京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/11
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ハートフルマーク
北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』

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「善意が見える 善意に触れる」
 宮城教育大学に西内なる男がいました。ソフトテニス(当時は軟式テニス)仲間の同級生で、身体も声も私と同様大きく、性格も似ていることからウマが合い、試合後のレセプションではいつも楽しく飲んで騒ぎ合った仲です。大学卒業後は共に中学校の教師になりました。その後は、年賀状の交換ぐらいの付き合いになったのですが、「運動しなくなり、体形はすっかりお相撲さんです。」といったコメントが面白く、年に一度のそれを楽しみにしていました。今年の年賀状でお互いが校長になったことを知りあいました。1月末に「京都へ修学旅行に行くついでに花山中学校を訪れたい」という旨の電話があり、4月12日の再会を心待ちにしていました。
 11日の東日本大震災の報を知って案じたのが彼のことです。彼は今、郷里に家族を残して福島県須賀川市立小塩江中学校に単身赴任しています。18日(金)、彼の学校と電話がつながりました。懐かしい快活な声が返ってきました。家族は無事だったこと、学校は津波の影響でグチャグチャになり、とても授業どころではない事、友達の中には連絡のとれない者が多いことなどを聞きました。修学旅行は無期延期になったが、必ず会いに行くという彼の言葉に何とも言えない逞しさを感じました。「月並みなことしか言えへんけど、頑張れよ!」そう言って電話を切ろうとした瞬間、電話の向こうで号泣する声が聞こえました。「ありがとうね…、ホントありがと!」その声が今も耳に残っています。学校を預かる立場の者として、きっとギリギリの精神状態で頑張っているのでしょう。今回の震災が一気に身近なものになった瞬間でした。
 その日は、朝から新旧生徒会本部役員の子らが中心になって募金活動を行いました。
 登校時と朝学活時の活動に加え、3時からは卒業生中心で校区内の2か所で声を上げました。卒業後にも拘らず花山中の制服を着て頑張る子や、「この子がこれほど…!?」と思わせる位に声を張り上げる子、高校の召集帰りに合流する者もいました。登校時に財布からコインを全部出す生徒、保護者の方から預かった封筒から数枚の紙幣を出す生徒、生徒会企画のメッセージを熱心に書き込む生徒の姿に心が和みます。また、生徒たちの一生懸命な姿が道行く人の足を止めます。買物のおつりを入れてくださる方、自動車を止めて窓から手を伸ばされる方、わざわざ自転車で来てくれる卒業生も多くいました。
 少し離れた所からこれらの光景を見ながら実に温かな気持ちになりました。
 近頃、人の善意がなかなか目に見えませんが、この日はそれが見えました。人の善意に触れる機会を得たようにも思います。人のために始めた活動ではありましたが、いつの間にか大切なものを学ばせて頂いたようです。募金してくださる方々に対する「ありがとうございました」の声は、被災された方々の為の他に、もう一つの大切な意味があるように感じます。

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