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最新更新日:2025/02/07 |
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FOUNTAIN(校長室だより) No.20
H23.11
京都市立桂坂小学校 山本 泉 今年度から新学習指導要領が完全実施となり,授業時間数に関しても前の学習指導要領に準拠したものと比較するとかなり増えているのも事実です。また,世間の風評では今までの「ゆとり教育」が学力の低下を生んだともいわれています。確かに歴史を振り返った時に,その時代に行われていたことが必ずしも正しかったとはいえないことがあるのも事実です。しかし,だからといって「ゆとり教育」の全てが間違っていたというわけではないと思います。教育に関しても「不易と流行」というものがあり,いつもその時代を反映しながら修正が加えられてきているものです。私たち教育に携わる者は,どの時代を通じても脈々と受け継がれてきている「不易」の部分を大切にしながら,その時代を踏まえた学習指導要領に則って学校教育を進めていかなければならないと思っています。 さて,今回から少し,その「不易」の部分につながる「学齢に応じた家庭学習」についてお話したいと思います。学齢に応じたといっても個人差があるのは言うまでもありません。一人ひとりが全く違った環境で,それまで何年間か育ってきたわけですから違って当然です。 しかし,それでも一般的に見て,大体この学齢はこのような時期だということは言えますし,また,そのことを把握することが子育てにとって大切であると思います。前置きが長くなりましたが,今回は小学校低学年(1・2年生)の家庭学習について私の考えを書かせていただきます。 さて,低学年の「育ち」や「学び」の特徴ですが,まず,まだまだ一人で何でもできるわけではありません。学習をするにしても,その内容や方法は学級担任や親が決めなくてはなりません。また,たとえやることが分かっていても,自分一人では最後までやり切ることができないことも多々あるので,横で一緒に見てあげたり,それが無理でも時々のぞいて声かけ(内容をしっかり見て)をしてあげたりすることが大切です。そして,最後までできたら「やったね!」「よくできたね。」などの褒め言葉をかけることで,すばらしい意欲を生み出します。 また,いろいろなことに興味・関心をもち,何でも知りたがるのもこの時期の特徴です。質問攻めに合いうんざりしてしまいがちですが,いい加減な対応をしないで,一つひとつ真剣に,そして丁寧に答えてあげることが必要です。時には一緒に調べたり,考えたりしながら答えを見つけることも大切です。このことを,忙しいからとか,仕事で疲れているからなどという大人の都合でおろそかにすると,子どもは自分が相手にされていないと感じ,やがて質問もしなくなり,最後には物事に対して興味・関心を示さなくなるといわれます。こうなったときには,もう人の話も最後まで集中して聞けなくなったりします。 人間は自分が周りから大切にされていないと心の歯車が狂ってきます。そして,他人も大切にしなくなります。そんなことにならないために,子どもの質問は正しい育ちのバロメーターと考えて,決しておろそかにしないよう心がけたいものです。 また,この時期は「基本的な生活習慣を身につける」ということに重点を置くことが大切です。「早寝早起き」「しっかり朝食をとる」「朝の排便」「正しい姿勢で座る」などの習慣が身につくと,自然と学習の習慣も身につきます。 つまり,「勉強しなさい。」とか「宿題はやったの。」とかいいながら,半ば無理矢理机の前に座らせなくても自分で学習に向かうようになるということです。 また,低学年の家庭学習の時間のめやすは一般的な基準としては15〜30分までであるといわれます。ということは,学校から出ている宿題だけで十分だということです。(ただし,学校が適切な内容の宿題を出すことが前提ですが…)つまり,家庭学習といっても,低学年の場合は学校の宿題ができるよう,条件を整えることだということです。例えば, 1.学習前に,一緒に勉強する場所の整理整頓をする。 2.ランドセルをあけて学校からのプリント類や連絡帳を一緒に確かめる。 3.今日の宿題を一緒に確かめる。(よく,プリントなどを学校に忘れて帰る子がいるので, 早い時間に確かめる方がよい) 4.学習中,任せっきり(放ったらかし)にしない。 5.最後までやり終えたことを確かめる。 などが家庭でお願いしたいことです。ところでこれも一例ですが,忘れ物をして登校する子どもが大変多いです。そのことを保護者に伝えると,「いつも『時間割は合わせたか。』と言っているんですけどねえ。なかなか自分でちゃんとできないんです。」などという答えが返ってくることがありますが,これはちょっと間違っています。時間割合わせを初めから自分一人でできる子どもの方がまれで,普通はかなり長い期間一緒にやってあげて,それを習慣づけていく必要があるものです。いろいろな場面で,「子どもと一緒に〜する」ということの大切さが見えてきます。毎日となると結構大変ですが,ぜひご協力いただきたいと思っています。 |
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