはケンカですし、大きな諍いは戦争です。このようなことが日常的に起こると社会は壊れ、よりよい生活ができなくなります。
 皆さんは友達と一緒にいる時、いやな思いをしたことはありませんか。あるとすればそれはどんな時でしょうか。
 バカにされたり無視をされたり、悪口を言われたりしたときはどうですか。きっと嫌な思いをしますね。
 逆にうれしい思いをしたことはありませんか。褒められたり自分が大切にされたと感じたときはとてもうれしくないですか。
 お互いに自分の好きなように振舞っていたのでは楽しい学校生活は送れません。
 そこで社会にはルールが必要になるのです。学校のルールは校則や決まりです。社会のルールは法律と言います。「人は道の右側を歩きましょう。車は左側を走ります。赤信号は止まりましょう。」もしこのようなルールがなければ、あちらこちらで交通事故が起こってしまい大変不便なことが起こります。
 ですから皆さんの命や,豊かな生活を守るためには、ルールや法律を守ることが絶対必要となるのです。
 命や豊かな生活を保障するという考えを基本的人権の尊重といいます。日本では基本的人権は全ての人に保障されているといいます。本当にそうでしょうか。今までの人類の歴史はまさしく人権を獲得するための歴史とも言えます。保障するためにみんなが努力しなければ基本的人権というものは実現しないものなのです。
 このような基本的人権、すなわち誰もが安心して楽しく過ごすことのできる権利を保障するためにルールや法律をつくり、さらにそれを守る仕組みをつくってきました。ですから私たちはルールや法律を守る義務を果たさなければなりません。守らなければ時には罰せられることもあります。
 また、たとえ法律には触れなくても、人が傷つく行為は決してしてはなりません。意地悪もしてはなりません。いじめも差別も卑怯な振る舞いです。人間として恥ずべき行為です。

 国のすべての法律のもととなるもの,最高の法律を憲法と言います。我が国の憲法は昭和22年の5月3日に施行されました。これが憲法記念日のおこりです。この憲法に定められている基本的人権の保障は「自由に生きる権利」「平等の権利」「人間らしく生きる権利」の3つを柱としいます。
 「自由に生きる権利」はやるべきことをする。してはならないことはしないという義務を果たした上で成り立つ権利です。ですから、してはならないことをした人の自由は奪われるのです。
 「平等の権利」は、皆は同じ価値をもつ人間であり仲間であるという考え方です。決して許されない上下の関係を作ってはなりません。いじめは「いじめる人といじめられる人」という固定化した関係からなり、いじめられている人は大きな苦痛を感じながら生活をします。絶対に許されない行為です。
 差別は「する側とされる側」という関係で成り立ち、逆転することは決してありません。わが国には同和問題や在日韓国朝鮮人に対する差別、障害のある人に対する差別、女性に対する差別などの問題があります。これらの問題は、単に人を自分より下に見る、といった意識の問題だけでなく、社会の構造の中に低く位置付けられ、努力しても正当に評価されない、活躍の場が保障されないなど、「自由に生きる権利」や「人間らしく生きる権利」が奪われてしまうという問題なのです。絶対に許してはならないことです。
 このような差別やいじめについては、まさしく皆さん一人一人にかかわる問題であり、決して他人事ではありません。これからの社会科の学習や、人権学習でそれぞれの問題についての認識を深めてください。

 最後になりましたが、我が国の憲法の特徴は「平和憲法」と言われるところにあります。
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
としています。
 我が国は過去の歴史において戦争を引き起こしてきました。その事実の上に立って、その時代の我が国を取り巻く世界の情勢や、国内の状況を踏まえて、歴史を振り返り、どのようにすればその戦争を起こさずにすんだのか、そのためには何が必要だったのかというような勉強をしていくことこそが大切です。私たちを含め二度と戦争が起こらないように国民の一人一人が努力しなければなりません。
 けれどこの戦争の放棄は、外国からの攻撃がないという前提で成り立ちます。そのような世界を築いていくこともまた私たちの大切な責務といえます。
 この憲法についても様々な意見があります。皆さんは様々な意見に耳を傾けながら、大いに勉強して、よりよい社会を築くために働く立派な大人になっていただきたいと願っています。
 「人権」と「平和」についてこれからもともに考え行動していきましょう。

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学校行事
5/13 入学おめでとう会(育成)
5/14 9年修学旅行
5/15 9年修学旅行
5/16 9年修学旅行
5/17 9年代休日
5/18 春の遠足(1〜3年)
9年代休日
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