最新更新日:2014/10/08 | |
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受け継がせたいもの 6月
東日本大震災から、3ヶ月近くが経とうとしています。
今もなお、厳しい生活を強いられている被災地の方々。多くの学校が生活の拠点となっています。春には、避難所で生活する方々に見守られながら、卒業式、入学式を挙行している姿もニュースで流れました。 学校という存在は、いかなる状況においても、その地域の拠り所なのだと感じさせられました。 今月は被災地で見つけた、いい話を紹介します。 ☆ボランティアの方より 残された写真を集めて、展示している会場があります。そこへ、小学校3,4年生位の女の子が訪ねてきました。 「お父さんもお母さんもいなくなったから、写真でもと思って探しに来たの。」 帰りがけに、ボランティアのぼくに、「がんばってね。」と声をかけてくれました。 「がんばってね。」と言わなければならないのはぼくなのに。 ☆地震直後のスーパーマーケットで 床に落ちた品物を、お客さんが拾って陳列棚にもどした。 そして、必要最小限の品物を持って、みんなレジに並び、きちんとお金を払って出て行った。 ☆地震直後のディズニーランドで ディズニーランドでは、ショップのお菓子が、お客さんに配分された。女子高校生たちが多めにもらっていたので、「何だ!」と思ったが、子どもたちや小さなこども連れに分けていた。子連れの人たちは、動きにくかったので、とても助かった。 ☆家が地震で傾き、修理費に200万円かかると言われた。父は、 「何ということはないさ。家も命もこうしてあるんだから、いくらでもやり直せるさ。」 この父の子でよかった。 外国のメディアも、「日本人は、なぜこんなに冷静に行動できるのか」と相次いで報じています。 日本人の心にある、高い道徳性、規範意識、他者を思いやる心を誇りに思います。 子どもたちにも受け継がせていきたいと思います。 できることを全力で
5月 月輪だより
福島県福島市に、同じ名前の「月輪小学校」があります。偶然のことから、そのことをお互いに知り、昨年度の6年生は、学校を紹介しあうという交流をしてきました。 3月11日に、福島の月輪小学校も強いゆれに襲われました。震度5だということですが、ゆれている最中は死を覚悟したそうです。5分間ものゆれは、とてつもなく長く感じたそうです。ようやく運動場に避難したとき、女の子の多くは泣きじゃくっていたそうです。幸い全員無事で、校舎も大きな損傷はなかったのですが、今度は原子力発電所の問題が起こりました。その影響で、卒業式も延期になり、新学期は違う学校に間借りし、かなり遅れて始めたそうです。 本校からは、保護者の協力もあり、鉛筆を送らせていただきました。 当たり前のように学校が始まり、当たり前のように勉強ができる。このことがこんなにも幸せだとは思いませんでした。 今、われわれにできることは、できることを全力ですることです。子どもたちは勉強を全力で、運動を全力で、仲間とともに活動することを全力で。そのことが、被災地の皆さんを安心させることになるのではと思います。そして、もっともっと素晴らしい日本をつくっていきたいものです。 明治、大正、昭和をたくましく、立派に生き抜いた一人の女性がいます。中村久子さんといいます。久子さんは2歳のとき、とても大きな病気にかかり、何度も何度も手術をして、両手両足のほとんどを失いました。久子さんはあるとき、自分の心境を詩にしました。 ある ある ある さわやかな秋の朝 「タオルとってちょうだい。」 「おーい。」と答える夫がある 「ハーイ。」という娘がいる 顔を洗う 短いけれど 指のない 丸い 強い手が 何でもしてくれる やわらかい腕もある 何でもしてくれる 短い手もある ある ある ある みんなある さわやかな秋の朝 久子さんは、炊事、洗濯、裁縫、身の周りのことなどは全てしてきました。 「ない ない ない」ではなく、「ある ある ある」の久子さんの言葉は、ついないものばかり探して不平不満を言う、私たちへの警鐘です。 物の豊かさや便利さの中で、自分を見失わず、あるものへの感謝の気持ちを忘れず、そしていつも「自分はどうするべきか」を自分で考え、行動していくことが、これからはとても大切だと思います。 |
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