京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/03/28
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「さわやかな感動」
 いつの間にかキンモクセイの芳香が漂っています。季節は確実に秋へと移り変わっています。
 さて、「文化祭」が終了しました。昨日、子ども文化会館で講評をしましたが、言いたいことがありすぎて大雑把な感想になってしまったので改めて「文化祭」の2日間を振り返ってみたいと思います。
 1日目。1年の二条城の展示作品には感心しました。コツコツとした努力が実を結ぶこと、一人ではとても無理な大きなことも、協力すれば出来ることを学べたと思います。
 2年の合同劇「ライオンキング」は正に学年を上げて取り組んできた結果が見える内容でした。大小道具、音響に照明、衣装も凝っていました。キャストの演技もよかったです。
 3年の「パイレーツ オブ カリビアン」は流石3年生と思わせるほど役者の演技に迫力がありました。キャストもスタッフも自分の仕事に自覚と責任をもって取り組んでおり、クラスを超えた合同劇の醍醐味が感じられました。
 また、5組の手話劇はとてもよくできていました。『全校生徒に自分たちのことを知ってもらいたい』その思いがひしひしと伝わってくるメッセージ性の高い演劇でした。
 そして2日め。コンクール形式でない合唱で、これほど質の高い発表ができるものなんだと二条中生の底力を見せられた気がします。昨晩から今朝にかけて多くの学級通信を読みましたが、それらのすべてに担任の熱いメッセージが綴られています。先生の願いを受け止め、学級や学年の団結と芸術性の追求という目的を理解して取り組むことで、あれだけの合唱を作れるんですね。
 どの学年どの学級の合唱も、そして5組の太鼓演奏もよかったです。中でもやはり3年の学年合唱は圧巻でした。これほどの学年合唱ができる3年生が全市に一体どれほどあるでしょう。3年生の示してくれた姿は下級生によいモデル(具体的な目標)となりました。来年度以降、「あの学年を目指せ!」「あの学年を超えろ!」といって取り組ませることが出来ます。
 吹奏楽部の発表もとてもよかったです。3年生にとっては引退のステージです。それを知っている3年の仲間からの応援も相まって会場が大いに盛り上がりました。そして「全校手話コーラス」です。吹奏楽部の演奏と3年男子を中心に歌う合唱、そして全校生徒による手話。会場が一つになり、24時間TVのエンディングさながらの、いえその何倍もの感動的なシーンが実現しました。
 二条中での初めての文化祭をとても爽やかな気持ちで終えることが出来て幸せです。そして、このような素晴らしい生徒とそれを支える教職員や保護者の方の校長で居られることを誇りに思います。また、同時にその責任の重さも感じているところです。
 みなさん、さわやかな感動をありがとう。そして、本当にお疲れ様でした。 

「学校運営協議会」の委員を公募します!

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 本校では,今年度,学校運営協議会を立ち上げます。
 学校運営協議会とは、保護者や地域の方々に学校運営に参画いただき,学校・家庭・地域が一体となって子どもたちを育んでいく組織です。今後は,学校運営協議会を核としながら,学校・家庭・地域が成果や課題に加え思いや行動も共有し,子どもたちを地域や社会の宝として大切に育む地域ぐるみの教育及び地域コミュニティーの活性化を推進してまいります。
 
 未来を切り拓く地域の子どもたちのために,ぜひご一緒に取り組みませんか。

 公募の詳細につきましては,二条中学校教頭(井木)までお問い合わせください。
電話 075−821−1196
FAX 075−821−1197

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「本来の目的に向けて」
 朝晩が涼しく、学校生活にとって最高の季節がやってきました
 さて、9月に入って、特に昼からは校長室にじっとして居られなくなりました。太鼓の音や合唱の歌声が校内各所から聞こえてくるからです。教師になって以来、私はこの時期のこの雰囲気が大好きです。生徒と一緒に劇や合唱、楽器演奏や展示作品を作り上げる営みによって、クラスや学年がグッと高まるからです。生徒は毎日忙しくて大変でしょうが、実は教師の側もけっこう疲れます。これまで経験してきた学校では、この時期に体育大会も行ってきたので更に忙しかったです。
 多くの学校では、クラスや学年の中に、取組に全く参加しようとしない生徒が居たりもします。そんな生徒と教師がぶつかることは勿論ありますし、クラスで生徒同士が揉めることも少なくありません。そんなときや明日のことが気になりだすと、眠れない日が続いたりもします。
 これまで約1か月間、本校生徒の取組を観てきました。サボる人、いい加減な態度で臨んでいる人を一人も観ていません。これは、教師になって以来初めてのことで、私にとっては嬉しいどころか感激的な驚きです。
 特に、コンクール形式でない合唱は、純粋にクラスや学年、全校の結束力を高め、芸術性を追求するという本来の目的のみに向かって取り組まれており、生徒もそれを理解して一生懸命に練習する姿に、純粋に心を動かされてきました。また、和太鼓によるパフォーマンスで音楽発表会に参加する難聴学級の生徒たちの“本気さ”にも心を打たれました。当初は『コンクール形式にすればよいのに!』と思ったりもしましたが、そうしなくても生徒が本来の目的を理解し、それに向かって取り組めることを知った今ではもうそうは思わなくなりました。
 劇づくりや合唱づくりに直接関わってきた頃の、“不安と期待で前夜は寝られない”という経験はもう出来ませんが、それでも校長として「文化祭」の成功を願って、やはり“ワクワク”と“ドキドキ”とは感じています。
 これまで数えきれないくらい練習してきた成果を、本番のたった一回に精一杯発揮してほしいと思います。生徒のその真摯な姿が、私たち観る者の心をまた大きく揺さぶることでしょう。
 「文化祭」が終わると、3年生の生活は、本格的に受験中心になっていきます。だからこそ、全力を注ぎ込み、心地よい疲れを伴った充実感を味わってほしいです。そして、そうして蓄えたエネルギーをもって受験に向かってほしいと願っています。
 劇や合唱、楽器演奏や展示は、それ自体を成功させることも大切ですが、その先に、クラスや学年、学校という集団の力を高めると共に、生徒一人ひとりの力を伸ばすという大切な目的があります。既にそのことを理解して実践している本校生徒を誇りに思いながら本番までの取組を見守りたいと思います。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「ムード」
 一昨日、5組を最後に3年生への特別道徳の授業を終えました。「ブロックの予選大会で、チームの1つが決勝まで進出して、普通なら絶対に勝てない相手だったのに選手と応援が一体になって勝てて優勝して、私も自分のことのように嬉しくて、そんな仲間に出会えたことが嬉しくて…」
 道徳の授業の中で、ある女子が声を詰まらせながら発表したメッセージの一部です。5組には、聞こえにハンデがありながらも一生懸命に学校の部活動や校外でのクラブで頑張っている人たちが居ます。
「自分は聞こえないから、1年生の頃は自分だけが取り残されているように感じた」これは別の女子が語った言葉です。同じようなことを別の生徒も感じていたことも知れました。でも、取り組むうちに仲間の励ましや支えに気づくことができ、最後は頑張ってきてよかった。そうみんなが結んでいます。
 人は自分の気持ちを正直に語るとき、感情が乱れて涙を流すことがあるようです。“ぐっ”とこらえて隠してきたことや心の中にしまい込んできたことを吐き出すことによって、心に決着をつけるというか整理をするというか、どうもそんな感じです。問題行動の指導の際、最終的に正直に心の中を打ち明けた生徒が涙を見せる場面がありますが、これとも共通点があるように思います。
 「校長先生と同じスライドショーを使い、同じ資料、同じ授業展開で僕が道徳の授業をしたら、生徒はああやって泣くもんでしょうか。」
 若い先生に尋ねられました。即答は避けましたが、実はなかなかそう簡単にはいかないものだと考えています。授業づくりで大事なものは幾つもあります。話し方一つにしても、間のとりかたや抑揚の付け方、無駄な言葉を差し挟まないことや生徒の発言の上手い拾い方など、挙げだしたらきりがありません。板書の書き方、資料提示の仕方、ワークシートの作り方、グループワークのさせ方、発言のさせ方など、話し方以外にも身につければ授業改善が図れる技術(テクニック)はたくさんあります。先ほどの先生が「校長先生がされたのと同じように…」といったのは、こうしたテクニックのことで、これは真似が出来ますしドシドシ盗んでほしいものです。
 もう一つ大事なもの、そしてなかなか若い教師には難しいのがムード作りです。「空気感」とでもいえばもっとよく分かるのでしょうか。その先生から発せられる独特の空気で、それはじわじわと生徒に達し、生徒を包み、教師と生徒を繋ぐと同時に教室を満たします。上手くすると生徒は安心感を覚え、心の鎧を脱ぎ「素」の自分を出し始めます。ムード作りを身に着けるには相当な時間がかりますし、多くの様々な経験も必要です。本校には独特の空気感を作り出す教師が何人も居ます。
 ベテラン教師の授業にある独特のムード(“あじ”と言えるのかもしれません)。一度注意して観て、感じて、それについてじっくり考えてみてはどうでしょうか。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「授業を楽しむ」
 今週は心に張りをもって過ごしています。というのも、久しぶりに教室での授業をさせてもらっているからです。或る人に「二条中学校が使っている読み物資料集の中で、先生(私)が授業をするならどれが一番魅力的ですか」と尋ねられました。元々道徳の授業が好きな私は真剣に考えました。そして選んだのが現在3年生に対して行っている授業で使用する教材です。
 何度も読み返していうちに、次々と構想が浮かんできて実際にやってみたくなりました。3−1担任の岡田先生に相談したところ、「是非うちのクラスでやってください。」と言ってもらい5日(火)に実現しました。その後他のクラスでも実践中です。3年のこの時期にしかできない内容で、きっと多くの3年生の心に響く良い教材です。この夏、撮り貯めた写真も大いに役に立ちました。スライドショーを作りながら、『きっと子どもたちの心にも届くだろうな』と勝手に想像して興奮したりもしました。
 時間をかけて準備をしたので、本番は思いのほか順調に進行したと言ってよいと思います。毎日教科の授業や部活動指導、クラス経営で忙しい先生方には難しいのかもしれませんが、授業準備を大いに楽しむこともできました。
 昨日2つめのクラスも終わりました。授業では、色々なことを思い出したのでしょう、ずっと泣いている生徒が居ます。込み上げてくるものがあったのか、発言の途中に泣き出す生徒も居ます。(しかし、これはカッコいいです!)人の話を聴きながらもらい泣きする生徒も居ます。こんな授業が出来ているのは久しぶりです。教科の授業ではおそらくないことですし、これが道徳や人権学習の時間の大きな魅力です。
 手元に子どもたちが書いてくれた感想があります。手前味噌で恐縮ですが、幾つか紹介します。「今日の校長先生の道徳は夏季大会のことをすごく思い出せたしとてもよかったです。後輩に伝えたいこともあったからいい機会になったとも思います。また授業してください。ありがとうございました。」「胸につかえていたものが取れたような気がするので良かったと思います。これから、しんどくても自分の全力を尽くし前向きに過ごしたいです。」「クラスメイトが感動や思いが込み上がってきて泣くというような授業は初めてだったしすごく楽しかった。初めて知る友達の隠されていた思いや気持ちを知ることが出来て嬉しかったしすごく感動しました。また、自分を振り返り、本当の自分に気づくことが出来たし、本当の思いを言えることなんて滅多にないことなので、すごく充実した時間を過ごすことが出来ました。また、このような機会があったらやりたいです。校長先生、ありがとうございました。」
 教師をしていて、“しんどい”と思うことはあります。でも、子ども達からのこうした反応があると『やっててよかった!』と思えます。教師の最高の喜びは、何と言っても子どもと一緒に授業を楽しめることです。みんな、ホントにありがとうね。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「生徒を愛すること」
 多趣味な私のそれの1つに映画鑑賞があります。とはいっても、最近は映画館に行くことは少なく、ほとんどDVDを鑑賞します。8年前、そのために50インチの大画面TVを買ったのですが、それはいつも妻に占領されて専ら自室の小さな画面で観ています…(笑)…。
 以前にも書きましたが、私は寝る時間を割いてでもDVDを観ます。話題の映画は大概観ますが、最近は邦画に惹かれています。(これも前に書きました。)
 先日、宮沢りえ主演の『湯を沸かすほどの熱い愛』を観ました。とってもよかったです。予想以上の感動に、床に就いてからも何度も様々なシーンを思い出し、あれこれ考えて結局寝不足になりました。家族の在り方をテーマにした作品で、複雑な家族構成の中で暮らす人たちを通して“人を愛する”ということについて深く考えさせられます。そういえば、最近の映画では家族がテーマになっているものに強い印象が残っています。『そして父になる』『海街ダイアリー』がそれらです。『そして父…』は子どもの取り違えというあってはならない不幸な出来事から、そして『海街…』では、父の死がきっかけで三姉妹で暮らす家族のもとへ、母親の異なる妹がやってくるところから家族の在り方について考えさせられます。最近の日本の社会では複雑な家族構成の家庭が増える一方です。きっとこうした現実がこれらの映画作りの背景にあるのでしょう。
 『湯を沸かす…』の主人公は血の繋がっていない娘に対してそれはそれは深い愛情を注ぎます。厳しくも深く強い愛です。まだ観ていない人も居るでしょうからあまり詳しくは書きませんが、人生において決して逃げることを許しません。しかし、その厳しさの奥にある深い愛に気づいたとき、観る者の心を強く動かします。ある人が手話を使って道を尋ねるシーンがあります。娘が2度目の大きな試練に立ち向かう場面で『あー、そういうことか』と構成の上手さにも関心させられました。
 厳しい、強い、激しい、深い、熱い、…、「愛」ということばに続くのはこれらの形容詞であって、優しいや弱い、浅いや冷たいはそぐわないですね。「愛する」とは、何が何でも徹底的に最後まで面倒を見ることです。中途半端は許されません。宮沢りえの演じる“双葉”はそんな人物です。だから観る者は彼女に惹かれるのだと思います。
 教育実習生に対して、オリエンテーションで次のように言いました。「中途半端な気持ちで教師を目指すなら、今からでも遅くない。やめた方がよい。」
 学校が(教師という職業が)「ブラック企業」だと言われています。人に関わる、人を育てる教育には時間がかかるものです。しかし必ず、それは卒業式の日かもしれません、『やっててよかった』と思えます。教師は素晴らしい職業です。大きな行事が続きます。厳しく強く激しく深く熱い愛情をもって目の前の生徒に接したいものです。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「目の前のことに全力を」
 夏休みが終わり、いよいよ長い中間学期が始まります。中間学期は子どもたちが、そして学校が大きく成長を遂げるときです。たくさんの行事が計画されており、それらに向けて生徒と教職員が一体となって取り組む過程でその力がついていくのです。また、その様子を保護者や地域の皆様方に観て頂くことも子どもや学校の成長にとっては重要です。
 さて昨日、第99回夏の全国高校野球選手権大会(夏の甲子園大会)が終了しました。我が家では、この時期ずっとリビングルームのTV画面には高校野球中継が映されています。家族みんなが高校野球のファンです。私以外は、どのチームにどんな選手がいる(あるいは過去に居た)のかということまでホントによく知っています。私にはとても1試合をずっとTV観戦する余裕はないですが、それでも11時を過ぎてからダイジェスト番組を観るのは大好きで、時には画面を見ながら涙したりもしています。
 今大会では、広島県代表広陵高校のキャッチャー中村奨成君に話題が集中しました。母親が一人で育ててきたことや、その母親に感謝の気持ちを伝えるべくホームランボールをプレゼントし続けていること、1年生で背番号「2」をもらった時には重圧で食事が喉を通らなかったということ、誰よりも仲間を大切にして野球を続けてきたことなどが次々と報道され、そのたびに彼のファンは増えていったようです。それにしても彼はすごい選手です。今大会では6本塁打、17打点。出塁率7割4分1厘、打率は6割9分6厘と、どれも驚異的な数字で大会記録を塗り替えもしました。大会終了後プロ野球へ進みたいという意向を示したことで、彼への関心は益々高まっています。つい先日まで一人の野球を愛する高校生だった子が、今や野球界の大スターです。
 中村君が中学生の頃、今のこの状況を想像したでしょうか。おそらく「否」。
 只々野球が大好きで、甲子園という夢舞台を目指して一生懸命取り組んでいた多くの中学生と同じだったと思います。もちろん人並み外れた素質はあったのでしょうが、野球以外のことも含めて目の前のことに打ち込んできた結果が今に繋がったのです。
 野球に限らず、あらゆる分野でチャンスはみんなに平等にあります。また、それがどこにあるか分からないことも共通です。大切なことは、目標を持ちそれに向けて努力し続けることです。そうすれば、中村君のような大スターに成れるかもしれません。
 夢に向かって突き進んでほしいところですが、大事なことを確認しておきます。今後目の前に現れることに真摯に向き合い、それらに対して全力で取り組むことです。そのことが必ず皆さんの夢の実現に通じています。遠くばかりを見て目の前のものを見過ごしたり、いい加減な気持ちで接したりすることがないように心がけましょう。
 数々の行事が控えている中間学期。皆さんの努力と活躍を心から期待しています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「送り火の日の大文字登山」
 今年も朝から大文字山に登ってきました。昨年は下の息子と一緒でしたが今年は一人です。大学生にはまだこれを習慣化するほどの考えはないようです。
 一人だと登りながら色々なことを考えます。父に連れられて登った子どもの頃のこと、結婚が決まった夏、妻の父親が送り火を観に来られ私の父と三人で登ったこと、子どもが生まれ家族で遠足気分で登ったこと、息子の友達を何人か連れて登ったこと、すべてが“いい思い出”です。他にも思い出すことがあります。実は49歳までは走って登っていました。50歳の夏、『もう無理はせんとこう』と歩いて登ることにしました。でも、今も自身に付加をかけています。“家を出て1時間以内で帰り着く”です。当然、かなりの早足になります。登る時間帯が遅くなると登山客が多くなってこれができません。ここ1〜2年は、特に急な上り坂がしんどくなってきました。平坦なところでその分をとり返すようにしています。『いつまで続けられるかなあ』『その時のペースで登ればええやん』『80歳くらいまでは登るで!』などと考えられるのが一人登山の面白いところです。
 もう一つ、大きな楽しみがあります。知った顔に出会うことです。近所の人は勿論です。少しずつ様が変わります。お嫁さんやお孫さんを連れていたりします。同級生や先輩後輩にも出会います。「おう、久しぶり!」この時は交わす挨拶も異なります。教育委員会の人たちや教え子にも出会います。一人で登っておられたり家族連れであったり…。こういう出会いが何とも楽しい登山です。「おはよう!」「こんにちは!」「ぼく、もうちょっとやで!」「えらいなあ、小っちゃいのによう登るなあ!」「泣かんとがんばり!」こういう性格ですから、何かしら言葉かけをしながらの下山です。(因みに、登りの際は体力精神力ともいっぱいいっぱいの状態なので「おはようございます!」の一言しか言えません)
 ご先祖様の霊を迎えに行き、墓の掃除をし、14日の昼は、和尚様に我が家で食事をしてもらいます。今年は父に代わって弟が一緒でした。15日は一日中のんびりと過ごします。そして16日を迎え、朝から大文字山登山です。この後は仏壇周りの片づけをして夜の送り火を迎えます。もう何年も同じような日々の繰り返しです。1年なんてアッという間です。でも、この1年の間に変わったこともあります。昨年末に父が亡くなり今年は初盆を迎えました。仕事上では転勤し二条中学校の校長としてお盆を送っています。同じようなお盆の生活ですが、決して同じではありません。
 日常も同様です。同じような日常の中に必ず変化があります。その変化に気づき、それをプラスにできるよう大切にし、丁寧に対応していかなければなりません。今、目の前にいる生徒たちと教職員、保護者・地域の皆様の力になれるよう精進して参ります。大文字山に登りながらそんな決意もしました。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「受け入れ難きも受け入れて」
 昨日、ソフトテニスの近畿大会が終了し、私の関わる夏の大きなイベントが一通り終了しました。テニスでは、夏休み前からブロックの予選会が始まります。休みになって早々に市内大会、7月の終わりには府大会、そして昨日・一昨日が近畿大会です。ソフトテニス専門部の代表者ですから開会式と閉会式にはその場に居なければなりません。挨拶と表彰状授与は重要な役割です。表彰式の後には講評がありますので試合を観ておく必要もあります。7月29・30日の府大会の折には、丹波自然公園に居ながら、合間を縫って宮津市民体育館まで男子バスケット部の応援に行きました。市内大会の時も同様です。開会式で挨拶をし、試合が順調に動き出したのを見届けて各部の応援に走り回りました。そして準決勝が始まる頃にテニスの会場に戻ります。忙しかったけれど、楽しく充実した毎日でした。
 実はこの間の8日には、中学校人権教育研究(中人研)集会がありました。5・6日には花背山の家で5組のサマーキャンプもありました。中人研集会では研究会の会長を務めていますから準備もすすめてきました。「お父さん、大丈夫? バイクの運転、気ぃ付けや!」家族に心配されてきましたが、そんな夏休み前半が終わりました。“ホっ!”
 夏休み前半を通して感じた大きなことは、「思い通りにいかないことをどう納得して受け入れ、その後に活かしていくか!?」です。男バスの近畿大会では第1戦を2点差で落としました。この試合に勝っていれば、多分次の試合も勝てたでしょう。吹奏楽部の賞も同様です。あれだけ練習をしてきたのですから金色をやって欲しかったです。昨日のテニスの大会では、女子の近畿チャンピオンの座に2年生ペアがつきました。多くの3年生たちは、さぞかし悔しい思いをしていることでしょう。
 そのような中、5組の生徒たちから聞いた“本音”に魂が揺さぶられました。サマーキャンプという特別な場所と状況がそれを言わせたのだと思います。「なんで、自分にこんな障害があるのか」「自分の障害は人から分かりにくいので、自分から説明しなければならないけれど、恥ずかしいのと照れ臭いのとでそれが上手くできない。」「今はみんなが理解してくれているけれど、高校へ行ったらどうなるのか。」予想はしていましたが、改めて本人らの口から聞くと、本当に心に沁みました。その日以来『校長としてこの子たちにできることは何か』と改めて考え続けています。
 世の中には「上手くいかないこと」「思い通りにならないこと」がたくさんあります。それに対して愚痴や文句を言っていても仕方ありません。現実に向き合いそれを受け入れて、次にできることを定め粘り強く取り組んでいくことしかないのです。
 中人研集会では、障害がありながらも輝いた生き方をしている人のお話を聞きました。今“つらい”“しんどい”と思っていることも、何年か後には『あのことがあったお蔭で…』と思える日が来るように、生き方を考えていかなければなりません。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「新しい夏」
 先生と一緒に子どもたちがステージ上に出てきました。緊張している様子が客席まで伝わってきます。楽譜台と椅子の位置を入念にチェックします。生徒が着席しました。アイコンタクトで先生とコミュニケーションをとっています。『大丈夫かい?』『ハイ、OKです』そんな感じでしょうか。
 舞台証明が入りました。指揮者の先生がこちらを向きます。当然のことながら先生も緊張しています。『さあ、いくよ!』『はい、いつでも大丈夫です』各パートリーダーと、これもアイコンタクトでのやりとりです。
 曲がスタートしました。上々の入りです。課題曲の2番を選んでいる学校が圧倒的に多いのですが、使っている楽器や曲のテンポが違ったりでアレンジが少しずつ異なっています。盛り上がりも上手く作れました。大きなミスはないように感じました。自由曲カルメンが始まります。もう何回も聴いた曲ですから、自然と身体がスイングしだしました。見ると、周りの人たちもリズムに合わせて体を動かしておられます。しっかりと聴衆の心を捉えました。
“タンタッタ タンタン・タッ タタタタン・タンタタタン・タンタタタン”終盤のメインテーマのところでは胸が熱くなりました。上出来です。会場からも大きな拍手が贈られました。先生と子どもたちとの満足げな表情が、照明が消える直前に見えました。
 みんながホールの外に出てきます。泣いている子たちも少なくありません。極度の緊張感から解放された安堵と力を出しきった満足感からくる涙です。こういう時の子どもたちは本当に美しいです。何百回も練習してきたのはこの瞬間を味わうためなのかもしれません。記念写真の撮影です。もう涙はありません。とっても爽やかな笑顔です。特に3年生の表情が輝いています。逞しくなった気もします。厳しい練習に耐えながら後輩を指導してこの瞬間を迎えられたことで心身が成長したのだと思います。
 たった6人で約40人の後輩を引っ張ってきました。強い学校のバンドなら1年生が舞台に上がることはほぼありません。でもこの6人は、多くの1年生たちを指導し、引っ張ってこの舞台まで連れてきたのです。これはとっても尊いことだと思います。
 「校長先生、いつも応援してくださって本当に有難うございました。」
 後日、3年生の6人がお礼を言いにやってきました。顧問の先生も一緒です。
 残念ながら目標にしていた色の賞は獲れませんでしたが、彼らの功績は大きいです。彼らが頑張ってきたことに間違いはないし、この3年生たちの魂は確実に後輩たちに引き継がれるはずです。これからも学校や地域のコンサートがあるので、是非ともそちらで頑張ってほしいと思います。そんなことを伝えました。
 今も階上から吹奏楽の練習の音が聞こえています。運動部同様、新チームでの練習です。ばんがれ、二条中のみんな! 新しい夏が始まっています。

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学校行事
10/2 学習相談
10/3 学習相談
10/4 学習相談
10/5 秋テスト
10/6 秋テスト
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