京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/11
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本校は 自由快活な校風のもとで 多様性を尊重し共に高め合い 美の精神をもって広く社会に貢献できる 高い理想をもった創造性豊かな自立した青年を育成します

新年を迎えて(校長メッセージ)

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「生徒の皆さんへ」

新年明けましておめでとうございます。

新年にあたり、私が大好きな谷川俊太郎さんの「朝」という詩を皆さんに贈ります。

「朝」

また朝が来て僕は生きていた
夜の間の夢をすっかり忘れてぼくは見た
柿の木の裸の枝が風にゆれ
首輪のない犬が陽だまりに寝そべってるのを

百年前ぼくはここにいなかった
百年後ぼくはここにいないだろう
あたり前の所のようでいて
地上はきっと思いがけない場所なんだ

いつだったか子宮の中で
ぼくは小さな小さな卵だった
それから小さな小さな魚になって
それから小さな小さな鳥になって

それからやっとぼくは人間になった
十ヶ月を何千億年もかかって生きて
そんなこともぼくら復習しなきゃ
今まで予習ばっかりしすぎたから

今朝一滴の水のすきとおった冷たさが
ぼくに人間とは何かを教える
魚たちと鳥たちとそして
僕を殺すかもしれないけものとすら
その水をわかちあいたい

     谷川俊太郎〈詩集「空に小鳥がいなくなった日」所収〉

 誰にでも夜が明けて、朝が来るものです。それは当たり前なことですが、誰しも同じ朝を迎えているわけではありません。世界に目を向け、自分を取り巻く世界を思えばこの意味がわかってもらえるのではないでしょうか。また、時間軸で考えるならば、1日は24時間あり、1年は365日ありますが、大きな歴史の流れからみれば、本当にちっぽけな一瞬でしかないのかもしれません。何も目的を持たず日々をぼんやり過ごしていたら、いつの間にか1年が過ぎて、その繰り返しでいつか老いてしまいます。普段は意識していないけれど、生きていること自体が決して当たり前のことではなく、存在自体が奇跡だと考えて過ごしてみてはいかがでしょう。

 私はこの詩に、悠久の宇宙と、生物の世界と、そして人間の歴史を感じます。それは大いなる不思議に満ちています。元旦の夜が明けた朝、見た目には普段の朝と変わりはないのですが、私は特別な心地がしました。新年を迎え、皆さんは何か特別に新しくなったような気持になりましたか。

 皆さんには、ぜひ1日1日を大切にして過ごしてほしい。そして自分の思い描いた未来に向けて歩んでほしいと心から願っています。パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者である松下幸之助氏は「道」というタイトルの詩(一部抜粋)で「自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。 どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。 自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがいのないこの道。 広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。 坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある」。また、こう続けています。「この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。 なぐさめを求めたくなる時もあろう。 しかし、所詮はこの道しかないのではないか。」と。これは決してあきらめて運命を受け入れるということではなく、自分だけに与えられた道を進み続けなさいということです。続けて氏は、「他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ、心を定め、懸命に歩まねばならぬ」と述べています。心を決めて歩みをつづけることで、自分に与えられた道を自ら開いていくことであると示してくれています。

 この詩を読むと思わず私は自分の心が引き締まるような気がします。年齢が幾つになっても自分を信じて、少しでもよいから昨日の自分よりは良くなっていたいと考えています。中でも私が特に好きな言葉は「自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。」という一文です。他人と自分を比べるのではなく、自分の道を一歩ずつ自分のペースで進んでいこうと思えます。ただ、進むためにはしっかりした情報収集(知識含む)や分析ができてはじめて進むべき道が見えてくるものです。常に自身の言動を振り返りながら、自分にとっていいことだと思えることのみを取り入れ、歩んでいきたいと思っています。

 皆さんが新たな気持ちで新年を迎え、自分の目標に向かってチャレンジし続けて生き生きと学校生活を送ることができることを願っています。本年もよろしくお願いいたします。


 2024年(令和6年)1月5日
                       校長 名和野 新吾

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