最新更新日:2024/05/29 | |
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憲法記念日にあたって
わが国では、毎年5月3日を憲法記念日、そして5月の第1週を憲法週間、さらに京都市では5月を憲法月間とし、日本国憲法の精神である平和の遵守と人権の擁護を改めて確認する機会としています。
我が国の憲法は「平和憲法」ともいわれています。国政においてもこの条文の解釈をめぐって種々議論がなされるところではありますが、子どもたちには平和の尊さや、平和の実現に向けての「人権の尊重」のありかたについて考えさせることはとても大切な事柄です。 歴史には様々な見方や解釈があります。私たちは過去の戦争等の歴史に学び、「過去の戦争=侵略戦争=贖罪意識の醸成」という見方だけではなく、どのような状況において戦争が引き起こされたのか、また、回避するためにどのような手立てがあったのか、というように、当時の我が国の状況や国際情勢を、客観的、俯瞰的にとらえ、問題解決へのプロセスを考えるなど、幅広い視野と思考力を育て、これからの日本を平和国家へと導く子どもたちを育てたいと思います。 東日本大震災で親族を亡くされた方々をはじめとする被災者の皆様は、今もなお、避難所等での不自由な生活を余儀なくされています。心より哀悼の意を表するものであります。 自然の猛威は一瞬にして平和な生活を奪い去りました。また、風評被害というような人災も出始めています。放射能汚染に関連しての、避難者に対する人権侵害等の問題がその最たるものではないでしょうか。 平和な社会の実現には、基本的人権の尊重が必要不可欠なのです。個人の有する「自由に生きる権利」「平等の権利」「人間らしく生きる権利」を何人も、決して侵害してはなりません。と同時に、子どもたちには「自由に対する義務」「権利に対する責任」をしっかりと果たさせることが重要です。 人権の問題は決して他人事ではなく、自らの問題であり、いじめや差別の存在する社会は決して生きやすい社会ではなく、人類の歴史は人権獲得の歴史そのものなのです。 しかしながら、わが国には同和問題や在日韓国朝鮮人に対する差別、障害のある人に対する差別、女性に対する差別など、人権にかかわる重大な問題が今もなお存在します。また、新たに生じている人権上の課題も少なくありません。 「差別」は、低位に位置づけられた被差別の立場の方々が、努力しても正当に評価されず、活躍の場が保障されないなど、社会の構造の中に低位に位置付けられ、「自由に生きる権利」や「人間らしく生きる権利」が奪われるという許し難い社会問題です。本校では、よりよい社会の実現をめざす志と、主体的に変革を図ることのできる確かな学力、そして逞しく生き抜く力を育んでまいりたいと考えています。 子どもたちの言動には、大人の人権意識が大きく反映します。東山開睛館が開校して1ヶ月、子どもたちは様々な背景や地域の垣根を越えて、頑張って学校生活を送っています。私たち大人は子どもたちに負けることなく、互いに心の垣根を越えて、これからの社会を担う子どもたちを応援していきたいものです。学校が進める人権教育をバックアップしていただき、これからも開睛教育に対する温かいご支援ご協力をよろしくお願いいたします。 |
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