京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/01
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洛陽工業高等学校は、平成29年度末をもって閉校し、 創立132年の歴史と伝統を京都工学院高等学校へ引き継ぎます。

インターンシップ受け入れ企業様に感謝

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洛陽の校長の恩田です。就職超氷河期と言われるなか、おかげさまで就職希望者の進路希望を変更することなく内定100%達成を実現できそうです。寒い中、本校2年生全員が2月当初に取り組むインターンシップの説明会・打ち合わせ会に多数の企業様がご来校くださいました。来年度の教育課程の質向上においてもキャリア教育の視点で各科目の目標見直しを行う必要があり、昨年の本取組以来考えてきたこともありますので、企業様へのあいさつに代えて問うてみたいと思います。
「キャリア教育」に関する認識は、希望の進路実現を目標とした進路指導に加え、一人一人のキャリア発達や個人としての自立を促す視点へと進化を遂げています。本校は、教育目標(人財育成目標)として「豊かな人間性と柔軟な発想に基づく課題探究能力と問題解決能力の育成(自律創造型人財の育成)」を掲げ、京都市立高校改革を進めています。「キャリア教育」も技術の習得に加え、「課題探究力と問題解決能力の育成」に重きをおき、1年生時における早期の取組として「キャリア形成支援授業」に挑戦しています。この授業の特徴をあえてあげれば、その教育手法と専門外の高校教員が多くの学外の方々の協力を得て試行錯誤しながら実施しているという点にあるかもしれません。その取組の一環である本インターンシップも含めた教育手法を「社会協働教育」と称しています。本報告が、「キャリア教育」に何らかの視点を加えるとすれば、この教育手法ではないかと考えております。
高校教育をキャリア形成支援という視点から見直す際に重要なのは、生徒たちにどのような能力を付けるかという視点です。アウトプットからアウトカム型の授業計画が求められます。教育組織として、意識的に「能力」の内容及びその形成プロセスについて考えることが弱かったように思います。生徒と高校を取り巻く状況は大きく変わり、キャリア形成という視点から、意識的に考えなければ、学習のモティヴェーションが成り立たなくなってきます。つまり、高校は社会から、単に知識への習熟度ではなく、生徒が身に付けた能力の質によって成果を示すように求められるようになったわけです。
本校は、5年前より、「自律創造型人財」の養成を目指して教育改革を進めてまいりました。「自己と社会の関係を認識し、自ら目標を設定して計画的・創造的に行動できる人財」であると考えています。私たちは、知識、技能を社会に活用できる「知恵」に転化させる教育の仕組をこれまでの教育に付加することで課題を解決しようとしています。インターンシップこそが「社会協働教育」と呼べる新たな具体的な仕組みといえます。「社会協働教育」は、社会人や企業様を教材として活用させていただくことでする。つまり、高校外の社会(個人、組織・団体)と協働(コラボレーション)して生徒の成長を支援し、社会人や「現場」を教材として活かす授業を通して、社会人基礎力を総合的に育むのがねらいとしております。生徒は、本来、地域・社会、特に多様な「おとな」と接しながら多様な体験をすることを通して社会性と自己効力感を養っていくべきですが、これが出来ていない。この問題を早期に解決する上で、低学年次における「社会協働教育」が有効であると仮説づけております。一般的に言われているように、本校生も総じて「学ぶ音欲」が低く、「主体的に学ぶ姿勢」や「粘り強く考える力」が弱く。そのためか、「単位」を取得して、進路を決め、卒業するための勉強に汲々として、新たな領城への挑戦や困難と思われる課題への挑戦を避ける傾向があります。「学びの三大習慣病」一考えることの放棄(「無理」「わからん」)、人の考えへの安易な依存(「批判的精神の欠如」)、偏食(「興味ないので考えたくない」)一が蔓延しているように思います。こうした状況に潜む問題の原因として、「社会性」の弱さとそれに関係する「自己効力感」の希薄さにあると考えています。「社会性」が高まると他の評価が高まります。
企業様への就職内定や大学等の合格が、生徒たちにとっての最終目標ではありません。高等学校としてきちんとした知識や基礎学力を身につけることを最低目標とし、工業に関する専門高校として専門領域の基礎的基本的知識技能の習得とキャリアを形成し、部活動、特別活動、ボランティア活動等を通して人との関係をつくることができ、さらに人の話を聞き自分の考えを持ち、それを人に伝えるという、真の意味でのコミュニケーション力を身につけることが求められています。本校での学習や生活を通して、社会が求めている力を是非身につけ、自分で考え自分で決めながら生きていくこと、目標を持つことの大切さにも気付き、成長していってほしいと願っております。自分への自信のなさも、自信過多も、若者の成長の課題であると感じております。生徒たちは3日間のインターンシップを通して、自分と社会との関係性を理解する必要性を痛感し、今後の職業研究や就職活動を通して、自分自身を認識することができ、確実に成長していきます。本校といたしましても、社会の変化に対応しながら生徒の教育・指導をさらに充実させていき、変化に積極的に対応することで組織の自己革新力をつけていきたいと考えております。
インターンシップは人財育成の有効な手段です。ただし、目的ではありません。この後が問題です。お世話になりました皆様の社会貢献にお応えするために、人財として社会に貢献する所存です。是非、志高く、厳しいご意見と激励をいただき、「社会協働教育」の先進校を目指したいと思います。状況の決してよくない時代にあって、本事業も含めた社会貢献活動にご支援下さった皆様のお志には教育成果でお応えさせていただきますとともに、志高い皆様方のますますのご盛栄を心より祈念いたします。

京都市立工業教育研究会ロボット競技大会

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あいさつの中で皆さんに伝えたかったことを載せさせていただきます。
伏見工業高校の皆さん、はじめまして、洛陽の校長の恩田です。洛陽からも伏見からも昨年より多くの生徒のチャレンジを大変うれしく思います。ご指導ご支援くださった先生方、関係の皆さんに心より感謝申し上げます。
私はこの大会が「勝つ」目的と「創造的なことをやる」目的の両方の視点で評価してほしいとおもいます。モノを作ることについて、ロボットも含めて「設計」については100%まったく新しいものをつくるというのはないと思います。90%が過去の焼き直しです。創造的なことというのは、目的のために既存の技術を導入するのではなく、残りの10%でちょっと目新しいものをわざわざ作ることから始めるものです。ベスト8に残ったマシンは、それぞれが基礎的な土台がしっかりあってそのうえで目的をもった工夫がなされていました。優勝した「20万馬力」は最も操作性に優れ、操作とも一体となって最高のパフォーマンスを発揮しました。特に決勝戦では能力の高い相手に対し、その弱点を突く臨機応変の戦術で、まるで昨年のW杯の決勝でオランダが速攻で王者スペインを破るといった見事な戦いでした。おめでとう。準優勝のイグニスは昨年の大会での失敗を見事に克服し、当初に目標としたコンセプトを見事なデザインで実現した傑作でした。F君、負けちゃいましたが次の挑戦を楽しみにしています。
マスコミは「日本は、町工場の中小企業の技能が優れているから、製造業が強いのだ」
といい、また逆に「21世紀は最初のコンセプトと最終のデザインに高い価値がある。中間のモノ作りは安く作ってくれる所に回し、最初と最後の国家を目指すべき」ともいわれます。確かにそのような現実に直面していると思います。しかし、その真ん中のものづくりについても、町工場が本当に強いのは「高品質、小ロット、短納期」が不可欠な研究開発の試作です。コンピュータではどうしようもないものを加工し、発信する。その意味で本日おこし下さっている「京都機械金属中小企業青年連絡会」は試作に志をもった方の集まりです。大きいところに行くこと自体が目的化して、安定を志向し、内向きといわれる今の日本の若者の中で、自分のやりがい、生きがいをチャレンジする進路も考えてほしいと思います。それがリスクをとるという意味ですね。
進学希望の人も、各大学の工学部のなかみをよく研究してほしいと思います。偏差値や大学の名前だけではだめ。ルーティンなモジュラー教育は普通科の人向きかもしれませんが、われわれは基礎の学問を統合しないと何も作れないインテグレイテッドな演習ができるところに進むべきだと思っています。東大の機械工学科も、創造設計演習という科目を設けて、「メカトロニクスを使って面白いおもちゃを作れ」という問いに新入生をチャレンジさせていると聞きました。
さて、生徒諸君、今日の取り組みについて、人より一歩前に出る相対評価だけではなく、自分が楽しめたかという絶対評価に対しても満足すべきだと思います。その意味でそのような評価ができる工業高校ならではの取り組みの一つがこの市立工業高校ロボット大会だと思います。勝ち負けも大切ですが、是非、創造的な設計について、交流してください。関係の皆さんもコースや学校を超えた生徒同士の交流を支援してくださると幸いです。この大会がいい学習の場となり、創造的なモノづくりの人材育成の場になることを祈ります。

フランスからの高校生に伝えたかったこと

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交流の内容は別途紹介しますが、せっかくの機会でしたので、あいさつの原稿を載せさせていただきます。
私はフランス語が分からないので申し訳ありません。学生時代、パリに行って、拙い英語しかできなかった私がルーブルの場所を聞いたところ、フランス語で答えられた痛い経験があります。これに怒っているのではなく、なぜそのような事態になるのかについて考える機会をもらったという点で、痛い経験は貴重だということを伝えたいのです。
私のフランスに対する思いを3つお話しさせてほしい。ひとつは小説家ジュール・ヴェルヌ。Back to the future のブラウン博士も2人の子供の名前がジュールとヴェルヌでしたから、大ファンだと思います。15少年漂流記、海底2万マイルなど、近未来、冒険を題材にしながら、根底に流れている平和主義、進歩主義に子供ながらにひかれました。(ただし、「15少年漂流記」および原題の"Deux Ans de Vacances"は誰もご存じありませんでした。何か原因があるのでしょう。)
そしてその15少年漂流記の少年大統領のブリアンはおそらく、ノーベル平和賞のアリスティード・ブリアンをモデルにしているという説もあります。ブリアンが外務大臣だった時代の1929年のパリ不戦条約は現在の日本国憲法の平和主義そのものです。その意味でも偉大なフランスの政治家として心より敬意を抱いております。
最後にサッカー。私がへたなフットボールプレヤーだったころのフランスが今でも理想のチームと思っている。ミシェル・プラティニを中心にして、アラン・ジレス、ジャン・ティガナ、ベルナール・ジャンジニ、ルイス・フェルナンデスらと組んだ中盤が「シャンパンの泡が弾けるように」軽やかにパスを繋げる姿は、今のスペイン以上にスペクタクルだと思っています。
宇宙船地球号の一員として本日みなさんをお迎えすることが出来て大変うれしく思います。

チャレンジが大切

あけましておめでとうございます。今年も生徒、教職員、保護者、関係者がそれぞれの立場で当事者意識を持って挑戦することが楽しい取組を失敗を恐れずやっていきますので、どうかよろしくお願いいたします。
年末年始のスポーツを見ていて思ったのですが、怖がるとかえって余計にミスをします。だからこそチャレンジが大切なのですね。
今年は卯年で、兎は長耳で跳ねる事から、ここにいる私たちは、様々な情報を収集し得意な分野での飛躍の年にする、これを目標にしませんか。ちなみにベトナムやタイでは卯年の動物は「兎」ではなく「猫」が割り当てられているそうです。要ははじめから動物ありきではなく、多くに人にわかりやすくするために、その国のメジャーな動物に割り当てているのですね。
1月11日には元気な姿で生徒、教職員が集いましょう。

皆様、よいお年を

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今日で御用納めです。たくさんの問題と課題を新しい年に持ち越しますが、生徒、教職員そして学校組織それぞれにおいて、ミスや失敗さらには過ちについて、再発防止とそこから学び挑戦することは方針として一貫しております。新しい年におきましてもどうか生徒を中心とした前に進める学校作りにご理解とご協力をお願いいたします。
さて、門川大作市長のブログに本校の同窓会についての記述がありましたので写真と共にご紹介いたします。
「京都市立洛陽工業高校の卒業生で活動されている「洛陽京工会」の総会に伺いました。長引く景気低迷の影響を受け,高校生の就職内定率が40%と低迷する中で,洛陽工業は学校斡旋の就職内定率が現時点で96%。8年連続100%の内定に向けて,全力投球中とのこと。日本で最初にできた工業高校「京都一工」の伝統を受け継ぎ,卒業された方で築いてこられた「洛陽ブランド」の信頼の高さや教育現場での教職員の的確な進路指導,そして何より生徒の皆さんの努力の賜物です。この日は,多くの卒業生がご参加されて,会場は熱気に溢れていました。母校に対する深い愛情に頭が下がる思いです。」
今年の同窓会は創造技術科として卒業した最初の学年がたくさん参加して盛り上げてくれ、福引で米5キロを当てた一人暮らしの幸せモノまで出ました。来年も2期生が目指す進路を決めて、笑顔で多く参加してくれるものと確信しています。
その同窓会の総元締めでもある、正式には「洛陽京工会会頭」の中沼壽さん(昭和26年電気科卒、現株式会社中沼アートスクリーン会長)の一代記が出版されましたのでご紹介させていただきます。『あなたは社員の全能力を引き出せますか!』(ケイアソシエイツ出版)がタイトルで堀場製作所の堀場雅夫最高顧問の推薦文が帯に書かれてあります。どうか洛陽関係者の皆様は手に取ってくださるとうれしく思います。
課題山積ですが、よいお年を。

Our motto is "Challenge" and "Breakthrough”.

始業式でindustryとindustoriousについて一緒に考えました。本校は、日本一品質保証に厳密な高校であり、こと就職希望を支援するキャリア教育において出口の顧客との信頼性を心より大切にしております。我が国はいいモノをつくって売らないと食べていけない国です。額に汗し働き、何をつくるか、いかにつくるかに夢と志を持つ人が多くないとやっていけません。我が国の現状は、豊かさが人々から原点を奪っている面もあります。工業のココロは勤勉である、その基本を人材として本校から発信したいと改めて宣言したいと思います。
本校のカリキュラムには、「つくる」には形のないことをデザインする「創る」も想定しております。いきなり創造を学べるものではありません。答えを見つけるのではなく、「学び方」「発想の仕方」「課題の立て方」を身に付けさせるよう心がけております。
ものづくりに関する課題を見つけて、分析し、目標を立て、チーム、グループで挑戦し、失敗と向き合い、創造にむけ限界を突破していく。答えは一つでないかもしれないし、今までの知識の枠組みだけでは見つけられなかったのものを挑戦と失敗を繰り返しながらつくり上げ、その発表や評価を通して進化した自分と出会う、このような「ゼミ」と教員と生徒の共同プロジェクトが本校にはあります。
本校は「社会から求められる自立した18歳」の育成を目指しています。自立した高校生を教養教育とものづくりを通して育成する。自立するとは自分の存在を余人をもって代えがたいものに高めること。そんな卒業後の姿を目指しています。
いよいよ明日から就職試験本番です。ひとりひとりのチャレンジですが、団体戦で行きますよ。現代の我が国で、18歳で一人前に給料をもらい、組織の一員になることの重みとプレッシャーに耐えながら頑張れ、フレー、フレー洛陽工業高校生!
We are the industorious Rakuyos.
Our motto is "Challenge" and "Breakthrough”.


創造技術科一括募集について

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これまで様々な方から、「なぜ学科別の募集をやめたの?」「創造技術科とは?」「一学科募集とは?」「洛陽が目指す教育とそれを実現するシステムとは?」について質問を受けました。これらの質問は、5年前に着手した工業教育改革以来、一貫して説明してまいりましたが、変化する社会と向き合うという観点も含め、改めて校長として改革の決意としてお伝えいたします。なお「京都市立工業高校のあり方に関する検討プロジェクト」のまとめとも無関係ではありません。こちらのまとめについては公開されておりますので、以下をご参照ください。(http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000086...
●従来、私たちは専門性をすごく大切に考えてきました。ものづくりの世界では、機械、電気、電子、建築、土木、工業化学、染織など、時代の変化とともに深化、細分化され、それを究めることに価値をおいてきました。
●伝統的な日本の工業高校または併設の工業科は、専門指向型であり、専門分野や学科間・コース間の壁があつく、隣接分野への視野を広げる努力は軽視されてきました。
●これに対して、日本の公立工業高校として最も伝統のある本校が、核となる専門分野を持ちながら、それを越えた裾野の広い教育・研究を行うことを目的として改革したのが現在の創造技術科です。
●なぜ今日、「裾野の広い教育・研究」が必要なのでしょうか。現代の高度な科学・技術の発展は、個別の研究・開発の細分化をうながす一方、これまでの個別の研究・開発の枠組みではとらえきれない科学・技術上の問題を生み出すと同時にそれが社会的課題にまで発展しました。例えば、環境汚染や生態系破壊の問題です。これらの問題には、科学・技術上の様々な専門分野が複雑に絡み合って問題群となっているだけでなく、法律的、政治的、文化的な様々なレベルでの要因も複雑に絡みあっていて、その解決は容易ではありません。このような複雑・多岐にわたる問題や課題に応えるには、各専門分野の協力による幅広い教育・研究が必要です。他人事ではありません。
●洛陽工業高校では、創造技術科として改革して以来、電気、電子、機械とそれらに伝統産業、化学の基礎を融合した最先端の京都のものづくりについてさまざまな課題とテーマについて、総合的・融合的な研究がなされています。そして、さらに「伝える技術」も身につけ、これらの分野において既に幾多の成果があげられ、有為な人材を社会に送り出しています。
●以上のことは、専門性を究めることを否定するものではありません。専門性について私たちは、今の社会では「視野が狭くなる恐れがある」と考え、専門と専門の間の「すきま」や「接点」「交わり」についてやってみる価値もある、技術についてニッチを開拓しようと考えました。
●専門性を少し犠牲にして、「幅広い」「他分野への挑戦」に取り組み、一言で言うと教養ある人を育てたい。もっと柔らかく言うと、下半身を強化させたい。これまでは異なる分野と考えられてきた領域の、「ものの見方・考え方」が理解でき、いろんな人と「協働」「共汗」できる人。少なくとも、異分野のアウトラインを理解して位置付ける力を身につけてほしいと考えています。
●特定の分野の力を伸ばしていないと就職に不利だと思う人がいます。しかし、企業側から求めるものが変化してきている現実があります。
●経済産業省の「社会人基礎力」もまさにそうです。Action(前に踏み出す力)、thinking(考え抜く力)、teamwork(チームで働く力)をこれからの社会は求めています。いわば就職のための3つの力です。
●本校では、進路希望が就職であれ、進学であれ、18歳で自立することを目指します。
●異なった専門分野との総合の楽しさを実感する取組に挑戦します。「総合」は今すぐ役立つ力をつけるのではありません。ただし、今すぐ役立つ力はすぐに滅びていきます。大切だと思うのは「新しく生まれ変われる力」ではないかと考えました。それが「創造技術」に込めた思いです。だから、「挑戦する」「突破する」ことが大切です。それがないと従順であることしか売りがなくなります。それもないと勝手気ままな糸の切れた凧となります。
●融合の楽しさは異なる専門分野との「関連付け」です。そもそも文系、理系は大学受験の便宜上のものです。電気でも機械でも他分野に関連付けられています。このことは本校の「課題研究」で実感できるはずです。融合分野で活躍するには2倍(専門性+教養)勉強しなければなりません。
●したがって、中学校までの学習の成果が不十分であっては困ります。ただし、中学校での学習の成果が高かったからと言って、希望の進路が保障されることはありません。高校での学習に社会性や志を持ってほしいと思っています。
●今までのものづくりで利用してきた資源やエネルギーは10〜20年後にはなくなると言われています。私たちはこの事実に対して無責任であったり、他人事であったりすべきではありません。その頃になるときっと新しい技術が発明・開発されて・・・と根拠ない期待を持つことは問題の先送りでしかありません。このような未来を挑戦するチャンスと思える技術者、研究者、経営者を目指しませんか。そんな志のある人を本校は求めています。

ここが運命の分かれ道(新年度に際して その3)− 連休前までにしてほしいこと ー

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校長の恩田です。正門を入って右手の八重が満開となりました。
おもに1年生に向けて伝えたいのですが、2,3年生も振り返りつつ、自己点検してほしいと思います。それは、高校3年間で、笑って(ヘラヘラではなく)卒業するために重要なターニングポイントが何回かありますが、もっとも大事な時期が実は今、1年生の連休前です。
入学当初は「情報のシャワー」状態でした。困ったとき、何かを欲する時、どこに行けばよいか、誰に聞けばよいか。これに対応できていれば、まずはOKです。初めて行く土地での(例えば言葉がわからない外国など)生きる力の第一歩は「道を尋ねる」です。これが出来ないと路頭に迷うのです。黙って立っていれば周りが何とかしてくれる、こんな人は生きていけません。
しばらくすると(今がそうだと思うのです)、「情報のシャワー」はピタッと止まります。ここで差が大きくつきます。この時期、つまり今、情報を自分から取りに行く。ここでそうした人としない人とで大きな差が出来てしまいます。
入学式で、「自ら課題と目標を定め自分から取りに行くと、本当に差がつく」と申しました。そしてなるだけ早く、「明確な目標を持って果敢に挑戦してほしい」とお願いしました。その第一歩が今必要です。この2つで2×2の4倍差がつく。実は、ここでほぼ、進級か否かが決まります。中学での学習の貯金がある人もここで何もしないと半分以上を失います。もともと貯金がない人はほぼ終わってしまいます。
注意してほしいことは、「自分の身を守る」、「学校の支援体制を理解する」、そして「具体的な目標を設定して、そのための情報を収集して、教職員と一緒に一丸となってさわやかに、果敢にチャレンジする」、です。
以上をやらないと・・・「ま、いいっかー」とさぼる人が出てきます(毎年です)。そういう人は学校にきても、授業中も、落ち着かない。そして1学期中間から進級に赤ランプが点滅する。
さらに目標がないまま連休をだらだら過ごすと「5月病」。中には、交通事故、事件、遊び、非行、カルトに巻き込まれる、ひどいと加害者になる。つまり、「授業に出るより大切なものが出来てしまう」と終わり。
一言「情報収集の第一歩 − 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥 −」
「好きなこと」、「好きな勉強」、「挑戦したい仕事」を見つけたら、失敗の連続であっても、失敗から学べるはずです。だって本当に「好きで、挑戦したい」ことを苦労と思わないでしょう。

新年度に際して その2

前回は3つの約束をいたしました。今回は生徒諸君がやりがいのある高校生活を送る上で、2つのお願いをさせていただきます。これも入学式と始業式でお話しいたことですが、あらためて文章として読んでください。
一つ目は、挨拶についてです。
本校が就職希望者が多いことや、求人をはじめ企業の方が頻繁に訪問されることももちろんながら、本校を挨拶がきちんとできる社会にしたいと心より願っています。あいさつは、他者の受け入れです。私はあなたの敵ではないですよ、というコミュニケーションの前提です。挨拶も出来ない人が言語技術だのコミュニケーション力だの偉そうに言ってほしくないと思っております。昔、古代ローマで市民が元老院議員などの公務員に近づく際,武器を持たないことを示すために手を開いて差し上げた習慣,中世の騎士が挨拶する際に鎧の面を上げて顔を見せた習慣,など.心の鎧を取る気持ちいい挨拶をきちんと立ち止まって出来る社会にこの学校をしたい。たとえドンくさくて、勉強が今イチな生徒でも、あいさつのきちんと出来る生徒は失敗を恥とせず、失敗を恐れずチャレンジし、失敗からその原因や本質を学ぶチャンスがあると信じています。優秀といわれる人の中には失敗を恐れてチャレンジしない人が多いのが今の日本の元気のなさの原因だともいわれています。勉強や部活で高校時代にぐんと伸びるための秘訣は失敗から真に学ぶ経験をするのがよいと思います。もちろん、失敗のしっぱなしはだめですよ。へらへら笑ってすましてしまっても駄目です。失敗の原因、脈絡と向き合う癖をつける。逃げない、ということです。そうした経験によって、社会人となって遭遇するさまざまな困難を克服する力を身につけてほしいと思います。
二つ目は、他者の尊重です。
本校はいじめやいじめにつながるからかいなどの行為は厳禁しています。心の中で思うのと行動に出る、ここには大きな一線があります。最後の一線は、心で思っていても行動は絶対にダメ、ということです。実は、海外では他者は自分と文化も宗教もまったく違うというのが当たり前というのが前提になっています。ところが、我が国は、大人の世界においても、みんな同じ、他者も自分と同じような考え方や行動が当たり前と考えられる傾向が強く、自分と違うと「おかしい」「間違っている」という文化があります。国際化だけでなく、能力の違いや偏りや発達の違いなど、たとえ大きく違っていても当たり前なのに、自分の基準で「おかしい」と思いこんで敵視したり、からかったりといったことがあっては困ります。民主主義の根幹は、自由と平等と全く違う他者との共存だと皆が自覚しないと先に進みません。より具体的に言うと、考えやことばや行動が変わっている他人を尊重してこその民主主義、価値観の違う他者とルールを作って共存してこその民主主義。いじめたり、からかったりするのが野蛮、人間失格ということです。だから、考えがあわなかっても、気に入らなくてもルールは守る、というのが常識だということです。
生徒諸君、「挨拶」、「ルールを守る」、「ぬいだ履物はそろえる」、「つばを吐かない」、「悪態をつかない」、「失敗から学ぶチャレンジ精神」、「あきらめない」、「限界は突破してからわかるもの」、これを私は3年間言い続けます。行動目標は"Challenge(挑戦する)""Breakthrouth(突破する)"。そしてみんなで、チーム洛陽で頑張っていきましょう。
玄関前のソメイヨシノは散ってしまいましたが、体育館前の八重が七分咲きとなりました。

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新年度に際して(ごあいさつ)

校長の恩田徹と申します。新年度に際して3回シリーズ程度でご挨拶をさせていただきます。もちろん、生徒諸君も一度は聞いたフレーズですので読んでください。
本校は、今から125年前に発足した伝統ある学校です。多くの卒業生が本校を巣立っていき、技術立国である我が国の産業、経済界、学界など多方面で幾多の有意な人材として活躍してこられました。こうした卒業生と、その伝統は本校のかけがえのない宝物です。そして、この伝統を受け継ぎ、常に新しい「洛陽」を目指して驀進することが、現在の私たちの使命であり、そしてその原動力となるのは生徒諸君です。主役は生徒諸君です。
主役の生徒諸君との3つの約束
1.レベルは問わず、「自ら学ぶ意欲と態度」を持つこと。国際社会も国家も学校もあらゆる組織が変化と激動の21世紀を生き抜くためのは、構成員である私たちが、生涯にわたって自ら学び続け、変化に対応し、自ら変化し続けなければなりません。その基礎をしっかりと固めて下さい。学びの三大習慣病と私たちがよんでいる、「無理、わからへん」、つまり考えることの放棄。「人の考えへの安易な依存」、つまり批判的精神の欠如。「興味ないので考えたくない」、つまり学びの偏食。もし思い当たることがあればすぐに克服してください。
2.「自分のとりえ、得意分野、長所を伸ばして欲しい」ということ。今後の社会で必要とする人材は、人のまねではないオリジナルな長所をもって自立した人であり、自ら創造する個性です。
3.「よき友人」になってほしいということ。高校時代の友情は諸君の一生の宝になると思います。

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京都市立洛陽工業高等学校
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