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最新更新日:2025/02/10 |
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「思い」よ、届け!
1月17日(金)、今朝の堀音は、「1月17日 阪神淡路大震災から30年の今日の教職員連絡会を始めます。」という言葉でスタートしました。あの日のこと、そして、それから後にも発生している国内外の災害によって傷ついた人々や、復興に尽力されている多くの人々に思いを致す1日となりました。
76期3年生は、4時間目終了後、LHRを実施しました。明日実施の大学入学共通テストに向けての激励、ということはもちろんのこと、多くの教職員が3年生のこれまでのがんばりを労い、一人一人の未来を励ます時間となりました。 司会の進路指導主事の促しで、まず、校長がメッセージを伝えました。決して楽ではなかったであろう堀音での時間を積み重ねて、よく今日の日まで来た。また、仲間とともに、音楽を芯に持って、たくさんの学びを得たみなさんは、きっと大丈夫な人に成長している。そんな皆さんに敬意を持っているし、同時にとても羨ましく思っている、ということが語られました。 そして、堀音の先輩がご講演のなかで生徒たちに下さった、「堂々と演奏してください」という言葉どおり、明日もこれからも「堂々と」進んでいってほしい、とエールを贈りました。 また、日ごろ何かと生徒たちがお世話になっている教頭が、1,2年生が3年生に届けた“花束”を教卓に置いて、熱い言葉を伝えました。そして、3年間一番近いところで76期を支えてきた担任と副担任からの、温かな言葉が続きました。担任は、「すでに自分の進路が確定していて、共通テストは受験しない生徒も、共通テストの準備も含むここまでの授業に真摯に取り組んでくれた。今日この時間も、一緒に過ごしてくれることに感謝する。そういうふるまいで、言葉にしなくとも頑張る仲間を応援する思いを感じてきた。」と、「受験は団体戦」の強さを伝えました。 その後、進路指導主事から明日に備えての丁寧な注意点の確認があり、最後は応援にかけつけた教職員全員から、一言ずつの激励が伝えられ、心のこもった拍手の音が何度も教室を満たしました。 堀音の生徒たちは、本番の試練を何度も乗り越えてきています。緊張感を味方につけることも、応援の思いを自分の力に変えることも、たくさん経験してきました。新たなステージへの熱い思いを胸に、これまで積み重ねた力を、思い切って発揮してきてください。 大丈夫! 写真 上:1月はじめのLHR時に、生徒自治会から1,2年生全員のメッセージカードで作成された”花束”の贈呈。 写真 中:生徒の心の拠り所、担任より! 写真 下:教職員からの、個性あふれるメッセージが続きました。 ![]() ![]() ![]() 第15回卒業演奏会 開催にあたって〜申込方法のご案内〜
第15回卒業演奏会を、3月22日(土)午後5時45分より、京都コンサートホール大ホールにおきまして開催いたします。
76期卒業生のソロ演奏や、3学年そろっての合唱やオーケストラを、心を込めてお届けします。そして、コンサートの最後の「卒業セレモニー」をお見守りいただければ、幸いに存じます。 皆様お誘い合わせの上、ぜひお越しください。 チケットの申込方法につきましては、以下の通りです。 ◎入場券(全席指定)申込方法 〇申込受付期間 令和7年2月3日(月) 〜2月28日(金) ・受付期間終了後のお申込みはできませんのでご注意ください。 ・定員に達した場合には、申込受付期間中であっても、受付を締め 切らせていただきます。 (京都堀川音楽高等学校ホームページにてお知らせいたします。) 〇申込方法 (1)氏名・電話番号 (複数の場合は代表者の氏名・電話番号をお書きください。 ただし、1通につき最大5名まで。) (2)住所 (3)必要枚数 上記(1)〜(3)をお手元の便箋等(用紙・大きさ等不問)に 明記のうえ、110円切手を貼った返信用封筒(宛先を記載したも の)とともに、下記まで郵送してください。 〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1 京都市立京都堀川音楽高等学校 卒業演奏会事務局 宛 〇入場券発送期間 令和7年3月3日(月)〜 3月7日(金) 上記の期間中に入場券を返送いたします。コンサート当日に必ず お持ちください。なお、3月14日を過ぎてもお手元に届かない場合 は、本校までご連絡ください。 〇申込上の注意 ・お申込み1通につき最大5名までお申込みいただけます。 (6名以上でのお申込みの場合は、恐れ入りますが2通以上に分け てくださいますようにお願いいたします。) ・電話やFAX、電子メール等でのお申込みは、お受けできません。 ・勝手ながら、お席はこちらで指定させていただきます。 ○個人情報の取り扱いについて お送りいただいた個人情報につきましては、京都市個人情報保護条 例に基づいて管理を行い、卒業演奏会の開催・運営・公的機 関からの要請以外の目的では使用いたしません。 〇お問い合わせ先 京都市立京都堀川音楽高等学校 卒業演奏会事務局 〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1 TEL:075-253-1581(平日9〜17時) ![]() ![]() 【2/21(金)】第19回ピアノコンサート開催にあたって 〜お申込方法のご案内〜
第19回ピアノコンサートを、下記の通り開催いたします。
会場は、昨年度に続き、今回も本校音楽ホールです。 ピアノ専攻1、2年生の選抜生徒によるソロ演奏をご披露いたします。 多くの皆様のご来場をお待ちしております。 記 日時:令和7年2月21日(金) 19時開演(18時30分開場) 場所:京都堀川音楽高校 音楽ホール 入場無料・全席自由(要事前申込) ≪申込方法≫ ■申込受付期間 令和7年1月20日(月)9時〜2月20日(木)17時 定員に達した場合には、 申込受付期間中であっても、 申込受付を締切らせていただきます。(このホームページにてお知らせいたします) ■申込方法 以下のアドレスから申込フォームにアクセスのうえ、必要事項を入力しお申込みください。 https://forms.office.com/r/T7RaKPdxBd ※申込フォームは受付期間中にのみ表示されます。 ■申込上の注意 ・WEB以外のお申込はお受けできません。 ・定員に達し次第、申込受付を終了いたします。 ・未就学児童の入場はご遠慮ください。 ■お問合せ先 京都市立京都堀川音楽高等学校 ピアノコンサート係 TEL 075-253-1581 ![]() 3年生「演奏研究」 “作曲”発表会![]() ![]() A講座では後期、6つのグループに分かれてアンサンブル曲の作曲に取り組んできましたが、その発表会が今週・来週にかけて行われます。B講座の生徒たちも聴衆として参加。この日はまず4グループが発表しました。 グループ1:ピアノ、ヴァイオリン、クラリネット グループ2:ピアノ、クラシックギター、ソプラノ グループ3:ピアノ、ヴァイオリン、チェロ グループ4:ピアノ、トロンボーン、ユーフォニアム という組み合わせで、それぞれ演奏前には、グループから作曲をどのように進めたか、どんな意図を持って曲作りに取り組んだのか等の紹介があり、各演奏後には担当教員から講評がありました。 例えば、グループ2は独唱曲を作曲。英語の歌詞とその対訳をプリントしたものを配付してプレゼンしてから曲を披露しました。担当教員からは「この曲でどのようなメッセージを伝えたいのかを資料でしっかり発信したことは、表現する上でとても大事なことですね。」とコメント。グループ4はグループ名の‟意味”の説明から始まり、今回の取組への意気込みがひしひしと伝わってきました。担当教員からは「大曲でしたね。『こんな難しいの、弾けるかな』と問うと、『弾きます!』と即答が返ってきた。共通テスト前にここまで頑張ってくれるとは。ガッツを感じました。」との評。 どれも力作で、生徒たちからも、うわさを聞きつけて教室の後ろにずらりと陣取った先生たちからも、大きな拍手が起こりました。 授業の終わりに担当教員からは、「どれも素晴らしかった。互いに技量を分かり合っている者同士で作曲すると、挑戦的なことができるし、魅力的な曲ができる。今後もどんどんやってください。」とのエールがおくられました。 来週の残り2グループの発表も、とても楽しみです! また会う日まで![]() ![]() ![]() 1年生の教室では、夏休み明けから4か月間にわたって、78期の仲間となったドイツからの留学生との、最後のロングホームルームが行われていました。 1年生のみんなへのスピーチに立った彼女は、この4か月間のお礼とともに、こんなメッセージをくれました。――もともと留学にあまり乗り気ではなかったが、姉の勧めで留学を決めた。でも今は、堀音に留学して本当によかったと思う。これから先、みんなも何かにチャレンジする機会があったら、迷うかもしれないけれど、ぜひやってみてほしい―― 横で聴いていた担任の教員曰く、「自分にも『迷うな。行け!』とストレートに言われた気がした」とのことですから、78期の仲間たちにはもっとインパクトのあるメッセージとして届いたのではないでしょうか。 その後、クラス全員と教員らが寄せ書きした色紙や思い出のつまったDVDなどがプレゼントされ、最後にホールで記念撮影をしました。 彼女は、ロングホームルーム終了後の清掃にも参加。その最中に行われた抜き打ちの避難訓練にも加わって、放課後は、グラウンドに解け残った雪でみんなと遊んだりして、互いに名残を惜しんでいました。 すっかり日も暮れ、また夏に京都での再会を約束し、仲間数人とともに、下校していった彼女。来週も「おはようございます!」と元気に登校してくるような気がしてなりません。 ドイツに戻っても、今後も堀音78期の一員として互いに交流を続け、刺激し合いながら、ともにさらに成長していってくれることでしょう。 Auf Wiedersehen. Lassen Sie uns wieder zu treffen! (さようなら。また会いましょう!) 小倉百人一首![]() ![]() ![]() 1年生の7時間目は、国語科科目の一つ「言語文化」の授業でした。 新春初の授業ということで、小倉百人一首の「かるた取り」を通して和歌を学んでいました。 まず教員から、小倉百人一首について絵札を紹介しながら解説があり、その後、8班に分かれ、取り札を机上に並べて臨戦態勢に。 教員が札をよみあげる声に耳を澄まし、机上の札を見回す生徒たち。すると、あちこちで歓声や拍手が起こります。 札を読み上げる前に教員が、「次は『一字決まり』ですよ!」とか「これは京都府北部の人にぜひ取ってほしい!」などと、ちょっとしたヒントを言うことも。 それに応じて生徒たちは、どんどんと熱が入っていく様子でした。 堀音の令和7年を始めました。
明けましておめでとうございます。
旧年中は、本校へのさまざまなお支えや応援をありがとうございました。 本年も教職員一同「『人とつながる音楽家』の育成」を念頭に置いて、日々の教育活動に心を込めて取り組んでまいります。引き続きのお見守りを、どうぞよろしくお願いいたします。 1月8日(水)朝、全校生徒と教職員がホールに集合、冬休み明けの全校アセンブリーを行いました。プログラム冒頭の校歌合唱で、令和7年の堀音の幕を開けました。 校長の挨拶は、石川啄木の短歌 「なんとなく今年はよいことあるごとし 元日の朝晴れて風なし」 の紹介からはじまりました。 そして、全国高校ラグビーに出場を果たした、京都工学院高校の試合を花園ラグビー場で初めて「ナマ」で観戦した予想以上の感動から、生徒たちの音楽をいつも「ナマ」に聴くことのできるありがたさを改めて感じたこと。生徒たちの音楽をたくさんの人々に直接、「ナマ」で伝えることの意味、そして、最近特に、さまざまな機会を堀音の生徒たちにいただくコンサート ―それは「ナマ」の音楽を心身に空気の振動として直接感じられる好機― に、できる限り足を運ぼうという呼び掛けがありました。 続く音楽科主任の話は、自身の初夢の話から、今年もそれぞれの学年が自分たちの目指す「本番」に向かって、健康に留意して、毎日精一杯練習を積み重ねる大切さが語られました。 企画推進部教務主任からは、年末に自宅に郵送した、後期中間考査までの学習状況の連絡票を振り返りの材料として見られているか。冬休みで少し生活のリズムを崩した人もしっかり立て直して、身も心もぴりっと引き締まる寒さを味方につけながら、本日2時間目から始まる授業を大切にしよう、と締めくくりました。 今日から始まる日々は、来年度に向けてとても重要な1日1日。76期は国公立大学への進路実現の第一関門である、共通テストが10日後に、また、その直後には卒業実技試験も控えています。77期、78期の生徒たちは自身の進級に向けての実技試験や、76期の先輩たちの卒業演奏会を成功させるべく、その準備にも、力を入れる時期です。そして、堀音79期を目指す中学生たちの挑戦の日まで、もう1か月をきっています。 春を待つ桜の木が、上質の桜色を枝に蓄えるこの時期、私たちも「その日」のために、内なる力を獲得する充実した時間にしたいと思います。 ![]() ![]() 生徒自治会主催「ホワイトコンサート」
本日12月27日(金)は、年内最後の登校可能日で、午前中、レッスン室の開放があり、正午まで、生徒たちが練習に来ていましたが、午後はしーんと静まり返っています。正午以降、1月3日(金)までは年末年始の学校閉鎖期間で、4日(土)・5日(日)をはさんで、次に登校できるのは1月6日(月)となります。
この冬休みの間に、この1年の成果と課題を振り返り、新たな目標に向かって新しい年をスタートさせてほしいと願っています。 さて、このブログも年内は本日で終わりです。 今日は、冬休みに入った12月23日(月)に行われた、「ホワイトコンサート」の様子をお伝えします。 冬の生徒自治会行事として例年行われている「ホワイトコンサート」。 城巽アリーナを会場に、クラシックにとどまらず、さまざまなジャンルの音楽を17組のグループが演奏し、生徒同士で楽しみました。クリスマスにちなんだ選曲や、ダンス、副専攻ピアノ同士2人による2台8手があったり、2年生は、音高祭(文化祭)でやったクラスミュージカルの一場面をふたたび披露してくれたりと、バラエティに富んだステージが続きました。 途中の休憩には、自治会がお菓子や飲み物を用意してくれていて、みな談笑しながら美味しそうに味わっていました。 堀音生の皆さん、1月からは、3年生は大学入試に向けて、1、2年生は進級実技試験に向けて、集中して取り組んでいかなければなりません。リフレッシュして体調を整え、元気な姿で1月8日のアセンブリーで会えるのを楽しみにしています。 本校のブログをご覧くださっている皆様、今年もお世話になりました。ありがとうございました。 新年もこのブログを通じて、堀音の日々の様子をお伝えしてまいりますので、ぜひご覧くださいますよう、お願いいたします。 どうぞ良いお年をお迎えください。 ![]() ![]() ![]() 同志社女子大学と本校が、教育連携協定を締結しました。
12月26日(木)、10:00より、音楽学科を持つ、同志社女子大学と京都堀川音楽高校との教育連携協定調印式を、本校ホールにて行い行いました。
この協定は「相互の人的・知的資源の交流・活用を通じて新たな学びの場を創造するとともに、相互の教育の充実・発展に資することを目的」としたもので、今後、この協定をもとに、教育に対する相互支援、生徒・学生、また教員の相互交流を具体的な事業として行っていくこととなります。 調印式の壇上には、大学側(写真中:中央から上手)からは、小崎 眞 (こざき まこと)学長、谷 直之(たに なおゆき)広報部長、椎名 亮輔(しいな りょうすけ)学芸学部長、古原 勝生(こはら かつお)広報室長 兼 入学課長、 三角 典生(みすみ のりお)高大連携課長がおあがりくださいました。本校側(写真中:中央から下手)は、校長、主幹教諭、進路指導主事とともに、京都市教育委員会より、菅野 明宏(すがの あきひろ)指導部 担当部長、同じく学校指導課 小枝 大祐担当課長がご列席くださいました。 本校教頭の司会で開会、司会からの出席者紹介に続き、双方それぞれからの代表として、小崎学長と本校校長がご挨拶申し上げました。 その後、谷広報部長より、教育連携協定に関する説明と、菅野指導部長からのお礼のご挨拶がありました。 そして調印式。学長 校長が協定書2部にサインをしました。 同志社女子大学も本校も、明治、昭和と時代は異なっていますが、歴史の大きな変わり目に、先見性を持って新しい一歩を踏み出す形で産声をあげた、京都の教育機関です。先人のエネルギーを受け継ぎながら、この連携協定を機に、互いに刺激を受け取りながら、新しい時代に向かって更なる高みを目指していきたいと考えています。 堀音の生徒たちには、20日(金)の全校アセンブリーでこの連携協定の決定について、校長から報告を行いました。本校は共学のため、「男子生徒諸君も、公開レッスンや本校のためのスペシャルオープンキャンパスなど、この協定に係わってのこれからの事業には参加させていただけます」と言葉を添えたところ、安堵の笑いが起こっていました。 この夏に京都市立芸術大学と締結した連携協定に続いての今回の同志社女子大学との協定締結。新たな「人とのつながり」に大いに期待を寄せています。 ここまでの調整やご準備に携わってくださった、同志社女子大学の皆さま、京都市教育委員会の皆さまに、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 ![]() ![]() ![]() 学ぶ力。
12月23日(月)の生徒自治会主催「ホワイトコンサート」で、年内での学校全体の取り組みは終了しました。しかし、明日26日まで、2年生、3年生の冬季補習は続き、また、レッスン室の貸出もあるので、生徒の登校は続いています。27日午前までレッスン室の使用を可とし、その後1月3日(金)までは学校閉鎖、土日を挟んで、6日から生徒の登校とレッスン室の使用が可となります。
令和6年は、能登の震災から始まり、世界を見回しても、胸の痛むできごとがたくさんありました。そんな中で、堀音は大きな事故もなく、数々の演奏会も含め、教育活動を進めることができました。それゆえに、生徒・教職員は、そのような周囲に目を背けたり、諦めたりすることなく、知ることを怠らないこと、そして、今自分が、音楽に向き合うことでできることに、真摯に取り組む日々でありたいと願ってきました。 そんな堀音を、保護者の皆さま、地元城巽地区の皆さま、同窓会の皆さま、父母の会の皆さま、京都市教育委員会の皆さまはじめ、多くの方々が応援してくださったことに、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。 私自身は、今年も、生徒・教職員から、たくさんのことを学ぶ1年でありました。そのひとつ… 8月末から本校78期の一員であるドイツの留学生は、お母様が京都出身の日本の方であるため、コロナ前までは毎年日本で数週間を過ごし、地元の小学校に通う機会も持った生徒でした。ドイツでは課外活動や地域のオーケストラでヴァイオリンを弾いていたので、彼女の通うギムナジウムが推奨する短期留学の際に、日本で音楽を学べる学校はないかと、お母様がお調べになり、本校への留学を望んでくださいました。 1年生のクラスに入り、すべての授業を日本語で受講することはなかなかたいへんだったでしょう。音楽に関しても、ソルフェージュや音楽理論は初めての経験であったため、苦労も多かったと思います。彼女の頑張りを見ることも、そんな彼女に対しての、クラスメイト、先輩諸君、そして教職員の、自然で温かなサポートを知ることも、私にとっては大きな喜びでした。学校説明会や城巽音楽フェスティバルでのオーケストラ演奏で、堀音生としてステージに上がって演奏する彼女の、ひきしまった、きらきらした表情は今も目に浮かびます。 9月末、前期末考査を迎えることとなったとき、私は、彼女は成績や単位が必要な留学生ではないし、考査を受験しても評価するわけではないから、別室でヴァイオリンの練習でもするようにしては?考査で悪い点数とるのも、なんだか気の毒だし…。何なら、学校は休んで、ホストファミリーとどこかへ出かける機会にしては?くらいを思っていました。また、特別な扱いで考査をするとなると、教職員に負担がかかることも気になっていました。 そんな話を担任・副担任にしにいくと、ええーーっと驚かれ、「彼女は考査を受けたいと言っている。インターネットや書籍やノート、プリントを調べながらでも、受けた授業について、みなと同じ考査を受けたい」とのこと。「英語の教員は、指示文を英語にしたものを既に作っている。彼女が心おきなく調べたりしながら取り組めるよう、図書館の別室受験にしようと思っている。教員の体制も組める…」という言葉が返ってきました。 私は自分の浅慮を瞬時に猛省しました。日ごろ生徒・教職員に、「考査やテストは自分の学びのチェック。集中してベストを尽くす時間が大きな学び。何点かなどの結果より、振り返りを大事に!」などと言っておきながら、彼女の考査の件では、「考査=成績」のようは古い価値観にはまり、また彼女に対しても、善意のつもりが侮った扱いをしてしまっていたことに気づきました。教員たちが、彼女の意を汲んで、動き出してくれていることにも頭が下がりました。 彼女が「考査を受けたい」と言ったのは、ドイツでのこれまでの学校教育のなかで“テスト”の類の持つ本質的な意味が、しっかりと彼女に根付いているのだろう、と思いました。ドイツの「学び」観というようなものを自分の中に持っている彼女に感心しました。 もうひとつ。彼女が「みんなと同じ考査を受けたい」と言った理由に、本校の生徒たちが、教員とともに、授業や学ぶことを愉しんでいる、そんな雰囲気に溶け込んでくれているのではないか、と手前味噌ながらそう感じました。生徒たちがしばしば口にする「むずかしいけれど、楽しい!」という精神。これもとても嬉しくありがたいことに思っています。 過日、劇作家の平田オリザ氏のご講演を拝聴したときに、子どもたちに必要で、私たちがつけられているかどうか気にかけるべき「力」は、「学んだ力」でなく「学ぶ力」だ、とおっしゃいました。堀音の生徒たちが、これから先、人とのつながりの中で、ずっとずっと「学ぶ力」「学び続ける力」を発揮できるよう、2025年も教職員一同、真摯に生徒に向き合ってまいりたいと思います。 皆さまの引き続きのお見守りを、どうぞよろしくお願いいたします。 校長 中村 陸子 |
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