最新更新日:2024/09/18 | |
本日:120
昨日:169 総数:1273455 |
3つの式を終えて
皆様ご存知の通り、本校は5年前に開校した小中一貫校です。中学校が2校と小学校が5校、一度に統合して小中一貫校となりました。と申しましても、当初は同じ敷地に7小中学校が一緒になっただけの「小中一緒校」だったのかもしれません。統合には混乱がついてきます。いくらスムーズに統合しようとしてもいくつもの課題があります。そのような草創期を経て、本校の骨格をいよいよ具体的な形にしようと致しましたのは3年目からです。統合を着実に終えた時期と重なります。
本校は「社会の規範に照らして指導していく学校」であり、これからの時代を切り拓き生き抜ける力を育むことを使命としていると心得、教育内容や方法を考えてまいりました。 「社会の規範に照らす」と申しましても、「社会で通用しないことは学校でも通用しない、だから切り捨てるのだ。」というのではありません。広島の府中で起きた高校の内申にまつわるお話を知り、私自身落胆いたしました。勿論、新聞をはじめとするマスメディアがすべて真実を伝えているとも思いませんし、学校のご事情も存じません。そのような中、私見を述べることは甚だ恐縮なのですが、あえて述べたいのです。 子どもは大人ではない。間違いを繰り返しながら成長するのです。その間違いをした時を好機として捉え、よき道へと導くことが大人の務めであり教育そのものです。間違いを烙印として背負わせるのは、子どもの発達段階や、起こした過ちの内容によっては間違った「責任」の取らせ方ではないでしょうか。子どもの心に響いてこそ教育なのです。ですから、社会の規範に照らすということは、社会に出たときに社会で通用する教育をするということに他なりません。さらに、社会の規範そのものを疑ってかかる鋭い感性や認識も育てなければなりません。これからの社会をある意味批判的に見ながら変革していく力も求められるからです。 このような考えのもと、学校は「公の場」であり、「私の場」ではないということを、子どもたちに理解させようとして参りました。今の社会は公私混同が甚だしいからです。学校という公の場に私を持ち込もうとすることは良く見られます。集団で生活をする以上、個は尊重されますが、集団の利益を害する行為行動は慎まなければならないのです。 もう一つ、「個」と「集団」という捉え方を徹底してまいりました。一人一人の子どもたちは顔かたちが異なるように、すべての子どもで発達特性が異なります。その一人一人の特性に応じた教育はとても重要です。効果的な教育を行うためには欠かせないことです。けれど、そのようにして育んだ個が形成する集団が、必ずしも好ましい集団になるとはかぎりません。ですから集団の中での個という意識を持たせながら、他と折り合いをつけながら共に高まりあえる集団にしなければならないのです。 「個」と「集団」のそれぞれを高めながら、自らの目標に向けて主体的、協働的なまなびをすることのできる子どもたち、言い換えれば主体性と社会性を身に付けて逞しく学び続ける子どもたちを育んでまいりたいと考えました。 3ステージの区切りで子供たちの成長を捉えた時に、そのキーワードを「夢」「志」「誇り」といたしました。学びは連続しています。今の自分は過去の学びの結果であり、なりたい自分への道のりは、これからの学びの道のりそのものです。その一本の学びの道のりを夢と志、そして誇りという言葉でつなぎながら9年間を見通させる。そのような学校をつくりたいと強く念じ、具体的な姿として今年の3つの式につながりました。 具体的な式のカタチについては、開睛イノベーションプロジェクトという教職員組織で検討しながら進めてまいりました。全ての教職員にも感謝の気持ちでいっぱいです。 今年の3つの式を無事終えることができましたのも、日頃から本校を支えていただいている保護者地域の皆様のお蔭と感謝いたしております。本当にありがとうございました。 東山開睛館 校長 初田幸隆 |
|