最新更新日:2024/07/22 | |
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校長室から(学校だより8・9月号より)
長い夏休みが終わり、いよいよ今日から2学期が始まります。2学期は1年で最も行事が多い時期でもあります。子どもたちはこの機会にぜひ色々なことに挑戦し、大きく成長する2学期にしてほしいと思います。
さて、私なりに少し1学期をふりかえってみると、前期課程、特に低学年の子どもたちからたくさんの質問を受けた1学期だったように思います。生活科の学習で子どもたちは校長室に色々なことをたずねに来るのですが、中にはとても難しい質問があって、それは次のような質問です。「校長先生はどんなお仕事をしているのですか」や「校長先生が仕事をするときに工夫していることは何ですか」などです。今まで後期課程の生徒からはこのようなことを尋ねられたことがほとんどないので、どのように答えればよいかとても悩みます。低学年の子どもたちはこのような“直球”の質問が多く、悩みながらも楽しく子どもたちの質問に答えることにしています。 あらためて「校長の仕事」を考えるとき、たくさんの仕事が思いつくのですが、最終的には次の2つ、すなわち「判断すること」と「責任をとること」に行きつくのではないかと思います。特に近年のコロナ禍において「判断すること」の難しさをあらためて感じています。どちらの選択も一長一短がある場面で、どちらを選ぶのがよいのかを判断するときほど迷うことはありません。しかしながらあくまで最終的な判断は私がするのであって、教職員も悩みながら日々子どもたちのためによりよい「判断」をしているのは言うまでもありません。 これから先の時代、「判断する力」はますます重要になってくる気がします。何が正解かがわかりにくい時代において、根拠をもとに判断して、適切な答えを出していくことほど重要なことはないのかもしれません。だとすれば、子どもたちの「判断する機会」を大人が奪わず、小さな時から自分で判断をする経験をさせることが必要ではないでしょうか。我々大人から見れば子どもの判断は「拙(つたな)く」「未熟」と映るかもしれません。しかし、全て大人が判断して大人の答えを子どもに与えるのでは、決して「判断する力」は育ちません。誤った判断をする時もあるけれど、自分で考え、納得して判断し、その結果は自分で責任をとる、この経験を積むからこそ、徐々に適切に判断する力がついていくのです。そしてこれこそがまさに「たくましく生きていく力」に他なりません。 校長に限らず、社会で生きていくためには、適切に判断する力は全ての人にとって必要であるといえます。そして義務教育の9年間は、判断する力を育てる絶好の時期といえるかもしれません。新たに始まるこの2学期、保護者の皆様と共に子どもたちの判断する力を育てていければと思います。 校長 野村 昌孝 |
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