京都市立学校・幼稚園
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花から華へ


3月2日(月)午前10時から、本校アリーナにて、第67回卒業証書授与式を挙行いたしました。春の足音が聞こえるこの日に、普通科82名、人間探究科56名、自然探究科112名が卒業式に臨みました。ご多用の中ご臨席くださった関係各位をはじめ、本校を支え、応援して下さる皆様に心より感謝申し上げ、式辞の概要をお伝えします。


14期生の皆さんに,豊かな人生を歩んでいくために必要な能力とは何か。
3つのテーマでお話ししたい。

(1)本校校訓の一つ「友愛」の現代的に解釈と異質な他者との付き合い
 1月の激励会の際に宿題にしていたシャルリ・デュブレの事件とフランス革命のスローガン「リベルテ(自由),エガリテ(平等),フラテルニテ」のフラテルニテを博愛と翻訳することについて,現代のフランスをはじめ西ヨーロッパ諸国が国益として目指す「多文化社会」,ダイバーシティの課題に関わる課題だと考えられるのではないか。「フラテルニテ」ということばは,現代のフランス人にとっても難解であるため,大統領の演説などでも「レスペ・オ・ゾートル」と言い換えられることが多いそうです。「博愛」イコール「仲良くすること」ではなく,「異質な他者を尊重すること」というのが,指導者の意思ではないか。「仲良くする」とか「同じ心を持つ」などという必要はなく,極端に言えば「惜しみ合ったまま」でもかまわないということです。わが国の「同質性の信仰」ともいえる文化に対し,人々の間に多様性や対立があることを前提とし,「社会全体のルールづくり」についても「自由の中での約束・契約」についても,異質な人々が冷静・建設的に議論を行い,相手を打ち負かす技術とは違った,集団意思形成や当事者問合意形成を実現していくために必要な力も大切なのではないか。

(2)胆力と言われる力について
 太宰治が『惜別』にも書いた,魯迅の「藤野先生」は,今のわが国と近隣諸国との諸課題を考えるうえで非常に考えさせられる作品です。この作品には魯迅が医学の道を捨て作家になることを決意した若き日の原点のようなものが語られています。「医学ではなく,文学運動を通じた中国の覚醒」へと向かい,日本の中国への侵攻を批判し,中国の覚醒と「抗日運動」をリードする魯迅にして,「夜ごと,仕事に疲れてなまけたくなるとき,仰いで灯火のなかに,彼の黒い,痩せた,今にも抑揚のひどい口調で語り出しそうな頗を眺めやると,たちまち私は良心を発し,かつ男気を加えられる」と机の前に藤野先生の写真を貼ったと書いています。決して温厚で篤実な人というわけではなかったようですが,それでも貧乏な患者からは診療費をとらなかったことといい,雨の中を「笠とゴザを着て往診の途中に倒れて,翌朝亡くなった」という話が,この人の人生を象徴するものだと思います。かつてわが国には,こういう人物が数多く存在していたのです。周辺の時代の空気が,日清戦争から日露戦争に向かい,中国を蔑視している雰囲気の中での,本人の記憶にも残らないほどの些細な判断に,民族の理性や品格が滲み出るのであり,それ胆識というのではないかと思います。

(3)効率性や失敗しない「処理能力の速い脳」と「強い脳」についてとまとめ
 「ミスター半導体」といわれた西澤潤一先生は東北大学の工学部1年生で終戦を迎え,これからのわが国が食べて,生きていくためには,製造業,それもよそでは絶対につくられていないものを創造するのが工学部の使命であり,わが国を自立させるためにそれしかないと,真剣に考えられたそうです。それにいたるまでの研究生活は困難の連続で,前例のない研究でしたから潤沢な研究費もなく,最低条件で常に研究を続けてきた結果の発明だったようです。曰く,振り返るとそういった過酷な環境がかえってよかったと。高価な実験装置が購入できないので自分で造るしかない。しかし企業と同じものをつくっていては勝負にならない。新しい原理,新しい機構を開発しなければならない環境にいたことが独創的な研究につながったとおっしゃる。このいわば「強い頭」はどのように形成されるのでしょうか。基礎研究でも応用的な研究でも,裏付けを取り,常識と言われていることでも自分の頭できちんと考え,自ら検証し,さらに研究を積み重ねる。こういった愚直な仕事の基礎があって「強い頭」が形成され,物事をとことん突き詰めて考え,常にあきらめず,自分を見失わない。「強い頭」は独創的な研究に必要なだけではなく,探究的で豊かな人生を送るためにも大切なことだと結論付けておられます。
 立花隆は,その著『東大生はバカになったか』で「教養とは何かを抽象的に論ずるならば,それは『人類社会の遺産相続』の問題であるということができます。そして大学の使命というのは,そのような遺産相続人を時間をかけて育てることであり,学生の側からすれば,その遺産を相続するに足る資格を大学の教育を通じて得るということです」と述べています。ここで考えてほしいのは,現実的に「知的な遺産相続」とは,生身の人間として生身の人間に出会うことによって啓発され触発されるものではないかということです。つまり,誰と出会うかが決定的なのではないかと。評論とと現実のギャップについて,若者は大人の判断の背後にある欺瞞をじっと見抜こうとしているはずです。人間の力と学問の力がこれまで歴史を推し進めてきたとするなら,歴史的転換点に立たされた世界の状況と学問もまた,人類史の発展を阻止している国際的規模での諸関係,世界的な諸要因を否定し,飛躍的展開を遂げるのが人類の新たな英知でなければなりません。歴史の歯車を前に推し進めるとき,学問はその真価を発揮することと思います。若者らしい知的欲求と人類の行方を思う熱い心は,炎となり,その実現の志を胸に,若者たちは巣立って行きます。転換期世界の今日,若者は悩み,叫び,走り,翔ぼうとしています。つぼみを咲かせようとしています。この若者たちの熱い思いに応えられる高校・大学教育が求められており,私ども教育者もまた,これに応えられなければなりません。これが探究に未来の若者の英知と志を育むことに意欲をかきたてられる所以です。学び続け,学び直す探究の旅,そのことにより,若者は自らの情熱の方向と生き方を学び,知的訓練を通して新しい知的世界を切り開いていくことと確信しております。それは現代史を担う若者と学問の歴史的使命のように思えてなりません。
花の14期生のみなさん,華のある探究の旅へ

平成27年3月2日 第67回卒業式 京都市立堀川高等学校長 恩田 徹


上:14期生が入場
中:皆勤賞授与
下:卒業生の言葉
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第1回 京都市立高等学校 英語プレゼンコンテストに参加しました!

 2月21日(土)、京都堀川音楽高校で「第1回 京都市立高等学校 英語プレゼンコンテスト」が行われました。これは、日本についての深い教養をもとに自分の考えを英語で伝えることができ、将来的にグローバル社会でリーダーとして活躍する人材を輩出するために今年度から実施されることになったコンテストです。その栄えある第1回に堀川高校より合計4名の生徒が参加しました。

 その4名のうち1名は「個人発表の部」に、3名は「グループ発表の部」にエントリーをしました。個人発表の部では “Let’s Make a Long Chain to Make Our World More Peaceful and Beautiful! ”というタイトルで発表を行った上原さんが優秀賞を、グループ発表の部では“Widen Your “Window” to Broaden Your View”というタイトルで発表を行った、グループ名“Windows 16(坂口さん・林くん・松井くん)”が優秀賞をそれぞれ受賞しました。


 彼らがこの発表のことを知り、出場しようと決めたのは1月の中旬に差し掛かろうかという頃。そこから本番当日までの約1か月は、普段の授業やクラブ活動に加えて、探究基礎のレポート提出の締め切りが重なるという、いつも以上に慌ただしい時期でした。そんな中、彼らは放課後のみならず、早朝から、あるいは昼休みにも集合し、協議を重ね、リハーサルを繰り返し、そのたびに修正を加え、当日の朝までリハーサルをして・・・と相当ハードな1か月を過ごしてきました。当日は他校の生徒の発表だけでなく、第8回全国高等学校英語スピーチコンテストの優勝者である、紫野高等学校の一ノ瀬メイさんの素晴らしいスピーチを聞く機会もあり、大いに刺激を受けたようでした。今回の発表を機に校内の取り組みだけでなく、これからこのような校外での取り組みにも積極的に参加し、様々な刺激を受ける経験を積んでほしいと思います。


写真上:会場のみなさんに語りかける上原さん
写真中:フィリピンでの体験を語る坂口さん
写真下:表彰式にて。優秀賞を手に喜ぶWindows16の皆さん
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失敗も糧に

 前期選抜の発表に際して,本校を志願してくれた中学生のみなさんにお伝えしたいことがあります。
 昨年の4月以降,様々な学校説明会や相談会の場でお会いした皆さん,とりわけ7月末と11月の本校での説明会に来てくれた皆さん,私どもは,その際のアンケートで書いていただいていた皆さんの本校に対する熱い思いに感動を覚え,「このような中学生にぜひ来てほしい」と思うと同時に,期待に応える教育の改革推進に背中をおされる思いでおりました。選抜の結果とはいえ,残念ながら不合格となった皆さんの落胆と次に向けた頑張りに心からエールを送りたいと思います。京都市・乙訓通学圏の皆さんは中期選抜で本校にチャレンジする機会がありますので,是非前向きに検討してください。それ以外の通学圏の皆さんは本当に残念ですが,切り替えて,どうか頑張りぬいてください。
 前期で合格が決まった皆さんは,どうか合格がゴールと考えずに,残念ながら不合格となった仲間の分まで学び続ける決意をしてください。それぞれの中学校の仲間の一人一人が胸を張って笑顔で卒業式を迎えられる,その一員として責任を果たしてください。

 学校長 恩田徹

SSHフィールドワーク 課題発見の旅に出かけました

2月11日(水・祝)、SSH(重点枠)のとりくみで、「課題発見の旅(神戸・伊丹)」を実施しました。

堀川高校1年生4名、SSH重点枠連携校中学生12名(5校)の参加で、探究活動・課題研究の研究テーマを設定するための手法を学ぶため、

竹中大工道具館
水の科学博物館
伊丹市昆虫館

の3つの施設を訪問しました。


3つの施設では、ワークシートに、
・疑問,不思議に思ったこと
・疑問や不思議に思ったことを明らかにするためにしてみたい調査や実験
を書き込みながら、見学をおこないました。

20個近くの疑問を見つけ、その解明方法についてまとめている中学生もいました。

今回、疑問に思ったことが研究テーマにつながったり、
今回の取り組みのような思考の蓄積が研究テーマの設定につながることを、
今後、体験的に感じとってもらいたいと考えています。
参加者に対する事後の調査も実施予定です。


写真上:竹中大工道具館にて。匠の技と心に感心しています。
写真中:水の科学博物館にて。水の不思議に魅入られて。
写真下:伊丹市昆虫館にて。みんなで問い探し。

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図書館より  「バレンタイン!」

 2月のテーマは「バレンタイン」

 今日は、バレンタインデー!

「逆チョコもいいですよ。最近では友チョコだけでなく、逆チョコも流行ってます。」
「レシピ本など展示していますので参考にどうぞ。」
「男子も女子も、大切な人に感謝や自分の気持ちを伝える日になればいいですね。」

 図書委員ディスプレイ班より

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適応マラソン実施!

 2月6日(金)賀茂川河川敷(通学橋 〜 葵橋)において、1、2年生の適応マラソンが行われました。前日夕方より雨が降り実施が危ぶまれましたが、朝には雨が上がり時折晴れ間がのぞく天気のもとで実施できました。
 長距離を走る、もしくは歩くことで自己の忍耐力を養うとともに、能力を試し健康の保持増進を図ることを目的として、男子は約16キロ、女子は約12キロのコースで実施しました。結果は以下の通りです。

 男子 第1位 2年5組 古川 誠也 君  55分53秒
    第2位 2年3組 宇井 智哉 君  57分57秒
    第3位 2年1組 山崎 流星 君  57分58秒

 女子 第1位 2年2組 辻横 真琴 さん 44分35秒
    第2位 2年2組 桂  澪央 さん 45分20秒
    第3位 2年2組 浅野 眞代 さん 46分28秒

参加した生徒のみなさん、お疲れ様でした。

写真上:スタート直前、待ちきれずに大はしゃぎの男子生徒たち
写真中:雪の残る北山を背景に、みんな頑張って!
写真下:ゴール!お帰りなさい。おつかれさまでした。

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堀川ダンスカンパニー 発表会に出場しました

 2月8日(日)『第60回京都府学校ダンス発表会』(京都市教育委員会共催)に有志で結成された「堀川ダンスカンパニー」が出場しました。

 会場は,文化パルク城陽プラムホールで照明も完備された大きな舞台での発表でした。生徒たちは少し緊張しながらも,これまでの練習の成果を十分発揮しようと気持ちをひとつにしてのぞみました。 
1.「jaiho! !」 2.「バーレスク」の2作品

 ☆応援してくださった先生方,保護者の皆様,ありがとうございました。
  

 ※下の写真は舞台リハーサルの様子です。

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TTBiz2014最終審査会に参加しました

 1月24日(土),25日(日)の2日間,2年生の4人の生徒が「JA Travel and Tourism Business Program(TTBiz)2014」の最終審査会に参加してきました。
 TTBizとは,ジュニア・アチーブメントという経済教育団体が主催するプログラムで,グローバル人材としての素養を養うためのプログラムのひとつです。このTTBizでは,韓国・シンガポールの高校生と日本の高校生がひとつのグループとなり,海外の方へ向けた日本旅行のビジネスプランを、特別協賛であるアクセンチュア株式会社の社員アドバイザーのサポートを得ながら企画立案します。

 6月の初めに参加希望者を校内で募集し,その中で代表1グループを選考・応募しました。そこからおよそ半年にわたって活動に取り組み,さまざまに悩み,苦労しながら企画立案したビジネスプランを持って今回の最終審査会に臨みました。
 最終審査会は東京ミッドタウンのシスコシステムズ合同会社東京本社で行われました。海外の高校生とともに発表を行うことから,Cisco TelePresenceというテレビ会議を活用し各国をつなぎ、プレゼンテーションを行いましたが,実際にビジネスで使用されている場所・システムを用いてのプレゼンテーションであり,参加メンバーにとっては貴重な機会となりました。

 最終審査の結果は,残念ながら予選での敗退となりました。しかし,海外の高校生や他の参加高校の生徒,社員アドバイザーの方などとの交流や,魅力あるプラン作りと同時に,ビジネスプランとしての妥当性があるものを企画しプレゼンするという活動など,さまざまな経験から多くのものを学び,生徒自身の成長につながったと思います。
 今後は,この取り組みから得たものを,参加生徒自身だけでなく他の生徒にもフィードバックできるよう,校内での報告会を予定しています。

写真上:東京へ向かう新幹線内で,プレゼンテーションの練習中。
写真中:最終審査会・プレゼンテーション中。テレビ会議で海外とつないでいます。
写真下:TTBiz参加の証をいただきました。

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SSH事業「科学技術人材育成重点枠」報告会を開催しました

 1月30日(金)、SSH事業「科学技術人材育成重点枠」報告会を開催しました。京都市内全域から42名の先生方にご参加いただきました。本当にありがとうございました。
 今回の報告会は、SSH事業「科学技術人材育成重点枠」で普及を進めている探究活動における指導法やポスター形式の発表会の指導法、また指導法に対する効果検証について、各学校の取り組み内容の成果・課題の情報共有や交流を行いました。
 モデル校14校(小学校3校、中学校11校)による報告では、各校7分間ではありましたが、探究活動やポスター発表の指導における工夫や課題、またアンケート等による生徒の変容の調査などの発表があり、有意義な研修となりました。

堀高生 科学探究模擬授業

 科学探究では、『科学とは何か』を自分たちなりに定義し、実験などを通して他の人に伝える授業案を作る、という取り組みをしてきました。1月23日、西院中学校へ出向き、その授業をさせていただきました。
 テーマとしては、
 「エアインチョコの空気は、どのように入れる?」
 「なぜ、人は、夢をみるのか?」
 「紙飛行機を遠くまでとばしたくないか?」
 「シャンプーは、なぜ、泡立つのか?」
 の4つを提示し、希望者を募って、授業を実施しました。

 事前にクラスメイトを相手にシミュレーションを重ねてきましたが、やはり本番は勝手が違います。とっさの判断力や適応力が試されました。「難しかったけど、少しは伝わった気がする」と笑顔で答える生徒たちの姿が、一年間の授業の成果であったように思えました。

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行事予定
3/3 1年学年末考査 2年月曜振替授業 スクールカウンセラー来校日
3/4 1年学年末考査
3/5 2年学年末考査  午後:生徒校内立入禁止
3/6 中期選抜学力検査  生徒校内立入禁止
3/7 PST  1年海外研修結団式  コミカレ「文学歳時記」岸本久美子先生
3/8 マレーシアコース出発〜13日  アメリカコース出発〜16日
3/9 2年学年末考査  ヨーロッパコース出発〜17日
京都市立堀川高等学校
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