最新更新日:2024/07/05 | |
本日:9
昨日:60 総数:209764 |
VOL.2 びっくり じっくり
「園長先生,こっちの方が熱いの。」
Tちゃんが滑り台の上から話しかけてくれました。 幼稚園の総合遊具には並行して2本の滑り台が取り付けられています。 Tちゃんは幅の狭い方の滑り台に座って,これから滑り降りようとしているのです。 えっ,そんなことってあるんだ・・・と思って,ぼくは両方の滑り台の底の金属板に掌を当ててみました。 すると・・・。 「うわぁ,ほんと。知らなかった。すごいことに気が付いたね。」 ・・・確かに幅の狭い方より,幅の広い滑り台の方が熱いのです。 大げさではなく,びっくり!感心しました。 どういう訳でこんなことになったのかはわからないのですが,確かに温度差がありました。 自然現象として温度差があることにも驚きましたが, このことを自分の身体を使った実感で気付けること, 発見したことを誰かに伝えたくて,素直に近くにいた人に伝えられること・・・の すばらしさにもびっくりし,感心したのです。 しばらく遊んだ後,総合遊具の滑り台とは反対の方にある「はしご」の方へ行くと,今度は「はしご」に登りかけているSちゃんが「はしごの桁」につかまりながら, 「園長先生,上の方が温かい。」と教えてくれるのでした。 Sちゃんは,ぼくがTちゃんと話している時にはここには居なかったので,「温度差」の話は聞いていませんでした。 つまり,別の子どもが別の場所で,それぞれ同じような発見をし,伝えてくれたのでした。 ここでもぼくは金属の棒を握って,その温度差を実感し,Sちゃんの発見に共感し, 「ほんとだ。すごいねえ。」と感心したのでした。ここは「はしご」の下半分が日陰で,上半分にだけ太陽が当たっているので,こんな温度差が生まれたのでしょう。 子どもたちは,例えば,幼稚園の園庭の滑り台という身近な環境の中で様々な経験を主体的に繰り返し,繰り返しする中で,体をいっぱい使って,感じ,「はてな」をもち,考え,表現しています。今日の二人の子どもたちは「温度」と太陽について気付いていなかったかもしれませんが,この経験がいずれ,小学校以降の学習における体験と実感を伴った理解の深まり,知的好奇心や探究心の高まり,科学的な力,さらには自然の偉大さへの畏敬の念を抱く素地やめばえを育むことにつながるのではないかと考えています。 京都市の「学校教育の基本指針」では「確かな学力」の育成に向けての理数教育の充実や「豊かな心」の育成に向けての豊な感性・情操を育む教育の充実を謳っています。 京都市立幼稚園の保育は小学校の学びにつながる「学びに向かう力」をじっくり育んでいます。 VOL.1 国際廊下(仮称)
この9月から元有隣小学校園舎での,
楊梅幼稚園とリセさん(京都国際フランス学園)との 共同生活が始まりました。 リセの子どもたち(幼児から高校生まで)が登園を終えてしばらくしてから 楊梅幼稚園の子どもたちの登園時間になります。 ですから,今のところ この時間に出入り口が両園の子どもたちで混み合うということはありません。 1階の廊下は両園で使う廊下なのですが, 今のところ両園の子どもたちで混み合うということはありません。 園長は密かにこの廊下を「国際廊下」と呼んでいます。 こんな廊下はそんなにどこにでもあるものではありません。 |
|