最新更新日:2024/09/25 | |
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始業式 校長より生徒に向けての言葉
本日午前中,銅駝美術工芸高校の第42回入学式を行い,91名の新入生を迎えました。また教職員も新しく着任された教職員5名を加えたこのメンバーで第42回目の始業式ということになります。
昨年2020年度は未曽有の危機的状況での出発となりました。ちょうど1年前のこの日,入学式を終えた午後,2年生,3年生が登校し,始業式を校内放送で行いました。 始業式では前校長から,新型コロナウィルス感染症という世界規模で深刻な問題,今まで経験しなかった問題に直面し,医療の専門家はもちろん,様々な人が知恵と力と心を結集して日々精一杯の対応をしている,感染の拡大の面からも感染の防止の面からも人は見知らぬ人とつながっている,かけがえのない自分は,やはりかけがえのない誰かとつながっていることを認識し,ともに考え,それぞれができること行動していきましょう,と呼びかけました。覚えていますか。 その新型コロナウイルス感染症は,世界的にまだまだ油断できない状況にあります。感染症が拡大する前の当たり前の学校生活に戻れる日が来るのかは,予想すらできません。皆さんには本当に1年間我慢と協力をしてもらいましたが,その日々がまだまだ続きます。このような中でも皆さんと共に考え,学校生活が実り多いものになるように教職員もサポートしていきますので,予防対策をしっかりしてなんとか無事に乗り切りましょう。 さて,3月に卒業生を送り出し,寂しくなっていた校内は本日から新入生を迎え,また活気のある学校となることでしょう。4月は新しい出会いが多くある時です。また自分の立ち位置も変わる時です。そういう私も,この場所で皆さんに校長としてお話をしていること自体,大変な変化です。 校長として初めて,皆さんにメッセージを送りたいと思います。 2024年に作り変えられる新紙幣の一万円札の肖像となる渋沢栄一という人がいます。彼は,「日本資本主義の父」と言われ,明治から昭和にかけて何百という会社を設立し,日本の近代化に大きく貢献した人物です。その渋沢栄一が残した言葉に『夢七訓』というものがあります。そこには,「夢」 を持つことが大切な理由が示されています。 夢なき者は 理想なし 理想なき者は 信念なし 信念なき者は 計画なし 計画なき者は 実行なし 実行なき者は 成果なし 成果なき者は 幸福なし ゆえに幸福を求むる者は 夢なかるべからず 簡単に言うと,「幸せになりたければ,夢を持つこと,夢があれば,それを実現しようと考え,知恵を絞って頑張り抜くことができる」と言うことです。 皆さんは,ものつくりや絵を描くのが好きで,もっと専門的に学びたいと考えて厳しい入学者選抜試験を乗り越えて本校に入学してきたのではないのでしょうか。その時どんな夢を描いて入学してきましたか。「アーティストになりたい」「美術の専門の仕事をやりたい」「デザイナーになりたい」「世の中を変えてみたい」「社会貢献したい」などなど,いろいろな夢があると思います。 私自身のことを言えば,高校時代からの夢は「絵を描いて有名になること」。高校時代からその夢を追いかけて努力をし続け,数年前まで作家活動をしていました。高校時代に持った夢は今は叶っていませんが,その中で考え経験したことは糧となって今に繋がっているので,渋沢氏がいう「幸福なし」には当てはまらず,とても幸せです。小さい頃に描いた夢を実現できた人だけが素晴らしいのでなく,夢は自分の特性や経験などで変化して当然であり,変わりながら努力し続けるられる人が幸福になるのだと思っています。 ぜひ皆さんも常に夢を持ち続け,その実現のために精一杯努力を惜しまないでください。失敗しても 何度も立ち上がり「前に踏み出す力」を身につけてください。 今の社会は先行きが不透明で予測不可能な時代だと言われています。将来皆さんが活躍する社会で必要となる力は,課題を自ら見出し,考え,行動して解決していく力が必要になっています。「夢」,言い換えれば「目標」をもった人の思考や行動は,持っていない人と比べれば大きな違いがあります。高校生活が終わるその日まで,ぜひ夢を持ち続け,学び続けてください。 勿論,ここにいる教職員は皆さんをサポートしていきます。また,先生たちも「夢」を持っていろいろなことにチャレンジし,皆さんとともに成長していきます。そんな素敵な学校環境を目指し一緒に作っていきましょう。 令和3年4月8日 前期始業式 校長 名和野新吾 |
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