京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2020/03/27
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学校教育目標 京北地域の主体者として,伝統と文化を受け継ぎ,自らの進路と地域の未来を切り拓いていける子どもの育成〜言語能力と地域創成力を伸ばす〜

そったく2月号より

 周山中学校では,数えの15歳,満14歳になる中学2年生に,昔の暦でいう旧正月,今の暦で立春にあたる,2月の3日頃,みなさんの成長を祝うと共に,生徒一人ひとりが,志を述べる会として立志式を開催しています。本年度は1年生と2年生の代表生徒が自分なりの人生の決意を述べました。
 つい先日からNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」が始まりました。これは戦国時代の武将,明智光秀の半生を描いたドラマです。明智光秀と言えば,織田信長の重臣として取り立てられますが,本能寺の変を起こして主君を自害させた謀反人としての知名度が高い人です。しかし,一方,現在の亀岡市や福知山市を中心とする丹波一帯の領主として,内政手腕に優れ,領民を愛して善政をしいたといわれ,現在も名将として尊敬されています。その才知,深慮,狡猾さにより信長の寵愛を受けたとされ,合理的思考の持ち主であったとも言われています。NHKのドラマはそんな光秀に焦点を充てた展開がされていくようです。京北の周山城も丹波と京の町をつなぐ拠点として光秀によって築城されたという事で,不思議なつながりを感じます。
 歴史というのは何が真実なのかは,本当のところは分かりません。しかし生きるか死ぬかという極限の戦国時代に,多くの武将が志を持ち,志のために生き,志の中死んでいった事を思うと志という一文字の重さを感じずにはおれません。
 ところで「麒麟がくる」の麒麟とは何か知っていますか?これは中国の神話に出てくる想像上の生き物で,鳳凰,霊亀,応竜と共に,王様が素晴らしい政治を行ったときに現れる聖なる動物とされています。ビールのラベルにも描かれているので見たことがある人もいると思います。麒麟はとても優しく,足下の虫や草も踏まないそうです。そんな麒麟が現れるような政治,そんな社会をこれからみなさんが創っていくという大きな志を持って欲しいと思います。
 立志式の後半は,周山中学校の先輩で,全国で活躍なさっている漫画家,中道裕大さんをお招きしての講演会を行いました。中道さんは,北桑田高校のイメージキャラクター,北山樹子をデザインされました。また,いま,密かにブームとなっているボードゲームを題材にした「放課後さいころ倶楽部」はアニメとなって,先日まで全国放映されていました。中道さんの生き方や,人生経験からも,きっと学ぶ事,参考になる事がたくさんあったと思います。最後は,アニメのキャラクターを中道さん直筆で頂き,ゲームの優勝者にプレゼントされました。一生の宝物になったことでしょう。
 最後になりましたが,ご来賓,保護者の皆様,お忙しい中,立志式にご臨席賜り,誠にありがとうございました。今後とも子どもたちを時には厳しく叱咤激励し,時にはその成長を暖かく見守って頂ければ幸いです。

そったく1月号から

 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
 昨年,またまた日本人が,ノーベル賞の中の化学賞を受賞されたいという,うれしいニュースがありました。今や誰もがスマホやノートパソコンを持ち歩き,電池が切れそうになれば充電器で充電すればまた使える,こんな当たり前の生活が当たり前に出来るようになったのは,小型で何度でも充電ができるリチウムイオン電池の発明があったからです。リチウムイオン電池の発明を通じて,情報通信社会の発展に貢献したとして,旭化成特別フェローの吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞されました。吉野さんは,授賞式に先だって行われる記念講演で「持続可能な社会の実現には,電池が中心的な役割を担う」とおっしゃっていました。「持続可能な社会」とは,地球環境や自然環境が適切に保全され,将来の世代が必要とするものを損なうことなく,現在の世代の要求を満たすような開発が行われている社会のことで,2015年9月に国連で開かれたサミットの中で国際社会共通の目標SDGsとして17個の目標が定められました。もし時間があれば,「SDGs」で検索して17個の目標を確認してみてください。これから私たちが京北だけで無く,日本,そして世界の人々と共に目指していくべき未来が描かれています。
 今年は,オリンピックイヤーです。4年に1度開催される平和とスポーツの祭典です。第4回ロンドンオリンピック(1908)で,ある国同士がいがみ合っていたとき,教会のミサで「このオリンピックで重要なことは,勝利することより,むしろ参加することであろう」というメッセージが流され,「参加することに意義がある」という言葉が一躍世界に拡がりました。夏に開催される東京オリンピック。もちろん日本人選手の大活躍を期待しますが,世界中のアスリートの素晴らしいパフォーマンスを心から楽しみにしたいと思います。オリンピックの直後に行われるパラリンピックも含め,数々の感動が生まれることでしょう。
 令和2年4月には京都京北小中学校も開校します。新校が目指す言語能力や地域創生力もまた,持続可能な社会の実現や,世界の人々とコミュニケーションしていくための有力な資質・能力であると思います。新校の開校も本当に待ち遠しいですね。

二学期終業式

 2019年もあと僅かとなりました。そこで軽く1年を振り返ってみたいと思います。みなさんも聞きながら,そうだったな,そんなことがあったなと言う気持ちで聞いていて下さい。
 一学期の終業式では,あいさつの大切さについて話しました。丁度その時,京都アニメーションの火災のニュースが飛び込んできました。最終的に30人以上の人命が失われる大惨事となり,京都の2019年度ニュースランキング1位となりました。その他に,東日本や長野,千葉で台風などの天災に見舞われ,堤防が決壊してたくさんの人が避難を余儀なくされました。最近では沖縄の首里城が全焼したというニュースがショッキングでした。またアフガニスタンで現地の復興に人生を献げておられた中村医師が殺害されたニュースもとても心が痛みました。そんな中,明るいニュースもありました。全英オープンで見事優勝した渋野選手の活躍,何と言っても日本中がフィーバーしたラグビーワールドカップでは,日本が奇跡とも言えるベスト8入賞し,ワンチームという言葉が流行語大賞に選ばれました。リチウムイオン電池を発明した吉野さんがノーベル賞を受賞されるなど誇らしげなニュースもありました。そして何と言っても時代は平成から令和へと変わりビューティフルハーモニーの響きの中,「令」が今年の漢字に選ばれました。
 周山中学校の三大行事,音楽祭・文化祭・体育祭がいずれも「最後の」という冠を被せながらも,大成功に終え,3年生のイニシアチブ・リーダー性は素晴らしかったです。2年生の1年間の成長の証が至る所に見られ,1年生も半年前まで小学生だったとは思えないほど立派にお兄さん・お姉さんに成長しつつあります。
 さて,人の能力で大切な力に「リセットする力」があります。短いスパンでは毎日毎日のリセット,そして学期毎のリセットもありますが,何と言っても1年というスパンでしょう。1年の計は元旦にありと言われます。3年生はいよいよ始まる新しい高校生活に向けて,2年生は新校で最高学年として1〜9年生を牽引していく使命,1年生はあと半年もすれば部活動・生徒会の中心となること,それらのことを思い浮かべながら,新しい2020年に向けて,これまでの自分自身の歴史やドラマを振り返りながら,大いなるリセットを行い,それぞれが決意を新たにして貰いたいと思います。
 短い冬休みですが,暴飲暴食を慎み,規則正しい生活を送って,来年1月7日,新たなる決意に満ちあふれたみなさんに,会う日を楽しみにしています。

そったく12月号から

 先日,ローマ・カトリック教会の最高指導者フランシスコ教皇が38年ぶりに日本に来られ,ヒロシマ・ナガサキを訪問し,核兵器への強い怒りや,世界平和への願いを胸に祈りを捧げられました。
 言うまでも無く,人の命を無慈悲に奪うテロや戦争は,最大の人権侵害です。
私たちは,第二次世界大戦の戦禍を反省し,1948年12月10日の第3回国際連合総会で,すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての「世界人権宣言」を採択しました。そして,12月10日を記念し,その日を「世界人権デー」,さらにその前一週間,すなわち12/4〜10を「人権週間」,12月を「人権月間」として毎年人権を考え,自分を振り返ろうという取組を展開しています。毎年繰り返されるこの取り組みを,中には「またか」とか「別に言われなくても分かっている」と思う事もあるかも知れません。だけど人権について考え続ける事はとても大切な事だと思います。
これまた報道からの話ですが,ふた月ほど前,ある小学校の先生同士の間でいじめがあったと紹介されていました。同業者としてあまりにも情けなく,恥ずかしい思いをした先生が日本中にたくさんおられた事でしょう。でも考え方を変えれば,先生だって,大人だって,時には立ち止まってきちんと人権や自分の行為を見つめ直さなければ,間違いに気づかず,悪に流され,許されない行為を平気で行ってしまう弱さが人間にはあると言う事では無いでしょうか。
私が若い頃,1990年頃にエイズパニックが発生しました。感染すると治療方法が無く,確実に死に至る病として恐れられ,感染者を差別し排除しました。今では治療法が飛躍的に進み,慢性疾患の病気となりつつあるだけで無く,感染経路もはっきりしていて,元々日常生活では極めて感染しにくい病気なのですが,差別は続きました。そこで全国の仲間と性教育に取り組んでいた私は,アメリカから感染者のジョナサン君を招き,児童・生徒の実行委員会を作って歓迎会を京都で開催しました。その打合せの時,実行委員がジョナサンと固い握手をしたいと申し出たところ,通訳の方が「断る。感染したら困るから」と言われました。私は日常生活では感染しないはずなのにどうしてそんな事を言うのか不思議でした。なぜだか分かりますか?違うのです。実行委員にエイズが感染するのでは無く,ジョナサンに知らない病気が感染する事を警戒されたのです。エイズはあらゆる病気に免疫が無くなる病気なのです。私はとても恥ずかしくなりました。自分たちは,差別はいけないと言いながら,結局は感染「させられないか」という自分の事しか考えていなかったのです。自分は感染「させる」人かも知れないという認識が欠如していました。
他人に優しい世界は自分にも優しい世界です。
年に一度とは言わず,最低一度でも人権について考えて行きましょう。一生。

そったく10月号から

 暑さ寒さも彼岸まで。ようやく朝晩も涼しいと感じる季節となりました。9月には3連休が2回あり,1回は「敬老の日」でした。

 少子高齢化社会と言われて久しく,2人の現役世代が1人の高齢者を支える時代もやがて来るだろうとか,退職後余裕のある生活を送るためには2千万円が必要と言ったとか言わないとか,これまで社会や日本を築き支えてきた高齢者の耳には優しい風が吹いているとは言えない昨今です。

 かく言う私もすでに二人の孫があり,他人事ではありません。以前,植村花菜さんの「トイレの神様」という歌が流行りました。歌の中で都会に出ていた孫が入院したおばあちゃんを見舞いに行くと,ちょっと話しただけなのに「もう帰りー」って病室を出され,翌日おばあちゃんは亡くなります。何でせっかく来てくれたのにもう帰りって言うんだろう。そのおばあちゃんの気持ちは分かりませんが,私も同じ事を孫に言う事があります。孫は来て嬉し,帰って嬉し。顔を見たいし本当に可愛い。だけど来てまとわりつくとしんどい。あんたも忙しいんやから,また来て欲しいけど,こんな所で長居しなくていいから帰って用事したらええ。もう帰りーはまたおいでやーと同じ意味。

 子どもや孫はいつか親を離れて自立します。だけど親はいつまでも親です。あるコラムでこんな記事が紹介されていました。もう要介護となった90代の母親の元に久しぶりに60代の息子が尋ねてきます。用を足すことも,ご飯を食べることも介助無しには何もできなくなってしまった,痩せて小さくなった母親の側で,添い寝をしながら苦労かけたなとこれまでの人生を省みる内,ウトウトとしてしまいます。やがて年老いた母親が何かごそごそとしているのに気がつき目が覚めます。立つことも寝返りを打つことも出来ない母親の手は,必至に掛け布団を引き寄せ,それをうたた寝をしている息子に掛けようとしていたんだということに気がつきます。息子はただただ涙が溢れ,年老いた母親を抱きしめるのでした。

 「敬老の日」。老いを敬い,高齢者の尊厳を皆が再確認し,親がただひたすら与え続けてきた愛情をほんの少し子や孫が受け止めてくれる日であることを心から願います。

そったく9月号から

 今年の夏休みはどうでしたか?一言でいうと,暑い!熱い!アツイ!酷暑の日々でしたね。そんな中,様々な事件や出来事もありました。終業式の前日に発生した京アニの放火事件は,世界中の人に悲しみを及ぼしました。京北夏まつりでは,いつも通りたくさんの催しがあったのですが,地域からの要請を受けて,美術部のみなさんが,紙袋の灯籠に素敵な絵を描いたものが並べてありました。たった一枚の絵でも,アニメでも,たくさんの人に感動を届けることが出来るんだと感じました。社会では,その他に,日韓関係がどん底に陥ったり,煽り運転の暴行事件があったり,何となく暗い出来事が多かった中で,明るい話題の一つに,ゴルフのAIG全英女子オープンで日本勢42年ぶりのメジャー制覇を果たした渋野日向子選手の活躍がありました。インタビューでも笑顔が一杯で,みんなが幸せな気分になりました。スマイルシンデレラという愛称も生まれたようですね。

 笑顔は,人間や人間に近いチンパンジーだけの表情のようです。笑顔は人を和ませるし,癒やされます。チンパンジーと違うのは,サルは自分が楽しいと感じた時しか笑わないのに対して,人は笑っている人を見て微笑んだり,悲しいときや楽しい感情以外の時も笑ったりするそうです。それは,相手の気持ちを共感したり,笑顔が相手との距離感や関係性を修復してくれるツールになったりする力があることを人は無意識の内に感じているからなのでしょう。どうですか?最近みなさんは笑っていますか?もし自分の怒っている顔ばかりが思い出されるなら,少し意識して笑ってみるといいかも知れませんね。その事で周りの人との関係性が少し改善されるかも知れません。

 さて,二学期が始まりました。宿題は出来ていますか?ははっ(笑)。これは笑ってごまかす訳にはいきません。文化祭や体育祭がすぐにやってきます。心からの笑顔が弾け,輝くように,周中三大行事に向けて,全力で取り組んでいきましょう!

一学期終業式でみなさんに伝えたかったこと

 一学期の終業式で話したことを簡単にまとめたものをアップします。

 ワンピースをはじめ,アニメが大好きという生徒のみなさんも多いことと思います。今日,新聞の一面で報道されていたのは,京都のアニメの聖地,京アニメの製作所が放火され,30人以上の尊い命が失われたという記事でした。犯人の動機や詳細はまだこれから解明されていくと思いますが,どんな恨みがあったとしても,このような行為が許されるはずはありません。新しい悲しみ・新しい憎しみが生まれるだけです。これから長い夏休みを過ごす皆さんが,自分の心と体・周りの人の心と体を大切に出来る人になって欲しいと切に願います。

 さて,毎年この時期に挨拶の話をします。4月に入学した京北第二小出身の1年女子生徒が毎日立ち止まって丁寧に挨拶をする姿を見て,とても好印象を持ちました。他にも,二人が一緒に大きな声でハモるように挨拶をする生徒もいて,心の中でシンクロナイズド挨拶だと微笑んでいます。
 挨拶は人と人との一番最初のコミュニケーションです。その事で第一印象から両者の関係は大きく変化します。周山中の生徒はみんなよく挨拶が出来るので,外部から来られたお客さんは口を揃えて,挨拶ができる本当にいい生徒達だと褒めて下さいます。私も子どもの時は挨拶が苦手でしたが,挨拶の大切さを知り,少しずつ努力するようになりました。ですので皆さんも出来る範囲で挨拶をよりバージョンアップして欲しいと思っています。

1.相手の顔を見て挨拶する。その事で相手は自分に投げかけてくれているんだなと感じるし,少なくともその思いが伝わります。
2.自分から挨拶する。言われてから言うより,自分から進んで行う挨拶は,うんと相手に気持ちが届きます。
3.大きな声で挨拶する。聞こえないと時には無視されてしまう事があります。それは無視では無く気づいてもらっていないのです。なので相手に届く声を出しましょう。
4.地域でも挨拶する。学校の中だけで無く,色々な所で挨拶できる子になって欲しいです。

 全部出来なくてもいいです。挨拶って大切だなと思うことが出来るなら,上の4つの内,出来る事を一つでもいいので実行してみて下さい。
 長い休みです。体調を崩さないよう,健康に過ごして下さい。8月23日(金),再びバージョンアップした挨拶と共に,再会しましょう!

そったく7月号から

 先日周山中三大行事の一つ「音楽祭」が開催され,今年も校下三つの小学校も参加しての大会となりました。来年の統合を控え,行事を組み立て直す中で本年度は6月の開催となり,生徒にとっては昨年までより4ヶ月早い取り組みでした。ピアノ伴奏などの練習にしても,声の成長度にしても4ヶ月の時間差は大きなハンディでしたが,結果は不安を吹き飛ばすくらいのとても感動的な会となりました。
 とりわけ小学校ごとの発表では,各校の校歌が披露され,今年度末の閉校を思い浮かべては万感の思いで観客も観賞されていたことと思います。また5,6年生の合唱では次世代を担う元気な歌声が披露され,最後に中学3年生の歌声は,最上級生の誇りをかけて,全身全霊で歌う姿に涙さえ溢れるようでした。この良き伝統は,新しい学校になったとしても是非とも続けていきたいと心から思いました。

 話は変わって,続いて小学校では5年生の長期宿泊学習が行われ,今年も中学校の教員が恒例でホタルと星空観察の講師として参加させて頂きました。私も宇宙の話の話題を提供させてもらい,5年生と楽しく星空観察を行いました。
 私の住む地域でも神社などにホタルを毎年見に行きます。しかしその数は年々少なくなっているような気がします。私が子どもの頃,ホタルはもっと一面に飛び交い水面が仄かに明るくなるようでした。夏にはニィニィゼミが騒ぎ,アブラゼミを狙ってセミ取りもしました。羽が透明のクマゼミがいたら大喜びで,ツクツクボウシはすばしっこくてまず取れませんでした。ところがいま,街ではニィニィゼミの姿は消えました。アブラゼミよりクマゼミの方を多く見かけます。モンシロチョウも姿を消し,川では親が鮎釣りをしている間に捕まえて佃煮にしていたゴリがほぼいなくなりました。畦に生えているヨモギをむしってきて餅をついて食べましたが,そのヨモギの姿もほぼ消えました。

 先日,絶滅寸前だったゲンジボタルを復活させようと30年以上に渡り環境保全に取り組んでいる和歌山県広川町の中学生の取り組みについて研修する機会がありました。最初に始めた中学生は今や親となり,また我が子が同じ取り組みを継承しているそうです。数も全盛期に近づいているという報告でした。

 周中の伝統。京北の素晴らしい自然や文化。これらを守り伝えていくためには,何もしないこと,今のままを受け止めるだけではそれは実は後退になってしまう。新しい事やアクションがとても大切なのだと感じています。

音楽祭お礼

 6月14日(金),周山中三大行事のトップとして,今年度より10月開催から6月へと移行した音楽祭が盛大に行われました。

 今年も京北第一,第二,第三小学校の全児童も参加し,京北全体の合同学習として3年目を迎えました。

 中学校1,2年生の合唱に続き,各小学校毎の合唱があり,1年生から6年生がそれぞれ自校の校歌を熱唱しました。今年度をもってそれぞれ閉校し,新しい小中一貫教育校の開校を控える中,万感の思いを込めてそれぞれの校歌を歌う姿は大変誇らしげでした。おそらく中学生も,保護者も母校の校歌を一緒に心の中で口ずさんでいたことでしょう。

 休憩の後,PTAの合唱があり,「空も飛べるはず」をほとんどの参観者が舞台に上がって下さり,みんなで合唱しました。生徒諸君も盛り上げてくれて,とても温かい取り組みとなりました。PTAの役員のみなさん,ありがとうございました。
 続いて,三小学校合同の5,6年による学年合唱「この星に生まれて」は,とても元気できれいなハーモニーで,音の抑揚も見事に表現され,レベルの高い歌声に驚かされました。
 そして中学校3年生の合唱「いつまでも」。小学生から何段階もギアチェンジをしたような美しいハーモニーと,一人一人の表情,表現力は圧巻で感動しました。さすが中3。あんなお兄さんお姉さんになりたいと目標にされてふさわしい,素晴らしい発表となりました。
 最後は全児童・生徒・保護者・教職員が一つになって,「世界がひとつになるまで」を全員合唱しました。

 午前の部はここまで。午後からは合唱コンクールとなります。
 午前は純粋に,音楽を楽しみ,観賞し,交流する場でしたが,とても素敵な時間が過ごせたと思います。
 これまで指導に関わって下さった,たくさんの教職員のみなさま,温かい拍手を最後まで贈って下さり,自らも音楽祭を盛り上げて下さった,PTAをはじめとする地域や保護者のみなさま。そして誰より,音楽祭に参加し,一生懸命うたごえを披露してくれた児童・生徒のみなさんに心からお礼を言いたいと思います。ありがとう!

そったく6月号から

 5月14日より三日間,関東方面への修学旅行を無事終えることが出来ました。保護者の皆様におかれましては,朝早くからの送迎,またHPも多数閲覧頂き,ありがとうございました。
 一日目の東京班別研修は,公共交通機関を自分たちだけで利用する機会が少ない京北の生徒にとって,迷路のような東京メトロを駆使して目的地に向かう体験は,実質的な能力を鍛える上で,大変有意義であったと思います。大人ですら迷う大都会を,生徒達は班で協力し合い,誰一人迷子になったり,遅刻したりすること無く集合地点のスカイツリーに到着することが出来ました。そこには,人間の英知を結集した建造物である,634mの塔がほぼ真上にそびえ,展望デッキに昇るとまさしく天空で,人の姿は小さすぎて見えませんでした。こんなにも巨大なものを建造する人間の技術力はたいしたものです。そらまち亭での食事は,日本の話芸である落語と大道芸を楽しみました。
 二日目は国会議事堂で参議院体験プログラムに参加し,他校の生徒と共に副大臣や国会議員となって,法案が審議され本会議で通過するまでを体験しました。その後,千葉県の館山に移動しマリンスポーツや工芸づくりの体験を行いました。夜は海ほたるの幻想的な光に魅了され,ペンションオーナーとの楽しいひとときを過ごしました。
 最終日は横浜中華街を散策し,今や日本一の政令都市となった町並みを練り歩きました。

 生徒達にとって,三日間はたくさんのことを学び感じた貴重な体験になったことでしょう。そしてこの体験を通して,学校教育目標でもある「京北の主体者として,伝統と文化を受け継ぎ…」に立ち戻り,改めて外から京北を見つめ直す一つのきっかけになればと思っています。「伝統文化」と一口に言いますが伝統と文化は多少意味合いも異なるように感じています。伝統とは伝えるべきもの・守るもの・技・誇り・しきたり・考え方…のようなものだと思います。改めて,京北の伝えるべきものは何か,京北の誇りとは何か,そんなことを考えて欲しいと思います。そして文化。もちろん文化も伝統に近い要素もありますが,私は,文化はもっと柔軟で変化していいもの,変化すべきものではないかと考えています。逆説的に言えば,伝統だけでは,おそらく受け継がれて来なかったこと,時代時代の文化に影響されながらもしなやかに変化してきたからこそ生き残ってきたという側面があるのではないか,そう考えています。私は西陣織の職人の家に生まれ育ちました。伝統の技が今でも受け継がれています。しかし,一方で様々な着物をアレンジしたファッションが街では見られます。単にあれは,だらしない,着こなしがなっていないと嘆くだけで無く,新しい和装のあり方を考えて行く事が大切なのでは無いかと感じています。伝統と文化は不易と流行にも似ている気がします。
 生徒一人一人が,京北の主体者として伝統と文化を受け継いでくれることを期待します。

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