京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/03/25
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ハートフルマーク

一線を引く

 4月10日(月)午後、平成29年度前期始業式を行いました。
 新1年生は、2年生と3年生の間に、クラス毎に入場し、大きな拍手でお迎えをしました。全員がそろったところで、年度最初の恒例行事、音楽科田中先生による校歌練習を行い、練習終了後、放送局生徒の司会進行で始業式を開始しました。
 校歌斉唱の後、恩田校長から新転任教職員の紹介があり、続いて校長からのお話がありました。お話の柱は以下の2点でした。

「感じとることの大切さ」
例えば、身近なところに、聞こえに課題のある人がいたとする。その時にどうしたら気づいてあげることができるのか。特別なことを求めているわけではない。困っていることに気づき感じる力こそが大切だと思う。そのような感じる力を磨いてほしい。

「一線を引くことの大切さ」
 世の中や私たちの身の周りには「これはちょっとなぁ。」という自分には受け入れがたいことがあったり、人がいたとする。そう思うことは誰にでもあることだ。しかし、そう「思うこと」と、それに対して批判的な「ことば」「ふるまい」「行動」にすることは、全く意味が違ってくる。そこにきちんと線を引くことができる人になってもらいたい。
以上2点は、「自立する18歳」となるための大切なことである。

 次に、学校生活部長村石先生からのお話があり、前期始業式が終了いたしました。
話の中でも、マナーとマンネリズムについては示唆に富んだ内容で、生徒たちは真剣なまなざしで聞き入っていました。
 「manner」(本来英語では「manners」となりますが、)に「ism」をつけると「mannerism」となり、私たちのよく聞く「マンネリズム」となります。マナーを守ることは大切であるけれども、何のための、誰のためのマナーであるかを明確に意識しなければ、型にはまり、主義が前面に出て、本来の意味が薄まり、マンネリとなってしまう危険性がある。自立する18歳に近づくためにはそうならない自分自身が必要だ、という内容でした。

 10日から新しい年度の堀川高校がスタートしました。すべては「自立する18歳」の育成に向けて、生徒たちも教職員も全力でチャレンジしていきます。



 写真上:新入生入場
 写真中:新転任教職員紹介
 写真下:恩田校長挨拶
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人間(じんかん)いたるところ青山(せいざん)有り

(入学式式辞概要)
 新入生諸君,これまで,わが国では,高校までは公式,法則などシンプルで美しいセオリーを身につけ,大学で初めて,それまで覚えてきた知識・技能について,いかに美しいものでも疑ってみることで研究がスタートする構造になっていました。この「間違いがあるかも」「今の時代に通用しないかも」を探究活動に込めて高校から始めたのが堀川での学びです。研究は,辛抱強いエビデンスの集積と新しい発想が求められます。研究は孤独な作業ともいえます。しかしポスター発表など質疑応答などという対話によって進化すること,仲間との喧々諤々の議論によって,自分の考えが出来上がってくるものです。研究は,背後に隠れていること,裏にあるものなど,見えないものを見せ,そして証明する。そのために再現,実験,アナロジーを駆使してインテイク,アウトプットし山に登っていきます。堀川らしさとは,バカらしいと思われるような発想や質問もウェルカム,好奇心と困りの解決こそモティベーションといえる耐久力,発表ではフリーズせず,言葉をつないで質問をどう切り抜けるか,さらに普段からの対話やコミュニケーションを力に代えて,助け舟を出すチームワークも身につける,などといったこれまでとは違う学びの場を楽しめる人になってください。私たちが19年前に掲げた探究活動の手段である,課題研究やポスター発表は今やSSH校,SGH校などトップ層の育成と裾野の開拓として広がってきました。それでもこの堀川でしか学べない,ここで共に学ぶことによってしか獲得しえないプロセス,日々の学習,探究活動に取り組み,学ぶ姿勢やモティベーションを生み出す様々な朋と愉しむ営みを大切にする。これこそ絶対に真似が出来ない主体的な学びをともに実現していきましょう。
 登山の世界ではよく「山は登るより降りる方が難しい」と言われます。山の事故も7割以上が下山で発生しています。どんなに高い山頂に到達しても下山して初めて成功であり,山頂は折り返し地点に過ぎません。学校での勉強も同じことが言えるのではないだろうか。高校受検を五合目ととらえて足元だけ見てさらに狭い山の頂を目指すのではなく,堀川高校入学のこの機会に下山してさらに高峰を目指してほしい。下山の時に気付くのは,「全体を見渡せているつもりでいても,じつは見たいものしか見ていない」ということです。人間は自分が体験してきたことから,なかなか抜けきれないものです。時間の多くを高校受検で頑張ったことで,関心のなかったことや,関わることができなかったことにも目を配りながら,「新しいものさし」とは何か,「新しい目標とは何か」について次の出発点に立とうではありませんか。「想定外」という言葉が近年行きかっていますが,「想定外」ということは,別の言い方をすれば,それ以上のことを考えていなかった「思考停止」した結果でしかありません。地球上に70億人以上が生活し,そこには,住居,言語,生活,宗教など,全く異なった文化があります。この環境が,いろいろな問題を醸し出し,常に何が起こっても不思議ではない現実があります。このような予測できない未来に向かって,何が正しいのかというテーマ設定自体が愚問でかつ無意味と言われていますが,かと言ってでは何もしないかということも,まさに思考停止でしかありません。
 「プレッシャーだ」,「困難である」,ということはいつでも言えます。ただし,こう言ってしまうと,既にそこで物事はストップし,問題解決へのステップを放棄することでしかなくなってしまいます。そして優秀な人たちがこれらの困難を背負ってくれなくなってきています。今までも高い山を目指して登り続けたかもしれなませんが,これから登ろうとする山は,さらに険しく,道のない山です。その山に挑戦するということは,これまでの経験にこだわらない発想法を装備してともに高みを目指そうではありませんか。もっと高い山に興味があるのに,一歩踏み出せずにいる方はいませんか?何を恐れているのでしょう?挑戦することによって,今の小さな幸せを失うことが怖いのでしょうか?ちっぽけな幸せにしがみついている限り,大きな幸せを手に入れることはできません。それに,今いる場所だって,いつまでも安全安泰かなんて分かりません。しがみつくに値するほどの幸せかどうか,よく考えてみることです。足もとばかり見つめていないで,顔を上げて遠くを見渡してみましょう。高い山の裾は広い。無限と言ってもいいでしょう。どこかにあなたの本当の居場所がある。思い切って飛び出しましょう。君たち19期生は「山」と名付けます。19期生諸君,困難に動ずることなく,想定外にもスピード感とユーモアをもって立ち向かう,未踏の山のような大きな器となり,堀川の歴史を刻んでください。



 平成29年4月10日 学校長 恩田徹




 写真上:式辞
 写真中:新入生代表宣誓
 写真下:教職員紹介
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行事予定
4/11 午前:身体計測・視力検査・課題テスト(全学年)  聴力検査(1・3年)  午後:1年レントゲン・心電図・各科検診  2年LHR・面談・クラス写真等  3年課題テスト・LHR等
4/12 午前:課題テスト等(全学年)  午後:1年花背ガイダンス等  2年LHR・面談等  3年各科検診・面談・クラス写真等
4/13 1年花背山の家宿泊研修 〜14日   午前:2・3年短縮授業(1〜4限)  午後:2年各科検診・面談等  3年面談等
4/14 1年花背山の家宿泊研修 〜14日  2・3年生平常授業
京都市立堀川高等学校
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