京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/20
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本校は 自由快活な校風のもとで 多様性を尊重し共に高め合い 美の精神をもって広く社会に貢献できる 高い理想をもった創造性豊かな自立した青年を育成します

3月19日 後期終業式 校長の話

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●3月19日 後期終業式

 今年度の締めくくりの日になりました。

 昨年の4月8日の始業式は3学年揃って行うことが出来ず、翌日から臨時休校となりました。今年度は、皆さんも私たち教職員もかつて経験したこともない特別なスタートとなりました。新型コロナウイルス感染症への対応により、例年当たり前に出来ていたことが、出来なくなって、喪失感や無念な気持ちをどう折り合いをつけていくか、一方でやるべきことをどうしたら実現できるのか、知恵を出し合い、気持ちを合わせながら一緒に取り組むことが必要になりました。苦労はありましたが、皆さんや保護者の方の理解、協力を支えに年度末までたどりつけました。ありがとうございました。

 3月になるといつも思い出すことがあります。10年前,3月11日に発生した東日本大震災のことです。大変な被害、犠牲者を出したあの震災の時,中学校の卒業式の答辞がニュースで報道されました。宮城県気仙沼市の中学校では、3月11日の翌日12日が卒業式の予定でした。しかし11日の震災により卒業式が出来なくなり、10日ほどたって避難所となっていた体育館を式場にして卒業式が行われました。気仙沼市の階上中学校の卒業生代表,梶原裕太さんの答辞はニュースでも報道されました。その一部を紹介します。
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○2011年3月22日:気仙沼市立階上中学校 卒業式
 卒業生代表,梶原裕太さんの答辞(一部)

 階上中学校といえば「防災教育」といわれ、内外から高く評価され、十分な訓練もしていたわたくしたちでした。しかし、自然の猛威の前には、人間の力はあまりにも無力で、わたくしたちから大切なものを、容赦なく奪っていきました。天が与えた試練というには、むごすぎるものでした。辛くて、悔しくてたまりません。
 時計の針は、十四時四十六分を指したままです。でも、時は確実に流れています。生かされた者として、顔を上げ、常に思いやりの心を持ち、強く、正しく、たくましく生きていかなければなりません。命の重さを知るには、大きすぎる代償でした。しかし、苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていく事が、これからの、わたくしたちの使命です。
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 一緒に卒業するはずの仲間1名がなくなり,2名が行方不明という事態,学校の周りにも震災のすさまじい被災状況の中、身体から振り絞るような言葉で答辞を読みました。私は、学校というところに身を置き10代の青年とともに日常を過ごしているひとりとして、それまで感じたことのない重いものを感じました。それは今も体の中にあります。

 10年経って気仙沼市の中学校では、震災当時4歳,5歳であった中学生が自分たちで調べたり大人から聴き取りをしながら震災の語り部に取り組んでいると聞きました。聞き取ることで大人も当時を思い出し,中学生も当時,幼くてわかっていなかったことも知ることなり戸惑いやしんどさを感じながらの活動だと思います。しかし厳しい現実、難しい課題に直面したときに、目を背けたり耳をふさいだりしてやりすごすのではなく,「自分事」としてその課題に向き合い、想像し,何をすべきかを考え、踏み出すことで現実を変え、希望を創っていくということが大事であると私は学びました。

 私たちは,新型コロナウイルス感染症に直面し、当たり前によりかかっていられなくなりました。感染症の問題は収束することを望むばかりですが、4月になれば新しい仲間もふえます。厳しい現実,難しい課題であっても,そのことにしっかり向き合うこと、現状に流されたり、あきらめたりせず、「自分事」としてしっかり考えること、これから先を想像し,現状を変えるために踏み出すことを大事にしてください。

 このことを年度末のメッセージとします。

2021年3月19日
                  校長 吉田 功

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