京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/03/29
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「美術を学ぶ」から「美術で学ぶ」学校へ。美工(美術工芸高校)は、生徒たちに未来必要な力を身に付けさせる教育活動を展開しています。

4月9日 校長室ウェブログ記事を更新しました。

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 9日、校長室ウェブログ記事を更新しました。

 入学式式辞
 始業式に

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4月9日  始業式に

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               始業式に
 
 平成30年度、2018年度が始まりました。午前中に入学式があり、90名の新入生を迎えました。すでに3月28日には、本校に新しい先生、職員の方をお迎えしていました。今年度の銅駝の生徒・教職員、すべてのメンバーがそろって新しいスタートです。


 4月3日河原町丸太町の角に新しくできた御所東小学校の開校式に招待され、出席してきました。御所南小学校に通う児童の数が多くなりプレハブを建てるなどをされていましたが、よりよい学習環境をということで地元の方々がずいぶん話し合いをされ、子どもたちのためにという熱い思いで創立された学校です。新しい学校の校章は地元の意見を踏まえて本校の梅林先生が作られました。新しい校歌の作詞は、以前本校に勤務されていた山本純子先生が作られました。そして、御所東小学校へ通う児童の新しい通学路の安全を願って地元の方が、「飛び出し坊や」という注意喚起の看板を銅駝の生徒のイラストで作りたいと依頼があり、生徒の皆さんが作成してくれた作品の中から5つが実際の看板として設置されることとなりました。多くの人の願いや思いで支えられ、御所東小学校の新しい歴史が始まります。

 銅駝は、明治にできた京都府画学校の創立がスタートなので今年で139年、この場所で銅駝美術工芸高校としてスタートしてからは39年の歴史を歩んできました。銅駝が開校する前は銅駝中学校、その前は小学校があり、この校舎グラウンド自体が長い歴史を持っています。学校ホームページのブログの記事にも書きましたが、春休み中に80歳を過ぎたご年配の女性が、遠方からわざわざ銅駝を訪ねて来られました。その方は戦前この場所にあった銅駝尋常小学校の卒業生で、大切に残しておられた入学の時の写真を鞄から取り出し、見せてくださいました。それは今もある本館東側の藤棚の前で撮影されたもの。現在の本館は昭和初期の校舎、現在の藤棚も当時のまま大事に残されてきたことがわかりました。思い出の場所で記念写真をお撮りしましたが、感激してお帰りになりました。ちょうど本館の廊下教室の油引きをしてから2,3日経った日のことでした。油引きすることで、ほこりや汚れを防ぎ、板をしなやかにして、割れや痛みを防ぎます。尋常小学校の頃からこの校舎、床や廊下は、万を超える子ども、教職員が踏みしめてきたんだなあと考えると学校という場所の重みを感じます。

 学校は、生徒と教職員が毎日毎日様々な活動をして様々な思いが積み重なって歴史が創られていきます。そういう意味では、学校は単なる「入れもの」ではなく「生き物」だと思います。生き物と同じように学校にも心臓の「鼓動」や「体温」「息づかい」が必要です。それがあってこそ、生徒が学べて、生活ができて、成長できるのだと思います。入学式で、私は「学校は希望を創るところだ」と言いました。希望は探すものでも、どこからか現れるものでもなく、主体的に創り出すものです。この学校で希望を創り出すためには、この銅駝が「鼓動」「体温」「息づかい」のある学校でなければならないと思います。今、ここにいる生徒の皆さんと教職員がそういう思いで新年度スタートしたいと思います。

平成30年度 第39回入学式 式辞

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              式  辞

 鴨川河畔に咲き誇った桜が満開の時を過ぎ、川面が、零れ桜に染まるこの佳き日、京都市教育委員会をはじめ、PTA会長様、平素より本校にご支援をいただいております美工交友会、京都パレスライオンズクラブ、銅駝自治連合会のご来賓の皆様、そして、多数の保護者の皆様のご臨席を賜り、平成三十年度 京都市立銅駝美術工芸高等学校、第三十九回 入学式を挙行できますことは、誠に大きな喜びであり、本校教職員を代表いたしまして、心よりお礼申し上げます。

 ただ今、九〇名の新入生の入学を許可いたしました。まずは、新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。皆さんを本校の生徒として迎えることを、教職員一同たいへんうれしく思っております。

 保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。お子様が本校を志望されるにあたり、保護者の皆様が、本校の教育をご理解いただき、進路実現を目指すお子様を励まし、ご支援くださいましたことに、あらためて感謝申し上げます。これからの三年間、教職員一同、力を尽くしてお子様の成長を支援してまいります。どうかご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 本校は、明治十三年、一八八〇年に「京都府画学校」として創立され、今年度で一三九年目、現校地で銅駝美術工芸高校として開校してから、三十九回目の入学生を迎えることとなりました。長い歴史と伝統をもつ本校を卒業された諸先輩方は、美術界、産業界、教育界ほか、各方面で活躍されておられます。皆さんは、本日、晴れてこの歴史と伝統のある学校の生徒になりました。銅駝美術工芸高校の生徒として、しっかりとした自覚と誇りをもって、志 高く、学習に取り組んでください。皆さんは、今、期待と不安の交錯する気持ちでこの場所に臨んでいると思います。入学の時のその新鮮な感覚を大切にし、美術専門高校での第一歩を踏み出してください。

 はじめに、ひとつの文章を紹介します。
 「見ることは喋る(しゃべる)ことではない。言葉は眼の邪魔になるものです。例えば、諸君が野原を歩いていて、一輪の美しい花の咲いているのを見たとする。見ると、それは菫(すみれ)の花だとわかる。何だ、菫の花か、と思った瞬間に、諸君は、もう花の形も色も、見るのを止めるでしょう。諸君は心の中でお喋りをしたのです。菫の花という言葉が、諸君の心のうちに這入って(はいって)来れば、諸君は、もう眼を閉じるのです。それほど、黙って物を見るという事は難しいことです。菫の花だと解かるという事は、花の姿や色の美しい感じを、言葉で置き換えて了う(しまう)ことです。言葉の邪魔の這入らぬ花の美しい感じを、そのまま持ち続け、花を黙って見続けていれば、花は諸君に、嘗て見たこともなかった様な美しさを、それこそ限りなく明かすでしょう。」これは、小林秀雄さんの『美を求める心』というエッセイの一文です。本校では、「観ること」「感じること」「考えること」「表現すること」を大切にした学びがたくさんあります。そして、美術専門科目だけでなく、普通科の科目、学校行事などあらゆる活動の中で、このことを重視しています。この四つの営みは、学校の中だけでなく、これからの社会で生きていく上で、なくてはならない営みです。皆さんの三年間の旺盛な学びを期待しています。

 入学式にあたり、新入生の皆さんに、校長として二つの大切なことをお話しします。

 一つ目は「ありのまま」ということです。私たちは、この世にかけがえのない命を授かり、生まれてきました。誰ひとりとして同じ人はいません。唯一無二の存在として、生きてきた環境も、出会った人も異なり、考えてきたこと、悩んできたことも異なります。そのことに良い悪いはありません。どうか、人と異なることに不安をもたないでください。ありのままの自分を、否定しないでください。本校はまず「ありのまま」の皆さんを、受け入れて尊重します。人と異なる皆さんが、「ありのまま」を大切に素直に学べば、「観ること」「感じること」「考えること」「表現すること」は、自ずと違ったものになります。それがアートです。個性は尊重されなければなりません。しかし、個性は生まれたときから変わらないものでも、また何が個性か探すものでもありません。「ありのまま」の自分が個性です。人は、出会いと経験で成長し、その人の個性も変化します。この三年間「ありのまま」を認めながら、変化することを恐れず、むしろ殻を破って自らの魅力を高めてください。

 二つ目は「多様である」ということです。人が唯一無二の存在であれば、この世の中は当然多様であるということです。他者の「ありのまま」も、当然尊重されなければなりません。京都市立芸術大学の鷲田清一学長は、その著書『まなざしの記憶』の中で、「他人を理解するということは、その人と自分が同じ存在ではない、ということを思い知ることから始まる」と述べています。また、劇作家・演出家の平田オリザさんは、その著書『わかりあえないことから』の中で、「何でわからないんだ」「どうせわからないだろう」とあきらめるのではなく、「異なる価値観に出くわしたときに、物怖じせず、卑屈にも尊大にもならず、粘り強く共有できる部分を見つけ出してゆく」「そういう対話を繰り返す」ことの大切さを述べています。社会は多様です。そして銅駝も多様です。その銅駝で、自分と異なる仲間を認め、対話することで、異なったものの見方、考え方、価値観に触れ、自分を見つめ直してください。人は多様な中でこそ、広く深く成長するのです。

 さあ、皆さんの高校生活が始まります。ありのままの自分を否定せず、しかし、その自分に留まるのではなく、気づかなかった自分を発見し、広さと深さを増していく、かけがえのない三年間です。学校は、「希望を創るところ」です。これまでは学校に入学することが「希望」であった皆さん、今日からこの銅駝で新しい「希望を創る」のです。「希望」は、もらうものでも、探し出すものでもなく、創り出すものです。そのために、自らの表面積をいっぱいに広げ、銅駝の学びの中で出会う「ひと」や「もの」、「こと」に、しっかりと向き合い、自らの力で主体的に関わり合うことを大切にしてください。

 今日から始まる、銅駝美術工芸高校での生活。皆さんが、多様性の中で自らを磨き、大きな希望を創っていくことを心より願い、式辞といたします。

平成三十年四月九日

                 京都市立銅駝美術工芸高等学校長  
                 吉田 功

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