京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/21
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学園教育目標 「自らを高め 共に生き 希望を抱いて未来を拓く」

風を凌いで 6月8日

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 学校が再開して一週間が過ぎました。先週は時間差による学年別登校, そして分散登校による隔日(一日おき)登校と, 少しずつ学校生活に心と体を戻していく準備期間でした。今週からは, 給食も始まり, いよいよ新しい生活様式を意識しながらの学校生活が始まります。
 さて, 先週登校してくる皆さんを迎えながら気付いたことがあります。
それは, 「おはようございます」のあいさつに会釈を返してくれる学園生が多いことです。これまでは, 大きな声であいさつを返してくれた人も, マスク着用, 大きな声を出すことを控えるという注意を守ってくれています。だからこそ, 「相手の目を見てきちんとあいさつを返す」会釈という新しいあいさつを実践してくれているのだと感じました。以前はあいさつに対して, 応えることが恥ずかしいのか, 伏し目がちに通り過ぎる人もいましたが, 今は多くの学園生がしっかり会釈をしてくれています。なんとうれしいことでしょうか。
 この朝のあいさつでの出来事は, 「心」や「思い」を一つの行為の中に込めて, 相手に伝える方法を多くの学園生が獲得した証と言っても過言ではありません。このことに限らず, 新型コロナウイルス感染予防対策をふまえた「新しい生活様式」の中に, 皆さんの礼儀正しい心の姿勢や, 相手を思うやさしさが込められた具体的な行動を見つけていきたいと思います。
 「心が美しく生きる」凌風学園をみんなでつくっていきましょう。
 最後に「心」や「思い」を行動に表すことの大切さが感じられる詩を紹介します。

 『行為の意味』 宮沢 章二

あなたの心はどんな形ですかと
人に聞かれても答えようがない
自分にも 他人にも心は見えない
けれどほんとうに見えないのであろうか

確かに「こころ」はだれにも見えない
けれど〈こころづかい〉は見えるのだ
それは 人に対する積極的な行為だから

同じように胸の中の〈思い〉は見えない
けれど〈思いやり〉はだれにでも見える
それも人に対する積極的な行為なのだから

あたたかい心が あたたかい行為になり
やさしい思いが やさしい行為になるとき
〈こころ〉も〈思い〉も 初めて美しく生きる
――それは 人が人として生きることだ


風を凌いで 6月1日 学校再開にあたって

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学園生の皆さんへ

 まずは,3月を含めて,この4・5月のおよそ三か月,よくぞ我慢しました。よくぞ自粛しました。よくぞ健康で過ごしました。今日,皆さんが登校し,皆さんの顔を見られたことを心からうれしく思います。
 この先どうなるのだろうかという不安もあったでしょう。時に生活リズムが乱れることもあったでしょう。それでも淡々と家での日々を過ごし, 目の前のやるべきことを大切に過ごしてきました。そして,この三か月の経験で「新しい生活様式」を知らず知らずのうちに身に付けることができたと思います。
 今回の新型コロナウィルス感染拡大という事態で, 全世界中の人々が,今まで経験したことのない生活を余儀なくされました。21世紀のこの時代において,人がなすすべを持たず右往左往する事態になると誰が想像したでしょう。「予測不可能な社会」を実感すると同時に,人間の「弱み」を痛感せずにはいられませんでした。
 しかし,先日,あるテレビ番組の中で, 長く「ゴリラの研究」や「進化」について研究を重ねてこられた京都大学の山極壽一先生が,
「進化とは『弱み』を乗り越えていく『強み』をもつことだ。」
と語っておられました。つまり,私たち人間の「弱み」に気付いたことが,これからを生きていく人間の「強み」になるというのです。
 休校期間中,マスクをつけることや手洗い・うがいをすること,健康管理をすること,人とのソーシャルディスタンスを保つことなど,日々積み重ねてきた行動と実行は, 繰り返した分, たしかに,コロナウイルスから自分や周囲の人を守るための私たち自身の力(技術)になっています。さらに,それらは,「 嫌だなあ, 不安だなあ, 寂しいなあ…」という気分を持ちながらも, 自分と周囲の人を守るために「やりぬくという力」にもつながっています。つまり,少々のことには耐えられる,そんな心の強さを得られたということです。まさに学園生のみなさんが「風を凌いで」困難を乗り越えてゆく力を得られたということです。
 今日から学校再開となりましたが,これからもまだまだ制約の多い生活が続きます。1日も早く,安心してみんなで一緒に勉強や運動ができるように,安心してみんなで一緒に大声で歌えるように,安心してみんなで一緒に楽しく給食が食べられるように,そして,「また,明日」といえるあたりまえの日常が再び途切れてしまうことのないように,「何のために, 誰のために」を常に心がけて生活していきましょう。
 「風を一つに 〜絆で高め合い 燃え上がる凌風へ〜」
これは,今年の凌風学園児童生徒会のスローガンです。まずは,みなさん一人一人が自分のできることをきちんと行うこと,そして,お互いに相手のこと,まわりのことを気遣うことを心がけていきましょう。
 2ヵ月遅れとなりましたが,「心一つに」,みんなで改めて,令和2年度の新たな一歩を踏み出しましょう。

保護者・地域の皆様へ

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のための長きに渡る臨時休業期間,各ご家庭や地域の皆様には,多大なるご協力をいただき本当にありがとうございました。
 本日,学校再開初日は,各学年の時差登校による,オリエンテーションを行いましたが,皆様方のおかげで無事に終えることができました。
 明日から6月12日(金)までは長きにわたる臨時休業期間をふまえた「ウオーミングアップ期間」となります。なお,6月11日(木)までは各クラスを2つに分けての,分散による隔日登校であるため集団登校ができません。また,給食も6月8日(月)からの実施となります。つきましては,再開後も引き続き,登下校の見守りや日々の生活において,多々ご協力をいただかなければなりませんが,何卒,よろしくお願い申し上げます。6月から,学園生のこぼれるような笑顔がたくさん見られるように,教職員一同,精一杯取り組んでまいりますので,よろしくお願いいたします。
 保護者・地域の皆様におかれましては,今後も凌風学園の教育に,ご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。
 

6月1日の学校再開へ向けて

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【学園生の皆さんへ】

 学園生の皆さん,元気に過ごしていますか。
いよいよ来週6月1日(月)から学校再開となります。
 心と身体の準備はOKですか。
 まずは,長いトンネルを抜け,「また,明日」というあたりまえの日常が訪れることを素直に喜び,その喜びをこれからの新たな生活へ向けてのエネルギーにしてほしいと思います。
 「風を一つに〜絆で高め合い 燃え上がる凌風へ〜」
これは今年度の凌風学園児童生徒会のスローガンです。新型コロナウイルスが本当の意味で終息するまで,まだまだ予断を許さない状況ですが,感染縮小を願い,「新しい生活様式」にもとづいて,学校再開後もみなさん一人一人が自分のできることをしっかりと実行していきましょう。そして,お互いに相手のこと,周りのことを気遣うことを心がけていきましょう。この難局を乗り越えていくためには,みんなの力を合わせることが必要です。「心を一つ」にして,改めて,令和2年度の凌風学園をスタートしましょう。

 6月1日(月)は学年別の分散登校です。
 登校時間を再度確認して,間違えないように登校してください。

■ 1・4・6年    登校時間  8:10〜 8:20
■ 2・5・9年    登校時間  9:30〜 9:40
■ 3・7・8年,5組 登校時間 10:50〜11:00

 登校の際は以下の3点を忘れないでください。
 □ 健康観察表の持参 □ マスクの着用 □ ハンカチやタオルの持参 

【保護者の皆様へのお願い】

●毎朝(登校前)のお子様の検温と風邪症状(発熱・のどの痛み・せき等)がないか確認の上,登校時には「健康観察票」を持参させてください。
・風邪症状がある場合や体調のすぐれない場合は登校を控えてください。
・当面の間,ご家庭の意向でお子様の登校を控えられる場合も「欠席扱いとはいたしません」ので,学園へ連絡をお願いします。

●学園からの緊急連絡が確実に行えるようにご協力ください。
・登校後,お子様に発熱や風邪症状が認められた場合,下校措置をとります。

●ご家庭において,次のような状況が起こった場合は,速やかに学園へ連絡してください。
・お子様が,検査などにより新型コロナウイルス感染症と診断された。
・お子様に感染の疑い(疑似症)があり,検査を受けるよう医師等から言われた。
・ご家族などが感染され,お子様や同居されているご家族が濃厚接触者として検査や経過観察が必要であると医師等から言われた。

●6月2日(火)〜11日(木)は隔日登校です。お子様の登校日を再度ご確認ください。(ホームページ右側にある配布文書「6月1日(月)からの学校再開に向けての今後の予定」をご覧ください。)
 
 また,お子様が登校しない家庭学習の日は,以下の見守り・ご指導をお願いします。
・不要不急の外出を控えること。(「3つの密」が重なる場所へは行かない。)
・感染予防としての手洗い・咳エチケットの徹底。
・免疫力を高めるための規則正しい生活,バランスのよい食事,適度な運動を心がけること。

●感染症に関わる「いじめや誹謗中傷など」,SNSへの書き込みやデマ情報の拡散などの行為が社会問題化しています。そのようなことがないよう,正しい知識とそれにもとづいた差別や偏見が生じないための学習や指導を学園でも行いますが,ご家庭でもご指導の程お願いします。

 長期間に及ぶ臨時休業を踏まえ,6月1日(月)〜12日(金)までを「慣らし期間」とし,子どもたちが学園生活に順応できるよう,段階的に教育活動を再開してまいります。
 上記期間中は,学年ごとの時間差登校や分散による隔日登校のため,保護者の皆様には引き続き,いろいろな面で,ご家庭でのご協力をいただくこととなりますが,何卒,よろしくお願い申し上げます。

 登校に関して,ご不明な点がございましたら,学園までご連絡ください。
 凌風学園:TEL 075−693−8222 
 電話対応時間:平日の午前8時〜午後6時30分

風を凌いで 5月25日

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 5月も残すところ1週間となりました。学園生のみなさん,元気に過ごしていますか。
 先週5月21日に,京都府の緊急事態宣言が解除され,京都市の小中学校もようやく6月1日から再開することとなりました。最初の2週間は学校生活になれるための期間として,分散登校などを行い,6月15日から通常の学校活動に戻すこととなります。
 先週から,クラスごとによる希望制の学習相談日がはじまり,今週も2回目の学習相談日が設定されています。,5月最後の1週間は,生活リズムを整えたり,学習課題に取り組んだりしながら,学校再開へ向けての準備期間として,自分の1日をしっかりマネジメントしてほしいと思います。もちろん,学校再開後も,元通りの学校生活に戻るのではなく,コロナウイルス感染防止対策のために,学校生活のいろいろな場面で活動の制約があったり,きまりを守ったりして過ごさなければならない日々が続くことになります。
 「また,明日」と言える「あたりまえの毎日」が,1日も早くあたりまえに迎えられるように,「あせらず」「あまえず」「あきらめず」これからの毎日を大切に過ごしていきましょう。これまで誰も経験したことのない時間の中で,学園生の皆さんが頑張ったことが,それぞれの力となって,花が咲き,実がなることを願っています。
 最後に,これから学園生のみなさんが頑張っていく中で,少し疲れた時に思い出すと,「もう少し頑張ってみよう」と自分を勇気づけてくれるお話を紹介します。

「お庭のプチトマト」

 昨年の夏、久美子さんのお母さんはプチトマトの苗を買ってきて庭に植えました。どれもすくすく育っていたのですが、お母さんはうっかり、その1本を踏んでしまいました。あわてて様子を見て回りました。すると、完全には折れているわけではありませんでした。
 そこでお母さんは、セロテープを使って、もう一度、茎を元に戻そうとしました。久美子さんは
「そんなもので元に戻せるはずがないよ。かれてしまうんじゃない。」
お母さんは「かわいそうじゃない。割り箸を添え木にすれば大丈夫。お母さんの友だちも花が折れたとき、セロハンテープでつなげるのよ。」と言いました。
 久美子さんと久美子さんのお母さんは、毎日のようにそのプチトマトの茎の様子を見ていました。驚いたことにそのプチトマトは枯れませんでした。茎は細く、弱々しい感じでしたが、しかりつながっていました。
 さらに久美子さんたちの願いが通じたのでしょうか。他のプチトマトと同じように実をつけたのです。しかし、他のものに比べてとても小さいものでした。
 ある日、そのプチトマトが食卓にのぼりました。明らかに他のプチトマトに比べて見劣りがしたので、すぐに「例のプチトマトだ」とわかりました。見た目もあまりおいしくなさそうだったので、家族のだれも手をつけようとしませんでした。
 その時、お母さんがその中の一つに手を伸ばしました。
「甘い!」
とお母さんは声をあげました。久美子さんはその言葉に半信半疑でしたが、「ものは試し」と思って一つ食べて見ました。
「おいしい!」
予想外のおいしさにびっくりしてしまいました。
 とても小さいのですが、普通のプチトマトの何倍も甘かったのです。しかもとても皮がやわらかかったのです。
 どうして、このプチトマトが一番おいしかったのでしょうか。とても不思議に思いました。
 後日、あるテレビ番組でトマトを栽培している農家の人がお話をされていました。おいしくて甘いトマトをつくるためには、いくつかの条件があるそうです。それは
「水をあまりやらない」
「肥料もあまりやらない」
「あまり栄養分がない土を使う」
などということでした。わざときびしい環境で育ったトマトは、必死で栄養をとろうとしておいしくなるのだそうです。栄養分はたくさんやった方がよいと思っていた久美子さんは大変驚きました。
 あの茎の折れたトマト。あのトマトはよくない環境の中で必死に生きて、おいしいトマトに成長したのです。久美子さんは生命のすごさを感じました。

 風を凌いで 顔晴れ(がんばれ) 凌風学園生!
                        

風を凌いで 5月18日

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 学園生のみなさん、元気にしていますか。5月も半ばを過ぎました。全国的には緊急事態宣言が解除された地域もありますが、感染拡大防止を意識した生活を続けなくてはいけないことに変わりはありません。引き続き、健康管理に気をつけて、規則正しい毎日を過ごしてください。 
 さて、先日、あるスポーツ書を読んでいた折りに、自分の技術を高めていくのに大切なこと、肝に銘じておかなければならないのは、「最初の一歩」と「最後の一歩」だという言葉がありました。 
「最初の一歩」とは
困難にぶつかった時、もう駄目だと思わず、始めた時の気持ちに立ち返って挑戦し直すこと。予期しない困難にあった時、スタートした時の気持ち、初心に返って克服すること。 
「最後の一歩」とは
とことんやること。100%ベストを尽くした人間と99%の努力をした人間の1%の差は他人が見たのではわからない。しかし、自分自身はごまかせない。1%のさぼりは自分自身が一番よく知っている。この1%が最後の最後に響いてくる。ベストを尽くしたという言葉は人に言うのではなく、自分に対して言う言葉である。それがあれば自分に自信ができる。 

 このことは勉強にも運動にもそっくりそのまま当てはまるのではないでしょうか。目標を立て、やるべきこともはっきりしている。あとはそれをいかにやり続けられるか。でも、このやり続けるということが、私たちにとって一番難しいというのは日々自分自身で実感するところですね。 
 調子が良いときは誰だってがんばれる。しかし、自分の気持ちがのらない時、少し体が疲れた時、ひとりになったとき、そんなときにどれだけふんばって例外をつくらずやりきれるか。その積み重ねが大事ですね。最後はどれだけ自分で精一杯しんどいことをやってきたかが土壇場にきたときの大きな自信になります。やはり大切なのは「初心忘るべからず」「継続は力なり」ですね。 
 今日は、新しい課題が配布される日です。「自分の1日をマネジメント」し「あせらず」「あまえず」「あきらめず」計画的に取り組みましょう。 
最後に、自分の気持ちに負けてしまいそうになったときに、思い出してほしい詩を紹介します。 

「もう一息」 武者小路 実篤(むしゃのこうじ さねあつ)

もう一息 もう一息というところで
くたばってはならない
何事にもならない

もう一息 それにうちかって もう一息
それにうちかって もう一息

もう一息 もうだめだ
それをもう一息 勝利はたいへんだ
だが もう一息

風を凌いで 5月11日

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 新型コロナウイルス感染拡大防止のために,5月31日まで休校期間が延長されました。それに伴い,先週末に新たな家庭学習の課題等を配布しました。学園生の皆さんには,もうしばらくチャイムがない生活が続きますが,学校再開時にスムーズに学校生活がスタートできるように,これからの3週間はこれまで以上に,毎日を計画的に過ごしてもらいたいと思います。そのためには自分自身で「自分の1日」を作ることが必要です。そこで,延長された休校期間を有意義に過ごすために大切なことを3つ示します。
1 これからの休校期間で,レベルアップするための自分の目標を決める。
2 自分の目標を達成するために何をするかを決めて毎日の計画を立てる。
3 自分が立てた計画にしたがって実行する。
これら3つのことを「マネジメント」といいます。
 1についてはこれまでの休校期間の自分を振り返り,学習や生活面で「がんばれたこと」と「これからがんばること」を整理して,自分を高めるための目標を立てましょう。
 2については,目標に近づくために見通しをもって,「何を」「いつまでに」「どれくらい」がんばるか,具体的に自分で毎日の計画を立てましょう。
 3については自分がやると決めたことを,毎日きちんとやりきることです。これが一番大変なことです。「昨日やったから」とか「昨日できたから」と「今日やらない理由」を探しては,ついつい自分に甘えて楽な方を選んでしまうことがないでしょうか。目標を達成するための最短の道は,「努力を積み重ねる」ことしかありません。
 今日(5月11日)を含めて,5月31日までの期間,1日1つのことを実行するだけでも21個の積み重ねができます。それは間違いなく,自分の力と自信になります。そして目標が達成されたとき,そこにいるのはレベルアップした自分であり,そこで生まれるのは,さらなるレベルアップのための新たな目標です。延長された休校期間を前向きにとらえ,毎日の自分の生活をマネジメントし,「自分自身で作る1日」と「努力」を積み重ねていきましょう。
 そして,努力を積み重ねていく中で,少ししんどくなったら,これから紹介する「努力のつぼ」のお話を思い出してください。

努力のつぼ   (小学生の作文より)

「お母さん,どりょくのつぼのはなし,またして。」
「ウンいいよ。こんどはなあに。」
「さかあがり」
「あらあら,まだいっぱいになっていなかったのね。ずいぶん大きいわねえ。」
と,いいながら,お母さんはいすをひいて,わたしのまえにすわりました。そして,もう何回もしてくれた,どりょくのつぼのはなしをまたゆっくりとはじめました。それはこんなはなしです。
 人がなにかはじめようとか,いままでできなかったことをやろうと思ったとき,かみさまからどりょくのつぼをもらいます。そのつぼは,いろいろなおおきさがあって,人によって,ときにはおおきいのやらちいさいのやらいろいろあります。そして,そのつぼは,そのひとの目にはみえないのです。でも,その人がつぼの中にいっしょうけんめい「どりょく」をいれていくと,それがすこしずつたまって,いつか「どりょく」があふれるとき,つぼのおおきさがわかるというのです。だから,やすまずにつぼのなかに,「どりょく」をいれていけば,いつかかならずできるときがくるのです。
 わたしはこのはなしがだいすきです。ようちえんのとき,はじめておかあさんからききました。そのときは,よこばしごのれんしゅうをしているときでした。それからもいちりんしゃや,てつぼうのまえまわり,とびばこ,たけうま,なんでもがんばってやっているとき,おかあさんにたのんで,このはなしをしてもらいます。くじけそうになったときでも,このはなしをきいていると,こころのなかにおおきなつぼがみえてくるようなきがします。そして,わたしの「どりょく」がもうすこしであふれそうにみえるのです。だから,またがんばるきもちになれます。
 おかあさんのいうとおり,こんどのさかあがりのつぼは,ずいぶんおおきいみたいです。さかあがりをはじめてから,もうにかいもこのはなしをしてもらいました。でも,こんどこそ,あとすこしで,あふれそうなきがします。だから,あしたからまたがんばろうとおもいます。
 おかあさんは,
「つぼがおおきいと,とてもたいへんだけど,なかみがいっぱいあるから,あなたのためになるのよ。」
といってくれるけど,こんどかみさまにもらうときは,もうすこしちいさいつぼがいいなあとおもいます。

 努力はすぐに結果として表れることもあれば,時間がかかることもあります。けれども,努力が無駄になることは決してありません。自分が決めた目標に近づくための「つぼ」に蓄えられていくからです。
 休校期間中の学園生のみなさん,自分の目標に向かって「努力」を続けてください。一人一人の「つぼ」から「努力」があふれる時を楽しみにしています。  
  

風を凌いで 5月7日

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 新型コロナウイルス感染拡大防止のために、全国的に「ステイホーム」で過ごすことになったゴールデンウイークが終わりました。学園生の皆さん、元気にしていますか。5月4日に政府から緊急事態宣言の期間の延長が発表され、それを受けて京都府も感染拡大防止をふまえた生活が5月末まで継続されることになりました。
 「また明日」といえる日常がなくなってしまってから、2ヶ月あまりの日々が過ぎました。学校での勉強ができていない不安、友だちと過ごす時間が失われた悲しみやさびしさ、自宅で過ごす時間の長さによるストレス、これから先どうなっていくのかという心配や動揺、そんな気持ちが皆さんの心の中に渦巻いていることだと思います。けれども、とにかく今は耐えるしかありません。5月の学園だより(5月8日配布予定)にも書きましたが、あたりまえの生活がどれほど尊く大切なものであるかを身にしみて感じる今だからこそ、何としても自分が今何をすべきかをしっかり考えて実践していくしかないのです。
 感染拡大防止のために、様々な制約が多い生活の中で、自分の気持ちに余裕がなくなっているせいか、世間では残念ながら、人々の命を守るために自らの命の危険と隣り合わせの中で働いておられる医療従事者の方々に対して差別や心ない言動が向けられているニュースが報じられています。「私」が一番大切にしたいのは「私自身」です。それは誰しも皆同じ思いです。だからこそ、「私」を大切にするのと同じように「私」の周りにいる人を大切にしなければなりません。世界中で猛威をふるうこの病気の一日も早い終息を願うとともに、あたりまえの日常がどれほど幸せなことかを痛いほど感じているこの2ヶ月あまりの経験から、学園生の皆さんには一日一日を本当に大切にできる人になってほしいし、また、先生達もそうありたいと強く思っています。
 学校生活の再開が待ち遠しいですが、再開当初もしばらくの間は、今までと全て同じようにはできないことが多くあるでしょう。緊急事態宣言の期間の延長と同時に、政府から「新しい生活様式」の提言がありました。これからの私たちに必要なのは発想の転換と二つの「ソウゾウ」する力(想像力・創造力)です。一つ目は、これまでに経験したことをもとに、目の前に見えていないことを思い浮かべ、見えないものをイメージする「想像力」です。この力は、相手との関わり、そして社会全体によい流れをつくりだすために積極的に未来を考えていこうとする力です。二つ目は、新たなものを創り出すという「創造力」です。様々な人と出会い、思いや考えを交流し、新たな価値観を自分に取り入れることや、様々な取組を通して、共有する時間を持つこと、また本を読むことで豊かな感受性を養うこと、そういったことが、自分の見方や考え方を拡げ、枠にとらわれない新たなものを創り出す力となっていくのです。
 折しも、GW中に平成から江戸末期にタイムスリップした医師が病やけがに立ち向かう10年ほど前のドラマが再放送されていました。今の状況と重なり、色々考えさせられる内容でした。そのドラマの中で、何度も窮地の局面に立たされた主人公から、自分自身や周囲の人達を奮い立たせるために、繰り返し発せられる言葉がありました。それは「神は乗り越えられる試練しか与えない」です。あたりまえの日常が戻るまで、厳しくつらい状況はもうしばらく続きそうですが、「あせらず、あまえず、あきらめず」今できることに精いっぱい取り組んで、この難局を乗り切っていきましょう。
 凌風学園の「凌風」には「風を凌ぐ」、つまり困難(風)を乗り越え進む、時には我慢し、耐えるという意味が込められています。学園生の皆さんには校名の「凌風」にふさわしく、「風を凌いで」この困難に立ち向かい、もうしばらく我慢の日々を積み重ねてほしいと思います。そしてこの経験をぜひ、これからの未来に活かせる人になってほしいと思います。そんな願いを込めて一編の詩を紹介します。

世の中のために  吉野 源三郎
だれもが 力いっぱいに
のびのびと生きてゆける世の中
だれもかれも「生まれてきてよかった」
と思えるような世の中
自分を大切にすることが
同時にひとを大切にすることになる世の中
そういう世の中を来させる仕事が
きみたちのゆくてに待っている
大きな仕事
生きがいのある仕事

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配布文書

凌風小中学校 いじめ防止基本方針

学園だより

京都市小学校運動部活動等ガイドライン

京都市立凌風小中学校
〒601-8047
京都市南区東九条下殿田町56
TEL:075-693-8222
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