京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/07/01
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ハートフルマーク
北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「去年を越えろ!」
 台風18号は、この地域にも大きな影響を残しました。先週は、御陵駅が水に浸かった影響で3日間ほど地下鉄が運休しました。何でも、駅構内にたまった水の量は学校のプール60杯分以上だったと地元消防団の方に聞いて驚きました。臨時の市バスが三条通りを走っていましたが、そのためか、毎朝大渋滞が発生しました。また、今日も京阪電車の京津線はストップしたままです。
 また、毎朝、檸檬の散歩の際に近所を流れる川面を見るのですが、なかなか水が澄みません。おそらく、まだ上流のどこかで土砂が川に流れ込んでいるのでしょう。自然の力は、時に恐ろしいと思わされます。
 さて、学校祭に向けての取組が始まっています。この時期になると、特に午後からは校長室にじっとしていられません。合唱の声やダンスの曲が聞こえてくるからです。毎日、各階を訪れます。各教室を見にも行きます。劇の練習をしている人、合唱練習に精を出す人、黙々と貼り絵に取り組む人、劇の衣装や大小道具作りに励む人、創作ダンスに汗を流している人たちもいます。みんなが、自分に与えられた仕事に熱中しています。そんな様子を嬉しく見せてもらっています。「校長先生、写真撮って!」時々、そんな風に言ってくれる子たちがいて、これも大きな楽しみの一つです。
 今年は、夏休み明けの全校集会で、「去年を越えろ!」という話をしました。
 昨年度の学校祭は、文化祭、体育祭ともに大変素晴らしかったと思っています。京都市内のどこの学校と比べても、決して恥ずかしくない位に誇れる内容でした。その取組を見てきた、特に2・3年生の皆さんには、是非とも去年を越えてほしいと思います。体育祭については取組が異なるので、そのまま比べることは難しいですが、取り組み方、本番の演技と出来栄え、何よりも『全員で成功させるんだ!』という気持ちの面で、去年を上回ってほしいものです。
 学校は、毎年少なからず先生が代わります。生徒も3分の1が確実に入れ替わります。しかし、行事は変わらないどころか発展していくことが多いものです。それは、残された生徒の皆さんが、先輩の姿にあこがれ、それに追いつき追い越そうとする意欲とエネルギーによるのだと思うのです。こうして、年を追うごとにより良いものへと作られていくのが「伝統」なのです。
 最近は、授業時数の確保のために、文化祭や体育祭が簡略化される傾向にあります。体育祭の場合、真っ先にカットされるのが集団演技です。また、文化祭でも劇か合唱かのどちらかに取り組む学校がほとんどです。そんな中、花山中学校では、この時にこそ生徒が身につける力があると強く信じ、そうはしていません。集団演技や演劇や合唱の取組によって、クラスや学年の団結力が増すのも事実です。上手くいかない時期を乗り越えてきたからこそ、本番に見ごたえがあり、たくさんの保護者の方からも感動の声を聞くことができます。いずれ、花山中の集団演技や演劇や合唱などの学校祭の取組が、他校の先生や保護者の皆さん方にも評判になって、見学に来ていただけるほどのものになったら良いなと密かに思ったりもしています。
 繰り返しになりますが、「伝統」をつくるのは、「去年を越えよう!」と取り組む意欲とエナルギーです。学校祭まであと1週間。生徒の皆さん全員が楽しく頑張り、すべての瞬間に全力を発揮することを期待しています。花山の良き「伝統」を守り育て、新たな「伝説」をつくって欲しいものです。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「未体験の体験」
 14日からの連休に近府県を襲った台風18号は、京都にも大きな被害をもたらしました。TVではアナウンサーが繰り返し「これまで経験したことのないような大雨が降る」と言っていました。午後に嵐山の渡月橋や福知山の由良川の映像を見ることになりましたが、確かにこれまでに見たことのない光景でした。
 携帯電話に市教委からの連絡メールが入ったのが5時54分。ちょうどTVで、京都市伏見区に避難指示が出たということが報道されている時でした。「これは大変!」家を出たのが6時30分ごろ。土砂降りの雨と強風の中へと出ていく私を、妻と上の息子が心配そうに玄関まで見送ってくれました。
「災害の際、お父さんは学校へ行かなければならないから、家のことはお前たちでしっかりとやってくれよ」これまでからそう伝えてきましたが、『実際にそんなことになったなあ』と車の中で改めて思いました。本校の近くには大きな河川はありません。旧安祥寺川の水位が気になって見に行きましたが、それほど心配しなくてもよい状況だと判断しました。東山の山肌が迫る個所があります。その付近を通って学校まで来るのですが、予防策が講じられており、そこも土砂崩れのおそれはないように感じました。まだ7時過ぎだというのに、部活動の関係で学校に生徒がいましたが、既に下校させるべく顧問の先生が動いてくれていました。
 昼過ぎに雨があがって、外で遊んでいるのか子どもたちの声が聞こえ出してきた頃、TVの映像に冒頭に書いた嵐山や福知山の様子が頻繁に映し出されるようになりました。嵐山の旅館やホテルから避難する観光客の姿や、氾濫した由良川流域の水につかった家屋の映像は衝撃的でした。京都市が避難指示を出したのも、防災対策法が出されて以来、はじめてのことだとも知りました。
 こんなことは、50年以上生きてきましたが初めての体験でした。これまで、洪水のニュースを何度も見てきました。地震や津波によって被災した地域の様子も見て、分かったような気にはなっていましたが、身近な所で起こって初めて実感できることなのだとも悟りました。私たちは、この体験を教訓として心と身体に刻み込まなければならないと思います。本校が避難所となったとき、校長として何ができるのか。教師として、公務員として、そして一人の人間として出来ることを、この機会に改めて自分に問い返しています。
 さて、学校祭の取組が本格的に始まっています。ここまで述べてきた未体験の体験は、出来ればしない方がよいものです。しかし、学校祭へ向けての取組の中では、生徒にまだ経験したことのないほどの大きな感動や喜びを経験させてやりたいものです。恥ずかしさや照れくささを感じることなく、誇らしげに流せる涙があることを文化祭の取組の中でも知らせてやってほしいと思います。皆と協力し、仮に途中は苦労しても、やり切ったときに味わうことのできる充実感、満足感、達成感を経験させたいです。
 これまで体験したことがないほどの深い感動を与え、心を豊かに育みましょう。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「2020年に思う」
 9月8日(日)の早朝、2020年のオリンピック、パラリンピックの開催都市が東京に決まりました。実は、私も超早起きしてロゲ会長の「トキョウ」をライヴで聞き、ガッツポーズをとった一人です。前夜の最後のプレゼンテーションも、45分間注意深くその中継を見ました。今回の招致に対して、当初東京が不利な理由の一つに、国民の機運が盛り上がっていないことがあっと聞きますが、私のような人間がいたことを思えば、最終的に盛り返すことができたのではないかと思います。マスコミをうまく使ったなとも思いまさす。これまでの招致活動の際、果たして、プレゼンテーションの場面の中継などあったでしょうか。
 2020年といえば今から7年後です。間違いなく選手の世代交代が起こるでしょう。今の中学生が20〜22歳になることを思えば、競技によっては主力選手になるかもしれません。我々の仲間の指導者の中には早くもプレッシャーを感じている人もいることでしょう。私事で言えば、退職の年に当たります。その時一体どうしているでしょう。どんな立場でどこで仕事しているのでしょうか、想像するのは難しいですが、それまで、意外に“あっ”と言う間なのかもしれません。
 さて、プレゼンテーションの様子を見ていて感じたことを綴っておきます。
 これまで、アメリカ大統領のスピーチを聞いて「カッコええなあ!」と思うことが度々ありました。どこかで日本の総理大臣や閣僚、皇族の演説と比較してそう感じたのかもしれません。ところが、今回は違いました。声のトーン、身ぶり手ぶり、表情、語学力、その全てにおいて『日本人もこういうことに慣れたもんだ!』と感じました。その中でも、私が特に気持ちを引きつけられたのは、高円宮久子殿下、佐藤真海さん、滝川クリステルさん、そして阿倍晋三首相の4人です。フランス語もあって、当然すべて理解はできませんが、出来れば日本語の同時通訳なしで聴いていたいとさえ思ったくらいです。内容だけではありません。画面に映しだされるスチールやムービーも効果を高めました。それとは別に感心したのは、質問に対する猪瀬直樹東京都知事と阿倍晋三首相の答弁でした。猪瀬知事は、先に答えた人の内容が質問の的から外れているのを察知し即座に答え直しました。大変機転の利いた行動、的確な回答だったと思います。また、阿倍首相は、原発に対する不安を一瞬にして拭い去るような、科学的な根拠も示した見事な回答をされました。後に、首相の答弁に対して「本当にできるのか?」「世界に向かって断言した責任は大きい。」などという批判の声が聞こえてきたりもしましたが、私には一国のリーダーとしての気概と誇りが感じとれました。
 知識や理解力に代わって、学力の中身が思考力・判断力・表現力になって久しいです。本校でも、特に表現力に重点をおいて取り組んできましたが、その正しさに気付かされた思いがしました。あと7年間。教師で居られる限り、表現力豊かな生徒を育てていきたいと思います。
※写真は、東京オリンピック招致委員会公式サイトからとりました。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「花山地域の子」
 一昨年の夏、花山の生徒にとってどのような取組が必要かを考える研修会をもち、はじめに、この地域の子どもの特徴について話し合いました。そして今夏は、鏡山・陵ケ岡両小学校の教職員と同じような取組を行いました。「人懐っこい」「素朴」「純粋」「おぼこい」「明るい」「無邪気」、そんな言葉が出されます。
 さて、1−2の学級通信『SMILE』9月2日号に面白い記事を見つけました。
「この夏休みを一言で表すと」というテーマに対しての答です。「部活などで忙しかったけど、町内で行事があって楽しかった」また、「この夏、食べたもので一番おいしかったもの」という問に対しては、「町内の行事のときに食べたかき氷」と回答していました。9月4日号の夏休みの一枚絵日記には、「墓参り」というタイトルをつけて「おばあちゃんと、ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃんのお墓参りに行きました。久しぶりにおばあちゃんと対面した気がしました。」と書いているものがありました。ご想像の通り絵は墓石です。「墓参り」と名付けられたこの絵日記が、決してふざけ半分に書かれたものでないことは、その文字と絵を見れば分かります。
 私の暮らす地域や我が家庭を振り返ってみます。今年の地蔵盆の日、町内の皆さんと共に早起きしてテントを立てました。その日、何度もお地蔵さまのあるその場所を通りましたが、見るのはご老人の姿ばかりで、子どもはほとんどいませんでした。またお盆の間、うちの子ども達は、家で仏壇に手を合わせただけで墓参りには行っていません。ましてや、そのことを夏休みの思い出として記憶に留めることなどないでしょう。
 夏休み初めの両小学校の夏祭り。そして、もうすぐ行われる区民運動会。その後の餅つき大会など、花山地域の行事にはびっくりするほどたくさんの子どもたちがやってきます。そしてその中に少なからず中学生がいるのです。私の育った環境とそこでつくられた常識の中では考えられない状況です。この地域の子どもたちの考えの中には、まだしっかりと「地域」とか「町内」という概念があるようです。そしてそれは、ここに住む大人が根付かせているからにちがいありません。
 「地域を大切にしなさい。」「町内の行事に参加しよう。」そんなことを唱えてこうなったのではないと思います。『参加したら楽しかった。』『だから、そこに行くのが楽しみだ。』そんな体験や経験が「地域」とか「町内」という概念を育み、自分が大切にされているという満足感が『楽しみだ』という価値観をもたらすのでしょう。このことは、学校教育にも通じるように思います。「勉強しなさい」というよりも『勉強してこんなに良かった』という経験をさせるということです。
 花山地域の子ども達の明るさ、素朴さ、人懐っこさ、そして地域を大事に思う心は、他の地域に誇れるものだと思います。それらを失わせることなく、この子たちを世界各地で活躍できる人間へと伸ばしていきたいと思います。

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