最新更新日:2024/05/30 | |
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小学校課程修了おめでとうございます
子どもたちに対するメッセージです。
式 辞 厳しい寒さを潜り抜け、春の訪れを待ちわびたかのように、小鳥はさえずり、背に受ける日の光に温かなぬくもりを感じるこの佳き日に、多数のご来賓並びに保護者の皆様方のご臨席を賜り、東山開睛館第二回小学校課程修了式が、このように盛大に開催できますこと、心よりお慶びと感謝を申し上げます。 ただ今、百十三名に小学校課程の修了証書を授与いたしました。六年生の皆さん、誠におめでとうございます。皆さんは本日をもって開睛小学校から開睛中学校へと進まれます。じ東山開睛館ではありますが、いよいよ中学生になられます。 今を去る六年前の四月、桜の花に彩られた小学校の門をくぐり二一七〇日。早いもので、もう六年経ちました。皆さんは五つの小学校からこの東山開睛館に来られ二年間を経て本日、めでたく本校の小学校課程の修了生となられたのです。 さて、私は皆さんと二年間をこの学び舎で共に過ごしてきました。特に印象に残っているのは昨年度の長期宿泊です。幼さが残る皆さんは、とても無邪気で、悪気は全くないのですがよく先生に叱られていましたね。 一年数カ月ぶりにスキー合宿にも一緒に行きました。随分と大人になった皆さんの姿を見て、とても嬉しく思いました。ここだけの話ですが夜中に私に叱られた人もいましたね。でも皆さんのすることには悪意が感じられない。こちらがいやな思いをすることがないのです。愛すべき子どもたちだねといつも学年の先生方とお話ししていましたよ。これはととても素晴らしいことだと思います。 けれど皆さんが注意しなくてはならないことは、反省が次の行動に生かされないというところにあります。どうか残りの三年間で自分たちを正しく律し、みんなで高まり合える学年にしていってください。 残り三年とは言いますが九年間の義務教育をフルマラソンの42.195キロに例えると、28.13キロの地点にいることになります。マラソンは30キロからが勝負と言います。義務教育もまさに七年からの三年間が勝負。全力でゴールテープを走り抜け、次のステージへとつなげてください。 今日は小学校課程の修了に際して二つの事柄をお願いしておきます。 一つ目は「何事にも全力で取り組む」ということです。 阪急電鉄の創業者小林一三の言葉に次のような言葉があります。 下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら誰もきみを下足番にしておかぬ。 この言葉を先取りされたのが豊臣秀吉でしょうか。織田信長の家来として当時の足軽からとりたてられ、冬の寒いときには信長の草履を懐に入れて温め、信長が出かけるときに草履をはくと温まっている。そのような如才なさが見求められてどんどん出世していったのです。 与えられたことに全力で取り組むことの大切さを教えています。精一杯取り組む人を大切にしない人はいないのです。 皆さんは自分の良さを活かしきって、まずは与えられたことに全力を傾けてください。必ず努力が報われ花開く時が来ます。 次に二つ目は「いつも感謝の気持ちを持って」ということです。 皆さんが今ここに生きているのは当たり前のことではなく、生きていることそのものが奇跡的だということです。皆さんはまずこの地球に生まれました。そして五百万種類もあるという生物の中のヒトとして生を受けました。そして生まれた国が日本であり、お父さんとお母さんの子として生まれたのです。 めでたく生まれても、世界中には十歳を迎える前に亡くなる子どもたちがたくさんいます。食べるものがなかったり、きれいな水さえ飲むことができず、病気にかかっても病院もない。そんな過酷な環境で生きている人達もたくさんいます。 偶然にも私たちは日本という豊かな国に生まれました。そして何不自由なく生活し、今日めでたく小学校課程を終えることができたのです。ですから今日、皆さんが「おめでとう」と祝福されるのは、今日の日をみんな元気に迎えられて「おめでとう」ということなのです。 今日という日を感謝の日にしてください。保護者の皆様には皆さんを慈しみ来る日も来る日も愛情を注いで育てていただきました。その保護者への感謝。そしていつも温かい眼差しでみなさんを励ましてくださっている地域の皆様への感謝。友達や先生方にも感謝の気持ちを持っていただきたい。これが私の願いであります。 いつも感謝の気持ちを持って何事にも全力で取り組んでいただきたいということを申し上げました。 さて、子どもたちの晴れ姿に感慨ひとしおの保護者の皆様、長くもあり短くもあった六年間の小学校課程を終えられ、今日を迎えられましたこと、誠におめでとうございます。東山開睛館の二年でお子たちは大きく大人に近づかれ、悩める思春期に確実にさしかかっています。この時期はよくハンドルのない自動車に例えられます。エンジンはよく動くのですがコントロールがじゅうぶんにできない。一見しっかりしているようで、強がりを言ったり、人の話を聞こうとしなかったりします。大きな事故を起こさないようにハンドルがつくまでの間、学校と家庭が手を結びあってがっちりとガードレールの役割をしていきたいと思います。ご家庭では一層、親子のコミュニケーション、心の絆を大切にされ、子どもたちを温かく支えてくださいますようお願いいたします。 結びになりましたが、ご来賓の皆様方には、公私ともご多用の中、多数ご臨席を賜わり、誠にありがとうございます。子どもたちが本日を迎えられますのも、皆様方がそれぞれの立場からご支援くださいました賜と、心より感謝申し上げます。今後も子どもたちを見守り、育てていただきますようよろしくお願い申し上げます。 それでは皆さん、これから三年間のご健闘を期待しています。頑張ってください。これをもって式辞といたします。 平成25年3月19日 東山開睛館 校長 初田幸隆 |
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