最新更新日:2024/09/20 | |
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平成30年度 終業式にあたって
私は、毎日、京阪三条から学校まで4つくらいの徒歩のルートの中から、その日その日の気分でチョイスして通っています。今朝は、比較的暖かく、川沿いの道から鴨川の飛び石を渡って学校まで来ました。鴨川の水は久しぶりに透明度が高く、流れも穏やかでした。昨年の台風や豪雨の時は、ものすごい音を立てて茶色い水がうねっていたのを思い返すと、自然は変化が激しく、やはり「生き物」だと思います。
私は、昨年4月の始業式に、学校は単なる「入れ物」ではなく「生き物」だと言いました。そして生き物だからこそ、学校にも心臓の「鼓動」や「体温」や「息づかい」が必要だ、と言いました。学校は、鉄の冷たい入れ物であってはならないと思います。皆さんにとって、今年1年、銅駝はどんな学校だったでしょうか。 高校時代は、大人になる準備期間であり、体の成長と心の成長とのバランスやリズムがコントロールしづらい時期でもあります。当たり前ですが、270名の生徒がみんな同じように成長、変化するわけではありません。授業のこと、制作のこと、集団の中での過ごし方、家族のことなどで悩んだり、心配したり、どうしたらいいかもがいたりした人もいるでしょう。自分は人に比べて弱いとかダメだと思って自分を責めた人もいるかもしれません。そういうことはあまりなかった、1年間結構うまくいったという人もいるかもしれませんが、そういうことで心穏やかでなかった人がいることを知っていてほしいと思います。それぞれ、人には見えない葛藤と努力があったはず。みんな1年間よくやってきたと私は思っています。実は、自己の心身のこと、様々な課題について葛藤し、その結果異なる進路を選択して、今ここにいない人もいます。そのような人のことも心にとどめておきたいと思います。 学校の「鼓動」や「体温」や「息づかい」は、そこで生活する生徒と教職員がどうであるかで左右されます。様々なことに直面した際、自分とどう折り合いをつけるか、悩んだり考えたりすることは大切です。それは自分が変化するチャンスかも知れません。しかし、しんどいこと、受け止めきれないことは決して我慢せず、ごまかさずSOSを発してください。学校は、葛藤している人、不調になっている人がいれば、そのことに気づき、受け止められる環境でなければなりません。 皆さん、自分の「鼓動」や「体温」や「息づかい」をコントロールすること、折り合いをつけること、ただし、不調なときは我慢せず言葉にして伝えること、そして他の人の「鼓動」や「体温」や「息づかい」を感じられる人になってください。もちろん教職員も皆さんの「鼓動」や「体温」や「息づかい」を感じられるようにしなければならないと思っています。 あと半月ほどで、新しい1年生が入学してきます。どうしても銅駝に入学したいと志して頑張ってきた新入生を迎えるために、皆さんと一緒に銅駝をそのような学校にしていきたいと思います。 平成30年3月20日 校長 吉田 功 |
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