京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/11
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本校は 自由快活な校風のもとで 多様性を尊重し共に高め合い 美の精神をもって広く社会に貢献できる 高い理想をもった創造性豊かな自立した青年を育成します

図書館で『未知との遭遇』してみませんか?

 1977年に制作公開された映画「未知との遭遇」。高校1年生の私は、バスに30分揺られて片田舎から街の映画館まで出かけていきました。映画の題名からも想像力を掻き立てられたのですが、映画館入口上部の大看板には、「これから自分の知らない世界にどうぞ」というメッセージ性の強い絵が掛けられており、ワクワクしながら入館したことを今でも昨日のことのように思い出します。この映画は、スティーブン・スピルバーグ監督が人類と異星人の接触を描き世界的ヒットを記録したSF映画です。(興味のある方はぜひ観てください。)映画を観ることが好きな私は、映画館が私自身の想像力形成に大きく影響を与えた場所の一つだと思っています。

 なぜ「図書館ニュース(今後生徒配布される予定)」の冒頭で映画のことを書いたのかというと、図書館は映画館と同様「未知との遭遇」を与えてくれる場所であるということを皆さんに知ってもらいたいからです。図書館というと何か勉強するところ、あるいは調べ物をするところ、という答えが返ってくることが多々あります。でも図書館はそんな場所を提供するだけのものではありません。私は、図書館や本屋は何の目的もなしにぶらぶらして、書架の間を歩いて楽しむ場所であるとも思っています。今の時代、調べ物や必要な本はインターネットを利用すれば簡単に知識も必要な本も手に入ります。ピンポイントで自分の求めたい知識や本は探せますが、「思いもかけなかった自分」に出会うことはできません。思いもよらない偶然の出会いが生まれるのが、リアルな場所の魅力です。ちなみに私は様々な図鑑を見ることが一番大好きです。自分の知らない世界を知り、体験することで新しい「知の扉」が開かれます。先日も仕事と仕事の合間に、図書館が近くにあったので立ち寄りました。目的もなく分類別になっている書架をぶらぶら歩きをしながら背表紙の題名を見ていると、目に止まる本がいくつかあります。時間の許す限り手にとってパラパラとページを捲りながらどんな本なのか、何が自分の興味を引いたのか、など自分を見つめている自分がいます。また、職員さんたちの個性溢れた選書コーナーや貼り紙につい釣られて本を取って、その本の世界に没入してしまいました。

 実はこのように本を探す目的もなく、書架の間をただぶらぶら歩きながら本を眺めることを図書館学では「ブラウジング」と呼ぶそうです。ブラウジングを行う中で「こんな本があったのか」「この本はおもしろそう」「装丁のきれいな本だ」等のさまざまな発見が、あなたの新たな知への刺激となります。今まで自分でも気づいていなかった分野に興味が湧いたり、自分の知らなかった世界を教えてくれたり、本のページをめくれば、そこにはさまざまな世界が広がっています。過去や未来、空想の世界、宇宙やミクロの世界、さまざまな国の文化や価値観、人の生き方にも出会えます。経験できない人生も疑似体験できます。これこそが「未知との遭遇」そのものでないでしょうか。

 こうしたブラウジングの効用が、近年再評価されはじめているそうです。生徒の皆さんは、日々の学習、制作、友達とのつきあい、となかなか忙しく、ブラウジングする時間が取りにくいかもしれません。ですが、学校生活の隙間時間(昼休みや放課後)に学校図書館を、帰宅途中やお休みの日の隙間時間に図書館に立ち寄って、自分の「知」の幅を拡げてみませんか。図書館は決して敷居の高い場所ではありません。新たな時代のあなたの自由や夢を実現するために、「感じる」「考える」「表現する」ことをより高める場所となる図書館を、ぜひ訪れてみてください。

                    校長  名和野 新吾

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行事予定
3/5 1年学年末考査
3/6 1年学年末考査
3/7 1・2年学年末考査 図書館閉館(授業開始まで)
3/8 1・2年学年末考査 美工1年生展陳列・結団式(午後)
京都市立美術工芸高等学校
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