最新更新日:2024/09/26 | |
本日:17
昨日:300 総数:907796 |
校長室ウェブログ 10月1日 「制作を支えるもの」
前期終業式にあたって
制作を支えるもの 新入生を迎え新しい教職員を迎えてスタートした2018年度の銅駝。前半の6ヶ月が修了しました。前期の終わり、美工作品展直前にあたり話をします。 昨日から本日未明にかけて台風が通過しました。今日も列車の遅延でまだ登校できない生徒がいます。前期は例年になく、地震や、台風、大雨など自然災害に見舞われることが多くありました。皆さんの家庭でも被害があった人がいると聞いています。亡くなられた方々、ケガをされた方、家や学校で普通の生活ができなくなった人が多くいます。心よりお見舞いしたいと思います。 西日本豪雨があったとき、被害の大きかった広島のある高校の生徒の記事を見ました。県立安芸南高校のサッカー部の生徒が、災害直後、自分たちにできることはないかと考え、最初は仲間4人に声をかけ、そのあとグループラインで部員を集め、土砂のかき出し、ゴミの片付けなど、ボランティア活動をしました。「持ち物は軍手とスコップ」「来られる時間に来てください」。この呼びかけはサッカー部以外の生徒にも広がり40名くらい集まったそうです。SNSで被害状況を入手しながら一カ所に偏らないようにひとの振り分けをして4日間頑張ったそうです。顧問から言われたのではなく、自分たちでSNSという便利で使い慣れたツールを使った高校生らしい活動でした。このサッカー部では、日頃トップダウンで指示を出すのではなく、自分たちで主体的に考えるボトムアップ型のクラブ運営をしているそうです。そして部員たちは靴やバッグをまるで美しい絵画のごとく整理整頓する。道具を大事にする心や整理整頓をするスキルがないと、自分の感情を整え戦術を考える力が育たないからだそうです。 私は、高校時代に剣道部に所属していました。剣道も他のスポーツと同様礼儀を重んじます。礼に始まり礼に終わる。練習の場である体育館に入るときと出るときにも礼をしました。剣道をする場への感謝を込めて礼をしました。体育館は複数のクラブが使うので割当制で、毎日当たり前のように好きな時間に練習ができるわけではありません。練習の時間と場所があることへの感謝を大切にするように教えられました。剣道で使う防具も大事にしました。自分のする活動は自分の熱意とエネルギーだけでできるわけではありません。それを支える多くのものを大切にし、感謝することを忘れてはなりません。 さて、美工作品展直前となりました。苦労を重ねながら精一杯作品制作に取り組んできたと思います。作品を創るためには皆さんの熱意とエネルギーさえあれば制作できるわけではありません。制作する場所、制作する時間、制作するための道具や材料が必要です。例えば「水」がなければ成立しない作品がたくさんあるでしょう。学校の水は大切にされていますか、実習室の環境は整理整頓され大切に維持されていますか。作品制作のために欠かせない場所や時間、道具や材料が「ある」ということに感謝しなければなりません。そしてそれを丁寧に使い整える主体的な態度が必要です。スポーツの世界でも文化・芸術の世界でも自分のやりたいことができる、やらせてもらったことへの感謝と支えてもらったものへのリスペクトが大事です。スポーツの世界で、試合の前後には大きく声を揃えて礼をしながらスポーツ以外の場面ではまともに挨拶もせず横着をする人がいる、という話を聞くこともあります。自分の頭と心で考え、主体的に行動しないとその様になります。 今年度の美工作品展は、会場の都合で2つの時期に分けての開催となりましたが、皆さんの作品と出会えることを楽しみにしています。その作品と出会う時には、私自身も、制作を支えた場所や時間、道具や材料をリスペクトし鑑賞したいと思っています。多くの市民の方々も多数来場してくださる伝統ある美工作品展。まず主催者である銅駝の一人一人が、作品展を開催できること、そして観覧していただけることに感謝し礼儀を尽くすことが大切です。作品制作を支えてもらった人やもの、場所、時間に感謝と敬意の気持ちをもち、立派に成功させましょう。 2018年10月1日 前期終業式 校長 吉田 功 10月1日(月) 校長室ウェブログの記事を更新しました |
|