最新更新日:2024/09/17 | |
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「学ぶ」ということについて
『一生モノの「楽」力を!』
この言葉は,8月22日に開かれた「京都市こども未来会議」の今年のテーマです。「〜まなぶ環境,まなぶ意欲,まなび方,まなび合う関係〜」というサブタイトルが付いています。 本来,「学ぶ」ということは楽しいことであり,生涯学習という視点から「学ぶ」ということを考えた時,それはその人の「生きる力」となっていきます。本校でも,中学校での「学び」について今一度考えていきたいと思います。 昨今の教育界では新学習指導要領の実施に向けて「主体的・対話的で深い学び」ということばがよく使われます。「主体的・対話的で深い学び」とはどんな「学び」をいうのでしょう。「主体的・対話的に学ぶ」とは,そして「深く学ぶ」とはいかなる「学び」をいうのでしょうか? 人はものごとを認識していく時,5つの段階を踏むといわれています。5つの段階とは,感覚⇒知覚⇒表象⇒概念⇒思考を指します。この段階は,ものごとの現象から本質をとらえていく過程であるとも言えます。 すなわち「主体的で深い学び」とは,自らがものごとの本質を知ろうとする思考活動だといえます。自分の知的欲求に刺激され,関心のあることについて本質を知ろうとする活動です。それはとても楽しくやりがいのある活動であり,生涯をかけてもやりぬく価値のある活動です。そんな「学び」ができれば,これ以上ない喜びだと思います。 「ことばは思考する道具」といわれます。人がものごと(哲学の世界では,“物質”ともいわれます)を理解するために思考していく上で,「ことば」すなわち「語彙」,それも「抽象的概念をもった語彙」が必ず必要となります。この「語彙力」こそが,人が学ぶ上でのエキスとなります。「語彙力」の豊かな人は,豊かな感性を磨くことができ,人との対話の中でも有意義なコミュニケーションをとることができると思います。このことが「対話的に学ぶ」ということではないでしょうか。 そういった意味で本校でもあらゆる教育活動の中で,「語彙力」を身に付け,豊かな感性とコミュニケーション能力を高め,「生きていく力」を子どもたちにつけていくことが,学校教育目標である「社会性を身に付け,自らの進路を切り拓いていく」ことにつながると考えています。 京都市立四条中学校 校長 山崎 良一 |
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