最新更新日:2024/09/27 | |
本日:14
昨日:200 総数:929323 |
第5回入学式 式辞『たとえ話すことができない人であっても、手を温かく握ることによって心を慰めることができる。音楽も同じで、年をとった人であれ、病人であれ、赤ちゃんであれ、まるで人の肌に直接触れるかのように彼らの人生に大きな影響を与えることができる。』 これは、ある演奏家の言葉ですが、今こそ、あらためて「音楽」の、そして文化芸術の持つ力や可能性を強く信じる時です。だからこそ、音楽の才能を与えられ、豊かな未来を託された若者には、しっかりと前を向き、本質をわきまえ、立ち向かう、強い志と姿勢が求められていると思います。 本日は、京都市立京都堀川音楽高等学校、第五回入学式を挙行するにあたり、御来賓として、京都市教育委員会学校指導課 沓谷指導主事様をはじめ、PTA音友会会長 石田様、ならびに役員の皆様、京都・堀音同窓会会長 藤本様、ならびに川辺副会長様、城巽自治連合会会長 宮崎様、堀音父母の会会長 後藤様、のご列席を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。 ただ今、平成26年度新入生として、40名の入学を許可いたしました。 新入生、第68期生の皆さん、入学おめでとう。皆さんは、京都府公立高等学校における新しい選抜制度がスタートした今年、見事難関を突破し、この晴れの日を迎えました。ここまで確固たる意志を貫き、たゆまぬ努力を重ねてきた、その成果が花開いたのだと思います。また、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。保護者の皆様におかれましても、ここまで並々ならぬご苦労、ご支援があったろうと拝察いたします。京都堀川音楽高等学校 教職員一同、そして在校生一同、新入生の皆さんのご入学を 心より歓迎いたします。 さて、本校は、1948年(昭和23年)に 、「堀川高校音楽課程」として創設され、以後、出雲路学舎、岡崎学舎、沓掛学舎と移転し、1997年(平成9年)、日本で唯一の公立の音楽高等学校として独立しました。そして今から4年前の平成22年4月に、ここ城巽の地に移転してまいりました。新校舎とともに校名も、「京都市立京都堀川音楽高等学校」と 改称、新たな一歩を踏み出し、今年3月には、第65期生40名が、それぞれの進路に向かって力強く巣立っていきました。 本校は、創設以来、音楽を専門とする公立の高等学校として、全国から高い評価を受けてきました。 そして、その60数年間の歴史の中で、国内のみならず、世界で活躍する音楽家を数多く輩出してきた、輝かしい、伝統のある音楽の名門校です。したがって、新入生の皆さんには 本日から、この京都堀川音楽高等学校の一員としての、誇りと自覚を持って生きてほしいと思います。 本校の教育目標は、「人権尊重の精神を基盤に、心豊かな人間を 育てるとともに、将来幅広く音楽専門家として活躍し、文化の発展に貢献する人材を育成すること」です。この大きな目標を達成するためには、まず、水準の高い、恵まれた環境と、熱意ある優秀な教授陣に囲まれた中で、思う存分、「音楽力」を身につけなければなりません。今、皆さんは、「音楽」という、楽しいけれどもけっして平坦でない厳しい道を敢えて志しました。どうか日々、精進してください。「精進」とは、文字通り、精を出せば必ず進歩するという意味だと思います。自分が多くの中から選ばれし精鋭であるという、自信と誇りを持って、何事にも積極的に取り組んでください。また同時に、自ら進んで教養を身につけ、視野を広げようとする姿勢を忘れてはなりません。その基礎基本となる「確かな学力」を培うことも、けっして怠ってはなりません。なぜなら、皆さんの大きな夢の実現は、その「音楽力」と「確かな学力」の両輪がそろってこそはじめて動き出すものだからです。高校時代は、そのためだけに与えられた、時間と空間を占有できる、貴重な日々の連続です。思う存分「学べる」という歓びをかみしめ、他者を慮りながら、自らを律し、たくましく、その貴重な日々を構築していき、 将来に繋がる大きな「人間力」 を培ってほしいと思います。 本校の校歌「海を遠く」の歌詞の中に、 『ゆらめき きらめくものを追いかけ手にすくおう』 『こころを合わせ そよげば 歌がひろがる』 『たたんだ翼をひろげ 恐れずにむかっていこう』 とあります。 音楽を通した学びの過程で、自らの個性を磨き、伸ばし、他者の思いに心をよせ、 自分に何ができるか思索してください。そして3年後には、与えられた環境の中から、思い切って翼をひろげ大きく飛び立ってほしい。そのために、この学び舎で、仲間とともに切磋琢磨し、時に悩み苦しみ、しかし常に楽しみ、有意義な3年間を送るのだという、ゆるぎない「覚悟」を 今日から持ちつづけてほしのです。 最後に、フランスの小説家アンドレ・ジッドの名言を引用します。 『改革すべきはたんに世界だけでなく、人間である。その新しい人間は、どこから現れるのか。それは外部からではけっしてない。友よ。それを君自身のうちに見い出すことを知れ。各人は驚くべき可能性を内蔵している。君の力と若さを信ぜよ。たえず言いつづけることを忘れるな。「自分しだいでどうにでもなるものだ」と。』 新入生、第68期生、40名にこの言葉をおくり、式辞といたします。 平成26年4月8日 京都市立京都堀川音楽高等学校 校 長 山 脇 護 山脇校長書 4月
生徒諸君に贈る
|
|