京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/17
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本校は 自由快活な校風のもとで 多様性を尊重し共に高め合い 美の精神をもって広く社会に貢献できる 高い理想をもった創造性豊かな自立した青年を育成します

入学式 式辞

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第43回 入学式 式辞

 鴨川河畔の早く開いた桜の花が長く咲き誇るこの春の佳き日、京都市教育委員会をはじめ、PTA会長様、平素より本校にご支援をいただいております美工交友会、京都パレスライオンズクラブ、銅駝自治連合会のご来賓の皆様、そして、多数の保護者の皆様のご臨席を賜り、令和4年度 京都市立銅駝美術工芸高等学校、第43回入学式を挙行できますことは、誠に大きな喜びであり、本校教職員を代表いたしまして、心よりお礼申し上げます。

 ただ今、91名の新入生の入学を許可いたしました。まずは新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんを大切にお迎えしたいと思います。

 保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。これからの3年間、教職員一同、力を尽くしてお子様の成長を支援してまいります。ご理解、ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。

 本校は、明治13年、1880年に「京都府画学校」として創立され、今年で142年目を迎えます。美術工芸科単独の公立高校として長い歴史と深い伝統をもつ学校であり、本校を卒業された諸先輩方は、美術界、産業界をはじめ、各方面で活躍されておられます。皆さんは、晴れてこの歴史と伝統のある美工の入学生となり、また42年間続いたこの銅駝美術工芸高校での最後の入学生となって,1年間この校舎で学ぶことになります。そして来年春には、京都駅東側、京都市立芸術大学に隣接した新しい校舎にて、京都市立美術工芸高等学校生の2期生として、この良き伝統を引き継ぐと共に、新しい歴史を刻んでいくことになります。

 さて、入学生の皆さんは、「絵を描くのが好き」「ものづくりが好き」という動機からこの学校を見つけ、入学されてきたと思います。きっとわくわくした気持ちでこの日を迎えられていることと思います。そのあなた自身のわくわくや夢を,これからも大切に育てて欲しいと思います。そして、入学することはゴールではなく,皆さんが抱いている夢を実現するための一つの節目であり、次の目標に向かって歩むスタート地点です。もし目標がないのであれば、新たに目標を作りましょう。目標を持っていれば、人は歩みを続けることができます。しっかりと夢や希望を持ち、この先、自分はどんな人になりたいのかを考え、その達成に向けて一歩一歩前進していきましょう。今、日本をはじめとする自由経済大国では大量生産・大量消費という状況を作り出し、物質的に満足した生活を送ることができています。テクノロジーの進歩によって生活はより便利になり、パソコンやスマホ1つで家にいても買い物ができ、商品が届きます。凄いことです。あれが欲しい、これが欲しいと言えば、お金さえ払えば手に入れることができます。物質的には、なに不自由なく過ごすことができる社会だと私は思っています。しかし、違う視点から社会を見れば、どうでしょう。こんな豊かな社会ですが,あなたは幸せに感じていますか。あなたの周りの方は幸せですか。地球で暮らしている方は皆幸せですか。国際紛争や気候変動など国際社会は不安定化し、社会は分断され、様々な社会問題も世界的に起こっています。このような予測困難な時代の中での幸せとはどのようなものなのでしょう。私たちはどこを目指し、何をすべきなのでしょうか。どこにも正解はありません。皆さん一人一人がその解を求めるために、これから日々学び続ける、考え続けるべきだと思います。私自身も考え続けています。

 アメリカの企業,アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスは、母校であるアメリカのプリンストン大学の卒業生に向けて「あなたの選択があなたという人間をつくる」とメッセージを送っています。この言葉は、彼が幼少の頃の祖母との会話から教訓を得た考え方のようです。その中で、「才能は生まれついたもので簡単であるが、選択は難しい」と語っています。これはどういうことでしょう。ジェフ・ベゾスが学生に問うた中から5つの問いを紹介します。

 その才能を、みなさんはどう使いますか? どんな選択をするでしょう?
 惰性で生きていきますか? それとも情熱を追いかけますか?
 楽な道を選びますか? それとも誰かのために挑戦し続けますか?
 傷つくことを恐れて何もしませんか? それとも惚れ込んだら行動に移しますか?
 困難なときにあきらめますか? それともなおがむしゃらに挑戦し続けますか?

皆さんはどのように感じましたか。
他の問いも合わせて、本日玄関にあったデジタル掲示板に掲載しています。
 それぞれの問いには答えはありません。このような問いに迫られた時、何を選択するのか、皆さんが決めていくのです。その選択の一つひとつが皆さんの将来を決めていくと言っても過言ではありません。皆さんはこの学校に入試選抜試験を突破して入学してきました。そんな皆さんは、クリエイティブなことに長けています。人よりも少しでも長けているものを才能と呼ぶなら、人は必ず一人ひとり違った才能を持っています。その才能をどのように使うかは自分次第ですが、その使い方で自分の人生が大きく変わるかもしれません。また、周りの人の人生を変えてしまうかもしれません。これから皆さんは中学生の時とは違い、物理的にも精神的にも少しずつ行動範囲を広げていくことになります。18歳の誕生日を迎えるときには、法的に大人になります。これから始まる学校生活は、社会に出るための準備期間です。学校生活や私生活の中で様々な選択や決断を迫られることになります。入学者説明会の時、皆さんにお願いをしました。「まだ入学式まで、3週間あります。皆さんがどのように過ごすかで、美工での学びやスタートが変わってきます。ぜひ大切に過ごしてください。」と。皆さんがこの言葉をしっかり受け止めて、行動してくれたものと私は信じています。そしてこれからは美工生として行動を起こしてくれることを楽しみにしています。

 結びに、皆さん一人ひとりかけがえのない存在です。そしてかけがえのない生徒が270人この学校で学びます。学校は、自分とは異なる多様な他者を知るところ。多様な他者を発見するところです。そして学びを通じて人格を磨くところです。かけがえのない自分の存在と、かけがえのない他者の存在を共に認め合い、高めあってください。

 今、私たちはこれまで経験しなかったような社会状況の中にいます。先にも述べましたが、どれだけテクノロジーが発達し、便利になっても、心の豊かさや幸福度はそれに伴っているのでしょうか。私は、少し違うのではないかと考えています。「美術」や「アート」が今なぜ見直されているのか。なぜ必要とされているのか。皆さんも考えてみてください。私は、30年以上にわたってアーティストとして美術に携わってきて、「アートは人の人生や生活を豊かにするもの」であるから必要であると思っています。この美工で学ぶ3年間が将来の皆さんの「夢」や「希望」をつくることに関われることを教職員一同願っています。皆さんが様々なことにチャレンジし、日々成長する姿を楽しみにしています。皆さんの力と可能性を大いに期待し、式辞といたします。

 令和4年4月8日
                      校長  名和野 新吾

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行事予定
6/19 (45分短縮)
6/22 京都市,乙訓地域公立高校合同説明会(1日目)
6/23 京都市,乙訓地域公立高校合同説明会(2日目)

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