京都市立学校・幼稚園
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「徳と体」
 夏季大会での各部の試合日程を手帳に書き込みながら既にワクワクしています。今回、みんなはどんな戦い方をするのでしょう。たとえどこかで負けようが、悔いの残らない試合をしてほしいと思います。
「負けて、悔いの残らない試合なんてあるの?」そんな声が聞こえてきそうです。あります。私は自分の試合で2回、指導者として1回経験しています。後の方は夏休み前の全校集会で紹介するつもりなので楽しみにしていてください。
 中学生にとって部活動は大変重要であると考えています。実は、学校の先生が休日返上で熱心に指導するというやり方は外国ではほとんどありません。外国では、学校の先生は学習を中心に生徒を育て、スポーツ等で心身を鍛えるのは地域のクラブチームが担う場合がほとんどです。これは、日本の学校が発足当時から地域の子どもの発育発達について、全面的に信頼され任されてきた結果です。子どもの栄養状態を向上させるために給食が導入され、家族旅行などほとんど行けなかった時代に修学旅行が計画されたのもこの流れの中にあります。日本では、生徒のことをその背景まで十分に理解している教師が部活動の指導をすることに意味があると考えられてきました。今、部活動の指導が勤務時間としてカウントされるので、教師の超過勤務時間が膨大になって社会問題になりつつあります。しかし、私はこれまでの日本の考え方に賛成です。(もちろん、教師が健康を損なうことのないよう十分な配慮をする必要はあります)
 部活動の目的は、「人間性を磨く」ことであって勝つことではありません。
 この目的に向かうために「優勝する」とか「ベスト8に入ろう!」という目標を掲げるのです。というのも、こういう具体的な目標がなければ人間性を磨くことが難しいからです。“礼儀”や“態度”、“言葉づかい”が大事。コートやグランド、道具を大切にせよ。しんどいことから逃げるな。努力を怠るな。常に全力でプレーせよ。声出せ、元気出せ、勇気もて。簡単に諦めるな。健康に留意せよ。仲間のことを思え。感謝の気持ちを忘れるな。「こうしたことができないと、試合で勝つことはできないぞ!」これまで何度も顧問の先生から聞かされてきていると思います。試合に勝つという目標のために実践するこうした行動が「人間性を磨く」という目的へと通じるのです。
 本校の生徒は総じて勉強がよくできますが、部活動もよく頑張ります。これは本当に素晴らしいことです。勉強で頭を鍛え、部活動(行事や道徳学習なども)を通じて心と体を鍛えています。文武両道、まさに「知・徳・体」の陶冶、学校のあるべき姿を体現している学校だといっても過言ではないと自負しています。
 明日からの3連休、3年生にとっては最後の試合になるかもしれません。これまでやってきたことを信じて思いっきり戦ってください。その過程でまた一つ成長できるはずです。保護者や地域の皆様と共にその姿をしっかり見届けたいと思います。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「一つ上のステージへ」
 今週になって、朝から蝉が鳴き始めています。空梅雨も解消し木々も十分に潤い満足そうです。そろそろ梅雨が明けて本格的な夏がやってきそうです。ただ、九州では大雨の影響で大きな被害まで出ました。一日も早い町や村の復興と行方不明者の発見を願うばかりです。
 さて二条中学校では、「夏テスト」が終了し、子どもたちは伸び伸びと授業や部活動に精を出しています。夏季大会がもう目前に迫っていますので、特に3年生には悔いのない部活動をしてほしいところです。
 去る2日(日)、本校の吹奏楽部が「少年を明るく育てる京都大会」という京都府の少年補導の大会で演奏させて頂く機会を得ました。島津アリーナ(旧府立体育館)での演奏です。小学校やNPO法人、他の中学校の発表に続いて何とトリを務めました。
 4月に初めて吹奏楽部と出会いました。『明るく元気で礼儀正しい子たちだな』というのが第一印象です。一方、演奏に関しては、これまで赴任してきた学校に比べると『これからやな…』と感じました。(ごめんね。正直な感想です)しかし、2日の演奏を聴いて今感じるのは『ホント、うまなったなあ!』です。1年生がたくさん入部し勢いがあります。土曜日・日曜日も練習しています。昨年赴任した熱心な先生と巡り合って気持ちの切り替わった部員が3年生になりました。どの部活動でもそうですが、先に厳しさを学びます。上達するにつれて楽しさが増してくるものです。上達している実感があるから練習に身が入る。仲間に対する注文の内容もアップする。だから更に上達する。上手く転がり出すと、ドンドンよい循環が生まれます。落着いた堂々とした態度、自信をもった大きなハリのある音、全員の音が一つになった演奏、素晴らしかったです。
 『校長先生、いい音を出していましたね。』旧知の吹奏楽部の顧問の先生からそう言ってもらえて、この子たちの校長として誇らしく感じました。
 大舞台を経験して子どもたちは成長していきます。常にベスト4に入るチームは、8本取り(勝ったらベスト8)の試合で緊張することはありません。
 今週末から、本格的に夏季大会が始まります。3年生にとっては、「負けたら引退」の最後の大会です。少しでも長く現役を続けてほしいと願っています。
「あんな澤田、練習して上手になったから勝てるちゅうもんやない。勝つことによって強くなるんや、そやさかい、勝負は何としても勝たなアカンのや!」
 亡くなった大先輩から学生時代に聞いた言葉です。教師になって以来、子どもたちにそのことを伝えてきました。併せて勝つためのアドバイスとして言ってきたのが“ここぞ!というときの強気”です。
 生徒のみなさん、“強気”で攻めて、次々と上のステージで活躍してほしいと願っています。君たちのその姿を応援し、心身の成長を見守りたいと思います。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「更なる成長を!」
○途中から目が潤んでしまいました。校長先生が仰っていた様に確かに心が揺さぶられたと感じました。校長先生ご自身のお話を通じて保護者の皆さんも心が柔らかくなり、いろんなエピソード話から更に…という風に心が耕されたと思います。…後略…
○初めは少し緊張しましたが、いろんな方の家族とのエピソードを聞いて笑ったり心にジーンと来たり、じわじわと感動しました。…後略…
○心が温まる授業をありがとうございました。なぜ道徳の授業をするのかと仰っていて、雰囲気が大事だと仰っていましたが、家庭でも温かい雰囲気になるように心を耕したいと思いました。
○色々なお話を聞かせてもらい、心が動かされました。今一番思うことは、もちろん、私の家族は大切です。けど、何より早く家へ帰り、娘を抱きしめたい気持ちで一杯です。ありがとうございました。 
 火曜日の「PTA家庭教育講座」の感想から幾つかを拾いました。
 今回の講師を依頼された時、本校では今年度、道徳教育に重点を置いていることもあって、保護者の方を対象にした道徳の授業を行うことにしました。これは10年程前から行っている実践で、自然と保護者参加型になるのでとても有効だと感じています。また、講師の話だけを一方的に聴くのではなく、参加者の意見や考え、経験などが次々と聴けるので退屈することもありません。
 本校生徒は素直な子が多いです。真面目で親や教師、地域の人から言われたことに逆らうことは殆どありません。もちろん大人の側も彼らに無理を言うこともしません。既に十分な信頼関係があって反抗する理由も必要もないのだと思います。でも、“いつも大人に一方的に従う従順な子ども”ではこの先の人生に不安もあります。正しいことを見抜く目をもち、確かな価値観と判断力をもって、理不尽なことや不利益を被る内容に対しては、堂々と抗議できる力が必要です。また、広く深く人の意見を聴いたうえで自分の考えを述べる力も必要です。素直で純粋な本校の生徒にこれらの力がつけられたら、まさに“鬼に金棒”です。
 今日の午後は「生徒総会」が予定されています。子どもたちが社会に目を向け、自分たちの生活をより充実していくために、意見を述べたり要求活動を行う場面です。
 子どもを支える保護者や地域の方の力が強いことから、本校には大人しくてしっかりと学習に向き合える生徒が多いです。道徳やこれらの行事を通じて、彼らの心が耕され、感性に磨きがかけられ、人前でも堂々と自らの意見を言える生徒へと成長してくれることを願っています。保護者道徳から「目指す子ども像」を書きました。
“賢く、心豊かで逞しい子”十分に実現可能な目標だと思っています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the Top〜

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「見極め」
 二条中学校では、この時期の定期テストを「夏テスト」と呼んでいます。以前の学校では「第2回定期テスト」とか「第2回総括考査」と言っていました。学校が2期制になってこの呼び方が学校ごとに変わりました。因みに私が中学生の頃は、「1学期の期末テスト」でした(笑)。
 ところで、このテストの時期はかつてと比べると早くなりました。私が教師になって暫くはまだ7月に入ってからでした。当時の方が生徒数も多く答案の採点には時間がかかったと思います。初めて赴任した学校では1学年を全部受けもっていたので約200人分の採点とノート点検、宿題や学習態度などの評価をしました。
 評価に時間をかけるようになったのは、評価の在り方が大きくかわったからです。具体的に言うと、「集団に準拠した評価、いわゆる“相対評価”」から「目標に準拠した評価、いわゆる“絶対評価”」に替わりました。前者では評定である「5・4・3・2・1」の各割合が決められていて、定期テストの点数はこれに大きな影響力を持っていました。後者に替わったことで、より多くの観点で評価するようになり、評価に時間を要するようになりました。もちろん、生徒の力をより詳しく評価しそれを伸ばすためにはこちらの方がよいのは言わずもがなのことです。
 この改革は、前々回の学習指導要領の改定の時ですから、もう20年も前のことです。当時は教務主任でしたので、これらの内容を教職員に伝え、通知表を新しくしたり懇談会用の資料を作りかえるなど、忙しくもやり甲斐のある思いをしたものです。
 昔のことをあれやこれやと語り出すと「年をとったなあ」と自分でも思います。でもこの際、思い出話にもう少し付き合ってもらいましょう。
 当時は生徒指導上の問題行動が多発する学校に勤務していました。まだまだ教職員の指導が上手くいかないこともありましたし、対応のまずさから保護者の方にお叱りを受ける場面もありました。いつの間にか年をとり、後輩を育てる立場になった頃、若い教師が生徒や保護者と上手くいかないとき、関係の修復・改善のため間に入ることが増えました。生徒も保護者の方も、よく知った教師を信頼してくれます。だから経験豊富な教員が間に入ると上手く収まります。しかし、やがて、これでは若手教員が育たないことが分かってきました。
『彼らにしんどい思いをさせたくない』『生徒や保護者に迷惑をかけられない』という気持ちで間に入るのですが、結果的には若手教員の力量が伸びる機会を摘んでしまっていたということを大いに反省しました。
 学校の責任者として、今も時々同じようなことを思います。口を出すべきか否か。どの程度まで意見をし行動を起こすのか。ケース・バイ・ケースだとは思います。生徒や保護者の方の満足度を高め、教職員の力量を伸ばすためにこの見極めは重要だと思って取り組んでいます。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「育てるのは…熱い思い」
 勝負は勝ちと負けがある。どこかが勝ってどこかが負ける。だから勝負はおもしろい。みんな、やっぱり勝ちたい。だから本気になる。本気になればなるほどやっぱり負けたら悔しいし、その分涙もながれてしまう。本気でやることができなかったら、悔しい気持ちや涙を流すことも知らない。…一人ひとり、ほめてあげたいことや話したいことはたくさんあります。全員分、書ききれませんが、本当にみんなありがとう。1組のみんなに圧倒され、おどろかされ、感心させられ、感動させてもらった体育大会体でした。(「ひだまり」より)
 中学の体育大会はどうでしたか。率直に聴いてみたいな。小学校とはまた違ったでしょ。先輩たちの迫力はすごかったよね。君たちも2年後にはあんなふうになるのです。…略…「みんな、ごめんな、私のせいで…」って涙。・・そんなこと誰も思わなくていい。がんばっていない人はいなかった。そうでしょ。中学の体育大会、楽しいでしょ。これをみんなに味わってほしかった。体育大会は終わりましたが、君たちの中学生活はこれからどんどん続きます。…(「青葉」より)
 体育大会の翌朝に配られていた学級通信からの抜粋です。行事を終えてクタクタだろうに…。2つ目を書いた先生はママさんだから、子どもを寝かしつけた後に作成したのかもしれません。今日の思いが熱いその日のうちに綴りたかったのでしょう。
 アクティブ・ラーニング、ペアワーク、グループ学習、プレゼンテーションなど、コミュニケーション能力を育成し学力を向上させられるということで、授業形式の工夫が言われて久しいです。本校でも、若手の教師はこうした授業を積極的に実践しています。一方、「私はそういうのは苦手で…」と、昔ながらの「チョーク&トーク」の授業をしているベテラン教師がいます。2か月間観てきて、「なんと迫力のある授業か!」と感じています。この先生は、目標を持って授業に臨みます。生徒のいい加減な態度を断じて許しません。大事なところでは全員の顔を向けさせます。一切の妥協を許さない厳しい授業は、生徒や保護者からの信頼も得ています。若手教員には一度はこの授業を観に行くように薦めています。あの授業が出来なければ、グループ学習をさせても遊ばせるだけ。小手先の技術では生徒に届く授業はできないからです。
 『この時間にこれを伝えたい』『これができるようにさせたい』『この教材を彼らと共有したい』子どもの心に届き、生徒を育てるのはそんな教師の熱い思いです。
 老若男女、本校には様々な教職員が居ます。ここしばらく、それぞれが各々の立場で熱い思いをもって生徒の指導に当たっている場面を多く見てきました。
 そのことが嬉しく、“チーム二条”を率いる校長としての自覚と責任感を高められてもいます。熱い思いが第一です。そして、その発揮の仕方は違っていてよいのです。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「最高の体育大会」
“気持ちの良い”体育大会でした。この表現が最も適切だと思います。子どもたちが、盛り上がり、楽しみ、泣き、笑い、悔しがったり喜んだり…。ケジメがあるというか節度をわきまえているというか、集団行動をとるべき場面ではキチッとそれができました。
 前日からの雨が明け方まで残りました。朝5時過ぎに檸檬の散歩をしているとき、心配していた雨が降ってきました。思わず彼女を抱きかかえて家へと急いだくらいです。
『いっそのこと明日にした方がよいのでは…』そんな思いで6時40分、学校へ着きました。何と、グランドにほとんど水たまりがありません。驚異的な水はけに驚きました。でも、もっと驚くことがこの後起こります。7時前には次々と教職員がやってきてはグランドの水をとり始めました。あっという間に水たまりがなくなります。気が付くと、土を運んでいる集団があります。修学旅行で感じた教職員の団結力と臨機応変さをこの時もまた感じました。
 7時10分頃になると、生徒が登校しだしてきました。先生方と連携してグランドの整備とテント張りや椅子運びに動き出します。大きな声で指示を出すものは居ません。みんな、静々としかもテキパキと動いています。7時30分にはグランドが生徒で一杯になりました。この様子を端で観ている私は、単純に感動を覚えました。
『これだけでもう十分!』始まってもいない体育大会に満足しました。
 部活対抗リレーは特に面白かったです。これには教職員チームも参加します。文化系部活と一緒に女子教員チーム、女子体育系部活と一緒に男性教員チーム(PTA会長も飛び入り参加です)が走ります。男子体育系部活は本気(マジ)の大いくさです。グランドのあちこちに妙な高揚感が漂っています。生徒も教師もアップを始めたりもしています。子どもたちに負けじと円陣を組んで声も掛けました。保護者の方もこの本気と冗談が交じり合ったような独特の雰囲気を楽しんでおられます。
 レースが始まりました。私はアンカーです。バトンをもらった時、すぐ前にバレー部の子が居ました。『抜いたる!!』そう思って思いっきり駆け出しました。正直に言うと『抜ける』と思っていました。でも、彼女も本気で逃げたようです。速かった〜っ!そして、56歳の身体はイメージしているような走りをしてくれなかったようです。ちょっと届きませんでした。負けたけれどもメッチャ楽しかったです。観ていた人にも楽しんでもらえたと思います(笑)
 今朝から何枚かの学級通信を読んでいます。体育大会の1日を振り返る担任の子どもたちへの熱い思いと、文面から伝わってくる子どもたちの数々の姿に知らず知らず涙がこぼれました。最高の子どもたちと最高の教職員のお蔭で最高の体育大会ができました。
 保護者や地域の皆様方にそんな様子を観て頂けたことも良かったです。

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「子どもの姿は大人がつくる」
 久々の雨になりました。昨日までは、空気がカラッカラの暑い毎日が続きました。新緑の草木が喜んでいる声が聞こえてきそうです。天気予報によれば、もうすぐそこまで梅雨が来ているようで、バイク通勤の者にとってはつらい時期を迎えることになります。
 さて、明日は「体育大会」です。先月から体育の時間を中心に練習を重ねてきたダンスや団体競技を披露し、走ることを大いに楽しむときです。30年以上教職を務めてきて、この時期に「体育大会」を行うのは初めてです。秋に行事が集中するのを避けてのことでしょうが、初めは『間に合うのだろうか!?』と心配しました。特に、今年度は修学旅行との間隔が短く、学校の中心となる3年生が大変だなあと気になっていたところです。
 しかしながら、生徒も教職員も、実によくやってくれました。5日の月曜日に予行演習(?)を行いましたが、実にスムーズに進行しました。とりわけ、開・閉会式は、前に立つ役員もその他の全生徒も、その態度は見事でした。全校生徒のすべてから『自分たちの「体育大会」を良いものにしよう』という意気込みがヒシヒシと伝わってきます。予行の場面では、往々にして先生に注意されたり叱られたりするものですが、そんな場面は一切ありませんでした。
 学年競技と団体競技は実際に行われましたが、どれにも精一杯取り組みます。一生懸命に取り組むことが当たり前になっているのです。そして、そのことが楽しいということを十分に解っているのでしょう。こうした習慣、(いえ、既に文化と言ってもよいでしょう)文化は中学校だけで作られるものではありません。小学校や、それ以前の保育所や幼稚園時代から徐々に形作られてきたのだと思います。更に、家庭や地域で育つなかで自然に身についてきたに違いありません。「子どもは地域の宝」という言葉があります。こうして育った子どもたちが、いずれはこの地域を支えていくことになることを思えば、まさに本校生徒はこの地域の宝です。
 考え方や価値観、言葉遣いや行動などは、1回や2回言って聞かせたからといって出来上がるものではありません。その地域独特のそれら(それが地域の文化です)はいわば空気の中にあって、子どもたちが息を吸うごとに、もっと言えば自然に全身の毛穴から吸収されていくのだと思います。
 だからこそ、私たち大人は良い空気を作らなければなりません。学校では教師の役割が重要です。先生の言葉遣いや行動、身だしなみや意気込み、考え方や生き方なども空気を通じて子どもたちへ浸透します。また、家族や地域の人たちの影響力は教師の何倍もの力があるでしょう。
 体育大会の話題が地域の文化の話になりました。明日の体育大会での子どもたちの様子は、この学校や地域の姿そのものです。大いに楽しみにしています。

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「心地よい疲れと」
 多くの生徒が上着を脱いで授業を受けるようになりました。いつの間にか教室の風景が白色に染まり爽やかな印象を受けます。学校内外も鮮やかな新緑に包まれて、校舎と二条城が一層引き立てられています。
 さて、3年の修学旅行が、たいへん気持ちの良い素晴らしい内容で終了しました。そして3日後には日曜参観がありました。私はこれまでから、年に3回「道徳の授業」をさせてもらっています。今回、本校の日曜参観でも3年生を対象に実施しました。教師ですから、授業は出来て当たり前です。しかし、教頭になって以来何年もやっていないとやはり緊張します。前夜は布団に入ってからもなかなか寝付けませんでした。『あの場面ではどう展開しようか?』『生徒はちゃんと発言してくれるだろうか?』『準備物はすべて整えられているか』考え出したら、次から次へと心配ごとが増えて益々頭が冴えわたります。結局、布団に入ってから1時間くらいそんな風に考え事をしていました。朝も同じです。いつもより1時間近く早く目が覚め、それからは考え事の連続です。もう眠ることは諦めました。
 始まってみると、先生方のサポートもあってとてもスムーズに流れました。生徒の発言によってドンドン体育館の温度が上がっていきます。最後は、次々と手が上がって仲間へメッセージを伝えあいました。
○毎日笑顔が絶えない学年。最後に「このクラスでよかった」って思えるように頑張っていきましょう  ○2組のみんな、テンションあげていこうぜ! ○仲の悪い人が誰も居なくて…  ○みんな大好き!  ○1秒1秒秒を大切にします ○頼りない生徒会長やけど、「二条中でよかった」って思ってもらえるように頑張るし、力を貸してください ○その瞬間を楽しんで、悔いのない3年間を送ろう  ○一人で居るんやろうって思ってたけど仲良くなれた友達もいるし、この先も仲良く  ○春(の大会で)負けたから夏にリベンジできるよう、今までのスタイルで頑張っていこう。  ○野球部のみんな、最後の夏、全力で燃え尽きましょう。  ○この学年で出会えて良かったと思える、誰一人暗くならず明るい表情で過ごせたらいいと思います。  ○あと10か月、明るく楽しく二条中を盛り上げよう
 これまで、教師を目指す若者や若い先生たちになんども言ってきたフレーズがあります。今年度は始業式で2・3年生にも伝えました。
「よい学びは、一生懸命に伝えようとする授業者と、一生懸命に学ぼうとする学習者の間に生まれる。どちらか一方でもいい加減では、それは決して生まれない。」
 生徒たちも3年の先生方も、精一杯に今回の道徳の時間を有意義な時間にしようとしてくれました。お蔭で、授業者の私には、心地よい疲れと共に充実感が残りました。1・2年生も含めてみんな、ホントに素晴らしい! 今後の成長が益々楽しみです。

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「自慢の生徒」
 楽しく有意義な修学旅行が終わりました。何よりも、在籍生徒全員で行って帰って来られたことが嬉しいです。今年度の全市の学校でも珍しいのではないかと思います。一人くらいは体調の悪い生徒が出たり、普段から学校に来にくい生徒が欠席したりします。事前の働きかけがあったのは当然のことです。生徒や教師が様々に働きかけ、しんどい雰囲気を払しょくして当日を迎えました。行ってみると、普段欠席がちなことが嘘のように楽しんでいるかのように見えます。でも、その子の中ではすごく頑張っているのです。周りの子たちも、ちゃんとそのことを察しています。気には掛けつつも必要以上の働きかけはしません。みんな、人間関係については大人顔負けです。大したものです。
 今回の旅行で、強く印象に残った場面を3つ紹介します。
 まずは、1日目の干潟体験・ガタリンピックのときです。制服から泥んこになってもよい服装に着替えて出てきました。これから始まる興奮で、集合の場面もワイワイ・ガヤガヤしていました。全体指揮の先生の声に交じって難聴学級の担任の先生が声を出します。「5組の子たちが補聴器を外しているので、周りの子たちが先生の指示を伝えてあげてね!」一瞬で静かになりました。
 次は平和祈念セレモニーと被爆体験講話を聴いた場面です。
 セレモニーでは、一糸乱れぬ整列状況の下、代表生徒のハリのある声で二条中3年生の平和宣言が語られました。そして、下平作江(しもひらさくえ)さんの講演です。生徒たちはピンと背筋を伸ばし、耳だけでなく目と心でも聴くことができました。聴きながら何度も頷く生徒が居たことが忘れられません。下平さんに頂いた名刺の裏に次のようなコメントがあります。「1945年8月9日、10歳の私は爆心地より800mの防空壕で被爆しました。自宅付近にいた母と姉は黒こげになり、長崎医科大学で被爆した兄は3日後に黄色い汚物を吐きながら死にました。私は髪が抜け歯ぐきから出血、体には斑点ができて苦しみました。二度とこのような同じ苦しみを与えてはなりません。」うちの生徒は、しっかりと下平さんの思いを受け止めました。
 3つ目は、お世話になった民家さんとのお別れの場面です。
 涙を流している女子がいます。涙をこらえながら「ありがとうございます!」と告げている男子が居ます。「元気でやんなさいよ!」オッチャンやおばちゃんの暖かい声が聞こえます。まるで田舎へ帰った孫を都会の家へと送り出す場面のようです。こういう体験が確実に生徒の心を育てます。
 これらの場面が特に印象に残った理由は、その他の場面では笑顔がはじけ、常に生徒がキラキラと輝いていたからです。“純粋な心”をもち、常に一生懸命でその瞬間を楽しむ生徒を一層好きになりました。離村式でも述べましたが、「自慢の生徒」です。

修学旅行86

 二条中学校に19時30分,無事に到着しました。

 3日間の全行程を,大きな収穫と共に,大成功で終えることができました。
 この修学旅行でクラスや学年の団結力も強くなり,二条中学校の最高学年としてさらに自覚を持ち,大きく飛躍してくれることと思います。
 この大成功は,保護者や地域のみなさま,添乗員さん,九州のみなさまをはじめ多くの方々のご支援のおかげと感謝しております。

 本当にありがとうございました。


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