京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/31
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ハートフルマーク
北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「成長を感じるとき」
 「陽(下の息子の名は陽太)がお風呂へ行きたいって言うてるし、後で連れて行ってやって!」28日は雨で練習試合が中止になり、息子は早く帰宅してきました。彼が2時間ほど睡眠をとった後の出発です。この瞬間、頭の中でその後の私の予定をすべて変更しました。陽太と一緒に銭湯へ行くのは何年振りでしょう。ささやかな楽しみにワクワクする気持ちを確かに感じていました。これまでも何度も誘ったことがありましが、その度に短い言葉で「ええわ!」。おそらく、ヘトヘトになって家に帰りつき、もう一度どこかへ行くなんて気がしないのだろうとこちらもそれ以上は言葉をつなぎませんでした。
 約束の時刻を少し過ぎた頃、息子がノッソ、ノッソと階段を降りてきました。私の方は用意万端整えて待っていましたが、もちろんそんな素振りは見せません。「私も行く!」妻が言い、思いがけず3人での銭湯通いとなりました。
 息子と並んで湯船につかります。他愛もない内容ですが会話がはずみます。そのうちやっぱり野球の話になります。こういうスイングをしたらボールが飛ぶ。こういうキャッチングをする。配球はどうだとか、一生懸命話し始めました。「へえー、そうか」「なるほどなあ」そんな言葉で聞き役に徹します。「うちの下の息子です。」顔馴染みの方に紹介します。「こんにちは!」すぐに横の息子が挨拶をします。そんな当たり前のことが妙に嬉しく誇らしげであったりもしました。二人並んで体を洗います。その間もしゃべりっぱなしです。家でこんなに会話をすることはありません。「おい、むこう向けや!」息子の背中を流します。『いつの間にか大きくなったものだ』大きな逆三角形の背中をタオルでゴシゴシやりながら思います。瞬間、掌にのせて湯船につけた日のことを思い出します。次は、私が洗ってもらう番です。以前は、このとき息子は立ってやってくれていたことも思い出します。
「お母さん、そろそろ、あがろうか。」「はーい!」壁越しのこういう会話も地域の銭湯ならでわです。先日、ここで大学生にマナーについて注意したのですが、この会話は下町情緒に溢れているのでマナー違反ではないと、自分勝手に決めました。息子は、脱衣場へ出る前にちゃんと身体を拭っています。そのことに触れると、「小さい時からお父さんにうるさく言われてきたさかいに、合宿の時でも自然にできる。」と言いました。家庭で教育してきた成果といえば大袈裟ですが、親として小さな満足感をもったりもしました。
 学校でも、チョットした場面に子どもの成長を感じる瞬間があります。
 廊下ですれ違う際に、私を先に通してくれるなどの配慮ができたり、何気ない会話の中にも発見します。「いつも頑張ってるね。」や「身長が伸びたね。」に対して「ありがとうございます。」と答えることなどがそれです。それに気づいたら素早く「おっ、成長したね」などと口に出します。少なくとも私はそう心がけています。多分生徒も悪い気はしていないと思います。生徒との間の信頼関係を築いていくのは、意外にこうした何気ない会話だったりすると思います。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「支えられて」
 毎朝九条山の気温計を見るのが習慣になっています。今朝の気温はとうとう9度。一桁になりました。つい先日まで、最低気温が25度を下回らず、寝苦しい夜を過ごしていたのに、確実に季節は進行しています。九条山を越え山科側に入ると、三条通の両側にまだ背丈の低い街路樹が植えられています。そう言えば、その葉が随分赤くなりました。もうじき山々が赤や黄色に色づくに違いありません。
 さて21日の日曜日、朝から夕方まで多くの子どもたちの輝く姿を見ました。色々なことを感じたのでここに綴っておきたいと思います。
 午前9時、六所神社の祭礼に顔を出します。厳粛な雰囲気の中で神事が進みます。裃を身につけた役員の皆さま方、法被姿の神輿の曳き手・担ぎ手の方、その中に中学生の姿を見つけます。子ども神輿を担ぐ者の他、大人神輿を先導する旗と提灯の持ち手としてその場にいました。「去年からこの役は中学校の生徒さんにお願いしてるんです。」役員さんからそう紹介され、早速記念写真を撮影します。誇らしげな、実にいい顔です。私が中学生の頃、そういった処へ行くのは何やら照れ臭く、完全な大人になるまで足が遠のいていたように思います。「頼むで。しっかりやってや!」そう言われ、その子たちは力強く返事をしました。私の目には、その様子がとても頼もしく清々しく映りました。
 午前10時20分、當麻寺へ移動します。岩屋神社の神輿がここへやってきた際、鏡山小学校の児童と共に本校の生徒たちが太鼓演奏を奉納するのです。今年で3年目になりますが、既に地域では評判になり、大いに期待もされ、観客もたくさん集まります。「素晴らしい演奏ですね。さぞかし練習されたことでしょう。」初めて演奏を聞かれた神主のご子息がそう褒めてくださいました。このことが、子どもたちに自信と誇りを持たせました。
 午後1時15分、東部文化会館に到着。吹奏楽部のフェアウェルコンサートを鑑賞するためです。この日で引退する3年生のことを思い、開演前から鼻の奥がツンとするような感傷的な気持ちです。ステージが進行します。毎度のことですが、観客を味方につける心地よい演奏が続きます。スクリーンに思い出の写真が次々と写しだされると、会場から啜り泣きの声が聞こえ始めました。
 予定された演奏がすべて終了しアンコールに入る前、キャプテンからメッセージが読み上げられます。顧問の先生や保護者の方、教職員や地域の方、そして何より仲間への感謝の気持ちに溢れた内容です。「皆さんに支えられて今日の日を迎えられました。」その言葉が強く印象に残ります。花吹(はなすい)の演奏に元気をもらい『よーし、また頑張ろう!』と思ったことのある人は、おそらく私だけではないでしょう。そういう意味では、私たちもまた支えられてきたことになります。
 地域と子どもたち、吹奏楽部の生徒とその周りの人間との関係など、そう、“支える”とは決して一方通行の関係ではありません。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「ツキを呼び込む」
 先日、野球部がベスト4に入った試合を見ていて思ったことです。力の差はそれほど感じませんでした。相手も守りの堅いよいチームであったと思います。ノーエラーの本校に対して、幾つかエラーの出たのが相手チームでした。相手のエラーは、大きな勝因となりますが、期待して起こるわけではないので、“ツキ”の一つでもあります。2−0で迎えた7回表の相手の攻撃の場面でも“ツキ”に助けられました。デッドボールとヒットで1アウト1・2塁のピンチ。痛烈なライナーがピッチャーを襲います。咄嗟に出したグローブにボールが吸い込まれ、次の瞬間1塁に送球してダブルプレー。ゲームセットとなりました。あの当たりがセンターへ抜けていたら…。
 そこで思うのです。こうした“ツキ”を呼び込む力こそ、日頃の練習姿勢や生活態度なのではないかと。野球部の子たちが、普段からいい加減な練習をしていたり、道具を大切にしていなかったりしたら、きっと今回のような結果は得られなかったでしょう。
 さて本日、第3回定期テスト終了と同時に全校集会をもちました。1カ月後に迫った「研究発表会」「50周年記念式典」に向けて、生徒と教職員との気持ちを一つにするためです。最初に5分間、私が話をしました。全校生徒の澄んだ熱い眼差が、話し手である私に真直ぐに注がれるのを感じました。それを受け止めながら話をするうち、気持ちが昂るのをはっきりと自覚もしました。話の内容を以下に記します。
 私は今の3年生が入学した年にこの学校に赴任しました。当時は、日に何度も非常ベルが鳴ったり爆竹が鳴ったり、新入生にとっては不安な毎日だったと思います。3年生は、1・2年生と比べて20人ほど少ないです。ひょっとしたら、その人たちは花山中の悪い噂を聞き、別の学校へ進学したのかもしれません。そんな中、本校に来てくれたこの子たちを大切にしたいと強く思ったものです。これまで3年生に対して「主人公になれ」と言ってきた理由でもあります。生徒と先生が一緒になって頑張り、1年後には素晴らしい卒業式を挙げることができました。全く違う学校のように生まれ変わった2年目。全校集会などの時、前で話す人の声をしっかりと聴く皆さんの姿を見て次のように思いました。
「フロアーに居る子たちが、挙手をして自分の思いを自分のことばで言えるような集団にしたい。」目指す生徒像と集団像を共有し、それに向けて取り組むことを教職員全員で確認しました。こうして研究活動が始まりました。道徳教育に力を入れました。教科の授業や学年集会の形も変わりました。生徒の発言する場面がどんどん増えていきました。
 来月の17日には、こうして取り組んできた結果、素晴らしい変容を遂げた皆さんの姿を保護者や地域の皆様をはじめ、京都市内や他府県から来られた教育関係者に見せてもらいたいです。皆さんがそんな姿を見せ、来校された方たちをビックリさせてほしいと思うのです。きっと皆さんには既にその力が備わっていると確信しています。
 練習の成果が起こす奇跡や“ツキ”が、感動を生むことを念頭に置いて話しました。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「アニキに乾杯」
 また一人、日本のプロ野球界を代表するスター選手が現役を退くことになりました。阪神タイガースに移籍してきて以来、「アニキ」として親しまれ、このチームを2度のリーグ優勝に導いた立役者、金本知憲選手です。
 12日、試合前に開かれたという記者会見の模様を何度も繰り返してTVで見、翌日は新聞各紙を貪り読みました。
 私は、プロ野球が好きで、家族ぐるみで阪神タイガースを応援しているものの、とりわけこの選手をひいきにしてきたというわけではありません。むしろ、ここ何年かは、『いい加減、早く若手に道を譲ればいいのに…』と思っていたほどです。ところが、彼の引退会見を聞き、考えさせられるところが大変多く、改めて彼が偉大な選手であったことに気づくことができました。特に強く印象に残ったコメントを紹介します。
Q「悔いはあるか?」
A「若い時にもっとバットを振っておけばよかった。もっともっと自分を鍛えたり練習したりしておけば、もっともっといい数字が残せたのでは。肩を怪我してから全盛期のプレーを目指してやってきたが、数字的にできていなくて…。来年度にチャレンジしたいという悔いもある。」
Q「引退の決断理由は?」
A「自分に対する限界かな。若手に切り替わる中で、いつまでもいい時のパフォーマンスが出せない自分がいるのも肩身が狭かった。体もしんどい。」
Q「野球を振り返って」
A「特に、この3年間は惨めというか、自分がみっともなくて。自分でかわいそうというとおかしいが、最初と最後の3年間は、こんなに苦しい時があるんだって3年間だった。」
Q「一番誇りに思う記録は?」
A「1002打席連続無併殺記録。打率が下がるところで全力で走ってゲッツーにならなかった。内野安打にならないところで全力プレーし、フルイニング出場よりも誇りに思う。」
Q「野球とは?」
A「10歳から始めて、7割8割はしんどいことで、2割3割の喜びや充実感しかなかったが、2割3割を追い続けて7割8割苦しむ。そんな野球人生でした。」
 本人の苦しい気持ちを知ろうともせず、勝手に「引退した方がよいのではないか」と思っていた自分を恥ずかしく思います。また同時に、彼ほどの選手でもこれほど悩み苦しんできたのかと、自分の置かれている状況と比較して、改めて頑張らなければならないという気持ちにもなりました。
 去りゆく「アニキ」に勇気と元気とやる気をもらいました。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「生徒の成長こそが喜び」
 サングラス。バイクに乗るときにかけることが多いですが、とりわけこの時期の出勤時には必需品です。九条山を越え、左にカーブを切ると朝日がまっ正面から目に飛び込んできます。夏の間もさることながら、この時期は更に眩しいのです。そう、同じ時刻でも太陽の高度が低いからです。確実に季節は移っています。今朝の九条山の気温は21度。つい先日と比べて10度ほど低くなりました。夕方はもっと違いを感じます。下校時刻は、これまでと変わらず午後6時。それから暗くなるまでの何と早いこと。7時には真っ暗です。ひと月前、7時というとまだ十分にグランドで球技ができる明るさだったはずなのに。
 さて、季節は移り今週から本格的に学校祭の取組が始まりました。特に午後からは校長室にじっとして居られないことが多いです。合唱の声やソーランの曲が聞こえてくるからです。子どもたちや先生が頑張っているとその姿を見たいと思います。今日も、3年生女子の美しい歌声に誘われて2階へと上がって行きました。伴奏のCDに歌声も入っているのかと思うほどのハーモニーと声量です。「君たちが3年生を、そして1・2年生を引っ張ってくださいね。」そうコメントしました。
 校長室に戻ると、いつもの卒業生が花を生けに来てくれていました。校内から聞こえてくる声や音を聞いて「おっ、文化祭やな。懐かしいわ!」と言いました。そういえば、彼女のクラスは、合唱コンクールで最優秀賞を獲得したっけ。
「君のクラスのあの時の曲を選択したクラスが、物凄い声で張り切って歌ってるわ。」そういうと、彼女は嬉しそうにほほ笑みました。
 ところで、好調なスタートを切ったクラスが最優秀賞を獲得するとは限らないのが合唱コンクールの面白いところです。そういうクラスは、他のクラスの目標となって、他のクラスが団結力を増す原因になったりもするからです。意外に教師の指導力より、こういった生徒の競争意識の方がクラスを高めたりもします。いずれにせよ、全体のレベルが上がることを期待します。よいスタートの切れたクラスも、やや出遅れたクラスも共に頑張ってほしいと思います。その競争の中で子どもたちは力をつけていくのですから。
 行事で子どもの力を引き出す。行事で子どもを伸ばす。行事で学級や学年を作る。色々なことが言えます。しかし、もちろん放っておいて出来るものではありません。そこには、教職員の思惑と計画があるはずです。教職員にやる気がない学校で、生徒がもの凄い取組をするという例はまずありません。凄い行事を作っている学校には、物凄い取組をしている教職員集団があるものです。子どもたちのために力の出し惜しみをせず、作品が完成したり、取組が成功したり、出来なかったことが出来るようになったときには、我が事のように喜ぶ。これが花山中学校の教職員の姿です。学校祭文化の部まであと2週間。生徒の力を引き出すだけでなく、教職員もこの毎日を大いに楽しんでほしいと思います。

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「当たり前のことを当たり前に」
 「校長先生へ お久しぶりです。先生は元気ですか。ぼくは、精神的にダウン中です。」手紙はそんな言葉から始まっていました。卒業して2年目の男の子からです。彼は中学校時代、随分ヤンチャをしました。学校へ来ないで遊びまわっている時期もありました。私が赴任した時には既に3年生で、彼ときちんと話ができるようになったのは秋口の、ちょうど今頃であったように思います。
 授業中にボールを蹴って遊んでいる場面を見つけては注意をし、上履きに履き替えずに廊下を歩いている場面を見つけては叱りました。「うっさいなー!そんなことくらいで、一々ごちゃごちゃ言うな!」はじめは、そんな反応でしたが、いつの間にか気心が知れ、校長室にも顔を出すようにもなりました。きっかけはおそらくあの件です。校長室の隣の部屋で、彼が指導を受けていました。何がきっかけかは分かりませんが、彼が急に興奮し大きな物音と怒声が聞こえました。思わず、隣の部屋に駆け込み、彼を先生から引き離してこちらの部屋に入れて事情を聴きました。それ以来、何かに不満があると校長室に訴えに来るようになったように思います。やがて、登校すると必ず校長室に顔を出し、色々な話をするようになりました。そんな彼からの手紙で、是非とも先生方や生徒諸君、保護者や地域の皆さんに知って頂きたい個所があるので抜粋します。
 (信頼する何人かの先生の名前を挙げている)らは、俺の事をわかってくれるから嬉しかった。それまで、先生とか誰も俺のことわかってくれへんかった。だから、先生なんか信じてへんかった。けど、校長先生とかは必死に俺の事わかろうとしてくれた。それだけで本間にうれしかった。本間に感謝してる。中学の時、先生とかにいろいろと迷惑かけてしまったな。ごめんなさい。けど、見捨てんと怒ってくれた。ほとんどの先生は、見た目で決めて何しても怒らへんかった。けど、俺が好きな先生らは、ちゃんと怒ってくれた。怒られんのが嬉しかった。怒られんのが嬉しいっておかしいよな。けど、何か嬉しかった。今まで俺んこと、見捨てんと相談とか乗ってくれて本間ありがとう。(後略)
 この手紙を読みながら、教師として、いや一人の大人として日頃の自分を見つめ直しています。「アカンことをちゃんとアカンと言えているか。」
「正しいことを正しいという」のは、相手を褒めることなので、お互いに気分がよく難しくはありません。一方、人を叱るのは、お互いに気まずい思いをすることが分かっているため、とてもエネルギーを使います。その事で関係が悪化でもしようものなら、修復のための時間とエネルギーが更に必要です。それが分かっているから尚更難しいのです。
 いじめの話題が一向に少なくなりません。当たり前の対処をしていれば、起こっていないことが、おそらくいくつもあったのではないでしょうか。しなければならない当たり前のことを見逃したり怠ったりすると、信頼を失ったり問題の解決を遅らせたりします。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「機会を捉えて」
 この夏休み期間中、本校の関係者が3つの研究会で発表の機会を得ました。最初は、7月31日に行われた「京都市立中学校教育研究会人権教育部会研究集会」略して「中人研集会」でです。児玉貢士先生が「人権教育の創造」がテーマの第3分科会で今年度の憲法月間の取組を発表しました。この分科会の主題は、「同和教育を普遍化し、新たな人権教育を創造するために」となっています。「目の前の生徒を徹底的に大切にする」という同和教育から生まれた本市教育の精神を本校教育の中で徹底しているという趣旨の発表です。「目の前の生徒の実態から始める」という教育の基本的な考え方に基づいて取り組んだ憲法月間の取組で、教職員が一致団結し、係から提案された原案をもとに、学年や担任が独自にそれをアレンジした具体的な取組の報告でした。
 2つ目は、8月6日に行われた「未来づくり教育フォーラム」の中の「学級経営」について考える第1分科会での提案です。これは阿部成晃先生が担当しました。この分科会の副題が「望ましい人間関係を育む学級経営〜他者や集団との関わりを大切にする学級づくり・授業づくり〜」です。本校が取り組む集団づくりにとって、最も適当な発表の場を与えて頂いたと思います。当日は、映像を用いながら、昨年度から取り組んでいる内容が具体的に報告されました。「考え・語り・聴く活動を通して」という取組が多くの反響を呼び、会の終了後もいろんな方から質問や感想をいただくことができました。
 3つ目が8月24日の「日本PTA全国研究大会」での田中純子会長の発表です。ここでも、本校の「自分の思いを自分のことばで伝えあう」取組が報告されました。本校PTAが開催している「親学びあい広場」の取組を中心に報告がなされましたが、生徒の取組と一体になっていることで相乗効果があるという内容になっていました。うちの取組を全国から来られた多くの皆様に知って頂くことができ、大変嬉しく誇らしく思いました。
 ところで、今年に限ってなぜ3つもの発表が重なったのかということです。
 多くの学校では、こういう依頼を受けた場合、様々な理由をつけて断ることが多いと思います。発表者を誰にするか、発表者に負担を強いることになるのではないか、集会の期待するような発表ができるのか、などが主な理由ですが、今年に関しては、すべて引き受けました。理由は以下の通りです。
 本校の場合、まず3つ目には問題がないと自負していました。それよりも取組をより多くの方々に知って頂くよい機会にしたいと考えたのです。1つ目と2つ目に関しては、この機会を捉えて発表者を鍛え、彼らに成長してほしいと願ったからです。「必ず自らの力になるから」と依頼を引き受けるよう勧めました。3人とも見事にその大役を果たし、期待通りに自信をつけてくれました。多くの方々に取組を知って頂けた上、教職員や保護者が大きな自信と誇りとを持てたのではないかと思います。
 このことは、必ず生徒の力へ結びつくはずです。

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「力の結集」
 1週間の学校閉鎖期間が終わったとたん、時間が早く過ぎるように感じます。19日は、山科・醍醐の各支部少年補導主催のソフトボール大会に行きました。既にHPで紹介した通り、鏡山学区が見事に優勝を果たしました。保護者や地域の人たちが、弁当やスイカを差し入れされ、子どもたちのプレーを熱心に応援される様子に触れて、タイムマシンにでも乗って40〜50年前の日本に戻ったような錯覚をもちました。
 翌20日は、「ふれ愛トーク」を実施しました。開校50周年記念事業の一環として取り組んだもので、生徒会の代表が、保護者と地域の代表の方をお迎えして花山中とこの地域について本音で語り合うというイベントです。
「中学校時代は戦争中で、熱中していたことどころではなかった。」「何年か経ったら、必ずこの地域に恩返しをしてほしい。」これらは、今回のトークで、地域の方から聴けた話の中で特に印象に残っている言葉です。現在の日本社会は、世界一の長寿国でありながら老人と一緒に生活する子どもが極めて少ない状況にあります。花山地域の子どもたちも核家族で生活していることが多く、年をとった人の話を聴く機会にあまり恵まれません。だからかもしれませんが、子ども達は大変興味を持って聴いていました。
 21日は、女子バレー部の応援のため東京に行きました。1つ目の試合は、相手が高校生のような選手たちの集まる東京の私立校で、全く歯が立ちませんでした。2試合目。練習試合では勝っている相手だというのに、リズムに乗り切れず第1セットを奪われます。この時には焦りました。しかし、徐々にうちのペースになり、最終的に、ワンサイドゲームで勝利することができました。去年も書きましたが、運動部活動でこの時期まで現役を続ける3年生は数少ないです。全国大会で戦うことの許されたメンバーだけです。その自信をプライドに変えて持ち続けて欲しいものです。
「遠いところまで、わざわざ有難うございます。」代々木体育館のスタンドに到着したとき、保護者の方からそう労いの言葉をもらいました。けれど、どうぞお気づかいなく。好きで行っています。それに、道中も含めて十分楽しんでいますので。
 22日の午後は「東山・山科支部中学生生徒会サミット」を覗きました。支部の中学生が自分たちの「弱み」を見つけ、それを克服するためにどうすればよいかを真剣に話し合っていました。本校の代表も、他校生に負けないよう頑張っていました。「礼儀やルールを守る態度を身に着けるには、地域や他校との交流をもっと深める」彼らが導いた結論です。初めて出会った者ばかりでの話し合いで、ここまで行き着けるとは大したものです。
 そして昨日は本校の教職員研修。道徳教育の充実に向けて、今回も大変よい研修ができたと喜んでいます。研修を企画運営してくれた人たちに感謝の気持ちで一杯です。
 この4日間のキーワードは「力の結集」。智恵と技術と精神力とを「結集」することで、出来ることがどんどん増え、組織が強まっていきます。今、そのことを実感しています。

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「チームの力」
 8月3日。吹奏楽部が、京都府吹奏楽コンクールで見事に金賞を獲得しました。関西大会への出場こそなりませんでしたが、十分満足できる結果です。演奏を終えて会場の外へ出てきた部員の表情がそのことを物語っていました。ニコニコしている子、緊張で顔をこわばらせている子、感涙している子など様々ですが一様に全身に満足感が表れていました。
 その日は、鏡山・陵ケ岡の2校を迎えての年に1度の「3校合同研修会」にあたってしまいました。小学校の校長先生に事情を話し、何とか時間を詰めてもらいましたが、発表に間に合うかどうか極めて厳しい状況でした。バイクをぶっ飛ばして駆け付けた者でも、何とかひとつ前の学校の直前にホールに入りました。自動車で来た先生たちは、本校の演奏の直前に会場入りして何とか間に合ったという状況でした。
 選んだ課題曲は、前の学校と同じでした。その学校は部員がうちの半分くらいしかおらず、音量も断然違って随分得をした感じでした。人数が増えれば乱れる確率が高くなるものですが、うちに限ってそれは当てはまりません。乱れぬ美しいハーモニーが流れました。
 自由曲が始まります。普段、どちらかというと脇役に回ることの多いパーカッションが大活躍した曲でした。研ぎ澄まされた音色の打楽器に金管・木管楽器が寄り添っていきます。やがて全体が融合され、とても美しいハーモニーを奏でました。全生徒が、丁寧に本当に丁寧に、曲に自分の役割に向き合っていました。大事に大事に作ってきた演奏でありチームであることが会場全体に伝わりました。演奏が終わった瞬間、会場で一番に拍手をしました。
 7日。仕事で試合を見に行けてなかった私の携帯電話に教頭先生からのメール。「女子バレー、全国決定!」短いメール文をしばらく食い入るように見た後、周りの人たちに伝えました。「すごいなあ〜」「2年連続は、大したもんだ!」の声。本当によくやったと思います。市内大会の決勝で負けたとき、正直に言うとここまで来られるとは思っていなかったです。(メンバーのみんな、ごめんね)ただ、近畿大会への出場を決め、京都府大会で優勝した時から明らかに流れが変わったように思います。選手がよく動くようになりました。それぞれの役割を一人ひとりがきちんと果たす、チーム力が整ってきたように思ったものです。今回の吹奏楽の演奏でパーカッションが目立ったように、京都府大会の準決勝戦と決勝戦ではブロックの力が目を引きました。大事なところでブロックが決まります。得点を連取できることが多くなります。必然的にムードが高まりペースを引き寄せられました。
 近畿大会でも3位という好成績を残したのですから、この大会でもチームワークが最高に機能したのでしょう。一人ひとりには個性があり、得意とするところによって役割があります。よいチームのメンバーは、お互いの力と役割を認め合い、与えられた役割を黙々と全力でこなします。吹奏楽部も女子バレー部も素晴らしいチームになりました。
 バレー部のみんな、20日以降、今度は東京で花山中のチームバレーを全国から来た中学生に見せてやれ!楽しみにしているよ。

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「優勝」
 優勝には大きな価値があります。準優勝とは倍くらいの差です。それは、プロスポーツの賞金額からも明らかです。(優勝賞金は、準優勝の約2倍です。)当然のことながら、決勝を戦う2者は、それまで同じ数だけ勝利を重ねてきました。とことん戦ってきて、最後に負けるのとそこで勝つのとでは大きな違いがあるのですから、その差が倍あるのも頷けます。
 初めてテニスの大会で優勝したとき、父は私に次のように言いました。「大会の冊子には歴代のチャンピオンの名前が記載される。この大会が続く限り、お前の名前がタイトルホルダーとして紹介されることは大変な名誉なんやで。2位では載らんのや。」
 7月30日(月)、花山中学校女子バレーボール部がついに京都府の頂点に立ちました。府内には公立と私立とを合わせて200以上の中学校がありますが、その頂点に立ったのだから何とも素晴らしいです。女子バレー部の合言葉は「京一」。言わずと知れた「京都で一番」です。とうとうそれを成し遂げたのです。その瞬間に立ち会えた私もラッキーでした。「たまには、先生も一緒に入って下さい。」優勝縦と賞状を抱いた選手たちの写真を撮っていると、保護者の方にそう言ってもらい、喜んで入れてもらいました。
 当日は、準決勝と決勝の2試合。準決勝は、出だしでハラハラさせられました。なんと7点を連取され、一体どうなるのかと思ったほどです。その場を救ったのが2年生のサーブ。深く際どいところに決まってから一気に流れが変わったように思いました。キャプテンのトスワークが冴えわたり、面白いように攻撃が決まりました。続けて何本打ったのか分からないほど同じ選手がサーブを続けました。そこからはまったく相手に流れを渡すことなく勝利することができました。
 決勝戦は順調な滑り出しでした。うちのチームは、大体出だしでもたつくことが多いのですが、この時は見事にリードを広げました。「行けるんちゃう!?」そう思ったものの、さすがに相手は市内大会決勝で負けている強豪校です。あっという間に追いつかれました。でも、今回はここからが違いました。追いつかれても追い越されることがなかったのです。この展開は2セット目も同様で、子どもたちの粘りとゲームの流れが生んだツキとで、1セットも失うことなく優勝することができました。
 その瞬間、スタンドで保護者の皆様や控え選手たちと共に大喜びしたことはここに書くまでもないことです。ハイタッチ、握手、保護者の目にも1・2年生の目にも、そして私たち教師の目にも光るものがありました。本当におめでとう。心からそう言いたいです。
 3年生にとって大きな大きな存在であった顧問の先生の異動に続き、監督が毎年替わりました。そんな中、自分たちで本当によく頑張ってきたと思います。試合前の練習を自分たちだけで行うチームは、男女の準決勝を戦うチームの中に一つもありませんでした。
 そんな君たちを心から誇りに思います。来週からの近畿大会でも、カサンズプライドを胸に精一杯戦ってほしいです。
 「優勝」という二文字は、プレーヤーに最高の誇り=プライドを与えてくれます。

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