京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/28
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学園教育目標 「自らを高め 共に生き 希望を抱いて未来を拓く」

風を凌いで 7月13日

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 毎朝,校門に立ってあいさつをしながら学園生の皆さんを迎えていると,「丁寧」に立ち止まってから頭を下げて挨拶をしてくれる学園生がいます。また,休み時間中の校舎内を回っていると,黒板消しを何度も何度も往復させて,授業後の黒板を「丁寧」に消してきれいな黒板にしてくれている学園生がいます。登下校時,エントランスで靴を履き替えた後,かかとを「丁寧」にそろえて下駄箱に入れている学園生がいます。日常生活の些細な行動をこのように「丁寧」に行うことを心がけている学園生の姿を見るととてもうれしくなります。
 さて,「丁寧」という言葉と相通ずる言葉として「至誠」という言葉があります。「至誠」とは,何事にも真剣に,本気で,誠実に取り組もうとする心のことです。
 今日は,日本におけるフランス料理の第一人者として語り継がれている三國清三(みくに きよみ)さんの「至誠を貫く」エピソードを紹介します。三國さんは中学校を卒業して,15歳で札幌グランドホテルの厨房に入り,天性の味覚と類い希なる調理の技術で,あっという間に花形シェフとなりました。その後料理人としての才能を認められ,若くして東京の帝国ホテルの厨房に入ることになりました。当時,日本では超一流とされた帝国ホテルの厨房を取りしきる総料理長は村上信夫(むらかみ のぶお)さんという方でした。そして,鳴り物入りで帝国ホテルにやってきた三國さんに対して,村上さんが命じた仕事はたった一つ,「調理後の鍋洗い」のみでした。いくら才能を認められたとはいえ,新人として最初は基本的な仕事をするのは当然と,三國さん自身も与えられた「鍋洗い」という仕事に真剣に取り組みました。やがてそのまま,半年が経ち,1年が経ち,1日も早く厨房に入ることを期待しながら時が過ぎました。しかし,1年半がすぎても,三國さんは「鍋洗い」と下ごしらえ等の雑用しか仕事をさせてもらえません。「鍋洗い」を始めてからとうとう2年が過ぎ,三國さんもついに我慢の限界に達し,大好きな調理をさせてもらえないなら,これ以上いても仕方がないと決心します。そしていよいよ帝国ホテルをやめようと思った矢先のことでした。三國さんは村上さんからスイスの日本大使館の料理長に指名されました。三國さん,時に20歳のころです。当時の帝国ホテルの料理人は総勢600人以上。その中から弱冠20歳の三國さんが大使館の料理長に選ばれるというのは,異例の大抜擢でした。
 村上さんが三國さんを選んだ理由はただ一つ。村上さんの料理人としての信念に基づくものでした。それは,「料理道具がきれいでなければ気持ちよく料理を作れない。いい料理を作れない。」という信念です。村上さんは常々「技術は人格の上に成り立つ」という考えを大切にし,料理を作る段階で,一つでも手を抜くようなことがあれば,お客様を満足させる最高の料理をつくることはできないという信念で後進の指導にもあたっていたそうです。三國さんは2年間与えられた「鍋洗い」という仕事に対して「至誠」を貫きました。「鍋洗い」の合間には,下ごしらえの雑用やシェフのサポートなど,自ら気づいた仕事を積極的にこなしている姿があったそうです。その後,三國さんが料理人としての才能を大きく開花させたことは,言うまでもありません。
 「至誠を貫く」,なかなか簡単にできることではありませんね。けれども,学校生活で言えば「あいさつ(いつでも,どこでも,誰に対しても自分からしっかりあいさつが出来るか)」や「掃除(誰も見ていなくても,すみずみまできれいに掃き掃除や拭き掃除が出来るか)」,「素直(他人の忠告を素直に受け入れて実践したり,話を聞いたり出来るか)」といった事柄を大切に出来ているかということになるのではないでしょうか。三國さんがそうであったように,人間の「信用」や「信頼」を築くのはすべてこうした日常のあたりまえの事柄に「至誠」を貫くことであり,それが自分の可能性を広げ,チャンスにつながるのだと思います。どんな小さなことでも構いません。何かひとつ,毎日「丁寧」に行うこと,「至誠を貫く」ことを実行してみましょう。

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