最新更新日:2024/09/19 | |
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校長メッセージ「生徒の皆さんへ」「生徒の皆さんへ」 2022年も年の瀬を迎え、あと数日で新年を迎えます。 皆さんにとってこの一年を振り返って、いかがだったでしょうか。 嬉しかったこと、楽しかったこと、悲しかったこと、辛かったこと、頑張ったこと、やり抜いたことなどを経験し、皆さん一人ひとりが1年前より成長した姿になっていると確信しています。(確実に成長していますから、自信を持ってください。) 今年を本校の主な行事で振り返れば、3月の卒業式で3年生を送り出し、4月には入学式で新入生を迎えました。5月は昨年度まで実施できなかった体育祭を行い、全身で喜びを表現する生徒の姿を見ることができました。7月は文化祭を実施、クラス劇のクオリティーの高さに感心し、感動しました。10月には最大の行事「美工作品展」を京都市京セラ美術館で開催、約4600名の方の入場があり、皆さんが制作した作品を見て感動していました。また、11月には2年生が昨年度行けなかった美術見学旅行に行くことができました。 日本や世界に目を移せば、2月に平和の祭典と言われた北京五輪が開催されましたが、同時にロシア軍のウクライナへ侵攻開始され、現在も続いています。3月の宮城・福島で震度6強の地震が発生し東北新幹線が脱線、4月には成年年齢が18歳に引き下げられました。知床半島沖で観光船「KAZU l 」が沈没し、多くの方が犠牲になりました。5月には銀河系の中心にあるブラックホールを世界初観測したニュースが飛び込んできました。そして7月安倍晋三元首相が銃撃され死亡、9月には英・エリザベス女王が崩御しました。11月は満月が地球の影に完全に隠れる皆既月食と、月が天王星を隠す天王星食が同時に発生。1580年7月の土星食以来であり、本校でも観測会を実施しました。また、サッカーワールドカップカタール大会で日本がドイツやスペインに歴史的な逆転勝利、決勝トーナメントに進みました。そして新型コロナウイルス感染は今でも終息をむかえておらず、再び拡大傾向にあります。 取り上げるときりがない程様々な出来事が本校でも、日本をはじめ世界各地でも起こり、身近でない出来事も私たちに大きな影響を与えています。その影響から逃れることは、このグローバル社会ではとても難しいことです。良い影響ならば問題はありませんが、そうでないものは、私たちの生活や幸せを脅かすものとなります。私たちには憲法で保障されているように幸福になる権利があります。しかし、それはただ人任せにして得られるものではなく、自ら考え行動しなくては得られないものも数多くあります。幸福で、肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態「will‐being」を達成するためには、私たちは学び続け、考え、行動を起こすしかありません。決して大きな取り組みでなくてもいいのです。隣に困っている人がいたら少しお手伝いをする程度でも、少しずつですが自分も変わり、周りも変わっていきます。自分が幸せでなければ、人に優しくすることはできません。そのような小さな取り組みが、やがて世界を動かす原動力になることを証明している事例が数多くあります。 先日、2022年の「今年の漢字」に選ばれたのは「戦」でした。ロシアによるウクライナ侵攻や、物価高との戦いが理由ということです。 「一日、生きることは、一歩、進むことでありたい。」(湯川秀樹) これは湯川秀樹博士の言葉で、「今日を懸命に生きよう。一歩ずつ進むと、数年後には、見違えるほど成長した自分になっているはずだ。」と解説にあります。 同氏がこの言葉を述べたのは、第二次世界大戦後の混乱期。世界もまだ混沌としており、ドイツが東西に分裂され、中国ではようやく中華人民共和国設立の宣言が行われた年です。そのような時期に、同氏はどのような思いでこの言葉を発したのでしょう。私は、先行き不透明な状況にあっても、確信を持って「今日を懸命に生きようとする努力が大事である」と言いたかったのだと受け止めています。最後の「ありたい」という言葉で締めくくっているところが、前を向いて進もうとする私自身に並走しようとしてくれることばに捉えることができ、素敵だと思います。「頑張れ!頑張れ!」だとしんどくなってしまう。「頑張らなくてもいいよ」では、何も変わらず反対に後退してしまうかもしれない。湯川氏の言葉であれば、前進するけれど、「少しくらいは休んでもいいよ」と囁やいてくれていると思うことができ、勇気をもらえませんか。 さて皆さんにとって今年はどのような年だったでしょう。「ゆく年2022年」の様々な出来事を振り返りながら、「くる年2023年」の安寧を祈ります。 2022年12月27日 校長 名和野 新吾 人権学習における校長メッセージ生徒のみなさんは、今日のお話を聞いてどのような感想を持ったでしょうか? お話を聞きながら様々なことを考え、思いを巡らせたことでしょう。 来年の4月から銅駝美工は移転をします。活動を始める新校のある崇仁地域は、今、説明していただいたような歴史を持った場所でもあります。お話にあったように、現在、崇仁地域には、他地域へと転居される方もたくさんおられますし、そのまま住み続ける方もおられます。勿論、新たにこの地域に転居されてお住まいの方も多くおられます。 このような崇仁地域の歴史や成り立ちを知ったうえで、私たちは新しい学校に通いながら、街づくりの一躍を担うことになります。 ホームページに掲載しましたが、先日、私と副校長で崇仁地域の文化祭に参加させていただきました。その崇仁文化祭には、本校の生徒の作品数点を展示させていただき、住民の方やその地域で働いている方が、本校生徒の作品を見て、大変喜んでいました。 また、10月に開催した本校の美工作品展を見にも来ていただいており、高校生がこのようなレベルの高い作品を製作することができることに非常に驚かれていました。 そのような魅力ある高校生が、京都芸大生とともに、この地域にやってくることを、とても喜び、期待をしておられました。そして、様々な場面で、高校生の力を借りたいと熱く話をしていただきました。 学校は、生徒や教職員、保護者のためだけにあるものではありません。地域に根差してこそ学校が発展を遂げるものだと考えています。私は、生徒の皆さんと教職員が一緒になって、京都芸大をはじめ様々な方と協力し、地域のよりよい未来を作ることに寄与したいと考えています。 これまで銅駝学区で地域の方と一緒に連携し、地域を盛り上げてきたように、次の崇仁地域でも、まちづくりに参加していきたいと思っています。 私たちは、先生のお話にあったように、興味本位のうわさ話やSNS上での悪意のある誹謗・中傷の言葉などに惑わされるのではなく、正確な情報に基づいて、理性ある行動をしなければなりません。そのために必要なことは「知る」ことです。 正しい知識を身につけるためにも、これからも継続的に学習を続け、一緒になって人権意識を高めていきましょう。美術を愛し、人のことを大切に思う皆さんなら、そのような行動ができると信じています。 今日の講演会は、その第一歩であり、これからも引き続き人権学習の取組を進めていきます。 みんなで一緒に新しい場所で美工の歴史を作っていきましょう。 今日、このような話を聞いて、不安や疑問を抱いた人がいたら、気軽に近くの先生に相談してください。校長室に来てくれても構いません。少しでも皆さんが不安を抱えることなく、新高に通えるようサポートをしていきたいと思っています。 先生、今日は本当に大切なお話をしていただき、ありがとうございました。先生から投げかけられた問いに対し、生徒と一緒になって真摯に向き合っていきたいと思います。 校長 名和野新吾 |
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