最新更新日:2024/07/22 | |
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校長室から(学校だより12月号より)
12月に入りました。暑い夏が長く続いたかと思うと11月に入るやいなや、急速に気温も下がり、世界に誇る京都の紅葉も一気に進んだ気がします。私は11月17、18日に4年生の宿泊学習の引率で花背山の家に行ったのですが、花背の紅葉は本当に見事で、写真ですらそのありのままの美しさを伝えることはできないと思うほどのものでした。
この2学期は大きな学校行事も何とか予定通り実施することができ、本来の学校の姿に近づきつつあることを嬉しく感じています。そして行事に取り組む子どもたちの姿を見ると、普段の姿とはまた違う子どもたちの一面が見え、その成長ぶりに感心させられることも数多くありました。 さて、先日5年生以上で行った文化祭ではいくつかの学年が「探究」の発表を行いました。この「探究」は本校の取組の特徴の一つです。「探究」という言葉は普段はあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、今年度からすべての高等学校でも「探究」と名のついた科目が新設されています。実は、本校ではすでに開校時から、総合的な学習の時間において「探究」に取り組んでいます。ではこの「探究」とは具体的にはいったいどのような学習なのでしょうか。例えば、我々が「旅行に行きたい」と思えば、「どこに行こうか、どのような方法で、どこに泊まろうか」と思いめぐらし、そのために様々な情報を集めて何が最善かを判断し、最終的に自分が一番よいと思ったところへ行きます。このような一連の思考の流れを学習活動に取入れたもの、それが「探究」です。言い換えると、「自ら問いを立て、それに対して答えていく学習」と言うことができます。ここで大切なのは「自分で問いを立てる」こと、つまり「自分でなぜだろう」と思うこと。したがって先生や人から与えられたものは本当に意味で「探究」の「問い」とは言えません。そして、その問いに答えるには様々な情報を集めて分析することが必要となり、最後はそれらをまとめ発表します。「探究」とはこれら一連の流れをくむ学習と言えますが、なぜ本校ではこの「探究」に取り組んでいるのか。それは一言でいうと「社会でたくましく生きていく力をつけるために」です。今の子どもたちが生きていく20年後、30年後の社会は、正解がない未知の時代であるといわれています。そのような時代をたくましく生き抜くためには、一人一人がその場その場で適切に判断して答えを見つけていかなければなりません。指示を待つのではなく、自分で課題を見つけ、その解決に向けて主体的に関わっていくことは今以上に必要となることは間違いありません。 我々大人が経験したこともないような社会を子どもたちが生きていくとすれば、柔軟に社会に適応し、変化にしなやかに対応しながら、その都度進んでいくことのできる力をしっかり子どもたちにつけていくことが我々の使命であるといえます。その力をつけることこそがまさに「探究」のねらいです。社会で求められる力は時代とともに変わっていきますが、その変化に動じない力を子どもたちにつけるべく、日々の教育活動に取り組んでまいりたいと思います。 校長 野村 昌孝 |
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