京都市立学校・幼稚園
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平成29年度2学期始業式で,こんなことを話しました。

 8月25日(金)1限目に,2学期始業式をグラウンドにて行いました。
 本年度の1学期始業式・終業式は,天候等の関係から各ホームルーム教室への放送によって行いましたので,教室のモニター越しにしか生徒の皆さんに語りかけることができませんでした。
 今日は天気にも恵まれ,本校に着任後初めて,全校生徒の前で話す機会を得ました。始業式冒頭の校長挨拶では,次のようなことを述べました。


 皆さん,この夏はどんな夏でしたか。おそらく,勉強に,部活動に,その他課外の自主的な活動にと,充実した日々を過ごすことができたのではないでしょうか。

 私は,皆さんが日々努力する姿をたくさん目にしてきましたが,この夏のトピックとして,2つだけ紹介したいと思います。

 一つは,全国高校総体の応援に行きました。今年は南東北で行われており,本校からは陸上競技の男子ハンマー投げ,弓道の女子個人,いずれも3年生が一人ずつ出場しました。全国の舞台を経験したことは,今後に向けての大きな糧になったと思います。

 もう一つは,この夏に行われた国際交流事業に,本校を代表して1・2年生18名が参加してくれたことです。
 こちらは,実は2つあるのですが,一つは,日中国交正常化45周年を記念して中国主催でおこなわれたもので,鳥羽高校の生徒と一緒に京都府交流団を編成して,陝西省西安市に行きました。もう一つは,「東アジア文化都市青少年交流事業」というもので,日・中・韓3か国の高校生が,中国湖南省の省都である長沙市に集まり,交流しました。こちらは,銅駝美術工芸高校や紫野高校の生徒と合同で訪問団を編成しました。
 どちらの訪問団も,やはり外国ということで,いろいろと予想外のこともあったようですが,皆さん,とても貴重な経験をして戻ってきたことと思います。「比べて初めて自分の立ち位置がはっきりとわかる」ということがあります。法律などの制度,文化や常識など,自分自身が「当たり前」と思っているものを揺さぶられる経験を,皆さんもぜひ,感性がみずみずしい若い間にしておいてほしいと思います。

 さて,いよいよ今日から2学期が始まります。

 新しいスタートの時に当たり,皆さんにお話ししたいことは本当にたくさんあるのですが,時間が限られていますので,一つだけ,にします。それは,当たり前のことではありますが,「何事にも一生懸命に取り組む」ことの大切さです。

 ある人の言葉に,
  一生懸命だと知恵が出る
  中途半端だと愚痴が出る
  いい加減だと言い訳ばかり
  本気でするから大抵のことはできる
  本気でするから何でも面白い
というのがあります。

 特に3年生の皆さんは,自分が希望する進路への扉を自らの力で開けるときが近づいています。仲間たちと励まし合いながら,一日一日を大切に,粘り強く,最後まで諦めず,地道な「本気の努力」を積み重ねてください。
 そして,1・2年生の皆さん,「将来自分はどのような形で社会に貢献したいのか」という人生の道筋は,まだはっきりとしていないかもしれません。「夢」や「やりたいこと」は見つけるものではなく,目の前にあるものに全力で取り組む中で育てていくものです。「これは将来役に立つから頑張る」「これは関係ないからやらない」「やれることしかやらない」といった姿勢ではなく,何事につけても,今は興味がなくて「やりたくないこと」であっても,「どうつながるかわからないけれども,せっかくだからやってみよう」という姿勢で努力してください。そうすれば,そこから思いがけない面白さ・楽しさを見出したり,興味関心が意外な方向に展開していったりするものです。一つ一つにひたむきに,取り組んでください。

 これで最後にします。
 いよいよ文化祭が近づいてきました。一人一人が当事者意識をもって,真正面から一生懸命に仲間とともに取り組み,今年のテーマである「月のように美しく 長く残る思い出に」なるような文化祭を作り上げてください。
 学校行事に,勉強に,部活に,皆さんが大いに活躍されることを期待しています!

29年度第1学期始業式で,こんなことを話しました。

 4月11日(火)午前9時から、離任式・新任式・始業式・対面式を行いました。(あいにくの雨模様のため、それぞれの教室のテレビを視聴しながらの形になりました。)
 始業式冒頭の校長挨拶では、次のようなことを述べました。

 今はまさに,激動の時代です。世界情勢は変化が激しく,不確実で,複雑性に満ち,人々の価値観が一層多様化し,まさに混沌の中にあります。また,大地震が頻発する等,地球環境も大きく変動しています。
 通信・物流環境の発達,ロボットや人工知能の技術発達などにより,グローバル化や技術革新の波が急速に押し寄せ,予測困難な状況のもとで地球規模での競争が一層激化しており,世界は相互に影響しあい,日本国内のみで事業が完結する時代ではなくなってきています。

 今朝の新聞で見たのですが,50年後の日本の将来推計人口が昨日発表されました。大きく載っていたので,目にした人も多いと思います。総人口が減少し,高齢化率が高くなるという方向はこれまでから言われてきていますが,改めて見ると,衝撃的な数字です。ただ,推計はさまざまな指標を高位・中位・低位3通りの推移の仕方で分析した結果を組み合わせたものなので,じっくり見ないと詳しいことはわからないとは思いますが,やはり,見込みとして厳しい状況であることに変わりはありません。

 日本の人口は減りますが,世界全体ではどうかというと,逆にどんどん増えていきます。(下の資料参照)特にアジア地域が増えていきます。中国・インドの増加が大きく,欧米を中心とする先進国といわれる国々の割合がどんどん減少しています。世界の中での日本の位置,という視点からも,このニュースについて考えてみてほしいと思います。

 このような状況の中で大切なことは,英知と活力に溢れ,チャレンジ精神旺盛に,困難から逃げずにそれに向き合い,多様性・異文化を尊重し,受け入れながら,価値観や文化的背景の異なる相手と対話を深める中でチームで物事を進めていける企画力や実行力,胆力だと思います。

 課題を自ら発見し,解決するためには,常に社会情勢に興味・関心を持つこと,そして世の中の出来事を当たり前のことと捉えず,なぜそうなるのかを自分なりに考える習慣をつけることが必要です。そのためには,当然のことながら,思考のベースとなる基礎学力や教養が備わっていなければなりません。

 また,多様な他者との円滑なコミュニケーションを図るためには,個人として信頼される「人間力の豊かさ」や協調性,相手を良く理解して自己の考えを明確に伝えるための知識や教養が不可欠です。

 生徒の皆さんは,新しい年度の始まりにあたって,それぞれ目標や抱負を胸に秘めていることと思います。私は,昨日の入学式の式辞で,皆さんには,自分の可能性や為すべきことを掘り下げ,時を惜しんで積極的かつ貪欲に,限界を設けることなく,何事にも力一杯取り組んでほしい,という願いを述べました。

 「人生にリハーサルはない」という言葉があります。練習なしのぶっつけ本番,「今」この時は二度と戻ってきません。“未来の自分”の可能性を狭めることのないよう,自分の実現したいこと,未来の自分を思い描きながら,日々着実に歩みを進めていってください。
 皆さんとともに,楽しく,充実した1年を過ごしたいと思います。



[画像]話の途中で示した,世界人口の推移を推計したグラフ
    (IMFの資料による)

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着任の御挨拶

 このたび本校の校長として着任いたしました,小野恭裕と申します。
 私は,初任校がこの塔南高校でして,昭和61年から10年間に勤務しておりました。実に約20年ぶりに,今度は校長として戻ってまいることとなりました。よろしくお願いいたします。

 本校は,昭和38年の創立以来,本年で55年目を迎え,これまでに2万名をこえる卒業生を輩出しております。また,平成19年には,普通科に加えて全国唯一の教育に関する専門学科「教育みらい科」を設置し,こちらも去る2月11日に創設十周年の記念行事を行ったところです。普通科・教育みらい科ともに,力強くその歩みを刻み続けております。
 すでに新聞報道等でご存知のとおり,本校は洛陽工業高等学校の唐橋校地への移転・再編を予定しており,「新しい普通科系高校」として再スタートを切ることとなっております。

 本校としましては,新しい学校に向けての準備を着実に進めるとともに,現在の学校における教育についても,その成果と課題を検証しながらさらに充実発展させ,新校への円滑な移行・接続を図ってまいりたいと考えております。

 生徒たちがそれぞれの個性や良さを認めあい,学業はもちろんのこと,部活動をはじめとする課外活動にも積極果敢に取り組み,伸び伸びと充実した学校生活を送る高校を目指して,日々の教育活動に邁進してまいります。これまで同様,皆様方の温かいお力添えを賜りますよう,お願い申し上げまして,着任の御挨拶といたします。

   平成29年4月3日
               京都市立塔南高等学校長 小野 恭裕

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