京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/11
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北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』

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「真剣な顔」
 教師になった頃、日本全国の多くの中学校が“荒れ”ていました。私が赴任した学校にもやはりそういう子たちが少なからず在籍していました。教師という職業の理想と現実のギャップに苦しみながらも、子どもたちとの間の距離が詰まっていくことに遣り甲斐を感じながら毎日を送っていました。生徒と揉めたり、学級経営が上手くいかなくて嫌な気持になっても、「先生をしていてよかった!」と思わせてくれることもたくさん起こり、ようやく精神の均衡がとれていたのだろうと思います。
 先日の修学旅行から帰った翌日の日曜日。初めて赴任した学校のその年の卒業生が、40歳になるというので同窓会を開催しました。私は当該の学年ではなかったのですが、部活動や生徒会活動を共にした子たち(40歳の人を指して言うのは失礼ですが…)の誘いもあって参加しました。25年の時が一人一人に深く刻まれています。当時激しくやり合ったメンバーも何人か参加していました。今となっては、笑いながら話せることを幸せに思います。
 昨日、その学年のある女性の先生の言葉を思い出しました。
「私、テストの時の子どもらの顔を見てるの、好きやわぁー。普段あんなにヤンチャしてる子が、真剣な顔でテストに向かってるのを見てて、イヤーこの子、こんな表情するんや!これがこの子のホンマの顔やわって思たら、可愛いてしょうがなくなるねん!」
 昨日から本校でも定期テスト。いつものように見回りに行った私は、最初の教室の様子にこの言葉を思い出さされ、急いで校長室にカメラをとりに戻りました。“真剣な顔”は実にいいです。部活動の試合の場面など、ほかにもこんな表情の見られることはあるでしょうが、皆がそろって静かに“真剣な顔”でいる場面は極めて少ないと思われます。思わず若い先生に言いました。
「テストに向き合ってるときの子どもら一人一人の表情をよく見ときや。新たな発見があるかもしれんで。子どもらが一層可愛らしく見えてくるしな。」
“真剣な顔”は美しくもあります。昨日は他にもこの美しい顔を見つけました。男性の用務員さんが、自転車置き場の屋根を広げる工事をされている際の顔と、校門付近の花の世話をされている女性の用務員さんの顔です。誰かが頼んだ訳ではありません。校内の様子を見て、自主的に活動されているのです。
 なるほど学校では子どもが主人公。しかし、養護の先生や事務員さん、給食の配膳員さん、スクールカウンセラー、地域や学生のボランティアさんなど、主人公を支える脇役は、先生の他にもたくさんいます。
 因みに担任の先生、明日にでも校門付近のパンジーの花を一輪摘んで教卓に置いてみてほしいと思います。誰かがその花に気づいたら、すかさずこの話をしてやってほしいのです。自分たちを陰で支える“真剣な顔”のあることに気付かせることは、大切な大切な教育だと思うからです。

『東山を西に見て』

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「教育実習生の吹かせる風」
 今朝、登校した生徒は「おはよう」の声をかける人が多いのに驚いたことだと思います。今日から始まった教育実習の実習生が一緒に校門に立ってくれたのです。「みなさん、本当に“いい笑顔”で挨拶してくれますね。」実習生の一人がそんなことを言いました。「あの笑顔と挨拶に触れられるだけでも、得をした気分やろ!?」日頃から考えていることを返しました。
 教育実習。私のとなると30年位前のことになります。小学校の教師を目指していたため、教育実習も小学校へ行きました。当時、その学校では「裸足の教育」が実践されており、初日から裸足で子どもの中に入って行きました。子どもへの言葉づかいと態度・行動に気をつけるよう注意されたことを今でも覚えています。逆に、子どもに接近するのが上手だと褒めて頂いたことは大きな自信になりました。研究授業は「大造じいさんとがん」でやりました。その指導案は今でも大切に持っています。また、「登場人物の心の中を考えさせるときには、挿絵に吹き出しを付ければよい」その時に指導していただいたこの手法は、教師になってからも長い間使っていました。
 さて、本校には今年8人の実習生を迎えました。大学も年齢も経歴もまちまちです。共通しているのは「いい先生になりたい」ということ。この共通点は大切です。同じ目標があるからこそ、支え合ったり励まし合ったり、時には批判し合ったりもできます。
 本日最初のメニューで、私から実習生に伝えたことは以下の通りです。
○「なぜ教師になりたいのか。」「どんな教師になりたいのか。」いつ誰から尋ねられても即座に答えられるようにしておくこと。これが教師としての“軸”になります。 子どもや保護者と上手くいかないとき、ぶれないその“軸”があればきっと乗り越えられます。
○ 自分のキャラを大切にしてほしいこと。子どもに初めから人気のある先生とそうでない先生がいるものですが、焦らず無理をせず、自分らしくじっくりと取り組んでほしいです。子どもに違いがあるように、先生も違っていていいのです。
○ 先生や子どもたちからたくさん学ぶこと。そのため、失敗を恐れず積極的に取り組むべきです。消極的な人と積極的な人とでは学びの大きさが違います。
○ 自分が先生になりたいと思っているその教科の魅力を、子どもたちに熱意を持って存分に伝えてほしいこと。本校の先生は、その後にそれを上手く使います。
○ 学んだことを細かく記録すること。記録がたくさん残せるほど実習が終わった後の充実感は大きくなります。そして、きっとそのノートは貴重な財産になります。
 校長室で話している最中、廊下から肢体育成学級のAが自立活動に励む声が聞こえてきました。話を中断し、その様子を見学させました。私が廊下に腰をおろしたのを見て、皆もしゃがみ込みました。彼らの目にAの姿はどのように映ったのでしょう。
 これからの3週間、実習生たちは本当にたくさんのことを学ぶに違いありません。そして、若い彼らから本校の子どもたちだけでなく、私たち教職員も多くのことを学ぶことになるでしょう。楽しみで仕方ありません。

『東山を西に見て』

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「修学旅行の力」
 校長として参加する初めての修学旅行から帰りました。細かなことは色々ありますが、全体としてみると十分満足できる“いい修学旅行”でした。修学旅行が終わると毎回思います。中学校生活最大ともいえるこの行事には、子どもの集団を変化させる大きな力があります。言うならば、「修学旅行の力」です。今回もそれを感じました。出発式のワクワク感、飛行機離着陸時の歓声、食事のときの様子、観光地でのはしゃぎよう、どれも中学生らしい純粋なものでした。
 とりわけ強く思い出に残った場面は、1日目夜のレクリェーションと伊江島のファームステイ先のおっちゃん・おばちゃんとの別れのシーンです。
 出発前から何度も事前学習の集会を見てきましたが、子どもたちがあれほどまでに一つになれた場面はありませんでした。係りの子を中心に、子どもたちが、二度とないだろうレクリェーションのその瞬間を精一杯楽しもうとしています。そういう雰囲気が会場に満ちているので何をしても面白いのです。漫才、早押しゲーム大会、ジェスチャーゲームでの大活躍など、普段の学校生活では決して見ることのない子どもたちの生の姿に触れることができました。私はそんな様子を見ながら、この子たちの今後が素晴らしいものになっていくだろうことを予感していたのでした。
 最も期待していた伊江島のおっちゃんやおばちゃんとの別れのシーン。正直なところ、過去を知っている先生の言葉も半信半疑だったのですが、完全にしてやられました。やんちゃなAがおっちゃんに「ありがとうございました」と照れ臭そうに頭を下げて言っています。旅行中、カメラを向けてもニヒルを決めてなかなか撮影に応じない彼が、おっちゃんや仲間たちと共に何枚も写真を撮り合っています。また、こちらもやんちゃな女子生徒B。おばちゃんに肩を抱えられながら集合場所にやってきました。後から聞いたところ、眠くてなかなか起きられず、遅刻を心配するおばちゃんを相当困らせたそうです。しかし、そこに現れた姿は、“おばちゃんに大いに甘える可愛らしい娘”のそれでした。
 おそらくAもBもかなりの迷惑をかけたのではないかと推察します。それを全面的に受け入れ、とてつもなく大きな愛情でもって包んでくださったに違いありません。1日限りの関係ではない私たちには、到底そのまま真似ることは出来ないけれど、島の人たちの度量の大きさと深さは、大いに見習わなければなりません。
 私のカメラには200枚以上の写真が収められています。どれも笑顔で溢れています。この表情を失わせてはならないと思っています。これが本当のうちの子どもたちの姿だからです。
 修学旅行は子どもたちの本来の姿を私たちに見せてくれました。伊江島の人たちの大きな心と深い愛情を見習いつつ、レクリェーションの時の予感を膨らませていきたいです。修学旅行の力は、私たち教職員の方に強く働きかけています。

『東山を西に見て』

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「一人一人のニーズに応じた…」
 明日から沖縄への修学旅行に出発します。私の最後の修学旅行引率は8年前になります。一緒にゲームをしたり、子どもの部屋で遅くまで話し込んだりして本当に楽しかったです。その前のときには、子どもの部屋で眠ってしまって「先生のいびきがうるさくて寝られへんかった」と翌朝に文句を言われたこともありました。子どもの数が少なく、子どもとの距離も近いという極めて稀な状況の学校に勤務していたからで、同じことを期待しているわけではありません。ましてや、今年は旅行団の団長です。しかし、やはり楽しかった思い出は忘れられません。
 本校の修学旅行のメインは、ここ何年か計画しているという伊江島でのファームステイです。島のおっちゃん・おばちゃんが、子どもたちを丸1日面倒みてくださるそうです。「ヤンチャな子どもたちは指導に従うのか。」「迷惑はかけないのか。」計画を聞いた時、最初にそれを尋ねました。島を離れる際、そんな心配のある子どもたちも涙を流しながら別れを惜しむということです。
 親や教師の言うことに対してなかなか素直になれない子どもたちもいます。そんな子たちの心をたった1日で柔らかくする沖縄の風土と、そこに住む人たちの絶対的な愛情に、教育に携わる私たちはきっと学ぶところがあるのでしょう。今回の修学旅行では、是非ともその部分を感じて帰ってきたいと思います。
 さて、本日、新任校長研修会がありました。テーマは総合育成支援教育についてです。講義を聴きながらたくさんのことを考えさせられました。
「障害による支援を必要とする全ての子どもたちが、一人一人のニーズに応じた適切な支援を受けられるように、総合支援学校・育成学級・通級指導教室・普通学級の垣根を低くしてそれぞれの教育力を生かし、互いに連携してより柔軟で効果的な支援を行うこと。」これが、本市の「総合育成支援教育」の定義です。
 国が「特別支援教育」と呼んでいるものを敢えてそうしないのは、一人一人のニーズを把握し、それぞれに対応した指導法を行うことは、障害の有無に関わらず、すべての子どもたちの指導に対して有効であると考えているからでしょう。
 かつて同和教育に深く関わっていた頃、「同和教育は特別な教育ではない。教育そのものだ。」と考えていました。そして今日、総合育成支援教育についても同じことを感じました。
 一人一人の子どもを徹底的に大切にする教育を考えるとき、入口は違っても、行き着くところは同じなのだと再確認ができました。
 明日から125名の生徒と2泊3日を共にします。
 一人一人のニーズを知ることから教育はスタートします。
 これまで見つけてこられなかった所を出来るだけたくさん発見し、今後の教育活動に生かしていきたいと、出発を前に思っています。

『東山を西に見て』

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「本気」                           
本気
なんでもいいからさ 本気でやってごらん 本気でやれば たのしいから
本気でやれば つかれないから つかれても つかれが さわやかだから
                                  みつを
 各学級で盛んに学級通信が発行されています。
 担任の先生が通信を通して“思い”を子どもに届けているのです。毎日、何枚かが職員室の私の机上に置かれていますが、担任の先生の個性、先生と子どもたちとの繋がりの様子、学級の雰囲気などが伝わってくるので、それに目を通すのは楽しみの一つでもあります。
 その中の一枚に、相田みつを氏の上の詩が掲載されてありました。私もこの詩が好きで教え子に紹介したことがあります。「本気でやればこそ、分かることがある」とは、これまで出会ってきた中学生を見ても、自分自身の経験を通しても感じることです。
 行事などに本気で取り組んだ者は「楽しかった」と言い、いい加減な取り組み方しかできなかった者ほど「しょーもない!」という言葉を吐きます。また、「本気は人の心を動かす。」ということも経験上分かっているつもりです。学校には、子どもと先生との様々なやりとりがあります。なかなか先生の指導に従わない場面を見ることもありますが、しばしば先生の本気が子どもを突き動かします。生徒指導の場面だけではありません。授業においてもそうです。この時間に伝えたいことが明確で、そこに本気が感じられた瞬間には、子どもの目と心とが大きく開かれるように思います。今日もそんな授業を見ることができました。
 子どものヤル気が教師の本気を引き出すのか、教師の本気が子どもをヤル気にさせるのか、おそらく双方向の作用があるのだろうと思います。こういう場面が多くなっていけば、教師と生徒の信頼関係が強められ、信頼関係の上に立った授業においては子どもの学力はドンドン伸びていくのだろうと思います。
 GWが終って初めての土曜日、午前中に学校へ来ました。「今日くらいは先生も子どもたちもゆっくりとしているかな!?」そんなことを思いながら来た私は度肝を抜かれました。吹奏楽の練習の音、各部活動の声、先生の指導の声、普段の日とかわらない程の子どもの数と活動の様子がそこにはありました。すでに夏季大会に向けてフル回転です。ここにも先生や子どもたちの本気を感じました。
 9日には地元体育振興会主催の「歩こう会」に参加してみました。「地域を歩くことで見えてくるものもあるだろう」と思ったからですが、地域の多くの皆様方と本気というより本音の話ができました。今朝は早速、その時に知り合った方と朝のあいさつを交わすこともでき、有意義な時間であったことを思い返しました。
 明日もまた子どもと先生との本気のやりとりを見つけたいと思います。また、明朝もあの方々と挨拶を交わすのが楽しみでなりません。

『東山を西に見て』

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「この先を見つめて」
 GW中、市内各地で様々な春季総合体育大会の競技が行われ、本校の選手たちも熱戦を繰り広げました。若い力が跳び、走り、輝きました。女子バレーボール部の3位入賞は立派な成績だと思います。準決勝は大接戦の末のとても惜しい敗戦でした。第1セットは奪われたものの、次のセットは奪い返して最終セットを迎えました。一進一退の攻防が続きます。どちらかがポイントを挙げるたびに体育館の半分が揺れるほどの大きな歓声が上がります。コートでプレーする者だけでなく、応援する者も一体となっての見事な戦いでした。
 他にも、いい試合、いい光景はたくさんありました。学校では見せることのない溌剌とした元気な顔、澄んだ瞳、大きな声、魂と体の躍動に出会います。試合後も実に“いい顔”を見せてくれます。「そのくらい勉強にも集中してくれよ!」そう思わせてくれる子もいます。緊張が極まってか女子テニス部の選手は、試合中に涙を流しながらプレーしていました。あの試合、勝てて本当に良かったね。「校長先生、やる気・元気・マナーですよね!」激励会で言ったことを覚えていてくれた子もいました。
 誰も優勝できなかった訳ですから、皆どこかで敗戦を経験したことになります。結果に満足できない子どもも先生もいるのでしょうが、子どもたちは、本大会で確実に多くのことを学び、心身ともに成長したはずです。3年生諸君にはまだ次があります。次の夏季大会でこそ、今回学んだことを活かして、是非“悔し涙”を“喜びの涙”に換えてほしいと思います。
 これからの3か月、中学生は不思議なくらい成長します。そしてその時に蓄えた力が、進路に向けてのエネルギーになるということも教職員の多くが知っています。
 また本日、授業参観がありました。連休明けだということで若干心配された参観者数もたくさんになりました。子どもたちも落ち着いていました。GW明けの日の、しかも午後からの授業はダラけることが多いのですが、授業参観で結果的にはよかったのかもしれません。
「ちょっとお話したいことがあるのですが…」一人のお父様に声をかけられました。内容は、何人かの授業に定着できない子どもたちへの対応を心配されてのことでした。
「自分たちの中学生の頃は、先生に厳しく叱られた。殴られたこともあるが、今では感謝さえしている。一方、今の指導は……。」
 お話を伺った後、現在本校で実践しています“子どもとの間に信頼関係を築く指導”について説明申し上げました。「お話をお聞きして安心しました。今後とも宜しくお願いします。私たちにできることがあれば仰って下さい。」そう言って帰られました。
 この先が問われています。

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