最新更新日:2024/06/21 | |
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憲法週間に寄せて
今日から5月。ピンク色のつつじの花がきれいに咲き、さわやかな新緑の風が吹く季節となりました。新学期がスタートし約1か月、新しい学年や学級にもようやく慣れてきた頃かと思います。特に1年生のみなさんにとっては入学から戸惑うことも多かったと思いますが、仲間と共にがんばっている姿がたくさんあって、とても感心しています。そしてそんな後輩たちを大切にしようという2・3年の先輩たちの温かい思い。とても頼もしく感じます。
3年生は進路に向かう新たな1年です。2年生は学校の中核となり、そしてもうすぐ職場体験もあります。ともに新たな目標に向かって学校生活を過ごすことができており、これからがとても楽しみです。 先日、朝正門に立っていると地域の人から声をかけられました。「東中学校の生徒のみんなはよく挨拶してくれるね。正門にも花がきれいに咲いて、立派な看板(タペストリー)もあって。いい学校ですね。」とおっしゃってくれました。とてもうれしかったです。普段みんなが当たり前に大切にしている挨拶や時間。それが今、習慣となって東中学校に根付いているのだと思います。そう思うと、やっぱりうれしかったです。 では憲法についてのお話しをします。5月3日は憲法記念日です。憲法の正式名称は「日本国憲法」。前文と全103条の条文から構成されています。日本国憲法が施行されたのは1947年5月3日で今年は77年目をむかえます。憲法は国の”かたち”を定めるもので、国内の法律や決まりごとは全て日本国憲法に従っています。 そして、国民に保障された権利を定めるのも憲法です。3つの原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)があり、現在の日本の基礎となっています。 皆さんもこれまでに学んで知っていると思いますが、この憲法は『平和憲法』といって、過去の戦争の反省から二度とそのような過ちを犯すまいと作成された憲法です。その精神を守り、現在も戦争のない平和な世界を築くために日本は頑張ろうとしています。しかし、残念なことに一歩世界に目を向けるとウクライナへの軍事侵攻、イランとイスラエルの対立など様々な争い、戦争が起こっています。戦争は人類最大の人権侵害です。そんな中、世界中で唯一の核被爆国の日本が世界に平和の尊さをどう発信していけるのかがこれからの課題だと思います。私たちも、そのことを忘れず、絶えず平和を願う気持ちを持ち続け、表す必要があると思います。大切なのは憎しみではなく、思いやりの気持ちです。 また、身近なところに目を向けると、私たちの周りにはいじめやSNSを利用した人への攻撃など、多くの人権侵害が見受けられます。なぜこのようなことが起こるのでしょう。大切なことは、自分と違った考えや価値観をどう受け止めるかだと思います。人はみな違って当たり前です。自分の物差しで判断し相手のことを否定するのではなく、まずは相手の考えを聞くことだと思います。そして、自分の思いを伝えること。その中で分かり合える部分を見つけることだと思います。 みんなにはそんな人になってほしいと思います。でもまだみんなは中学生。たくさん失敗もするでしょう。だからこそこの中学校時代にたくさんのことを経験し、多くのことを学んでください。そして争いの無い平和な未来を築いてください。 令和6年5月1日 京都市立向島東中学校 校長 山口 達也 |
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