京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/25
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「愛し愛される関係をずっと…」
 20日(土)に体育館の竣工式を行いました。式は,年度末の学校運営協議会の中で吹奏楽部と茶道体験教室の活動をお披露目する場面が欲しいという要求から生まれました。私も体育館の完成をお祝いしたいと思っていたので,大々的に竣工式を執り行おうということになったのでした。
 主催者は学校運営協議会です。運営協議会会長の式辞から式典が始まりました。来賓祝辞は教育長と上京区長,地域の代表の方からのご挨拶と生徒代表の感謝と決意の言葉に続き,私は学校を代表して「謝辞」を述べました。
 「校長先生の謝辞の内容をもっと多くの生徒や保護者の方に知ってもらいたい。」そういうご意見を頂いたので,中身を抜粋して紹介します。
(前略)生徒を大切に考えて頂いていた例を三つ紹介させていただきます。
 一つ目は,着工早々の頃のことです。渡り廊下部分が工事現場内に入ってしまい,雨の日の校舎移動に傘を差さなければならない状況になりました。ある日,大雨が降り,生徒も教師も移動のたびにずぶぬれになるという状況になりました。早速,教育環境整備室に相談をしましたところ,担当の方がすぐにやって来られて,何と,翌日には仮の渡り廊下が出来上がりました。あの作業の速さには,教職員全員が驚かされました。(中略)
 三つめは,毎日校門に立って工事車両の出入りから生徒を守ってくださっていた岸根さんに関することです。本校の育成学級に通う生徒と心やすくなられた岸根さんは,毎朝,彼と登校時に写真に納まって頂きました。岸根さんのことを「おっちゃん」と慕うその子は,校門に岸根さんの姿を発見すると,全速力で駆けてきました。工事が終わる頃,その生徒に「おっちゃんと会えるのは明日が最後やで」と言うと,その子は「はい,知っています。おっちゃんから手紙をもらいました。」とニコニコしながら言いました。障がいのある生徒を大切に思い,丁寧に接してくださる岸根さんを見て,工事に携わる全ての皆様の仕事に向き合う思いが分かった気がしました。
 最後に,二条中学校の子どもたちが,地域に対してどういう気持ちでいるのかがよく分かる文章があるので紹介させていただきます。
 入学したてで,コロナ休校で家庭学習をしていた頃,近所のおばちゃんに「環境がどうであれ,あなたらしく色んな事に真摯に向き合ってがんばれ。」と言ってもらったことがあった。そのとき,自分を育ててくれたのは親だけじゃなくて,近所の人たちにもお世話になっていて,そう言ってもらえたことに感謝もしてるし,その人の言葉を忘れずに色んな事に向き合っていきたいと思っている。…(後略)…
 二条中学校の生徒たちは,仲間を愛し,教職員を愛し,保護者の方や家族を愛し,地域を愛し,そして学校と学校関係者を愛しています。そして,そのすべての皆様方から愛されてもいます。この関係をずっと大切にしてほしいです。

離任式のお知らせ

本校の離任式は,3月30日(火)13:00から,本館3階講堂にて行います。
在校生は12:45にグランド集合です。

○在校生(1,2年生)と難聴学級卒業生・・・講堂に入場
○卒業生と保護者           ・・・体育館にてリモート

ご協力をお願いいたします。

教職員 転退職のお知らせ

令和2年度をもって,退職・離任される教職員の方々を紹介します。
春は別れと出会いが交錯する時期です。それぞれ本校とかかわられた期間は違いますが,新たな場所での活躍を期待いたします。本当にお世話になり,ありがとうございました。
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『“てっぺん”獲りに行こうや!』〜Catch the top !〜

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「成長を喜び,企画に大感謝!」
 令和2年度も修了式を終えました。修了式では,毎年,今年度1年間を振り返ると共に,生徒たちへ向けて来年度への期待を述べます。
 今年度は,新型コロナウイルスに振り回された1年であったと話を始めました。しかし,そのことがあって,二条中の教職員は「工夫する力」をつけることができたということも伝えました。これは卒業証書授与式の式辞の中で述べたことですが,目の前に2年生が居ることもあって,具体例として「もしも私が会社をつくるなら…」の取組が生まれた経緯を紹介しました。あの取組は,コロナ禍で「生き方探究チャレンジ体験」が出来なくなったために,『その時間をどう使おうか』という悩みを出発点として,教職員が工夫して創り出したのです。2年生は,自分たちの取組が例に出されたこともあって,深い納得をもって聴いてくれていたように感じました。あのときの彼らの頷き,表情,目の輝きが今も甦ります。
 生徒の前でも述べましたが,私は「工夫する」という言葉が大好きです。これが自分を高め,環境を変え,集団を成長させるからです。別の言い方をすれば,「工夫」のないところに「発展」や「改良」はあり得ません。
話の後は,今回も沢山の生徒が感想や決意を述べに前に出て来てくれました。既に二条中学校では当たり前の光景ですが,初めてこの様子を見られた中学校関係者はとっても驚かれるに違いありません。しかも,ドンドンその内容が深くなっていっています。上に書いた「工夫」のについて自分の言葉で語った生徒もいましたし,学年の生徒全体に対して“もっと良い学年”に成ろうと,力強く呼びかける生徒もいました。生徒の発言と共に,ドンドン講堂の空気が温まっていくのを感じました。
 例年ならここで終わりです。ところが今年度はこの先がありました。
 今年度最後のこの全校集会の場で,生徒と教職員が私の退職を祝ってくれたのでした。サプライズ企画ですが,まっこと驚かされました。いつの間に準備をしてくれたのか,先日卒業した生徒たちまで学年全体で登場していました。講堂で,卒業式の練習をしたあとでしょうね。背景がそうでした。卒業生や保護者の方の出演もありましたし,卒業生からの手紙やメッセージも紹介されていました。本当に壮大な企画です。修学旅行で何度も歌った「宇宙戦艦ヤマト」がBGMとして使われていました。大人同士でカラオケに行った際に全員で歌ってきた「サライ」も流れました。BGMと映像とで胸がいっぱいになり,恥ずかしながら頬を涙が伝いました。極めつけは2人の息子と妻までが動画の中に登場したことです。これには本当にビックリさせられました。ここまでやってくれた生徒と教職員,卒業生や保護者,そして家族に心から感謝します。「最高や!」何度もそう言いましたが,長いこと教師を続けてきて本当によかったと今もそう思っています。今はもう,離任式は要らない位の気持ちでいます。

『“てっぺん”獲りに行こうや!』〜Catch the top !〜

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「最後の学習の場面」
 仲間の大切さにより気づかされた。みんなが真剣に真面目に聴いてくれるから,自分は安心して発表できたと思うから,やっぱり仲間って大事なんだと気づいた。自分は,そんな真面目に聴いてくれる仲間に対して絶対に傷つけたらダメなんだということにも気づいた。時に,言葉っていうのは強力な武器になるから,それをもっと上手に使えるようになっていきたい。
(1組男子)
 今日の授業で,一人一人みんながよい空気をつくったり,よい心がけでいたりしていて,理由は違っても思い描く先は同じなんだなと思って心が温まりました。各自が良い学年にしようと思っていることは,本当に良いことだと思うし,みんなが思っていれば,そんな素敵な学年にすぐになれると思いました。2年になっても3年になっても,最高の学年を作っていきたいです。(1組女子)
 私は今日の授業で,人はそれぞれ色々な価値観や考えがあって,心を動かされる瞬間にも違いがあると気づけました。また,今年あった自分のことを思い出せる機会になってよかったです。友達の「感謝」や「喜び」を知れたりしてよかったです。校長先生の道徳は,今回が最初で最後の授業だったけれど,とてもいい思い出になりました。そして,とても心が温まる時間を過ごせました。(3組女子)
 私は,常日頃から人に助けてもらっていて,それを当たり前だと思わずに,ちゃんと「ありがとう」って感謝したいと思います。そして,私も人を助けられるようになりたいです。今日は,校長先生の最後の授業だったので,とても心に残りました。私も,校長先生のように,人に元気を与えられるようになりたいです。(2組女子)
 先日の1年「学年道徳」の感想から,手前味噌かとは思いながら4つを拾いました。用意された“退職の花道”をしっかり歩けて安堵してもいます。
 さて,最後の授業と言えば,15日に「卒業証書授与式」があります。3年生にとっては,将に最後の学習の場面です。学校での活動は,昼食も清掃も休憩時間の過ごし方に至るまで,すべてが学習です。そしてその最後の場面が卒業証書授与式です。今日は3年生にそのことを伝えました。その際,最後の学習の場面をより感動的にするために3つのことを合わせて伝えたので紹介します。
 1つ目は姿勢です。背筋を伸ばして凛とした態度で臨んでほしいということです。2つ目は呼名に対する返事です。担任の先生が呼名に込めた思いを受け留め,はっきりと皆に聞こえるように返事をせよということです。3つ目が歌に関してです。コロナ禍で合唱ができないので「心の中でしっかりと歌おう。全員がそうすれば合唱するのと同じくらいの感動が得られるかもしれない」と言いました。
 3年生の最後の学習の場面を厳かで感動的にするよう,式に出る者全員で取り組まなければなりません。当日のことを考えると,喜びと緊張とで今でも背筋が伸びます。

『第3回理事会』

 5日(金),午後7時30分から「令和2年度第3回理事会」を行いました。

 教頭先生に司会のもと進行します。
 冒頭に会長のあいさつがあり,続いて学校長から20日の「体育館竣工式」についての提案がありました。
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「応援に報いる」
 鳥取県倉吉市に看護師さんがおられます。お子さんが小中高校生の頃にはPTA活動を通じて人権の大切さを訴え続け,自ら行動をされるエネルギー溢れる方です。同和教育,人権教育を通じて知り合い,以来25年以上に渡って交流を続けてきました。私が歴任した学校の研究発表会には何度も足を運ばれ,貴重な感想や意見を残してくださいます。本校にも昨年度,一昨年度と2度来られ,子どもたちの力になる感想を寄せてくださっています。医療に従事しているという理由から今年度の研究発表会には来られませんでした。しかし,本校の研究や発表会,生徒の様子にはずっと興味をもち続けておられ,HPなど私が発信する情報を常に注意して楽しみにもしておられました。
 今年度の学校祭は保護者に来ていただけないことからDVDを販売するという情報もHPからチャッチされ,是非見たいと連絡を頂きました。先日,ようやく送ることができました。早速,感想が送られてきたので以下に紹介します。
 DVDそこに参加している気持ちで見せていただきました。私は、やっぱり二条中学校の生徒さんたちの一生懸命さ、短い時間でも、みんなで知恵を出し合い、協力し合い、工夫し合い本気で取り組む姿勢はすごいと思います。難聴学級の皆さんの、マスク下での悩みや戸惑い、そして、本当に自分たちがこんなことで困っているということを全校の前で表現できる日常の空気を感じました。みんなで手話をしっかりと自分たちの学校言語として理解し、自分たち一人一人のものにしてしっかり使い切れること、これは二条中ならではの宝物だと思います。それぞれの学年で、身近にあることに目を向け、何をどう伝えていくのか、自分たちは、それぞれが、各学年の取り組む内容に対し、どう考え、どうしたいのか、大道具や小道具の一つ一つに工夫を凝らし、一生懸命に向き合い作り上げていく姿はやっぱりいいです。各学年の出し物も、見ている私も自分の現実の、本当に身のまわりの小さなことにも振り返りながら、自分はどうだろう。自分はどう行動するだろう。自分は何と言うだろうと、発表を見ながら一緒に考えました。
 コロナ過で、ともすれば、「やるのは無理」、「何もできなくなった」そんな声をよく聞きます。でも、こんな時だからこそ、「あきらめたところからは何も始まらない。できるためにどうするかを考え行動するところから道は開ける」その言葉を実感します。
「どんな時でも、みんなの知恵と工夫と熱で何かできる。」この文化祭はそんな生徒会の皆さんの熱意の結晶だと思いながら見せてもらいました。そして、そのリードのもと、全校一丸となって何とかしようと懸命に頑張る姿にいっぱい力をいただきました。無理を言ってDVD 送っていただいてよかったです。二条中学校での生徒さんのたちの3年間は、卒業後もずっと生きていく学びだと信じます。今回も、先生の自慢の生徒さんたちをしっかりと感じることができました。
 二条中の応援団は遠く鳥取県にもおられます。応援してくださる人たちに感謝しつつ,足元を見つめながら輝かしい未来に向かって突き進んでいきたいものです。

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「いま改めて」
 約2か月に一度散髪に行きます。私の通う床屋は,30年以上前の教え子のお父様が営んでおられます。「先生,一回うちの店に来てよ!」そう言われて初めて行きました。仕事が丁寧で,細部にまでこだわってされます。そこが気に入って,私の頭は以来ずっとその店でしてもらっています。
 私を店に誘ってくれた「お姉ちゃん」は,私の担当していた学年の2つ下の学年に在籍していました。運動能力が高く,何でも器用にこなす生徒で,あらゆる場面でそれはそれは活発な子でした。今は40歳を超えて,彼女の娘がこの4月に中学生になるそうです。彼女の妹は,テニス部に入っていたのでより深く関わりました。私が最も部活動に力を入れていた時期の生徒で,その学年の部員は6人と少なかったけれども,その6人で春・夏と連続で団体戦ベスト8に入賞した自慢のメンバーの一人でもあります。研究発表の日には,これらのテニス部の生徒を玄関の辺りに居らせ,来校される皆様に元気よく可愛らしい挨拶をさせていたことは楽しく懐かしい思い出です。
 私の二人の息子も高校生になるまでその店でお世話になりました。床屋の椅子のひじ掛けの部分に更に小さないすの両側を渡し,その上にチョコンと乗って頭を刈ってもらっている姿を懐かしく思い出します。その子たちは,よく部活動にも連れていきました。部員が女の子たちなので,二人の面倒もよく見てくれました。私の指導中は,息子たちの遊び相手も順番に決めてやってくれていました。
 妹の方は現在,お父さんの仕事を手伝ってこの店で理容師として働いています。シャンプーと顔剃りとブリーチを入れる作業をこの子にしてもらっているのですが,初めての日,彼女が「先生の顔を剃るのは,メッチャ緊張します。」と言って,共に笑い合ったことも今思い出しました。
 先日の日曜日,家族で出かけた帰りに床屋に送ってもらいました。上の息子と妻も一緒です。二人はご主人と下の娘と久しぶりの再会です。特に息子は私よりも身長が高いので,二人ともビックリされていました。娘の方が「あの頃の先生に会ったような気分です。」と言った言葉が今も心に残っています。
 散髪を終えて帰る際,その日は店の外まで2人が出て来られました。
「先生,少し早いですが,長い間のお勤め,ご苦労様でした。」2人が深々と頭を下げてそう言われました。私が今年定年を迎えることをご存じです。次に店に来るのは4月になるだろうということを予想しての行動だとも思います。一気に胸が熱くなりました。人から自分の状況を認識させられることってあるんだと思いました。定年を迎えているということはもちろん承知していますが,その実感はまだありませんでした。こうして認識し,徐々に受け入れていくんだろうと思います。
 あとひと月,私にできることを見据え,二条中のために精一杯努めます。生徒,教職員のみんな,保護者,地域の皆様,改めて宜しくお願いします。

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「授業をつくる」
 昨日,久しぶりに授業をしました。2年生を対象にした道徳の授業です。もう何度も使ってきた教材で,開発した当時は新鮮で主人公のことを知らない生徒はいないような状態でしたが,今となってはそんな感覚はほぼなくなってしまいました。それでも,この教材にはまだまだ生徒の心を揺さぶり発言を促すような力があります。多くの生徒が思いを語ってくれました。
 「授業は生徒がつくる」「授業の主人公は生徒」これは当たり前のことで,全国の学校でそう言われています。しかし実際には,“話しているのは教師ばっかり”という授業が少なくないのが現実です。二条中学校に赴任して,生徒たちの行儀のよさにまず驚きました。そして,前で話す代表生徒の態度の素晴らしさや表現力の豊かさ,その内容の確かさに感心もしました。一方で,予め用意していた言葉で表現しているのを『もったいないな』と感じました。この子たちに授業の中で自分の想いを「自分の言葉と表現方法で語ること」の喜びを教えたいと感じたのはその時です。
 全校集会では,私が一方的に話をして終わらせるのではなく,その後に子どもを指名し,感想や決意を述べさせました。生徒たちは緊張感と興味をもって,「仲間の声を聴ける集会」に臨むようになったと思います。また学期に1度,「学年道徳」を担当させてもらいました。“生徒が自分を語るという授業の展開の仕方”を教職員に伝えたいと思って実践してきたつもりです。今ではそこから学び,アレンジを加えて自分のやり方で実践する教師が少なくありません。
 「生徒がつくる授業」,「生徒が主人公である授業」を続けていると,集団が高まります。集団が高まるとは,お互いがお互いのことを認め合い理解し合って,思いだけでなく知識や考え,理解の共有が始まり,より高度な考えや解答を求め出します。そうすると授業や学習が楽しくなり,授業に積極的に取り組むようになって,狭義の学力が高まるのは勿論のこと,集団の結びつき(絆)が固くなります。
 よい授業を見ると,その集団の中にいる生徒の表情が柔らかで,穏やかで,安心感に溢れています。先生の話や仲間の意見を聴くことが楽しいと感じられ,先生や仲間の声を共感的に聴き,照れや気負いもなく発言ができます。「教室は間違うところ」昔からよく聞きましたが,どうも納得できない言葉でした。しかし,よい授業の中では,生徒が間違いを恐れず発言をします。間違ったからと言って,周りから笑われたり批判されたりすることがないと知っているからです。
 授業づくりと学級経営とは切れない関係です。よい学級ではよい授業ができます。反対に,その学級を担当する教師集団が常によい授業を創造していればよい学級へと育ってもいくものです。授業づくりから集団づくりへと話が広がっていきました。
 久々に授業をして,有難いことに,改めて授業づくりについて深く考えることができました。

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「還暦」
「校長先生,僕も先生と同じ誕生日です。」「へぇー,お前も60歳か?」「えっ,そんな…。13歳になりました。」1年生の男子との会話です(笑)。1年生はまだやっと13歳になったところなのですね。彼らの人生はまだまだこれからです。
 自分が60歳になるなんて,私の方は想像もしていなかった現実に直面しています。昨日の自分と比べても何も変わったところは感じませんが,10年前の自分,20年前の自分と比べると,確かに色々なことが変化しました。跳んだり走ったり投げたりの運動は,如実にその能力が低下しました。物覚えが悪くなり,物忘れも多くなりました。人の名前が“スっ”と出てきません。老眼鏡はもう何本ももっています。一方で,道端の草花や夜空の星に季節の移りかわりを感じたり,人と交わす挨拶や会話の内容が豊かになってきたりと,密かに喜んでる部分もあって,年をとることが悪いことばかりではないと思えたりもしています。
 さて,ついに還暦を迎えました。家族以外に本校の子どもたちや教職員からも盛大に祝ってもらい,大変嬉しい思いもしました。そもそも戦前の平均寿命は50歳に達していませんでした。還暦祝いの習慣は鎌倉時代に始まったらしいのですが,その当時の寿命はもっと短かったでしょう。だから,60歳の還暦は「長寿のお祝いとして」定着したようですが,今では「その人にこれまでの感謝の気持ちを伝えると共に,“これからもよろしくね”という気持ちを伝えるお祝いの場面」となっているようです。
 この際,還暦の意味について記しておこうと思います。「干支(えと)」という言葉があります。「今年の干支は丑(うし)」と言ったりしますが,正確にはこれは間違いです。干支は,甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の「十干(じっかん)」と,子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の「十二支(じゅうにし)」との組み合わせによって表されます。だから,「今年の干支は『辛丑(かのと・うし)』」というのが正しい言い方になります。ところで,10と12の最小公倍数は60で,同じ干支は60年に一度巡ってきます。つまり,『辛丑(かのと・うし)』の年に生まれた人は,60歳になったときにやっと干支が一回りすることになるので60歳を還暦と呼ぶのです。ああ,ややこしい。
 生徒会の取組で,「今年を漢字一文字で表現してください」という依頼を受けました。色々考えましたが「再」という文字を書いて提出しました。「再出発」,「再挑戦」などをイメージしています。干支を一回りして,今とてもフレッシュな気持ちでいます。
 今年度は,もう残り2か月を切りました。この間に生徒のため,教職員のため,保護者や地域の皆様のため,二条中学校のためにできることを考え,全力でそれに取り組みます。それが,還暦のお祝いをしてくれた皆さんへの恩返しだと思っています。

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