京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/11
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ハートフルマーク
北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』

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「緊張感」
 21日、公立高校の推薦入学・適正検査・特色選抜の判定結果の発表がありました。公立の入試制度も年々複雑になり、これらがどう違うのか、関係者以外にはなかなか理解も難しいところです。
 子どもたちに結果を伝えるのは放課後です。3年生のフロアーには緊張感が満ちていました。順番を待つ子、結果を聞き歓喜の声をあげる子、落胆を隠せない子、先生に付き添われて力なく帰路につく子もいました。3年生とすれ違うたびに表情を観察します。「校長先生、合格しました!」嬉しい報告を聞いても、周囲に残念ながら不合格になった者がいると手放しで喜ぶことはできません。合格した子たちも私のそんな様子に敏感に気付いてくれていたように思います。そんな中で、残念な結果だった子が合格した友達を心から祝福している場面を見て、『大したものだ』と感心もしました。今回残念な思いをした子たちにも、もう一度チャンスがあります。3月4日の入学試検に向けて全力で取り組んでほしいと思います。
 また、明日からは1・2年で今年度最終の定期テストが始まります。放課後、学校に残って勉強している生徒たちがいるというのでその様子を見に行きました。先生はおられるものの、みな自学自習しています。自分が分からない所だけを先生に質問するのでしょう。今月初めに閉講式を迎えた3年の土曜学習『花山夢現講座』を思い出すような光景に頼もしさを感じました。勉強は、最終的には一人でするものだとは思いますが、そうなる前に仲間と刺激、共鳴し合いながらするのも決して悪くはありません。
 先日『東山を西に見て』を読んだ知人がメールを寄せてくれました。今、教師を目指して頑張っている人です。
 ―略― 今年の教員採用試験を受験した帰り、下を向いてとぼとぼ帰っていたとき、試験会場近くの喫茶店のおばちゃんに、「暑い中、みんなスーツ着て、今日は何があんのん?」と声をかけてもらいました。私が「教員採用試験のテストでした。あまりできなかったです。」と答えたら、「先生が大変といわれているこんな時代に、あえて先生になろうと思ってる若い人がいることが、おばちゃんうれしいわ。なってください!!子どもは先生にかかってます。うちらの孫を、よろしくお願いします!」と言ってくださいました。「こちらこそ、よろしくお願いします。」と頭を下げて、帰りの電車で、号泣しました。こういう人たちの大事な孫、子供を預かっているんだ。学校の主役は子どもなんだと、このとき初めて実感できました。 ―略―
 いろんな人が夢を追いかけて頑張っています。そして、夢を掴むため、試験に向き合っています。どんな試験にも緊張感はつきものですが、それがなければ上手くはいきません。緊張感を見方につけて臨めることが大切です。経験した人もたくさんいるとは思いますが、是非とも緊張感を楽しんでほしいものです。

『東山を西に見て』

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「親子の願いを受け止めて」
10日、私立高校の入学試験が本格的に始まりました。
 本校の子どもたちはちゃんと受験できたのでしょうか。9時過ぎ、「全員、滞りなく受験会場に入りました。」進路指導主事から報告を受け、ほっと一息つく。その後、暫く職員室で3年生担当の先生方と話をしました。「Aが、とっても可愛らしい恰好でやってきた。」「Bは、めっちゃめちゃ早く集合場所に来た。」「Cは、試験会場でずっと一人ぼっちやし、きっと不安やろなあ。」など、一人一人の姿が目に浮かぶような会話の内容に、自然と顔がほころびます。
 実は、うちの下の息子も当日は受験をしました。その朝は、いつもより早いので、珍しく彼と向かい合わせで話をしながら朝食をとりました。「“始め”の合図で答案用紙に飛びつくんやないで!」前日、本校生徒に語ったのと同じことを息子にも言って聞かせました。父親の言葉として聞いたのか教師のそれと受け止めたのか、妙に真剣に聞いていました。「こういう時にメールもらうのて、嬉しいもんやな。」唐突なその一言が強く印象に残りました。以下は、その後の会話です。「何やな、急に」「朝、お兄ちゃんからのメールが届いてた。」「なんて書いてあったんや。」「『ホームランは要らんぞ。』やて」「ええやん、それ。」まだ寝ている長男に一本取られました。食後、携帯電話をもってトイレに入りました。「大丈夫だ。落ち着いてやれば必ず合格する。心配ない!」そう送信しました。息子からすぐに返信。「ありがとー。がんばるゎ」普通の会話もメールで交換すると不思議なくらい新鮮です。
 先日3年が道徳の授業で、保護者の方に「進路実現に不安を抱える子どもたちに、力や希望を与えるメッセージ」を依頼しました。興味深いよい企画だと届けられる文章を楽しみにしていたところ、学年通信『大樹』に掲載されていたのでその中からいくつかを拾ってみます。「〜お母さんは隣で見てるしかできないけど、いつもあなたの応援団ですよ!〜」「〜他人と比べる事なくマイペースでがんばって下さい。」「やりたい事をする為には、『やりたくない事』をしなければなりません。『やりたくない事』をする時は、その気持ちを忘れる位集中してください。〜」「〜でもね、偉そうに言っている親だって、同じ15歳の時を通ってきたんだよ。〜あなたは自分を信じて。私はあなたを信じてるから。この先どういう道を選んでも、あなたは私の息子です。」
 自分のメール文が恥ずかしいですが、それにしても、言葉を文字に表した時の、その内容の深さに気づかされます。おそらく、読み返すたびに内容が深められるのでしょう。子どもたちは、文字に表された親の言葉を心に刻んでテストに臨んだことだと思います。
 私立高校の合格発表がほぼ終わりました。受験もようやく半ばです。子どもの受験は親の受験でもあるのだと思います。子どもの願いと共に親の思いもしっかりと受け止め、誠意をもって指導に当たりたいものです。

『東山を西に見て』

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「美しい涙」
 先ずは、「若者が発信する21世紀の山科のまちづくり」。本校生徒3人が、山科青少年活動センターで、昨秋の岩屋神社の祭礼で太鼓奉納をした際に学んだことを発表しました。他の中学校の先生方から「素晴らしい生徒さんですね。」と褒めてもいただきました。感想文の一つを紹介します。
『―そして迎えた本番当日。自分たちの番。始めの方は緊張していたけど、後からは少しずつほぐれてきて、とてもすらすらと言えた感じがしました。そして、終了、着席。ものすごく気持ちがよかったです。本当にやってよかったなぁと思えるいい発表でした。今回の発表会は、僕にとって、引っ込み思案さを少し解放できたかなぁって思います。これを機会に学校生活でも発言を増やしていこうと努力したいです。―』
 普段は目立たない子どものこの感想をみて、貴重な経験をしたものだと思います。
 次に、土曜学習「花山夢現講座」の閉講式。11月から続いてきた土曜学習もとうとう終わりになりました。お世話になった学生ボランティアの先生から3年生たちへ激励の言葉があった後、代表生徒がお礼の言葉を述べました。代表に立ったのはA。Aは、元来素直で優しい子ですが、ちょっとしたきっかけから道を外れ、随分と回り道をしてきました。先生や仲間の支えで夏休み明け頃から高校進学に向けて頑張り始め、本来の自分を取り戻しました。土曜学習も本当によく頑張ったと思います。代表の役目も快く引き受けたそうです。話は原稿なしでしました。心のこもった素晴らしい言葉でした。「ありがとうございました」と結んだ瞬間、彼の声が詰まりました。『めっちゃくちゃ頑張って取り組めた。めっちゃいいと思う。めっちゃ集中できた。』『わからない時に分かりやすく教えてくれたり、一緒に考えてくれたりしてありがとうございました。』学習後のアンケートにそう書いたAは、閉講式後も涙を拭きながら先生に感想を話していました。
 もう一つあります。6日の日曜日、2年生女子Bのダンスの発表会のことです。丁度職員室に2年生担当の若い先生が2人いたので誘いました。笑顔いっぱいハツラツとしてBが踊ります。マイクをもって堂々とMCをします。学校では見られない姿が眩しいです。実は、現在Bは授業に定着できていません。先生方に反抗的な態度をとることもしばしばです。「校長先生、私、あの子のあんな笑顔と姿を長い間見ていません。あの笑顔を取り戻させてやらないといけません。」そう言って女性の先生がぽろぽろと大粒の涙を落しました。
 「21Cの…」の発表に向けて練習をしている時も、リーダーの2年生が上手く言えずに涙を流しました。悔しさと情けなさ、申し訳なさの混じったいい涙でした。
 3つの涙を紹介しました。どの涙もとても美しいです。そして、それらにこちらも心を動かされます。こういう涙を見ることのできる仕事は、教師以外にそうはありません。この仕事の魅力を改めて思います。

『東山を西に見て』

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「学びの場面とスタイル」
 自動車での通勤が当たり前だった頃、雨の日や寒い時期にバイクに乗ることなど考えもしませんでした。バイク通勤するようになり、それしかないと思うと、雨や寒さがそれほど気になりません。毎朝、蹴上と九条山の気温計を見るのが習慣になっています。1月最終日の気温は何と蹴上が−3度、九条山は−4度でした。学校に到着するころには手の指先が凍えています。ストーブにかざして指先に血液が流れる瞬間の、あのピリピリした感触は、小学生の頃の数々の記憶を思い出させてくれます。
 小学生の頃、この時期の私の手は霜焼けとあかぎれだらけだったように思います。30日の日曜日に、校下の小学校の凧揚げ大会があり見に行きました。早く完成させた子らが“羽つき”や“こま回し”をして遊んでいました。女性会の方に声をかけられて久しぶりにこまを回しました。「昔とった杵柄」で、ヒョイと掌に乗せてみせます。周りの子どもや大人が驚いた顔に少し得意になって回しました。暫くして、一人の小学生がやってきました。「こまの回し方、教えて!」紐の巻き方から教えました。小さな手でした。冷たい手でした。あかぎれも見つけました。でも…、とっても元気な子どもの手でした。地域の子どもが寒さの中でも元気に遊び、色々なことを学んでいる様を想像して嬉しくなりました。また後になって、この子が本校生徒の妹であることを知り、一層嬉しくもなりました。
 さて、今日(2日)は1年生がファイナンスパーク学習に出かけました。
 家計を切盛りする疑似体験をします。はじめに月収が決められ、収入の中から食費、光熱水費、家賃や家のローン、自動車を買うならそのローン、教育費などの商品やサービスを購入していきます。教育委員会によると、この過程で、社会に溢れる情報を適切に活用する力や自らの生き方に繋がる生活設計能力などを育成できるそうです。
 ○日常生活に関わる経済の仕組や社会との関わりを理解させる
 ○良き消費者として、また企業者としての基本的な認識を培う
 ○望ましい勤労観、職業観を育成する
 これらのねらいが達成できたかどうか、今の時点ではよくわかりませんが、本校の子どもたちは、とても熱心に楽しそうに活動していました。引率の教職員やボランティアとして参加してくださった保護者の皆様とも良いコミュニケーションがとれたので、この取組をおこなって、本当によかったと思います。
 ハイテク施設の中で活動する子どもたちの姿を見ながら、先日の“羽つき”や“こま回し”で遊んでいた子どもたちの姿を思い出してみます。はじめは、テニスのように羽子板を横に振って羽をついていた子や、紐をこまと一緒に投げてしまう子らが、学習を重ねて徐々にコツをつかんでいきました。
 寒い中でも、元気に遊びながら身につける知恵もあること、そしてそれがきっと「生きる力」に繋がっているということを、私たちは忘れてはならないと思います。

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