京都市立学校・幼稚園
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「送り火の日の大文字登山」
 今年も朝から大文字山に登ってきました。昨年は下の息子と一緒でしたが今年は一人です。大学生にはまだこれを習慣化するほどの考えはないようです。
 一人だと登りながら色々なことを考えます。父に連れられて登った子どもの頃のこと、結婚が決まった夏、妻の父親が送り火を観に来られ私の父と三人で登ったこと、子どもが生まれ家族で遠足気分で登ったこと、息子の友達を何人か連れて登ったこと、すべてが“いい思い出”です。他にも思い出すことがあります。実は49歳までは走って登っていました。50歳の夏、『もう無理はせんとこう』と歩いて登ることにしました。でも、今も自身に付加をかけています。“家を出て1時間以内で帰り着く”です。当然、かなりの早足になります。登る時間帯が遅くなると登山客が多くなってこれができません。ここ1〜2年は、特に急な上り坂がしんどくなってきました。平坦なところでその分をとり返すようにしています。『いつまで続けられるかなあ』『その時のペースで登ればええやん』『80歳くらいまでは登るで!』などと考えられるのが一人登山の面白いところです。
 もう一つ、大きな楽しみがあります。知った顔に出会うことです。近所の人は勿論です。少しずつ様が変わります。お嫁さんやお孫さんを連れていたりします。同級生や先輩後輩にも出会います。「おう、久しぶり!」この時は交わす挨拶も異なります。教育委員会の人たちや教え子にも出会います。一人で登っておられたり家族連れであったり…。こういう出会いが何とも楽しい登山です。「おはよう!」「こんにちは!」「ぼく、もうちょっとやで!」「えらいなあ、小っちゃいのによう登るなあ!」「泣かんとがんばり!」こういう性格ですから、何かしら言葉かけをしながらの下山です。(因みに、登りの際は体力精神力ともいっぱいいっぱいの状態なので「おはようございます!」の一言しか言えません)
 ご先祖様の霊を迎えに行き、墓の掃除をし、14日の昼は、和尚様に我が家で食事をしてもらいます。今年は父に代わって弟が一緒でした。15日は一日中のんびりと過ごします。そして16日を迎え、朝から大文字山登山です。この後は仏壇周りの片づけをして夜の送り火を迎えます。もう何年も同じような日々の繰り返しです。1年なんてアッという間です。でも、この1年の間に変わったこともあります。昨年末に父が亡くなり今年は初盆を迎えました。仕事上では転勤し二条中学校の校長としてお盆を送っています。同じようなお盆の生活ですが、決して同じではありません。
 日常も同様です。同じような日常の中に必ず変化があります。その変化に気づき、それをプラスにできるよう大切にし、丁寧に対応していかなければなりません。今、目の前にいる生徒たちと教職員、保護者・地域の皆様の力になれるよう精進して参ります。大文字山に登りながらそんな決意もしました。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「受け入れ難きも受け入れて」
 昨日、ソフトテニスの近畿大会が終了し、私の関わる夏の大きなイベントが一通り終了しました。テニスでは、夏休み前からブロックの予選会が始まります。休みになって早々に市内大会、7月の終わりには府大会、そして昨日・一昨日が近畿大会です。ソフトテニス専門部の代表者ですから開会式と閉会式にはその場に居なければなりません。挨拶と表彰状授与は重要な役割です。表彰式の後には講評がありますので試合を観ておく必要もあります。7月29・30日の府大会の折には、丹波自然公園に居ながら、合間を縫って宮津市民体育館まで男子バスケット部の応援に行きました。市内大会の時も同様です。開会式で挨拶をし、試合が順調に動き出したのを見届けて各部の応援に走り回りました。そして準決勝が始まる頃にテニスの会場に戻ります。忙しかったけれど、楽しく充実した毎日でした。
 実はこの間の8日には、中学校人権教育研究(中人研)集会がありました。5・6日には花背山の家で5組のサマーキャンプもありました。中人研集会では研究会の会長を務めていますから準備もすすめてきました。「お父さん、大丈夫? バイクの運転、気ぃ付けや!」家族に心配されてきましたが、そんな夏休み前半が終わりました。“ホっ!”
 夏休み前半を通して感じた大きなことは、「思い通りにいかないことをどう納得して受け入れ、その後に活かしていくか!?」です。男バスの近畿大会では第1戦を2点差で落としました。この試合に勝っていれば、多分次の試合も勝てたでしょう。吹奏楽部の賞も同様です。あれだけ練習をしてきたのですから金色をやって欲しかったです。昨日のテニスの大会では、女子の近畿チャンピオンの座に2年生ペアがつきました。多くの3年生たちは、さぞかし悔しい思いをしていることでしょう。
 そのような中、5組の生徒たちから聞いた“本音”に魂が揺さぶられました。サマーキャンプという特別な場所と状況がそれを言わせたのだと思います。「なんで、自分にこんな障害があるのか」「自分の障害は人から分かりにくいので、自分から説明しなければならないけれど、恥ずかしいのと照れ臭いのとでそれが上手くできない。」「今はみんなが理解してくれているけれど、高校へ行ったらどうなるのか。」予想はしていましたが、改めて本人らの口から聞くと、本当に心に沁みました。その日以来『校長としてこの子たちにできることは何か』と改めて考え続けています。
 世の中には「上手くいかないこと」「思い通りにならないこと」がたくさんあります。それに対して愚痴や文句を言っていても仕方ありません。現実に向き合いそれを受け入れて、次にできることを定め粘り強く取り組んでいくことしかないのです。
 中人研集会では、障害がありながらも輝いた生き方をしている人のお話を聞きました。今“つらい”“しんどい”と思っていることも、何年か後には『あのことがあったお蔭で…』と思える日が来るように、生き方を考えていかなければなりません。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「新しい夏」
 先生と一緒に子どもたちがステージ上に出てきました。緊張している様子が客席まで伝わってきます。楽譜台と椅子の位置を入念にチェックします。生徒が着席しました。アイコンタクトで先生とコミュニケーションをとっています。『大丈夫かい?』『ハイ、OKです』そんな感じでしょうか。
 舞台証明が入りました。指揮者の先生がこちらを向きます。当然のことながら先生も緊張しています。『さあ、いくよ!』『はい、いつでも大丈夫です』各パートリーダーと、これもアイコンタクトでのやりとりです。
 曲がスタートしました。上々の入りです。課題曲の2番を選んでいる学校が圧倒的に多いのですが、使っている楽器や曲のテンポが違ったりでアレンジが少しずつ異なっています。盛り上がりも上手く作れました。大きなミスはないように感じました。自由曲カルメンが始まります。もう何回も聴いた曲ですから、自然と身体がスイングしだしました。見ると、周りの人たちもリズムに合わせて体を動かしておられます。しっかりと聴衆の心を捉えました。
“タンタッタ タンタン・タッ タタタタン・タンタタタン・タンタタタン”終盤のメインテーマのところでは胸が熱くなりました。上出来です。会場からも大きな拍手が贈られました。先生と子どもたちとの満足げな表情が、照明が消える直前に見えました。
 みんながホールの外に出てきます。泣いている子たちも少なくありません。極度の緊張感から解放された安堵と力を出しきった満足感からくる涙です。こういう時の子どもたちは本当に美しいです。何百回も練習してきたのはこの瞬間を味わうためなのかもしれません。記念写真の撮影です。もう涙はありません。とっても爽やかな笑顔です。特に3年生の表情が輝いています。逞しくなった気もします。厳しい練習に耐えながら後輩を指導してこの瞬間を迎えられたことで心身が成長したのだと思います。
 たった6人で約40人の後輩を引っ張ってきました。強い学校のバンドなら1年生が舞台に上がることはほぼありません。でもこの6人は、多くの1年生たちを指導し、引っ張ってこの舞台まで連れてきたのです。これはとっても尊いことだと思います。
 「校長先生、いつも応援してくださって本当に有難うございました。」
 後日、3年生の6人がお礼を言いにやってきました。顧問の先生も一緒です。
 残念ながら目標にしていた色の賞は獲れませんでしたが、彼らの功績は大きいです。彼らが頑張ってきたことに間違いはないし、この3年生たちの魂は確実に後輩たちに引き継がれるはずです。これからも学校や地域のコンサートがあるので、是非ともそちらで頑張ってほしいと思います。そんなことを伝えました。
 今も階上から吹奏楽の練習の音が聞こえています。運動部同様、新チームでの練習です。ばんがれ、二条中のみんな! 新しい夏が始まっています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「まだまだこれから」
 昨日の朝9時過ぎ、突然校長室のドアがノックされました。
「校長先生、ちょっと出てきてもらえませんか。」廊下へ出ると、野球部の3年生が揃って整列しています。前日の最終戦で、思うようなプレーが出来ず涙した生徒らもしっかりとその中に居て、その日は爽やかな笑顔です。
「いつも、力強い応援をどうもありがとうございました。」
顧問の先生に促されたのかもしれませんが、節目節目でこういうことができるのは、大人になっていく過程で、とても大事なことだと思います。
さて、今日までにほとんどの部が夏の大会を終えました。残るは、全国大会への出場を果たした水泳部の女子選手と、府大会を明日に控えた男子バスケットボール部、8月1日にコンクール本番を迎える吹奏楽部ぐらいです。まだ試合やコンクールを残している人たちには、一つでも上の大会(できれば全国大会)で活躍してほしいです。
この夏もたくさんの試合の応援に行きました。そして、一生懸命に取り組む生徒の姿に触れ、教師としての喜びを感じました。
○「最後まで全力を尽くす」
○「決して弱気にならない」
○「最後まで声を出す」
 夏休み前の全校集会で生徒に言ったことです。実行できたでしょうか。
 バレーの試合でのことです。後方からやや難しいトスが上がりました。キャプテンでエースはフェイントでネットの向こうへ返しました。「おーい!強気でいけって!」思わず応援席から声を張りました。(顧問の先生、勘弁してください。)続けて同じ選手にトスが上がりました。今度は思い切って打ち込みました。結果はネットでしたが、気持ちが表に出たよいプレーで、観ていて好感が持てました。
 サッカーの試合です。作戦でしょう。バスケットボールのようなディフェンス体制をとっています。守って守ってチャンスと見るや前線へ大きく蹴りだして「速攻」です。まるでバスケットボールです。でもこれが功を奏しまいた。相手の攻めを完全に封じ込め、逆に3点を奪いリードしました。そして最後の15分は徹底して守ります。猛暑の中、キャプテンが体を反らせ大きな声を出して仲間を鼓舞します。
「二条、ファイト―! 負けるなー!」決してスマートではない心の底からの“魂の掛け声”を聴き、応援席の者まで心が動かされました。素晴らしい試合でした。残念ながら次の試合で敗れはしましたが、気持ちの良い戦い方をしたチームとして、きっと大会関係者にも高く評価されていると思います。
 昨日、校長室前で野球部の3年生には次のようにコメントしました。
 「中学校の部活動は終わりました。満足感や悔しさなど、色々な思いがあると思いますが、二条中学校の野球部で取り組んできたことは、君たちの人生の礎になることは間違いありません。そこに自信を持ち、気持ちを切り替えて今後の学校生活を送ってください。お疲れ様でした。」引退した3年生、戦い続けている3年生、頑張れ!

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「夏休みを前に」
 明日からいよいよ夏休みです。町をもう少し下がれば祇園ばやしが聞こえ、ここ何日かは毎日のように激しい夕立が降ります。そういえば、昨日“梅雨明け”がなったようです。さあ、夏本番です。
 思えば、あっという間の4か月でした。4月には新しい生徒・教職員・保護者の方や地域の方との出会いがありました。始業式と入学式で「京都の“てっぺん”獲りにいこうや!」と大きなことを述べ、皆さんを驚かせたかもしれません。しかし今、生徒会活動や部活動、PTA活動の際にも使われるようにもなり、このフレーズもすっかり定着したようで嬉しく思っています。
 行事で言えば、修学旅行と体育大会が特に強く印象に残っています。これらの様々な場面で、子どもたちが自らの役割を自覚し、周りの状況を観ながら粛々と行動する姿に感動すら覚えました。
 修学旅行では、バスや新幹線の車中、干潟体験、平和学習、長崎での班別自由行動、民泊体験など、生徒一人ひとりがその瞬間を思いっきり楽しもうとしている様子が感じられました。2泊3日行動を共にしたお陰で子どもたちのことを随分と知ることもできました。日曜参観で「学年道徳」を担当させてもらいましたが、修学旅行があったからこそ生徒から多くの意見を引き出せたと思っています。そして、体育大会です。ここでも生徒と教職員が一緒になって“よいもの”に作り上げようとする心意気が感じられました。一生懸命走る。心から仲間を応援する。団体競技に燃える。勝って泣き負けて泣ける。自席を離れ大声を張り上げ身体を躍動させて応援しているかと思えば、開閉会式では一糸乱れぬ整列で静かに聴く姿勢がとれる。体育大会のあの盛り上がりは、『お行儀がよいのかな』と思っていた私の予想をはるかに超えるものでした。
 『二条中学校は生徒が落ち着いていて勉強もよくできる』他からは単にそのように思われているのかもしれません。しかし、中に入って4カ月を共に過ごしてみて、それだけではないことに気づきました。生徒と教職員との間の強い信頼関係です。生徒は教職員に対して尊敬の念を持ちつつも親しみを感じています。それは決して「冷たい尊敬の念」ではなく、「友達のような親しみ」でもありません。この関係が二条中学校の誇りであり、教職員の側の「二条魂」だと思っています。
 また最近では、保護者との間にも同じようなものが感じられます。今後益々それらを強くしていきたいと思っています。
体育大会の開会式でも述べましたが、私は今、二条中学校の校長であることに誇りを感じています。同時に、生徒たちと教職員、保護者や地域の皆様を大切にしたいという思いを改めて強くしています。夏休みを迎える今、このように思えることが本当に嬉しいです。皆さん、明日からの夏休みも一生の思い出に残るものにして下さい。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「徳と体」
 夏季大会での各部の試合日程を手帳に書き込みながら既にワクワクしています。今回、みんなはどんな戦い方をするのでしょう。たとえどこかで負けようが、悔いの残らない試合をしてほしいと思います。
「負けて、悔いの残らない試合なんてあるの?」そんな声が聞こえてきそうです。あります。私は自分の試合で2回、指導者として1回経験しています。後の方は夏休み前の全校集会で紹介するつもりなので楽しみにしていてください。
 中学生にとって部活動は大変重要であると考えています。実は、学校の先生が休日返上で熱心に指導するというやり方は外国ではほとんどありません。外国では、学校の先生は学習を中心に生徒を育て、スポーツ等で心身を鍛えるのは地域のクラブチームが担う場合がほとんどです。これは、日本の学校が発足当時から地域の子どもの発育発達について、全面的に信頼され任されてきた結果です。子どもの栄養状態を向上させるために給食が導入され、家族旅行などほとんど行けなかった時代に修学旅行が計画されたのもこの流れの中にあります。日本では、生徒のことをその背景まで十分に理解している教師が部活動の指導をすることに意味があると考えられてきました。今、部活動の指導が勤務時間としてカウントされるので、教師の超過勤務時間が膨大になって社会問題になりつつあります。しかし、私はこれまでの日本の考え方に賛成です。(もちろん、教師が健康を損なうことのないよう十分な配慮をする必要はあります)
 部活動の目的は、「人間性を磨く」ことであって勝つことではありません。
 この目的に向かうために「優勝する」とか「ベスト8に入ろう!」という目標を掲げるのです。というのも、こういう具体的な目標がなければ人間性を磨くことが難しいからです。“礼儀”や“態度”、“言葉づかい”が大事。コートやグランド、道具を大切にせよ。しんどいことから逃げるな。努力を怠るな。常に全力でプレーせよ。声出せ、元気出せ、勇気もて。簡単に諦めるな。健康に留意せよ。仲間のことを思え。感謝の気持ちを忘れるな。「こうしたことができないと、試合で勝つことはできないぞ!」これまで何度も顧問の先生から聞かされてきていると思います。試合に勝つという目標のために実践するこうした行動が「人間性を磨く」という目的へと通じるのです。
 本校の生徒は総じて勉強がよくできますが、部活動もよく頑張ります。これは本当に素晴らしいことです。勉強で頭を鍛え、部活動(行事や道徳学習なども)を通じて心と体を鍛えています。文武両道、まさに「知・徳・体」の陶冶、学校のあるべき姿を体現している学校だといっても過言ではないと自負しています。
 明日からの3連休、3年生にとっては最後の試合になるかもしれません。これまでやってきたことを信じて思いっきり戦ってください。その過程でまた一つ成長できるはずです。保護者や地域の皆様と共にその姿をしっかり見届けたいと思います。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「一つ上のステージへ」
 今週になって、朝から蝉が鳴き始めています。空梅雨も解消し木々も十分に潤い満足そうです。そろそろ梅雨が明けて本格的な夏がやってきそうです。ただ、九州では大雨の影響で大きな被害まで出ました。一日も早い町や村の復興と行方不明者の発見を願うばかりです。
 さて二条中学校では、「夏テスト」が終了し、子どもたちは伸び伸びと授業や部活動に精を出しています。夏季大会がもう目前に迫っていますので、特に3年生には悔いのない部活動をしてほしいところです。
 去る2日(日)、本校の吹奏楽部が「少年を明るく育てる京都大会」という京都府の少年補導の大会で演奏させて頂く機会を得ました。島津アリーナ(旧府立体育館)での演奏です。小学校やNPO法人、他の中学校の発表に続いて何とトリを務めました。
 4月に初めて吹奏楽部と出会いました。『明るく元気で礼儀正しい子たちだな』というのが第一印象です。一方、演奏に関しては、これまで赴任してきた学校に比べると『これからやな…』と感じました。(ごめんね。正直な感想です)しかし、2日の演奏を聴いて今感じるのは『ホント、うまなったなあ!』です。1年生がたくさん入部し勢いがあります。土曜日・日曜日も練習しています。昨年赴任した熱心な先生と巡り合って気持ちの切り替わった部員が3年生になりました。どの部活動でもそうですが、先に厳しさを学びます。上達するにつれて楽しさが増してくるものです。上達している実感があるから練習に身が入る。仲間に対する注文の内容もアップする。だから更に上達する。上手く転がり出すと、ドンドンよい循環が生まれます。落着いた堂々とした態度、自信をもった大きなハリのある音、全員の音が一つになった演奏、素晴らしかったです。
 『校長先生、いい音を出していましたね。』旧知の吹奏楽部の顧問の先生からそう言ってもらえて、この子たちの校長として誇らしく感じました。
 大舞台を経験して子どもたちは成長していきます。常にベスト4に入るチームは、8本取り(勝ったらベスト8)の試合で緊張することはありません。
 今週末から、本格的に夏季大会が始まります。3年生にとっては、「負けたら引退」の最後の大会です。少しでも長く現役を続けてほしいと願っています。
「あんな澤田、練習して上手になったから勝てるちゅうもんやない。勝つことによって強くなるんや、そやさかい、勝負は何としても勝たなアカンのや!」
 亡くなった大先輩から学生時代に聞いた言葉です。教師になって以来、子どもたちにそのことを伝えてきました。併せて勝つためのアドバイスとして言ってきたのが“ここぞ!というときの強気”です。
 生徒のみなさん、“強気”で攻めて、次々と上のステージで活躍してほしいと願っています。君たちのその姿を応援し、心身の成長を見守りたいと思います。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「更なる成長を!」
○途中から目が潤んでしまいました。校長先生が仰っていた様に確かに心が揺さぶられたと感じました。校長先生ご自身のお話を通じて保護者の皆さんも心が柔らかくなり、いろんなエピソード話から更に…という風に心が耕されたと思います。…後略…
○初めは少し緊張しましたが、いろんな方の家族とのエピソードを聞いて笑ったり心にジーンと来たり、じわじわと感動しました。…後略…
○心が温まる授業をありがとうございました。なぜ道徳の授業をするのかと仰っていて、雰囲気が大事だと仰っていましたが、家庭でも温かい雰囲気になるように心を耕したいと思いました。
○色々なお話を聞かせてもらい、心が動かされました。今一番思うことは、もちろん、私の家族は大切です。けど、何より早く家へ帰り、娘を抱きしめたい気持ちで一杯です。ありがとうございました。 
 火曜日の「PTA家庭教育講座」の感想から幾つかを拾いました。
 今回の講師を依頼された時、本校では今年度、道徳教育に重点を置いていることもあって、保護者の方を対象にした道徳の授業を行うことにしました。これは10年程前から行っている実践で、自然と保護者参加型になるのでとても有効だと感じています。また、講師の話だけを一方的に聴くのではなく、参加者の意見や考え、経験などが次々と聴けるので退屈することもありません。
 本校生徒は素直な子が多いです。真面目で親や教師、地域の人から言われたことに逆らうことは殆どありません。もちろん大人の側も彼らに無理を言うこともしません。既に十分な信頼関係があって反抗する理由も必要もないのだと思います。でも、“いつも大人に一方的に従う従順な子ども”ではこの先の人生に不安もあります。正しいことを見抜く目をもち、確かな価値観と判断力をもって、理不尽なことや不利益を被る内容に対しては、堂々と抗議できる力が必要です。また、広く深く人の意見を聴いたうえで自分の考えを述べる力も必要です。素直で純粋な本校の生徒にこれらの力がつけられたら、まさに“鬼に金棒”です。
 今日の午後は「生徒総会」が予定されています。子どもたちが社会に目を向け、自分たちの生活をより充実していくために、意見を述べたり要求活動を行う場面です。
 子どもを支える保護者や地域の方の力が強いことから、本校には大人しくてしっかりと学習に向き合える生徒が多いです。道徳やこれらの行事を通じて、彼らの心が耕され、感性に磨きがかけられ、人前でも堂々と自らの意見を言える生徒へと成長してくれることを願っています。保護者道徳から「目指す子ども像」を書きました。
“賢く、心豊かで逞しい子”十分に実現可能な目標だと思っています。

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「見極め」
 二条中学校では、この時期の定期テストを「夏テスト」と呼んでいます。以前の学校では「第2回定期テスト」とか「第2回総括考査」と言っていました。学校が2期制になってこの呼び方が学校ごとに変わりました。因みに私が中学生の頃は、「1学期の期末テスト」でした(笑)。
 ところで、このテストの時期はかつてと比べると早くなりました。私が教師になって暫くはまだ7月に入ってからでした。当時の方が生徒数も多く答案の採点には時間がかかったと思います。初めて赴任した学校では1学年を全部受けもっていたので約200人分の採点とノート点検、宿題や学習態度などの評価をしました。
 評価に時間をかけるようになったのは、評価の在り方が大きくかわったからです。具体的に言うと、「集団に準拠した評価、いわゆる“相対評価”」から「目標に準拠した評価、いわゆる“絶対評価”」に替わりました。前者では評定である「5・4・3・2・1」の各割合が決められていて、定期テストの点数はこれに大きな影響力を持っていました。後者に替わったことで、より多くの観点で評価するようになり、評価に時間を要するようになりました。もちろん、生徒の力をより詳しく評価しそれを伸ばすためにはこちらの方がよいのは言わずもがなのことです。
 この改革は、前々回の学習指導要領の改定の時ですから、もう20年も前のことです。当時は教務主任でしたので、これらの内容を教職員に伝え、通知表を新しくしたり懇談会用の資料を作りかえるなど、忙しくもやり甲斐のある思いをしたものです。
 昔のことをあれやこれやと語り出すと「年をとったなあ」と自分でも思います。でもこの際、思い出話にもう少し付き合ってもらいましょう。
 当時は生徒指導上の問題行動が多発する学校に勤務していました。まだまだ教職員の指導が上手くいかないこともありましたし、対応のまずさから保護者の方にお叱りを受ける場面もありました。いつの間にか年をとり、後輩を育てる立場になった頃、若い教師が生徒や保護者と上手くいかないとき、関係の修復・改善のため間に入ることが増えました。生徒も保護者の方も、よく知った教師を信頼してくれます。だから経験豊富な教員が間に入ると上手く収まります。しかし、やがて、これでは若手教員が育たないことが分かってきました。
『彼らにしんどい思いをさせたくない』『生徒や保護者に迷惑をかけられない』という気持ちで間に入るのですが、結果的には若手教員の力量が伸びる機会を摘んでしまっていたということを大いに反省しました。
 学校の責任者として、今も時々同じようなことを思います。口を出すべきか否か。どの程度まで意見をし行動を起こすのか。ケース・バイ・ケースだとは思います。生徒や保護者の方の満足度を高め、教職員の力量を伸ばすためにこの見極めは重要だと思って取り組んでいます。

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「育てるのは…熱い思い」
 勝負は勝ちと負けがある。どこかが勝ってどこかが負ける。だから勝負はおもしろい。みんな、やっぱり勝ちたい。だから本気になる。本気になればなるほどやっぱり負けたら悔しいし、その分涙もながれてしまう。本気でやることができなかったら、悔しい気持ちや涙を流すことも知らない。…一人ひとり、ほめてあげたいことや話したいことはたくさんあります。全員分、書ききれませんが、本当にみんなありがとう。1組のみんなに圧倒され、おどろかされ、感心させられ、感動させてもらった体育大会体でした。(「ひだまり」より)
 中学の体育大会はどうでしたか。率直に聴いてみたいな。小学校とはまた違ったでしょ。先輩たちの迫力はすごかったよね。君たちも2年後にはあんなふうになるのです。…略…「みんな、ごめんな、私のせいで…」って涙。・・そんなこと誰も思わなくていい。がんばっていない人はいなかった。そうでしょ。中学の体育大会、楽しいでしょ。これをみんなに味わってほしかった。体育大会は終わりましたが、君たちの中学生活はこれからどんどん続きます。…(「青葉」より)
 体育大会の翌朝に配られていた学級通信からの抜粋です。行事を終えてクタクタだろうに…。2つ目を書いた先生はママさんだから、子どもを寝かしつけた後に作成したのかもしれません。今日の思いが熱いその日のうちに綴りたかったのでしょう。
 アクティブ・ラーニング、ペアワーク、グループ学習、プレゼンテーションなど、コミュニケーション能力を育成し学力を向上させられるということで、授業形式の工夫が言われて久しいです。本校でも、若手の教師はこうした授業を積極的に実践しています。一方、「私はそういうのは苦手で…」と、昔ながらの「チョーク&トーク」の授業をしているベテラン教師がいます。2か月間観てきて、「なんと迫力のある授業か!」と感じています。この先生は、目標を持って授業に臨みます。生徒のいい加減な態度を断じて許しません。大事なところでは全員の顔を向けさせます。一切の妥協を許さない厳しい授業は、生徒や保護者からの信頼も得ています。若手教員には一度はこの授業を観に行くように薦めています。あの授業が出来なければ、グループ学習をさせても遊ばせるだけ。小手先の技術では生徒に届く授業はできないからです。
 『この時間にこれを伝えたい』『これができるようにさせたい』『この教材を彼らと共有したい』子どもの心に届き、生徒を育てるのはそんな教師の熱い思いです。
 老若男女、本校には様々な教職員が居ます。ここしばらく、それぞれが各々の立場で熱い思いをもって生徒の指導に当たっている場面を多く見てきました。
 そのことが嬉しく、“チーム二条”を率いる校長としての自覚と責任感を高められてもいます。熱い思いが第一です。そして、その発揮の仕方は違っていてよいのです。

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8/16 学校閉鎖日
8/17 学校閉鎖日
8/18 学校閉鎖日
8/22 京都市中学生生徒会議
京都市立二条中学校
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