京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/25
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4月25日(木)授業参観・懇談会<高学年・ひまわり学級>6年修学旅行説明会 4月26日(金)授業参観・懇談会<低学年>        

学校もオーケストラ

 太陽の光は益々輝きを増し,春らしいぬくもりを感じる今日この頃です。3月3日はひな祭り。その起源は平安時代に遡るといわれています。医学が発達していない時代,端午の節句と併せて「子どもたちが無事に成長しますように」という親の切なる願いが込められているとのことです。
 さて2月8日,北堀公園において全校マラソン大会を実施致しました。寒い時期に身体を鍛えること,そして長距離を最後まで走り切ることにより「頑張ることの大切さ」「成就感・達成感」を味わわせたいという願いをもって取り組みを始め,3年目となります。当日はPTA・保護者・見守る会の方々に,北堀公園までの往復路と走路の安全確保をお願いしたところ総勢80名の皆様のご協力を得ることができました。また2月10日は「ネットへの書き込み」により,急遽集団下校を決定しましたが,即座に90名近くのPTA・保護者・見守る会の方々に集まっていただきました。改めて「板橋力」を感じた瞬間でした。お陰で全ての班に数名ずつ大人が付き添うことができ,安全に集団下校をすることができました。
 これに先立つ2月3日,5年生は「音楽鑑賞」のため京都コンサートホールへ行きました。そして京都市交響楽団による「威風堂々」(作曲・エルガー)や,パイプオルガンによる「トッカータとフーガ」(作曲・バッハ)等の演奏を1時間余り鑑賞しました。流れるように,しかし的確に指示を出す指揮者とそれに応える演奏者たち…。本格的なオーケストラによる演奏会は初めての子が多く,美しい音色を心ゆくまで楽しみました。
 考えてみれば学校にも「指揮者」「コンサートマスター」「演奏者」等々,立場や役割の違う教職員がいます。そして「美しい音楽が奏でられますように」「子どもたちのために…」という願いを持った応援スタッフ(PTA・保護者・地域各種団体の皆様等)に囲まれています。そうして「演奏者」や「スタッフ」等が「課題」「情報」「結果」を共有しつつ,当初掲げた「こんな曲にしよう」という目標に限りなく近づけていく…そういう意味において「学校もオーケストラ」ということができるでしょう。
 この1年間,皆様方には様々な形でお世話になりました。そして学校が「〜したいと思いますが…」とご支援ご協力をお願いした際には,労苦を厭わず汗を流していただきました。皆様方の「奉仕」と「寛容」と「プラス思考」という「板橋スピリット」により「板橋教育」という曲を落ち着いた雰囲気の中で演奏でき,「学び舎」としての使命を果たすことができたこと本当に嬉しく思っています。
    明るい方へ  明るい方へ
    一分もひろく日の射すところへ
    都会(まち)に住む子等は    (金子みすず)
 3月23日は,78名の6年生が小学校を巣立っていきます。多くの思い出を胸にしながら,自分の持っている力を最大限に発揮し明るい未来に突き進んでくれることを心より願っています。本当にありがとうございました。

「ふるさとを守る」

 校庭の紅梅・白梅の蕾も少しずつ膨らみ始めました。寒い日が続きますが,そこはかとなく春の訪れを感じます。
   兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川
   夢は今もめぐりて 忘れがたきふるさと
 近年,子どもたちの人間性や社会性を育てるため,体験を重視した取組,そして地域の伝統文化を継承することにより郷土愛を育成し,ふるさとを支える人づくりを進めていくことが重要視されています。「ふるさとを捨てる学力から,ふるさとを守る学力を」という声さえ聞かれるようになりました。
 1月25日,6年生は御香宮・三木善則氏をお迎えし「伏見義民の話」を聞きました。20年近く続く取組です。今から約200年前の天明年間,伏見奉行・小堀政方の悪政に文殊九助他7人が立ち上がり小堀政方は追放,関わった多くの人は獄死しましたが,九助たちの尊い犠牲によって伏見の町に活気が戻った…というお話です。「伏見義民は自分のために生きるのではなく,正義と友情と愛を貫き,伏見の正義のために生きた人です。」というお話を,子どもたちは真剣に聞き入っていました。
 2月8日,伏見板橋学校運営協議会が発足してから満5年を迎えます。保護者・地域の皆様と共に「参加から参画へ」をキーワードに「学校教育のよりよい在り方」「豊かな教育環境の充実」を求めて始まった学校運営協議会の活動。この間「学校評価の充実」「学校支援の拡大」「読書活動推進」「基本的生活習慣の確立」等々,多くの成果をあげることができました。また「放課後学び教室」「子どもを見守る会」「土曜学習」などをスムーズに立ち上げ,運営することができたのも,学校運営協議会の組織基盤があったからこそです。学校運営協議会は,学校の「応援団」と「御意見番」という二つの機能がありますが,この活動もまた,ある意味「地域の方々による,主体的なふるさとを守る活動」と捉えることができるでしょう。多くの方々に汗していただいていることに心より感謝申し上げます。
 子どもたちにとって,「伏見の歴史や伝統」「人々の絆とぬくもり」は,ふるさと板橋の原風景です。やがて子どもたちは成長し,世界に羽ばたく日が訪れますが,こうした原風景は子どもたち自身のアイデンティティとして,しっかり心に刻み込まれています。「あなたのふるさとは?」と聞かれた時,子どもたちは胸張って板橋のよさを語ることができるでしょう。板橋に誇りを持ちつつ,志を果たすために挑戦し続ける子であってほしい,そしてふるさとを大切にしながら,新しい時代を担う子になってほしい…と心より願っている次第です。

「願 う」 ということ

 新年あけましておめでとうございます。元日の朝,郵便ポストを開けると, 多くの教え子たちから「結婚しました」「仕事を頑張っています」「5人目の子どもが生まれました」等の近況を綴った年賀状が届いており,それを読みながら至福のひと時を過ごしました。そしてその後,初詣に行きました。産土神社は人人…で一杯でしたが,子どもたちの健やかな成長と健康安全を祈願いたしました。昨年は大河ドラマによって龍馬ブームが起こり,学校界隈も多くの観光客で賑わいましたが,龍馬の持っている大きな夢とダイナミズム…。閉塞感漂う中で,人々は龍馬のような人物の出現を待っているのかもしれません。
 このようなことを考えていた時,ふと次の話を思い出しました。随分昔ですが,松下電器の創業者・松下幸之助氏が「ダム経営(資金をプールしておいて,その資金を基に事業を展開していく経営方法)」について店主たちに講演をした時のことです。ある店主が「私たちはその資金がないから困っているのです。どうしたらいいのですか。」という質問をしたというのです。その時松下氏は,少し考えてからひと言「願うことですな」と答えたという話です。「プラス思考」「当事者意識」「実践」等について考える上で,大いに示唆される話です。
 「願う」というのは自分が生きる上での「柱」を,自分の心の内に立てることです。この願いを実現していくためには,目標設定をする必要があります。その視点として次のような点があります。「願いが自他共にプラスになったり,社会の幸福に繋がったりするものであること」「いつまでに実現させるのか期限と到達点が明らかであること」「達成のための具体的計画と,強い意志を持つこと」,この内の一つが欠けても願いは実現しないでしょう。
  考えてみれば教育も,様々な場面においてこうしたプロセスを繰り返して,子どもたち自らが小さな成功体験を積み重ねるところに意義があるのではないかと思います。教育もまた願い…,そして教育は子どもたちの笑顔を見るためにあります。「子どもたちの笑顔を絶やさないために,人・もの・事との出会いを通して生きる力を見通した真の学力をつける必要がある。そのために今年も教職員一丸となって子どもたちに感動の種まきをしていこう」…そんなことを考えながら元日を過ごした次第です。
 6年生は,残り3か月間,小学校生活最後の日々を送ることになります。卒業までの日々が充実したものになることを心より願っています。PTA・保護者・地域の皆様,本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

仲間と共に

 12月を迎え,朝夕一段と冷え込んで参りました。校庭の柿の木は,地下奥深くで, これから始まる冬の備えをしているかのようです。
 さて11月は,芸術にスポーツにと,連日のように様々な行事がありました。まず初めは,5日から9日までの間実施された,5年生長期宿泊学習「花背山の家」です。5日間に亘る「野外炊事」「山登り」「キャンドルファイヤー」等々の活動を通し,「協力すること」「責任を果たすこと」について学びました。共同生活の中では「生活の仕方」「取組方法」等において様々な出来事が発生します。こうした出来事の問題解決過程の中で,友達関係が質的に深まり, 新しい友情が生まれてくるのです。お天気に恵まれ,子どもたちの心に残る素晴らしい野外活動となりました。
 翌々日の11日,伏見西支部育成学級合同運動会が「淀みどりの広場」で開催されました。子どもたちは「マラソン」「つなひき」等々,様々な種目に挑戦,自分の力を出し切ると共に,多くの友達と運動会を楽しみました。運動会のフィナーレは「風船飛ばし」。〜飛ばせ風船 飛ばせ風船 願いを込めて大空へ ぼくらの明るい未来へ〜という歌と共に,87個の風船が大空に舞い,楽しく運動会を終えました。
 13日(土)5・6年生は,京都会館で開催された「学童大音楽会」に参加しました。曲目は「未来への地図」です。〜過ぎた日々のことを振り返る時間もなく 時は無情に流れゆく今。未来への地図を今から心に描こう。大きな夢抱き進もう さあ!」160名の子どもたちは「今,そして 感謝の気持ちを大切にしながら未来に進んでいくことの大切さ」を,透明感あふれる声で精一杯歌いあげ,学童音楽祭の「トリ」を飾りました。
 こうした一連の行事のキーワードは「仲間」です。学校という集団生活を通して,様々な個性やもち味を持った子どもたちが,それぞれの味を出し,互いにそのエキスを吸収し育ちあう。かけがえのない仲間があれば,今後どんな困難に出会ってもそれを乗り越えていくことができるでしょう。仲間は一生の宝物。仲間を大切にしながら,更に充実した学校生活を送ってくれることを心より願っています。
 皆様には,今後ともご支援ご協力を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。


    「平成22年度 京都府健康教育推進優良校」(健やか賞)受賞
 12月4日(土)京都創生館において標記の表彰伝達式が開催され,本校が受賞することになりました。学校5師・PTA・学校運営協議会・地域各種団体の皆様等,地域あげて「早ね早おき朝ごはん」「子どもたちの安心安全」「食育」等に取り組み,顕著な成果をあげることができたことが,主な受賞理由です。「子どもたちのために」を合言葉にし,学校支援をしていただいている皆様に,心より感謝申し上げます。

新たな歴史を刻む

 校庭の藤袴が満開となりました。藤袴は万葉集に読まれた秋の七草の一つで,平安時代の昔から香料として用いられていました。今この花は,環境保全の対象として扱われています。
 さて11月1日,本校は創立138周年を迎えました。創立記念式において,子どもたちに「尾張ご殿」「校歌の由来」「学校創立時の様子」と共に,「歴史と伝統に溢れた伏見板橋校をみんなの力で更に素晴らしい学校にしよう」という話をしました。
「学校ができた時,大人も子どもも我を忘れて町の辻々で手踊りをしてお祝いをした」という話は,今も語り継がれているところです。本校に残されている「学校沿革史」には,上記の逸話と共に次のように記述されています。「学校創立以来50余年を経過する本校の古き書類は散逸して,既に当時の関係者は故人として知るに由なし。今後100年之後,その歴史を知らんとする人,資料これ無し。これを憂へここに本誌を作る。大正15年7月1日 第7代片山校長」…学校創立時の逸話はこうして残ったのでした。
 「柿の木」「白菊の井戸」等,本校には宝物がたくさんありますが,最大の宝物は「人と人のつながり」です。明治5年の学校創立以来,事あるごとに人々は学校に集い「絆」を結びつけてこられました。こうした教育的風土が連綿として受け継がれ,今日に至っているのです。板橋に根付くよき歴史・伝統・文化…これらは偶然に残ったわけではないのです。板橋の保護者・地域の皆様方の努力の結晶であり,板橋を愛する皆様の「心」によって継承されてきたのです。今から100年の後,「板橋は昔も今も変わらないですね」…といわれるような学校や地域でありたいと思っています。
 11月を迎えました。読書の秋・スポーツの秋です。「長期宿泊」「社会見学」「学童音楽祭」「各種スポーツ大会」と様々な行事や活動が予定されています。子どもたちが五感を働かせながら更に飛躍してくれますように…。そして11月1日を一区切りに,今後も学校・家庭・地域の皆様と共に,伏見板橋小学校の新たな歴史を刻んでいきたいと心より願っている次第です。

〜藤山 寛美氏の置きみやげ〜
 学校沿革史を読んでいますと,昭和36年10月30日付で次のような記述を見つけました。
 「伏見支部 育成会主催 藤山寛美の公演会開催。藤田まこと,南都雄二共演,藤山寛美の育成学級に寄せる熱意と理解は深く伏見支部のために熱演する。」
 藤山寛美氏は,『喜劇王』と言われた人です。本校音楽室にその時の置きみやげと言われる“平太鼓”が残されていますが,氏の熱い思いが伝わってくるようです。「歴史に刻むことの大切さ」について思いを新たにした次第です。

愛(め)でるということ

 9月25日(土)に開催しました「第31回柿の実運動会」には多くの保護者・地域・ご来賓の皆様にご来校いただき,子どもたちにあたたかいご声援を賜りました。子どもたちは「最高の絆で勝利をつかめ!」のスローガン下,演技・競技・応援にと自分の持てる力を存分に発揮しました。目標に向かって心を一つにし全力を尽くす姿は人間としての輝きに満ち,私たちに感動を与えてくれる瞬間です。子どもたちも成就感・達成感と共に「協力すること」「やりぬくこと」等の大切さを学んでくれたことでしょう。
 平安時代に書かれた本の中に「虫愛づる姫君」というお話があります。この姫君は小さな虫籠に毛虫を入れて「可愛い可愛い」と大切にします。そうして姫君はこういうのです。「毛虫はじっくり見ていると段々きれいな蝶になっていく。毛虫が生きる過程の中に美しいものがあるのです」…姫君は毛虫の「いのち」を見つめていたのです。「愛でる」とは,現象だけを見るのではなく,その奥にある本質(いのち)を慈しみ,愛するということなのです。
 運動会の時,あたたかいまなざしで子どもを応援される皆様を見ながら,前述のお話を思い出していました。勿論毛虫と子どもを一緒にするわけではありません。しかし学校創立以来,板橋地域に「子どもを愛でる」文化が根付き,継承されてきたことはまちがいないでしょう。
「銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに
     まされる宝子に しかめやも」 山上憶良
「金銀財宝がいったい何になるだろう。何にもまして貴重な宝,子どもという宝に及ぶものはない。」と訳すことができます。子どもたちがどのような姿を現してもそれは成長過程の一つ,現象の奥にある「いのち」を見つめることが大切なのです。10月8日で前期が終了,そして10月12日から後期が始まります。家庭・地域の皆様との連携をより一層深めながら「子ども」という宝ものを育んで参りたいと思います。

子どもたちの健やかな成長を願って!

 校庭に,子どもたちの元気な歓声が戻って参りました。夏休みの間,子どもたちは,家庭や地域においてゆったりとした時を過ごしたことと思います。「ラジオ体操」「キャンプ」「水泳大会」「地蔵盆」「PTA親と子の夏のつどい」等々,子どもたちをあたたかく見守りお世話いただいた,保護者・地域の皆様に心より感謝申し上げます。
 8月3日から5日にかけて,4年生は野外活動で三重県奥志摩「みさきの家」に行ってきました。1日目は「麦崎での磯観察」や「肝だめし」,2日目は「宮崎浜での石拾い」や「浦山ラリー」,3日目は「マリンランド見学」と予定通りの活動ができました。とりわけ2日目夜の「キャンプファイヤー」では,様々な出し物を出し合って友情を深めたり,3日目はテントで宿泊する中,突然の降雨で驚いたりと,野外活動ならではの体験をすることができました。それぞれの子どもたちが潜在する力を充分に発揮し「責任を果たすこと」「協力すること」の大切さを学び,心に残る「みさきの家」となりました。
 今年は終戦の年から数えて65年目の節目の年です。私事で恐縮ですが,夏休みの間「国破れたれど」(萩原萬寿吉著)という本を読みました。萩原氏は京都市立の小学校長をされた方ですが,終戦当時は本校の教諭でした。この本の中に次の一節が記載されていました。「学校も,国民学校から元の伏見板橋小学校に変わった。秋の気配漂う頃,集団疎開の子どもたちが引率の先生と一緒に乙訓の柳谷観音寺から学校に帰ってきた。<皆さんお帰りなさい>と残留組の私たちは目に涙を浮かべながら拍手で迎えた。校庭には,夏までいた軍馬の姿はなく,ただ校庭の真中にある柿の木にわずかばかり残った黄色の柿が静かに秋の日に輝いていた」…戦争は,私たちにとって遠い日のこととなりつつあるように思いますが「今,目の前に立つ柿の木は,確かにそれを見ていた」そう思うと胸迫ると共に「どのような社会を築いていくべきか,そのためにどんな子どもを育てる必要があるのか」と,思いを巡らせた次第です。
 夏休みの間,身も心も一段とたくましくなった子どもたち,9月から12月にかけて「運動会」「学芸会」と大きな行事が続き1年間の中でもとりわけ充実した期間です。子どもたちには,様々な行事を通して「自ら向上する喜び」を実感し,健やかに育ってくれることを願っています。

夏休み,よい本との出会いを!

 子どもたちが楽しみにしていた夏休みがやってきました。7月20日朝会で次のような話をしました。「明日からいよいよ夏休みです。日頃やりたいと思っていても,なかなかできないことがあると思いますが,それに挑戦できる絶好の機会です。何でもいいです。自分でやろうと決意してやり続けることが大切なのです。」
 先月開催された家庭教育学級で,絵本の読み聞かせを大石先生にしていただいたことはお知らせしました。私もあの日以来,改めて絵本のすばらしさを再発見し,絵本を読む機会が増えました。毎年,多くの本が出版され,また消えていく中で,なぜ絵本は長く読み継がれるのでしょうか。それは,絵本の中に,人が生きる上での真理が散りばめられているからです。「一冊の絵本ができるまで,10年かかった。」というのも稀ではありません。
 昨年の7月29日,「みやこめっせ」で開催された「子どもを共に育む未来づくり教育フォーラムin京都」において,評論家・柳田邦男氏が話されたことを改めて思い出します。「絵本は魂の言葉でありコミュニケーションです。小説でも詩歌でもそうですが,内容は年をとると共に味わい深くなります。絵本の可能性は広く深いものがあります。」「人が人生で出会う様々な危機や波瀾に対処する心の柔らかさを獲得したり,他者の悲しみや痛みに対する理解と思いやりの心を持つようになったり,美しいものに感動する感性を持つようになったりするように,心が育まれる上で欠かせないのは,少年少女期に様々な物語に接することです。」
 夏休みの大半,子どもたちは家庭・地域で過ごします。「家族」「地域の皆様」「美しい自然」等々,様々な「人」「もの」「こと」に出会いますが,ぜひ「よい本」と出会い,身も心も成長して,8月25日には,子どもたち全員が元気な姿をみせてくれることを心より願っています。

子どもの心に寄り添って

 梅雨に入り,雨が濡らす校庭の木々の緑が一段と鮮やかです。この時期はカエル・カタツムリ・アメンボ等々の生物が活動し,街中にもまだまだ自然が息づいていることを実感する季節でもあります。
 6月14日にプール開きをしました。連日プールから子どもたちの歓声が聞こえてきます。水泳は,全身の筋肉を動かすので,健康の維持増進に優れた運動です。水と仲良くしながら,心と体を鍛えたいと思っています。
 さて6月5日(土)休日参観を実施しました。多くの保護者・地域の皆様に参観していただきありがとうございました。この日に合わせて,本年度第1回目の「学校評価」をしましたが「子どもたちが集中して学習している姿に安心しました」等の感想が寄せられました。評価結果については,後日公開いたします。
 授業参観後,元京都女子大学附属小学校教諭・大石すすむ氏を講師に迎え,PTA主催「家庭教育学級」が開催されました。大石氏自身の教員時代の体験を踏まえながら「今求められる親子のふれあい」「子どもの思いに共感することの大切さ」等について,わかりやすくお話いただきました。その中で「おこだでませんように」(くすのきしげのり作)などの絵本の読み聞かせもしていただきました。「おこだでませんように」というお話は,次の通りです。
「ぼくはいつもおこられる。家でも学校でも…。どうしたらほめてもらえるのだろう。ぼくは小学校に入学してから教えてもらったひらがなで,たなばたさまに心をこめてお願いを書いた」「おこだでませんように…」私はこの話を聞きながら,一つの詩を思い出していました。やはり一年生の詩です。「さんかんび がっこうからかえったら おかあさんに こたえがわかったら じしんをもって てをあげなさいといわれました。これからは じしんをもって てをあげようと おもいます。せんせい じしんて なんですか。」
 「何してんの」「今言ったでしょう」…私たち大人は,ともすれば教条的で,子どもの心に響かない言葉を発してしまいがちです。しかし子どもたちが求めているもの,それは「じっくり話を聞いてもらう」「気持ちを理解してもらう」という,いわば当たり前の優しさなのです。子どもの目の高さで,子どもの心に寄り添い,愛情と心のゆとりをもって教育を進めていくことの大切さを改めて感じたひと時でした。梅雨があけると夏本番です。一日一日を大切にしながら,教育活動を進めて参ります。 

 
○キーワードは「伏見板橋小学校」
 毎日のように,「子どもたちが今学んでいること」「学校の出来事」等々の情報を学校ホームページで発信しています。「伏見板橋小学校」というキーワードを入力して検索していただくと,本校ホームページが出てきますので,是非ご覧ください。

「今」を大切に

 校庭の緑の木の々緑も少しずつ深まって参りました。新学期を迎えてから2ケ月。子どもたちは新しい学年,新しい環境に馴染み,少しずつ自分らしさを発揮するようになってきました。
 5月12日13日と修学旅行に行ってきました。前日の雨天にうって変わり当日は晴れ,2日間とも好天に恵まれました。貸切バスで,1日目は岡山県・日生港から船で鹿久居島へ。2日目は「瀬戸大橋」を渡り,「金比羅宮」「鳴門の観潮船」,そして「淡路島の震災記念公園」と,瀬戸内海を周遊するコースです。
 1日目の鹿久居島では,古代体験ということで「カヌー」「火起こし」「土器拾い」等々の活動をしました。子どもたちは今,歴史学習をしている真最中です。旅先の山を見ると「あれは古墳?」,石ころを拾っては「これは勾玉?」,海辺の砂を見つけると「前方後円墳の造形遊び」などなど,古代への憧れと好奇心でいっぱい。2日目は震災記念公園で「語り部」による話を聞きました。「大きな災害が起こると,みんな大声を出しますが,それがまたパニックを起こします。沈着・冷静に落ち着いて行動できる人になりましょう。」という,震災体験者ならではの話を,子どもたちは熱心に聞き入っていました。自然の美しさと脅威を学んだ修学旅行,集団規律をきちんと守り,友達と協力しながら友情を深めた2日間でした。修学旅行で学んだことは,これからの学校生活に生きて働くと確信しています。学校に戻ると,校門には「おかえりなさい。修学旅行のお話聞かせてね」「友とのKIZUNA深まった?」という横断幕をもったPTAや6年生保護者の人・人・人…に,子どもたちの,安堵の笑顔が広がりました。
「人はなぜ学ぶのか」という問いに「発見の喜びがあるから学ぶのだ」と答えた人がいます。子どもたちの「なぜ?」「どうして?」「もっと知りたい」という知的好奇心に火がつくと,自ら学ぶようになり,ものすごい力を発揮します。
 修学旅行2日目,すべての見学を終え,北淡町「震災記念公園」の外に出た時,坂村真民氏の「念ずれば花ひらく」という詩碑が目に留まりました。「念」という漢字は「今」と「心」を合わせて構成されています。「かってではない。これからでもない。一呼吸一呼吸の今を大切にすると,必ず願いは叶う」と,私は解釈しました。学校も「今」を大切にし,学ぶ意欲を高め,目的意識を明確にしながら,教職員一丸となって教育活動を進めていきたいと考えています。 


 5月31日(月)「ゴミ0運動」の一環として,校内及び通学路の清掃活動を実施しました。「ゴミ0で心も町もピッカピカ」ご協力いただきましたPTA・地域女性会の皆様,本当にありがとうございました。
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