京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/14
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学園教育目標 「自らを高め 共に生き 希望を抱いて未来を拓く」

風を凌いで 9月1日

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 「命の底力を伝える」 この言葉は,鎌田實(かまた みのる)先生が「奇跡 命のメッセージ」という著書の中で述べられている言葉です。鎌田先生は,医師として原子力発電所の爆発事故が起こったロシア,チェルノブイリ近郊で多発した甲状腺がんの治療に尽力されました。また,イランなどの紛争地で傷ついた多くの人々を助けるために,医療に携わってこられました。その鎌田先生が2011年に起きた東日本大震災で様々な活動をされ,そこで見たことや感じたことを「奇跡 命のメッセージ」という一冊の本にまとめられたのです。

 一番大切なもの,一番大切な人,かけがえのないもの・・・・それらが一瞬にして奪われ,失われた地震,津波,そして今もなお残る放射能被害。
 生きのびた人々は,そんな現実の中で今も生き続けています。

 2011年の東日本大震災のあと,私たちの考え方や生き方は大きく変わったと言われます。何がどう変わったのか。それは,当たり前の毎日が当たり前ではないことを知ったこと。人と人をつなぐ絆の大切さに気づいたこと。一人一人自らが何か行動を起こすことが誰かのためになると多くの人が感じ,動き始めたこと。

 古来,大きな試練の日々が訪れるたび,人はそれを乗り越えるための力を身につけてきました。人が力をつけるということは,集団や社会が優しく,しなやかに,そして強くなることです。

 再び訪れた大きな試練,新型コロナウイルスとの闘いの日々。目に見えないものが身近にあるということへの不安感。だれもが互いに猜疑心をもってしまい,その心の弱さが,「新型コロナウイルス感染症に関する差別や偏見」を生み出しています。

 「新型コロナウイルス感染症に関する差別や偏見」とは・・・・,感染者の多い都会から来た人に心ない言葉を投げかけること。感染者やその濃厚接触者とされる人を避け,非難すること。さらには感染拡大の防止に向けて懸命に働いておられる医療従事者やその家族にまで向けられる数々の言葉の暴力・・・・。悲しいことです。つらいことです。誰もが不安をもっています。しかし,その中で自分にできることは何かを一生懸命考え,行動している人はたくさんいます。なのに,なぜか起こってしまう差別や偏見。

 8月25日に文部科学大臣から「新型コロナウイルス感染症に関する差別,偏見の防止に向けて」というメッセージが出されました。その内容は,「正しく恐れる」ことの大切さを伝えるものでした。

 さて,みなさん,「てまきずし」は実行できていますか。これは,自分を守り,相手を守るための「感染しない生活」と「感染させない行動」を常に意識するための合言葉です。決して疑いをもって人を見たり,避けたり,排除することではありません。なぜなら,他人事ではないからです。新型コロナウイルス感染は「誰にでも起こりうる」のです。もし感染しても,きちんと治してくださる医療従事者の方がおられます。
 だからこそ,何よりも大切なのは,「自分を思い,大切にするように,他の人を大切に思い,大切にする」ということなのです。

 私たちに心のソーシャルディスタンスは必要ありません。相手を思いやる気持ちや相手の心に寄り添う気持ちに距離をおく必要はないのです。私たちが一番予防しなければならないのは,心が差別や偏見に感染することです。
 私も,あなたも,自分自身が一番大切なのです。そのことを強く意識することが差別や偏見に感染することから私たち自身を守る方法ではないでしょうか。

風を凌いで 8月24日

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 本日1限に放送による2学期の始業式を行いました。以下,始業式のお話です。

 23日間の夏休みが終わりました。まず,大きな事故やケガの報告もなく,みなさんが元気に登校できたことをとてもうれしく思います。今年の夏休みは, コロナ感染の不安と,気温35度を超え, 命に関わる危険な暑さが続き,熱中症の心配も抱えながらの毎日だったと思います。皆さんもきっと健康な生活を送ることに一番気をつけていたのではないでしょうか。8月も下旬となりましたが,もうしばらく厳しい暑さが続くようです。学校生活を元気に送るために, しっかり食べて, しっかり寝て,体調を整えるために十分気をつけてほしいと思います。

 さて, 2学期に向けて今から三つのお話をします。
まず, 戦後75年の節目についてのお話です。太平洋戦争が終わって, 今年で75年です。国民の80%以上が戦後生まれであり、戦争を体験していない世代となった今, 「戦争と平和」についてどのように学び, 考え, 行動していくのか, テレビやマスコミ等で取り上げられることが多くありました。8月15日の終戦記念日の凌風学園のホームページに,沖縄県与那国島の小学校1年生安里有生(あさとゆうき)さんの「へいわってすてきだね」という詩を紹介しています。ぜひ一度声に出して読んでください。この詩は絵本にもなっていますので,機会があれば読んでほしいと思います。そして先生といっしょに,みなさんも「戦争と平和」について, これからもしっかりと学習して戦争のない平和な世界をともに築いていきましょう。

 次に,2学期の学校生活についてです。1学期の終業式でお話した,「雨だれ石を穿つ」ということわざを覚えていますか。なりたい自分の姿を目指して「あせらず」「あまえず」「あきらめず」努力を積み重ねていくことの大切さを話しました。夏休み中に頑張ったこと, 「これができるようになった(続けられた)」とか「この目標を達成した」と, 一人一人の成長の姿を, ぜひ,担任の先生やクラスの仲間に伝えてほしいと思います。もちろん最初の予定通りに物事が進められなかったり,目標が達成できなかったりした人もいるかもしれません。でも決してできなかったことに目を向けるのではなく,自分ができたことや続けられたことに目を向けてください。そして目標達成の道半ばの人も,ぜひこれからもその努力を続けてほしいと思います。大切なことは目の前にある「今」という時間をしっかり積み重ねていくことです。元アメリカのプロ野球メジャーリーグで大活躍したイチロー選手の「小さいことを積み重ねるのが,とんでもないところに行くただ一つの道だ」という言葉があります。小さな事でも「今できること」は何かを考え確実に実行する。「未来」は「今」の時間の積み重ねです。だからこそ「今」という時間に全力投球できるように「目標を決め」「計画を立て」「実行する」という「マネジメント」が必要になるのです。2学期もしっかりと計画をたて,実践し,スケジュール管理をして,有意義な毎日が送れるようにしていきましょう。

 最後に,例年ならばこの始業式では伝達表彰を行うのですが, 今年の夏は,新型コロナ感染防止対策のために,部活動の夏季大会やコンクール,各種記録会や交流会,リーダー講習会や京都市子ども未来会議,5組の合同サマーキャンプなど様々な活動が中止となりました。そういった活動の表彰や紹介はできませんが, 私が大変誇らしく感じたことを伝えたいと思います。それは,夏休み中もずっと続けられていた, 日常の学園生活でのみなさんの「当たり前を大切にする姿」「目の前のことにひたむきに取り組む姿」です。 例えば,再開した部活動においては,様々な制約がある中,仲間とともに汗を流して励んでいる姿。短い夏休みの中でも学習会に参加し,自分の課題に真剣に取り組んでいる姿などです。「一生懸命がかっこいい」という言葉がありますが,その言葉通りの姿がこの夏休み中にも見ることが出来ました。新型コロナウイルスの影響で,まだまだ,我慢の時期は続きそうです。けれども,「未来」は「今」の時間の積み重ねです。そのことを忘れず,2学期も,「今」できることに全力で取り組める自分であってください。
 
 第3ステージのみなさんへ。9年生は4月からこの夏休みまで, 学園生活全般や部活動・児童生徒会活動などにおいて,学校再開後も様々な制約がある学園生活の中, よく辛抱しました。決して投げやりになることなく, 自分の目標を見失わず, 本当によく頑張ってきました。一つ一つ困難を乗り越えてきた分,確実に自分の力となっているはずです。2学期からは,自らの進路実現に向けて,自信をもって着実に取り組んでください。努力する姿がある限り,必ず道は拓けます。そして8年生は,9年生の先輩の姿から凌風学園の良き伝統を継承し,下級生の良きお手本となってください。8年学年集団としてのますますの成長に期待をしたいと思います。

 2学期も学園生全員が活躍できることを願い, またそのことがよりすばらしい凌風学園をつくっていくことを信じ, 始業式のお話を終わります。

風を凌いで 8月15日

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 「へいわってすてきだね」
一冊の絵本が目にとまりました。青い海と空を背景に小さな男の子がしっかり立ってぐっと何かを見つめているそんな姿が表紙です。

 今年もまた訪れた8月15日。75年前,太平洋戦争が終わった日。毎年この8月15日を迎えるたびに,戦争について, そして平和について, 多くの人が語り, 私たちはその悲惨な出来事を忘れないように, そして平和な世の中を守るために何ができるのか考え, 行動してきました。

 太平洋戦争終結にいたるまでの度重なる本土空襲。1945年4月1日から6月22日まで続いた沖縄戦。8月6日広島に, 8月9日長崎に落とされた原子爆弾。戦争の悲惨さを知り, その戦禍を生き延びた方々は高齢化し,当時のことを語ることのできる人は年を追う毎に少なくなっています。しかし平和への思いをしっかりと若い世代へ託そうと,今なお発信を続けておられる方々もたくさんおられます。京都からも修学旅行で広島や長崎,沖縄へ行き,その「語り部(かたりべ)」の方の声に耳を傾けています。学校でも平和学習を行い,歴史を学ぶ中で, 私たちが共通して感じることは, 「平和な時代に生まれて良かった。この平和がいつまでも続くようにしなければならない。」という強い思いです。「平和な世の中」や「安心・安全な未来」は私たち人間の不断の努力の成果であり,それをつくるのは他ならぬ,「今」を生きる私たち自身であることを忘れてはなりません。

 「平和とは何か」
そんな問いに幼いながらしっかり向きあい, 自分の言葉で伝えた与那国島に住む小学校一年生の男の子安里有生(あさとゆうき)さんの詩, 「へいわってすてきだね」が絵本になりました。

 沖縄県平和祈念資料館の中に掲げられている詩の一部に
 「戦争をおこすのは たしかに人間です
  しかし それ以上に
  戦争をゆるさない努力をできるのも
  私たち 人間 ではないでしょうか」
という一節があります。その努力を, 安里有生さんの詩は強く私たちに感じさせてくれます。ぜひ,声に出して読んでください。

 へいわってすてきだね

 へいわってなにかな。
 ぼくはかんがえたよ。
 おともだちとなかよくし,
 かぞくがげんき。
 えがおであそぶ。
 ねこがわらう。
 おなかがいっぱい。
 やぎがのんびりないている。
 けんかしてもすぐなかなおり。
 ちょうめいそうがたくさんはえ,
 よなぐにうまが, ヒヒーンとなく
 みなとには, フェリーがとまっていて,
 うみにはかめやかじきがおよいでいる。
 やさしいこころがにじになる。
 へいわっていいね。
 みんなのこころから,
 へいわがうまれるんだね。

 せんそうは, おそろしい。
 「ドドーン, ドカーン」
 ばくだんがおちてくるこわいおと。
 おなかがすいてくるしむこども。
 かぞくがしんでしまってなくひとたち。

 ああ,ぼくはへいわなときにうまれてよかったよ。
 このへいわが, ずっとつづいてほしい。
 みいなのえがおが, ずっとつづいてほしい。

 へいわなかぞく。
 へいわながっこう。
 へいわなよなぐにじま。
 へいわなおきなわ。
 へいわなせかい。
 へいわってすてきだね。

 これからもずっとへいわがつづくように,
 ぼくも, ぼくのできることからがんばるよ。

(「へいわってすてきだね」 安里有生/詩 長谷川義史/画 ブロンズ新社/刊より)

 終戦から75年の節目となる今年,「戦争をゆるさない努力をできるのも 私たち人間ではないでしょうか」という言葉を私たちは改めてしっかりと受け止めなければならないと思います。年月の経過とともに戦争体験者が少なくなっていくのはしかたがありません。けれども,平和を願って語り継がれたその事実を,その思いを,その言葉を私たちは決して風化させてはなりません。「風化」とはある意味,語り継ぐことのできる戦争体験者がいなくなることです。それは仕方がないことです。だからこそ,これからは「今」を生きる私たちが,「語り継がれた事実や思いや言葉」を伝えていかねばなりません。現在,広島や長崎,沖縄では原爆や戦禍を体験された方々が,その体験を「語り部」として自分の言葉で語る段階から,戦争を体験していない若い世代が「語り部」の方の体験を聞いて,聞いた内容と自分の思いを「語り継ぐ」段階へシフトしているそうです。
 学園生の皆さん,本や新聞を読んだり,テレビの特集番組や映画を見たり,家族で話をしたり,どんな形でもかまいません,戦争を知らない世代だからこそ,「戦争の恐ろしさ」「命の尊さ」「平和のありがたさ」を改めて自分自身で感じるこの夏であってほしいと思います。それが平和な世の中を築いていくために私たちにできる第一歩だと思います。

風を凌いで 7月31日(1学期終業式)

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 本日(7月31日)4限に,令和2年度1学期の終業式を放送で行いました。本来ならば,大体育館に1〜9年の学園生と教職員が集まり,それぞれが頑張った1学期を振り返りながら行うところでありますが,今回はコロナウイルス感染拡大防止対策のため,各教室で放送を聞く形で行いました。
 6月1日の学校再開から約2か月間,「新しい生活様式」と言われる約束事を守りながら,学園生の皆さんは本当によく頑張りました。明日からいよいよ夏休みです。いつもより短い夏休みの期間ですが,自分にとって「有意義な23日間」にして欲しいと思います。
 保護者や地域の皆様には,休校期間を含め,学校再開後の凌風学園の教育活動に多大なるご理解・ご協力をいただき,心より御礼申し上げます。明日から夏休みに入ります。学園生が各ご家庭や地域で過ごす時間が多くなる中,休み中の生活を見守っていただきながら,引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止をふまえた日々の生活においても,ご協力をいただかなければなりませんが,何卒,よろしくお願い申し上げます。2学期も教職員一同精一杯取り組んでまいりますので,今後も凌風学園の教育に,ご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。

 以下,放送による終業式での話です。

 1学期の最終日を迎えました。終業式の話の前に,学園生のみなさんと思いを共有しておきたいことがあります。この6月,7月は全国各地で記録的な大雨が降りました。その中で,皆さんの記憶にも新しいと思いますが,熊本県の球磨川や山形県の最上川では豪雨による河川の氾濫で,亡くなられた方や行方不明になられた方が多数おられたのをはじめ,家屋の浸水など甚大な被害がありました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに,そのご家族や被災された方々に対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。そして一日も早い復興をみんなで願いましょう。
 では,終業式の話を始めます。6月1日から学校が再開となり,この2か月間,コロナウイルスに負けないように,「新しい生活様式」と言われている約束を守り,皆さんは本当によくがんばりました。いよいよ夏休みがやってきます。今年は,コロナウイルスによる臨時休業期間の影響で,例年より短い23日間の夏休みです。それぞれのステージ・学年・学級によって目指す目標や目的に違いはありますが,自分にとって「有意義な夏休み」にしてほしいと思います。
 さて,第2,第3ステージに配布する「夏休みのしおりに」も書きましたが,今年の夏休みのキーワードとして,「雨だれ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」ということわざを紹介しました。雨だれとは,雨の日に屋根の瓦から下に落ちるしずくのことです。私たちが,屋根の瓦からぽとんと落ちてきた水滴を手のひらで受け止めたとしても,痛みを感じたり,けがをしたりすることはありません。そんな雨だれのしずくが石に穴をあけるのです。屋根から落ちた雨だれのしずくによってその下にある石に穴ができるまでに,一体どれほどの長い年月がかかるのか,想像もつきませんね。
 このような出来事から「雨だれ石を穿つ」ということわざが生まれました。「穿(うが)つ」というのは,「穴をあける」とか「掘る」という意味です。つまり,「雨だれが, かたい石にも穴をあけるように,どんなに小さな力でも,根気よく続けていけば,いつかは成果が表れる」という意味です。
 短い夏休みですが, 何か一つ目標を決めて,その達成に向けて毎日努力を積み重ねましょう。その努力が必ず成果につながります。もちろん,努力を積み重ねていても,うまく進まないことや,すぐには成果が表れないこともあります。そんなときは,このことわざを思い出してください。たとえ夏休み中に目標が達成できなくても,夏休みに積み重ねてきた努力を,2学期,3学期と続けることで,必ず目標の達成やその先にある夢や希望の実現につながります。「雨だれ石を穿つ」,これが今年の夏休みのキーワードです。
 夏休み中はチャイムのない生活です。目標に向かって,自分の1日の生活の計画をしっかり立て,「あせらず」「あまえず」「あきらめず」努力を積み重ねていきましょう。
 さらに,夏休み中,皆さんに必ず実行してほしいことが3つあります。
 1つめは「早寝,早起き,朝ご飯」です。お家の方にも協力してもらって,これを毎日続けてください。学校があるいつもの生活リズムと同じように,規則正しい生活を送ること,これが1つめに実行してほしいことです。
 2つめは「自分の命と人の命を大切にする」行動をとることです。まず命につながる体の部分では「交通事故や海や川での水の事故に十分気をつけて行動すること」です。そのために決まりやルールをしっかり守りましょう。また,命につながる心の部分では「自分が言われたりされたりしていやなことは人にも言ったりしたりしないこと」です。そのためにはいつも相手の立場に立って考えることが大切です。特に最近ではスマートフォンやインターネットといったSNSの普及で,いつでも,どこでも,だれとでも言葉のやりとりができる時代です。相手の顔が見えない中での言葉のやりとりから,トラブルになり,大きな事件に発展することも起こっています。そうならないように,常に相手の立場に立って言葉を発することが大切です。
 自分にとって一番大切なのは自分です。周りの人もみな同じ思いです。どうか自分を大切にするのと同じように人を大切にしてください。お互いがそんな思いで接すれば,自分も含めてみんなが大切にされるのです。
 3つ目は「てまきずし」と健康観察です。「また明日」といえる学校生活がようやくもどってきてから2か月が経ちました。しかし,現在の新型コロナウイルスの感染状況をみると,決して安心できない状態が続いています。ようやく戻ってきた今の生活を続けるために,「新しい生活様式」と言われている約束をこれからもしっかり守っていくことが必要です。新型コロナウイルス感染症から自分を守るために,相手を守るために,新生活の合言葉「てまきずし」を続けてください。
「て」は手洗い・うがい 
「ま」はマスクをつける 
「き」は密にならないように人と人との間の距離をあける 
「ず」はこれらのルールを守りながらずっと生活する
「し」は,「コロナウイルスの終息(しゅうそく)をめざして,みんなで力を合わせてがんばることです。
そして,夏休み中もこれまで毎日続けてきた健康観察を続けてください。「てまきずし」と健康観察を毎日実行すること。これが3つ目です。
 それでは今日のお話のおさらいです。
 夏休みのキーワードは「雨だれ石を穿つ」必ず実行することの1つ目は「早寝・早起き・朝ご飯」2つ目は「自分の命と人の命を大切にする」3つ目は「てまきずし」と「健康観察」を続けることです。
 それでは,夏休み明け,8月24日の2学期始業式に,皆さんが,ひとまわり成長したまぶしい姿を見せてくれることを期待して,私の話を終わります。

風を凌いで 7月27日

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 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため,中学校や高等学校の部活動における様々な大会やコンクール等が中止となる中,生徒の心情をふまえ,各地で感染防止対策に取り組みながら,それらに代わる大会等が行われていることを新聞やニュースで見聞きします。皆で掲げてきた目標を目指して挑むことはかなわなくなっても,「仲間とともに活動できる喜び」をかみしめながら,これまで積み重ねてきたことを大切にし,新たな目標を掲げて,それぞれの「夏」に挑んでいる中学生や高校生の姿には本当に胸が熱くなります。そして,そんな中高生の姿から,「心のあり方」と「心構え」について改めて考えさせられました。今日は「心のあり方」について自分が思い起こしたお話を紹介します。それは,吉田松陰(よしだ しょういん)のお話です。
 吉田松陰といえば幕末の動乱期,私塾「松下村塾」で,後の明治維新で重要な働きをする多くの若者に思想的影響を与えた人物です。「松下村塾」は八畳一間の私塾で,そこからわずか1年と1ヶ月の間に80名近くの弟子の中から,5〜6人がヨーロッパに留学し,伊藤博文や山縣有朋など後の総理大臣まで輩出した幕末の「奇跡の学校」です。松下村塾が「奇跡の学校」と言われるゆえんは,後の塾生の活躍もさることながら,決して学問に長けた人材ばかりを集めたような塾ではなかったということです。塾生の中には武士もいれば農民や商人など,多種多様な職に携わる人々や経験の持ち主がいたという事実です。
 では吉田松陰は一体塾生達に何を教えたのか?!それはたったひとつのこと。「自分は何の為に生まれてきたのか。自分の長所を世の中の為にどう活かすのか。」ということでした。つまり「心のあり方」を問い,自分の「心構え」を明確にさせたのです。何事も「心のあり方」さえぶれなければ,「やり方」はいくらでも見つかるもの。つまり,目的をもって取り組むことに失敗や無駄は一切ないということです。もちろん,うまくいかないときもあれば,結果がすぐに表れてこないときもあります。しかし目的をもって取り組んでいることに失敗や無駄は一切ないとすれば,失敗や挫折もそれは何かを自分に教えてくれているのだと考えられます。そう考えれば失敗や挫折もまた自分を高め成長させることにつながる貴重な体験であり,成長できる時間となります。これが「時間を味方につける」ということです。
 私たちは,一生懸命やっていても,うまく物事が運ばないと「こんなことをしても時間の無駄ではないか?!」「これ以上やっても意味があるのか」などついつい愚痴をこぼしてしまいがちになります。けれども「無駄な時間」とは失敗や挫折にくよくよし,いらだち,時にその原因を自分以外のせいにしてしまうことではないでしょうか。そうすることによって,結局,せっかくの自分の成長の時間を自分で無駄にしてしまうのです。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策によって,これまで通りに行えないことがたくさんあります。けれども,学園生の皆さんの様子を毎日見ていると,この1学期,学習や部活動をはじめ,さまざまな学園での活動に「心が『前』」で取り組んでくれていることを強く感じます。どうかその姿をこれからも続けてください。特に9年生は,いよいよ進路実現に向けて本格的に試練の時期に入っていきます。どんな状況に置かれても,「時間を味方につけて,心のあり方を大切に,目的を見失わずに」前へ進んでほしいと思います。目標はゴール,目的はベクトル(方向)です。目標は変わっても目的は変わりません。良い目的には終わりがありません。苦しくなったら,「何のために自分は頑張っているか」と自分の目的に立ち返ることです。進路でいえば,大切なことは,「合格」=「終わり」ではないということです。進んだ先でどれだけ自分を高めるか,学んだことをどう活かすかが大切です。勉強も部活動も,肝心なことは目標の先にあるものを決して見失わないようにすることです。それが,自分自身を高めるための「心のよりどころ(目的)」となります。学園生の皆さん,何事も自分のためになるという「心が『前』」で時間を自分の味方につけましょう。


風を凌いで 7月20日

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 6月1日の学校再開から1か月半が過ぎました。1学期も残すところ2週間となり,今週水曜日から1学期末の個人懇談会が始まります。懇談会では学園生活の振り返りを行います。学習面や生活面で自分のがんばれたところ,がんばれなかったところをしっかり振り返る中で,夏休みを含め,これからの目標を見据えて,具体的な取組を考えてほしいと思います。その際,学園生の皆さんには,ぜひ意識をしてもらいたいことがあります。それは自分の「強み」を生かすということです。「振り返り」や「反省」となると,どうしても出来ていなことや,頑張らなければいけないことなど「課題」ばかりに目が向いてしまいがちですが,課題を克服するためにも,今の自分がしっかりできていることや前向きに取り組めていることにぜひ意識を向けてほしいのです。今日はそのことにつながる話を紹介します。
 昨年度,日本で開催された第9回ラグビーワールドカップにおける日本代表チームの大活躍は皆さんの記憶にも新しいところですが,その4年前,イングランドで開催された第8回ワールドカップにおいて,日本代表チームがこれまでの日本ラグビーのイメージを一気に払拭し,世界にその実力を示した事実を忘れてはなりません。そのことを最も証明する試合が「奇跡の番狂わせ」とメディアで称された,1次リーグでの南アフリカ戦の勝利です。しかし,この勝利,実は決して「奇跡の番狂わせ」ではなかったという話です。
 ラグビーは競技の特性から考えて,基本的に体格の大きい選手がそろっている方が有利に働く競技です。ニュージーランドのオールブラックスやイングランドやウエールズといった6ネイションズとよばれるラグビーの盛んな諸外国のチームは実力も当然ありますが,日本代表チームより体格で勝るチームがほとんどです。もちろん日本代表チームの中には諸外国の選手にひけをとらない優れた個人の技能を備えた選手や並外れた体格と体力を備えた選手もいます。けれども,チーム総体としての力を比較したとき,日本代表チームを上回る力をもつチームが数多く存在しているのが現状です。ではそんな諸外国のチームに対して,日本チームが互角以上に渡り合うために何が必要であるか。そこでポイントになるのが「強み」を最大限に生かすことでした。具体的には,他国では簡単に備えることができない体力面や技術面における個人の力(フィジカルとスキル)とそれを全員が身につける組織としての力(チーム力)をつけることに焦点を当てたのです,それがまさしく,日本代表チームの「強み」が最大限に生かされる「戦術」とそれを実行するために必要な「練習」でした。もともと日本ラグビーの真骨頂は「俊敏さ」です。その「俊敏さ」を試合中終始継続させるためには,倒されてもすぐに起き上がりプレーを続ける「スタミナ(3秒以内に起き上がる)」が必要です。他国を圧倒的に上回るスタミナをつけるには練習しかありませんが,,その練習こそ,日本代表チームにしかできないことを監督,スタッフ,選手のすべてが自覚したのです。それが「勤勉さ」と「我慢強さ」いう,ある意味日本の国民性ともいうべき「強み」を前提にした練習です。例えば,都会で毎日満員電車に揺られ,早朝から自宅を出て,長い通勤時間をものともせず,働き続ける日本の社会人の姿は容易に想像できますね。日本のラグビー選手の大部分は社会人として働きながら,それぞれの会社等のチームに所属してプレーしています。日本代表チームはワールドカップに備え,4ヶ月間に及ぶ早朝練習をはじめ,「リロード」(倒されても3秒以内に置き上がり再度プレーをする)を体にしみこませる過酷な練習をチーム全員で繰り返しました。また体格でかなわない点は,体格の大きな2人の選手に対して常に3人で立ち向かう体勢を作り続ける練習も繰り返しました。「勤勉さ」と「我慢強さ」を要するこうしたひたすら地道な反復練習によって,試合では相手チームの体力を消耗させる,とぎれないプレーの連続が生み出され,その結果として,相手の隙をつくトライが数多く生みだされたのです。
 また,南アフリカチームはラインアウト(ボールが一旦フィールド外に出た後,ボールをフィールド内に投げ入れそのボールを取り合うことから試合を再開する)からトライ(得点)に結び付けるパターンが多いチームでしたが,その相手の強みを封じ込めるために,日本代表チームは90分間,出来る限りボールをフィールド外に出さず,プレーを継続させ,相手国に走り勝つ戦術を目論んだのです。こうして見ると,日本代表チームによる南アフリカ戦の勝利は決して「奇跡の番狂わせ」ではなく,勝利のために計算され尽くし,自分たちの「強み」を最大限に活かすことを考えた準備を徹底して行った末のものであったと言えますね。
 1学期の成果と課題をふまえ,自分の「強み」を生かしながら「弱み」を克服していく,そんな視点で,自分をレベルアップさせるために,夏休みやこれからの目標と取り組みを考えてみてはどうでしょうか。学園生の皆さん,自分の「強み」は何ですか?

風を凌いで 7月13日

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 毎朝,校門に立ってあいさつをしながら学園生の皆さんを迎えていると,「丁寧」に立ち止まってから頭を下げて挨拶をしてくれる学園生がいます。また,休み時間中の校舎内を回っていると,黒板消しを何度も何度も往復させて,授業後の黒板を「丁寧」に消してきれいな黒板にしてくれている学園生がいます。登下校時,エントランスで靴を履き替えた後,かかとを「丁寧」にそろえて下駄箱に入れている学園生がいます。日常生活の些細な行動をこのように「丁寧」に行うことを心がけている学園生の姿を見るととてもうれしくなります。
 さて,「丁寧」という言葉と相通ずる言葉として「至誠」という言葉があります。「至誠」とは,何事にも真剣に,本気で,誠実に取り組もうとする心のことです。
 今日は,日本におけるフランス料理の第一人者として語り継がれている三國清三(みくに きよみ)さんの「至誠を貫く」エピソードを紹介します。三國さんは中学校を卒業して,15歳で札幌グランドホテルの厨房に入り,天性の味覚と類い希なる調理の技術で,あっという間に花形シェフとなりました。その後料理人としての才能を認められ,若くして東京の帝国ホテルの厨房に入ることになりました。当時,日本では超一流とされた帝国ホテルの厨房を取りしきる総料理長は村上信夫(むらかみ のぶお)さんという方でした。そして,鳴り物入りで帝国ホテルにやってきた三國さんに対して,村上さんが命じた仕事はたった一つ,「調理後の鍋洗い」のみでした。いくら才能を認められたとはいえ,新人として最初は基本的な仕事をするのは当然と,三國さん自身も与えられた「鍋洗い」という仕事に真剣に取り組みました。やがてそのまま,半年が経ち,1年が経ち,1日も早く厨房に入ることを期待しながら時が過ぎました。しかし,1年半がすぎても,三國さんは「鍋洗い」と下ごしらえ等の雑用しか仕事をさせてもらえません。「鍋洗い」を始めてからとうとう2年が過ぎ,三國さんもついに我慢の限界に達し,大好きな調理をさせてもらえないなら,これ以上いても仕方がないと決心します。そしていよいよ帝国ホテルをやめようと思った矢先のことでした。三國さんは村上さんからスイスの日本大使館の料理長に指名されました。三國さん,時に20歳のころです。当時の帝国ホテルの料理人は総勢600人以上。その中から弱冠20歳の三國さんが大使館の料理長に選ばれるというのは,異例の大抜擢でした。
 村上さんが三國さんを選んだ理由はただ一つ。村上さんの料理人としての信念に基づくものでした。それは,「料理道具がきれいでなければ気持ちよく料理を作れない。いい料理を作れない。」という信念です。村上さんは常々「技術は人格の上に成り立つ」という考えを大切にし,料理を作る段階で,一つでも手を抜くようなことがあれば,お客様を満足させる最高の料理をつくることはできないという信念で後進の指導にもあたっていたそうです。三國さんは2年間与えられた「鍋洗い」という仕事に対して「至誠」を貫きました。「鍋洗い」の合間には,下ごしらえの雑用やシェフのサポートなど,自ら気づいた仕事を積極的にこなしている姿があったそうです。その後,三國さんが料理人としての才能を大きく開花させたことは,言うまでもありません。
 「至誠を貫く」,なかなか簡単にできることではありませんね。けれども,学校生活で言えば「あいさつ(いつでも,どこでも,誰に対しても自分からしっかりあいさつが出来るか)」や「掃除(誰も見ていなくても,すみずみまできれいに掃き掃除や拭き掃除が出来るか)」,「素直(他人の忠告を素直に受け入れて実践したり,話を聞いたり出来るか)」といった事柄を大切に出来ているかということになるのではないでしょうか。三國さんがそうであったように,人間の「信用」や「信頼」を築くのはすべてこうした日常のあたりまえの事柄に「至誠」を貫くことであり,それが自分の可能性を広げ,チャンスにつながるのだと思います。どんな小さなことでも構いません。何かひとつ,毎日「丁寧」に行うこと,「至誠を貫く」ことを実行してみましょう。

風を凌いで 7月6日

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 先週から児童生徒会活動ときっずチームの活動がスタートし,今週は7月8日(木)に学園総会が行われます。(今年度は映像視聴を行いながら,各学級で実施します。)学園総会では児童生徒会本部・代表専門委員会の基本方針についての議決を行います。つまり,みんなで決めて,みんなで実行しようという確認をする場が学園総会です。凌風学園の児童生徒会がめざすのは「つながりのある集団作り」です。児童生徒会活動を通して,1〜9年の学園生の縦と横とのつながりを大切にし,強い「絆」でお互いを高め合い,何事にも全力で取り組むことができる集団作りをめざしています。
 そこで,今回は凌風学園児童生徒会のキーワードである「つながり」について,その大切さを象徴する話を紹介します。杉原千畝(すぎはらちうね)という人物をみなさん知っていますか。第二次世界大戦中,ナチスによる迫害から逃れるユダヤ人のために独断で日本通過のヴィザを発行して,6,000人あまりのユダヤ人を救った外交官で,「日本のシンドラー」ともよばれている人物です。そんな彼の生涯を描いたドラマや映画もこれまで公開され話題になりました。杉原千畝生誕の地である岐阜県には,彼の功績を讃えるとともに平和の大切さを伝える記念館があります。かつて,私がその記念館を訪れた際,館長さんからお話を聞き,深い感銘を受けたことがあります。それは,杉原千畝によって発行されたヴィザだけでユダヤ人が助かったわけではなかったという話です。
 当時,通過ヴィザの発行によってロシアを経由して船で日本の港にたどり着いたユダヤ人がたくさんいました。例えば福井県の敦賀では受け入れたユダヤ人のために多くの人々が力を貸した事実があります。命からがら逃げ延びてきた人達に,食料を提供したり,銭湯を無料で開放したり,時計や衣服などを現金に換えて欲しいと願う人たちにはお金を工面するなど,まさしく敦賀の人々による「命のリレー」がなされたわけです。その証拠に,今もなお,敦賀や岐阜の記念館等を訪れる,命を救われた多くのユダヤ人達の子孫が後を絶ちません。はるか遠く離れた異国の人たちと日本の人達が繋がっている歴史をふまえ,他者を思いやる心と行動こそ,人間の人間による最大の安全保障といえるのではないでしょうか。一人の力では絶対に不可能なことでも,志を同じくして行動するものが多くつながれば,可能になるのだということ,そしてその行動を促すのは常に「人としてどうあるべきか」という「心の姿勢」だということです。
 「つながり」を大切にし,強い「絆」でお互いを高め合い,何事にも全力で取り組むことができる凌風学園にするために「凌風学園生としてどうあるべきか」という「心の姿勢」を一人一人が自分自身に確かめる学園総会となることを期待しています。心一つに,みなでより良い凌風学園にしていきましょう。

風を凌いで 6月29日

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 今日から,いよいよ児童生徒会(5〜9年生)とキッズチーム(児童生徒会活動につながる4年生の委員会活動チーム)の活動がスタートしました。
 凌風学園の児童生徒会活動は, 開校以来大きく飛躍し続けています。スローガンである「誇れる学園を作ろう」のもと取り組んできた「あいさつプロジェクト」や「校歌プロジェクト」など「目に見える形」から、「みんなが『HAPPY』になれる学園」, 「つながりと安心のある学園」へと「目に見えない形」を目標に取組を進化させています。今年度のキーワードは「つながり」「高め合い」「全力」です。学園生同士の縦と横のつながりを中心に様々なつながりを大切にして,お互いが信頼し,高め合える関係になることをめざしています
 凌風学園の児童生徒会活動の大きな特徴は「ハッピースクール大作戦」に代表されるように,第1ステージのリーダーである4年生の「キッズチーム」や5〜9年生の児童生徒会が, より良い学園生活を築くために,活動を自分たちで考え,企画・運営していくことにあります。中でも毎年,夏休みや冬休みの前後の期間に行われている「ハッピースクール大作戦」は,「じゅにあミーティング」(児童生徒会本部ときっずチームの代表の話し合い)や各代表専門委員会の活動を通して,1〜9年生までの学園生が「凌風学園をより良い学園にしよう」という気持ちで一つにつながる取組です。また,小中一貫校である強みを活かし,全学園で取組むことで,活動そのものから「充実感(「うれしい」)・達成感(「できた」)・自己有用感(「役に立てた」)・一体感(「みんなと一緒にやると楽しい」)が感じられるものとなります。
 こうした,児童生徒会活動を通じた,学年の枠を越えた仲間とのつながりは, 上級生にも下級生にも良い効果を生み出しています。例えば, 上級生は下級生を教えたり,手伝ったりすることで下級生に対する優しさ・気遣い・自己有用感を抱き, 下級生は上級生に対するあこがれ・安心感を抱きます。そのことから,お互いに「大切な存在」また「あこがれの存在」として, 共に学び合い成長する仲間であるという意識が育まれていきます。
 「誇れる学園」とは「凌風学園が好き。共に過ごす仲間が好き」という気持ちをみんながもてることだと思います。そして,「好き」という気持ちこそ,「凌風学園」や「仲間」を「大切にしたい」という思いをみんなの心の中に生み出すのではないかと思います。
 「風を一つに〜絆で高め合い 燃え上がる凌風へ〜」という今年度の児童生徒会目標のもと,凌風学園をみんなで誇れる学園にしていきましょう。


風を凌いで 6月22日

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 随分小さな頃に読んだ鳥のお話をふと思い出しました。それは次のようなお話です。

 ある鳥が自分の羽の色が一色なのに、他の鳥は様々な色の羽をもっていることをうらやましく思い、いろんな鳥から羽を一本ずつもらい,自分の羽にさして,みんなの前に現れました。すると他の鳥は色とりどりに輝く羽をもったその鳥の姿を見て恐れ驚き,鳥の王様にしました。ところが,その時,突風が吹いて,羽は全部飛んでいってしまいました。本当の姿を知られてしまったその鳥は,すっかり恥ずかしくなってどこかへ飛んでいってしまいました・・・。

 さて,このお話の中で,この鳥が失敗したのはなぜでしょうか?それは,この鳥が自分の持っている力に気づかず,またその力を磨くことをせず,外見だけを飾ってしまったからです。外見だけのかっこ良さは一時的には目を引くかもしれませんが,やがて風と共に消えてしまいます。
 本当のかっこ良さとは何なのか?!それはその人のたゆまぬ努力によって内面からにじみ出てくるものだと思います。たとえば真剣に学習に取り組む姿,たとえば懸命に部活動に打ち込む姿,たとえば行事で仲間と心を一つにして思いっきり歌ったり,歯を食いしばって全力で走ったりする姿,そしてその結果としての笑顔や涙。これらは少々外見だけをいじって得られるものでは決してありません。楽をして得られるものでは決してありません。でも逆に言えば,それぞれの目標を目指して努力を重ねることで,誰もが得ることのできるものです。そういう意味で,本当にかっこ良い学園生に,そしてそれがかっこ良いと感じられる集団になってほしいと思います。
 学校が再開して3週間が経ちました。今週からいよいよプラス1時間の授業(6時間,7時間授業)が始まります。部活動も再開します。児童生徒会活動も少しずつ動き出します。そんな学園生活の様々な場面における,ひとりひとりの全力が,「輝く自分」を,「輝く集団」をつくります。
 凌風学園は,上級生が「本当のかっこ良さ」を下級生に手本として示し,下級生がそんな上級生の姿にあこがれを抱いて,自分を高める努力をする「つくる・見せる・つなぐ」というプラスのスパイラル(ステージアップ)でお互いが学び高め合っていく集団作りを大切にしてきました。その伝統を大切にし,どこでも通用する「本当のかっこ良さ」を身につけられるよう,これからも「あせらず」「あまえず」「あきらめず」何事にも精一杯取り組んでいきましょう。

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