京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/31
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研究授業と研究協議。

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睦月1月も最終日。1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、などと言い古されていますが、年があけてから年度末までのこの3か月は、時間の流れの速さに翻弄されそうになります。盛りだくさんの取組が続きますが、目線は上げながら、しかし地に足をつけて、日々の授業をいつも以上に大事にしていきたいと思います。

今日は、京都市総合教育センターから音楽の指導主事の先生にもお越しいただき、音楽科教諭の採用年次研修の研究授業とその後の研究協議を行いました。今回は、他校にはない、ピアノ専攻の個人レッスンの授業を研究授業としました。参観しやすいように、いつものレッスン室ではなく、比較的広めの202教室を使い、普段向かい合せに置いている2台のピアノを、ピアノのレッスン仕様に横並びに移動させての授業となりました。

対象生徒は2年生。2週間後に迫った進級実技試験の課題曲ベートーヴェン作曲ピアノソナタ第21番 通称「ワルシュタイン」(この作品がフェルディナント・フォン・ワルトシュタイン伯爵に献呈されたことに由来。1803年、ピアノ・メーカーのエラール社からベートーヴェンに、連打がしやすいなどの新しい機能を備えたピアノが贈られ、その性能を試すような新しい試みが含まれている…というようなことも、指導案の教材観に書かれています。)のレッスンでした。第1楽章を弾き終えた生徒に、自分での課題や感想などの振返りを求める教員。「指がまわりにくい、拍感が左手と右手でちがっている、多声部を聴きとれない」の3点を即座に回答する生徒。授業者がこの生徒のレッスンではこういう問いかけを常に行っていることが垣間見えました。その3点は教員が解決すべき点と思っていたことと一致していたようで、この3つについて抽象的に示唆したり、具体的に弾いて見せたり、というレッスンが続きました。その間にも、生徒との言葉のやりとりは欠かさず、生徒の理解を丁寧に確認していました。

第2楽章にも第3楽章にも進みながらでしたが、50分はあっと言う間。いつもと違うシチュエーションの中でも、よく集中している生徒でした。「全ての音に意味がある」という教員の言葉を受け取りながら、次のレッスンまで生徒はこの曲としっかりと向き合い時間をかけて練習をすることでしょう。

続く研究協議では、参観の教員から授業者への質問もいくつもあがり、参加者全員にとって刺激の多いよい時間となりました。指導主事からは授業者の成長を評価するとともに、「音楽はすべてを言葉にできないが、指導案を書くことで言葉にできる限りを書くということは大事。教員の働きかけで生徒の音が変わることがよくわかったが、自分で起こした変容を次に活かすために書き留めたりできているか?授業の最後に何らかの確認は?」など、有意義なご指導をいただきました。

生徒以上に、教員が学び続けていくことの大切さと愉しさを、たっぷりと感じる時間となりました。

縁(よすが)として。

1月30日(火)、75期3年生は、視唱と聴音の進学補習があり、LHRも実施されました。今日は校長が教室を訪れ、音楽に志し、しっかり音楽の土台を学んできたみなさんには、音楽以外の物事を考えるときでも上手く使える“ネタ”のようなものがたくさん身についているよう。このところ75期のひとりひとりと話していると、そういうことを強く感じ、これから先この人たちは大丈夫だ、と思える。今日は音楽以外で、そういう“ネタ”を一つ増やしてほしい、と、言語学の考え方である「相補分布」の話をしました。

いろは歌と五十音図の違いから話は始まり、五十音図の子音+母音の構造へと話は進み、マ行とハ行を発音してそれぞれの子音について確認し、ハ行「はひふへほ」、は同じ子音ではないことに気づきました。同じではないが「相補分布」という考え方をすると/h/として扱える、と説明し、この考え方を使ってプラスに考えられる日常の例をあげて話を終えました。

高等学校で教科を学ぶ意味は、それぞれの教科についての見方・考え方を身に着けられるというところにもあります。生徒たちは、音楽という広く深い専門性とさまざまな教科から、また、めぐりあった多くの人たちから、多くの見方・考え方を生きる力を生み出す縁(よすが)として受け取り、堀音を巣立っていこうとしています。

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ぜひ音楽をともだちに!              「公開レッスン・コンサート&学校説明会in旭堂楽器店」開催

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1月27日(土)
 主に小学生以下のお子様と保護者の方を対象に、旭堂楽器店2階のサンホールを会場に、「公開レッスン・コンサート&学校説明会」を開催しました。

 はじめに、旭堂楽器店の多田社長様からご挨拶を頂戴し、本校中村校長からもご挨拶させていただいて、スタートしました。

 前半は、ピアノ・オーボエ・チェロの堀音2年生3名が登場。ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第4番『街の歌』を披露しました【写真上】。そして、各自の音楽との出会いにまつわる自己紹介とそれぞれが学んでいる楽器について紹介。オーボエのKさんは、小さな頃から電子オルガンを習っていて、中学校で吹奏楽部に入部したときに、電子オルガンの音色の中でオーボエの音が一番好きだったのでオーボエを選んだというエピソードを語ってくれ、バレエ『白鳥の湖』(チャイコフスキー作曲)第2幕の有名な《情景》の冒頭を演奏。聴き馴染みのある悲し気なメロディーに、「あぁ、この音色がオーボエだったんだ!」とわかっていただけました。チェロのHさんは、サン=サーンスの『動物の謝肉祭』より「白鳥」を。この曲は、ミハイル・フォーキンがバレリーナ アンナ・パヴロワのために振り付けた「瀕死の白鳥」としても有名ですね。奇しくも、“白鳥つながり”&“バレエつながり”でした。そしてふたたび3人でディズニーの「ミッキーマウス・マーチ」を演奏。みなさん手拍子で楽しんでくださいました。

 後半は、教頭からの簡単な学校紹介のあと、旭堂楽器店の音楽教室で田中咲絵先生(本校62期卒)にピアノを習っていらっしゃる小学生の方の、田中先生との公開レッスン【写真中】、続いて、本校2年生のDさんに対する山本教諭の公開レッスン【写真下】をご観覧いただきました。小学生と高校生のレッスン、どちらからも、先生が、様々なイメージを言葉でうまく伝えたり、質問して確かめたりしながら、その曲に対する理解を深めさせ表現に結び付けようとされていたこと、そして、打鍵などのテクニックを身に着けさせようとされていたことが、伝わってきました。

 ご参加くださったみなさん、いかがでしたでしょうか。
 これからも音楽を“友”として楽しんでいってくださることを願っています。そして、近い将来、もし本格的に音楽を学びたいと思うようになられたら、ぜひ堀音にいらしてくださいね。お待ちしています!

 ご参加くださった皆様、そして、会場をご提供いただきました旭堂楽器店の皆様、本当にありがとうございました。

1年生「茶道体験」を行いました!

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1月26日(金)
 「茶道を中心としたおもてなし事業」の一環として、1年生全員を対象に「茶道体験」を実施しました。講師には、裏千家淡交会から津田宗代先生と安渕宗悦先生をお招きしました。津田先生のお子様は本校47期卒(フルート)で、生徒たちの先輩だというご縁があります。

 2講座に分かれて、それぞれ2時間連続で講座を行いました。
まず1時間目は、茶道の基礎知識や歴史、基本的な作法について、ビデオ視聴を交えた講義を受け【写真1枚目】、2時間目には、本校和室で体験実習を行いました。

 体験実習はまず、1時間目の講義で学習した「真」のお辞儀を全員で行い、先生方に「ご指導、よろしくお願いいたします」という気持ちを込めてご挨拶して、スタートしました。
はじめに、お茶席での客と亭主のふるまいについて、先生の解説つきのお点前のデモンストレーションに代表生徒1名が「正客」役となって参加し、その様子を全員で見学しました。【写真2枚目】

 次は、いよいよ自分たちの番です。2人ずつペアになって向かい合わせに座り、「亭主」役が「正客」役に主菓子(今日は、“福の春”というフクジュソウの意匠のきんとんです!)をお出しし、それから、お抹茶碗にお湯を注いでもらい、手首のスナップをきかせて前後に茶筅を素早く振ります。上手に点てる者、なかなかうまくいかない者、先生方にも助けていただきながら、なんとか皆きれいにきめ細かな泡を点てることができました。【写真3枚目左右】お茶碗を2回時計回りに回してから飲んでみると、なんと美味しい薄茶だこと。
 つづいて、亭主役と正客役が交代して実習しました。

 今日はまだ1月なので、先生方が、お正月のお茶席での床の間の飾りを紹介しようと「結び柳」と椿を、そして、お香合は辰年にちなんで龍頭の形のものを、わざわざお持ちくださってしつらえてくださったので、実習の最後に、それらをご説明いただきました。【写真4枚目】
 たった2時間の短い体験授業でしたが、今日の授業を心に留め、今後、世界の人々と音楽でつながっていくためにも、自国の伝統文化について学ぶ一つのきっかけにしてもらえればと思います。

 津田先生、安渕先生、ご指導ありがとうございました!

「光る君へ」に因んで!?

このブログでもご紹介したことのある、本校玄関スペースの「出張図書室」。このところ、国語科教員でもある図書館長が、「源氏物語」にスポットを当てた図書を結集させて置いています。源氏物語の口語訳の文庫本や、研究書・解説書、平安宮廷女流文学に枠を広げて、枕草子関連の著書、恋文にまつわる漫画に至るまで、生徒が興味を持って手に取れるよう工夫した配架を行っています。

「源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり」(著者:山本淳子氏 発行所:朝日新聞出版)には「二年生におすすめ!第一章を読むだけで(授業で学んでいる「大鏡」の)『花山天皇の出家』が百倍面白くなる! とても読みやすい文章です」というポップを添えて紹介。また、源氏物語の作者紫式部が主役の今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の登場人物を演じる役者写真が使われた人物関係図にメモを入れて掲示もしています。

「光る君へ」は大胆な歴史解釈と時代考証で、早くも議論を巻き起こしていますが、平安文学の本文や研究書を読み込むと、どういうところが史実からは“大胆”な飛躍なのか、というのを見つけていけるのも面白い読解ではないでしょうか。せっかく「平安の都」に縁を持っている本校の生徒たちが、いろいろの角度から古典文学に親しんでくれることを期待します。

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京都市交響楽団 新常任指揮者 沖澤 のどか 氏による               本校オーケストラ特別指導!

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1月23日(火)6・7限

 本校学校運営協議会にご参画いただいている京都市交響楽団からのご提案により、今年4月、京響第14代常任指揮者に就任された 沖澤のどか先生 にご来校いただき、「合奏」の授業で本校オーケストラを特別にご指導いただいて、夢のような時間を過ごしました。
 曲目は、来る3月21日の「第14回卒業演奏会」で演奏予定のワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲です。

 ご紹介のあと、すぐに練習が始まりました。始めはおとなしく少し硬い感じでしたが、「まずは曲のキャラクターをもっと出すことが大事」、「冒頭部分の表現。オペラのボーカルスコアをぜひ見てほしい」など、お話を交えながら指示や指導が入っていくと、沖澤先生のご指導に生徒たちはどんどん引き込まれていき、演奏が生き生きとしていきました。3幕の巡礼の合唱の雰囲気を歌いながらご指導くださったり、「(歌の言葉の意味が軽くなるところは)重力が違う世界に行ったみたいに軽く」、「二重人格みたいにパッと変えましょう」「音のツヤ、ハリをもっと出して」などと指示が飛んだりするたびに、生徒たちはそれらに応えて演奏を変えていきます。

 途中休憩の後からは、「合唱」の授業のメンバーも客席に入って、特別授業を見学して学ばせていただき、あっという間に、終わりの時間が近づきました。
 残りの時間で、生徒たちの質問にも丁寧に答えていただき、ステージ上のオケのメンバーも客席の合唱のメンバーも皆、じっと沖澤先生を見つめながらそれを聴いて、温かく、そして、楽し気に答えてくださるお姿とお言葉に感動していました。
 最後に、生徒を代表してオーケストラの新代表者からお礼のご挨拶を、新コンサートミストレスからは花束をお贈りし、生徒全員で本校校歌を合唱して、お礼の気持ちを表しました。

 沖澤のどか先生、貴重なご指導を本当にありがとうございました。
そして、京都市交響楽団の皆様、このような機会をお与えくださり、生徒・教職員一同、心より感謝申し上げます。ありがとうございました!

【写真上2枚】沖澤先生のご指導の様子
【写真中2枚】質疑応答の様子
【写真下2枚】代表生徒謝辞と校歌の合唱でお礼を

高槻にて。

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1月21日(日)午後、JEUJIA高槻店のホールをて、「公開レッスン・ピアノコンサート&学校説明会」を行いました。阪急やJRの駅からすぐという好立地の会場なので、京都府乙訓地域の中学校にもご案内をしました。小学校低学年から中学生までの音楽が大好きな子どもたちと、保護者の方々とご一緒に、楽しい時間を過ごしました。

本校音楽科教諭の司会で、公開レッスンから会は始まりました。本校53期卒業生で、現在非常勤講師をお願いしている法貴 彩子先生の本校ピアノ専攻1年生へのレッスン。曲は2月に行われる進級実技試験の課題曲、ショパンのバラード2番 作品38。生徒は、法貴先生には初めてご指導いただくため、良い緊張感を持って、まず通して弾くところからレッスンスタートです。弾き終わると先生は生徒の良いところを評価して下さったうえで、「ショパンの弟子がショパンの演奏を聴いた経験を書き綴った本を読んだ?」「ソフトな音を出したいときはどうすればいい?打鍵のスピードは?」「前半部この部分だけクレッシェンドとデクレッシェンドがついてるよね。ショパンはほんとにそこだけであとは淡々と弾いたらしい」「ここは難しい?どうして難しいのかな?それが説明できると攻略できる」「次の激しいところ、火のように聞こえるようにショパンは創っている。あなたの勝手で激しくならないで、ショパンとの合作で」と、楽譜に書いてあることをひとつひとつ確認しながら、生徒に考えさせ、気づきを引き出してくださっていました。

小学生の参加者も、レッスンにひきこまれ、先生と生徒の手などの動きがよく見えるような場所に移動して集中して聴講したり、脱力の方法について先生が模範を示してくださると、一緒に身体を動かしたりしてくれていました。本校を進学先の候補にしてくれている中学生は、司会の本校教諭に熱心に質問をし、今日来て良かったと伝えてくれていました。

そのあと、校長がスライドを使って学校紹介を行い、休憩を挟んで、枚方市出身本校69期卒業生で、現在東京藝術大学大学院修士課程に在学中の山下 彩恵さんが、プロコフィエフのピアノソナタ第4番 ハ短調を演奏してくださいました。素晴らしい演奏に参加者のみなさんから大きな拍手が贈られました。演奏後、司会の質問にお答えくださり、堀音で学ぶと高校の時から自分の演奏だけでなく、弦楽器や打楽器や管楽器の伴奏も経験できて、ためになった。また一番の思い出はヨーロッパ研修旅行の時に教会で合唱したときの響き、など本校の魅力を伝えてくださいました。

会場を提供してくださった、JEUJIA高槻店の皆様に心より御礼申し上げます。

このあと、1月27日(土)には 旭堂楽器店サンホールにて、2月10日(土)にはJEUJIA宇治大久保店にて、公開レッスンやミニコンサートそして学校紹介を行います。お近くのかたは少しの時間でも足を運んでくださると幸いです。小さいお子様も大歓迎です。心よりお待ちしております。

「認知症サポーター養成講座」を開催しました!

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1月18日(木)5,6限
2年生を対象に、「認知症サポーター養成講座」を開催しました。
講師は、本校学校医で「認知症サポート医」でもいらっしゃる辻輝之先生と、臨床音楽士で京都医療センター脳神経内科で音楽療法に携わっていらっしゃる飯塚三枝子先生です。司会は、本能地域包括支援センター長の寺本珠眞美様がご担当くださいました。

前半は、辻先生にご講演いただきました。【写真上】
まず、若年性認知症を発症された66歳の女性と30代の娘との暮らしの様子を追ったニュース番組の特集の一部を視聴。辻先生は、「『かわいそうに』というシンパシー(Sympathy:同情、感情移入)ではなく、エンパシー(Empathy)を。エンパシーとは『自他の区別を前提として、意識的.能動的に他者の視点に立ち、他者の立場に置かれた自分を想像することに基づいた相手理解のこと』で、訳語をあえて充てるなら『自己移入』です」と、認知症や認知症の人について正しい知識を持ち、正しく理解することの大切さを説かれました。

「それではここで、問題です!これから、3つの言葉を覚えてもらいます。さくら・ねこ・電車。…次は計算問題です。100−7は? 93−7は? …今日は何年何月何日何曜日ですか?」などと出題され、2年生は声をそろえて元気よく答えていくと、「さて、一番最初に覚えた3つの言葉はなんでしたか?…実はこれ、認知症のテストなんです。」というように、体験をまじえながら、認知症の中核的な症状を次々に紹介してくださいました。

そして、辻医院でのオレンジカフェや地域の取組「チーム上京」などを紹介。「欧米ではこの50年、認知症を「敵」とみなし、それを「征服」するという発想で取り組まれてきて、ようやく認知症の進行を遅らせる薬が出てきた。が、認知症の症状は人それぞれであり、高齢化がもっと進んでかなり多くの人々が認知症になるならば、それは敵ではなく、個々人の個性と見ることもできるのでは。ケアをすることは、一方的なお世話や手助けではなく、双方向の営みだと強く感じます。私は、養老孟先生の「世界は違いでできている」という言葉が好き。昨年6月に成立した「認知症基本法」にあるように、認知症や認知症の人に関する正しい知識と理解を深め、いっしょに共生社会の実現を目指しましょう。」と締めくくられました。

後半は、飯塚先生から、認知症の人に対する音楽療法について伺いました。【写真中】
はじめの自己紹介では、京都市立芸大をご卒業され、ヴィオラ奏者としても活動なさってきたとのことで、“後輩”に話すように親しみのこもったメッセージをいただきました。「外国の演奏家たちにはボランティア活動の義務がある。海外での演奏で楽団員たちと話すと必ずボランティアの話が出る。どんな場所や条件であっても、それにあわせて音質や音量を変えて演奏する。また、兵役でたとえば1年間、楽器に触れない人もいるが、みんなそれを受け入れて、音楽ができるとなれば場所を選ばず音楽を表出する。そうやって頑張っている。」と。

そして、現在取り組んでおられる「認知症患者さんのための音楽療法」について、実際の様子の動画をまじえながらご紹介くださいました。そこからは、患者さんお一人お一人の認知症の進行具合や音楽の嗜好にあわせて、ご家族との思い出のなかの音楽などを探りながら、患者さんの回想を引き出す音楽を探し当てる様子が見てとれました。飯塚先生のもとに長く通っていくうちに、徐々に視線が上がり、歌を口ずさんだりリズムをとって体をゆらしたりできるようになり、明るい表情になっていく患者さんの姿に、2年生たちの目はくぎ付けに。音楽が人の心や身体に大きく作用することを教えられました。

「私は受験のときに、どういう音楽家になりたいかと聞かれて、“オケに入りたい”などと答えた。次に、どういう人間になりたいかと問われて、はっとした。どういう人間でいたいのか、そこに音楽をあてはめて考えた。音楽ありきではなく、なりたい自分・未来の自分のために音楽をがんばろうと思った。だから、みなさんも今はまず、音楽の技術を磨いてください。そして、音楽でもってどんな人として生きていきたいか、考えていってください。しんどいことも多いと思うが、相手の気持ちといっしょに音楽をすることは素晴らしいですよ。また、どこかでお会いできるのを楽しみにしています。」と飯塚先生。

終了後には質疑応答もありましたが【写真下】、そのあとも先生方のもとに、質問や感想を伝えに何人もの生徒が集まっていました。

お二人の先生のお話から多くのことを学ばせていただいた90分でした。
辻先生、飯塚先生、本当にありがとうございました。

75期 卒業実技試験

昨日1月16日(火)から18日(木)まで、3年生の卒業実技試験を行っています。

昨日はピアノ専攻と副専攻ピアノ、本日は午前・管打楽、午後・弦楽、明日17日に声楽と副専攻声楽というスケジュールです。本校ホールにて、採点官である本校音楽科専任教員と専攻非常勤講師の方々、授業等の合間をぬってかけつける本校教職員、3年生の仲間たちの前で、良い緊張感漂う中、3年間堀音で培った「音楽力」を発揮すべく、誠実な演奏が続いています。

玄関には、12日の75期激励会で校長から渡された「楽」の字の色紙版が飾られています。後輩たちも教職員も、毎日この「楽」を見て、実技試験、そして大学入試の実技試験に向かっていく75期全員に、エールを送り続けています。

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「薬物乱用防止教室」を実施しました!

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1月16日(火)5限

1年生を対象に、「薬物乱用防止教室」を実施しました。講師として、本校の学校薬剤師でいらっしゃる田中秀明先生にお越しいただき、たいへん優しくわかりやすいお話をお聞かせいただきました。【写真上】

まず、外国のある街かどで一人が別の人に地図を見せながら道を尋ねているビデオを見せ、「なにかおかしなことに気づきませんでしたか?」と質問されました。ちんぷんかんぷんな生徒たちも、何度か繰り返して見ているうちに、道を尋ねている人が、途中で別人に入れ替わっていることに気づきます!このことから田中先生は「知らないことはわからないし、気にしていないことにはなかなか気づきにくい。私たちは、知っているからこそ気づくことができます。今日は、薬物乱用防止について、しっかり知ってください。」と生徒たちを引き付けてくださいました。

前半は、薬の飲み方・取り扱い方について、具体的な誤った例を挙げ、どこが間違っているかを探すクイズから「薬の7つの約束」を確認されたり、水とお茶のペットボトルにそれぞれ鉄剤のシロップを入れるとお茶の方だけが真っ黒に変色する様子を見せて【写真中】、「水かぬるま湯で飲む」という用法を守ることの重要性を説明されるなど、とても理解しやすい形で薬についての正しい理解・行動を促してくださいました。
 
後半は、違法薬物の乱用、特に大麻に注目して解説くださいました。昨年12月に大麻取締法改正で医療用大麻の解禁のニュースが報じられましたが、それは医療用のものであって、大麻の合法化ではないこと、嗜好用のものを認めている国はあるにはあるが少数であり、「合法化=安全」ではないことを力説されました。「このニュースに便乗したデマ・ウソに騙されないように!」と強調され、生徒たちは大きくうなずいていました。

さらに、ペンシルベニア州フィラデルフィアではヘロインの50倍も強い精神安定剤「フェンタニル」が蔓延し、全身が脱力し朦朧と彷徨う中毒患者でいっぱいの“ゾンビタウン”と化した街があると、そのニュース映像を見せてくださいましたが、本当に衝撃的でした。

そのあと、薬物乱用防止の啓発CMを視聴。「登場人物が“痩せる薬”だと友達から見せられたのは、飴のような包み紙にくるまれたもの――パッケージもなければ、用法・用量などの説明書もない。薬だと言えませんね。そもそも痩せる薬はありません。」
最後に、田中先生は孫氏の『兵法』から「彼を知り己を知れば、百戦殆(あや)うからず。……」を紹介し、「堀音の皆さんは自分のことをしっかりわかっている人たち。相手がどういう行動をとるのかを知っていれば、戦うことになったとしても負けない(=誘われても正しい判断ができ、断ることができる)。」といったメッセージで締めくくられました。

先生に大きな拍手でお礼を伝えたあと、各自、レポートを作成して終了しました。【写真下】

田中先生、とても有益なお話をありがとうございました。

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