京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/11
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ハートフルマーク
北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』

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「内側から育てる」
 23年度の「学校教育の重点」の基本方針の中で、「規範意識の育成」という言葉が特に印象的に映ります。昨年度からよく耳にするようになり、今年度はいたる所で論議されるようにもなりました。角川の国語辞典によれば、「規範」とは「手本・模範」の意味で、「判断・評価または行為などのよるべき基準」とあります。「規範意識を育成する」ということからイメージすることを学校生活の中で具体的に考えてみました。しっかりと挨拶する。正しい言葉づかいや態度で人と接する。時間を守る。ルールを守る。自分の役割を果たす。人の嫌がることを言ったりしたりしない。始業時には学習の準備が整っている。授業中はノートをとって先生の話を静かに聴く。何となくがんじがらめで堅苦しい姿が想像されますが、どれもこれも言わば当たり前のことでもあります。
 では、規範意識を育てるにはどうすれば良いのでしょう。「〜しなさい。」「〜するようにしましょう。」等、それらをストレートに表現する方法もあるのでしょうが、そうすると“教師がさせた”という感じが強くなります。これを外側からの働きかけとする一方で、生徒が内側から育つような働きかけもあります。時間やルールを守ったり、各自が自分の役割を果たせると、きっと生徒は心地よく感じると思います。また、宿題や予習や復習、学習の準備ができていれば、生徒はその1時間の授業をより充実させ、得をしたような気にもなるでしょう。この場合の教師の役割は、生徒が自ら『そうしたい』と思って行動するよう刺激を与えることなのです。
 2月28日、2年生に転入生がありました。初めて学級に入る朝学活の場面を見に行きました。事前に座席が決めてあり、転入生は自己紹介の後すんなりと席に着きました。学活の間、担任の先生は「〜しなさい」というような言葉を一切発しません。クラスの子どもたちが自分たちで実に温かで秩序ある雰囲気を作り上げていました。明るく楽しいけれども規範がきちっと整った時間であったように思います。
 高校生の頃だったでしょうか、礼儀のルーツは、他人の気持ちを尊重することから生まれる謙虚さや丁寧さであると聞きました。それが新渡戸稲造著の『武士道』からの引用であることを知ったのはずっと後になってからです。先日、知人から寄せられたメールでも『武士道』について触れられており、「真の礼儀とは、相手に対する思いやりの心が表に現れたもの。礼儀の最高の姿は愛と変わらない」とありました。礼儀を教えるとき、「このように〜しましょう。」とそのやり方(尽くしかた)を教えるのではなく、相手に対する思いやりの心や相手を尊重する心を教えることの大切さを示唆してくれているようです。
「規範意識を育成する」方法が見えてきたようです。それはルールやマナー、言葉づかいや生活態度などの外側に現れた部分の指導ではなく、子どもの内側に働きかけ、子どもの心を育てることに違いありません。教育に携わる者として、今改めてそのことを確認したような気持ちです。来年度の本校教育の重点にしたいと思います。

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