京都市立学校・幼稚園
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4月25日(木)〜5月2日(火)は家庭訪問(1・7年)個人懇談(他の学年)です。よろしくお願いいたします。

離任される皆様への御礼

 本日19名の教職員とのお別れとなる離任式を行いました。
 人生とは出会いがあり別れがあります。ほんの一瞬の出会いもあれば,何年も続く出会いもあります。けれどいつか別れが来る。その日が今日でという日なのです。皆様には本校が開校する前後という本当に大切な時期に、さまざまな方面でご尽力をいただきました。本当にありがとうございました。
 これからの皆様方のご活躍ご健勝を祈念いたしております。

 
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離任される教職員の紹介

 今年度末をもって異動、退職する教職員をご紹介いたします。開校からの二年間,本当にお世話になりました。
 尚、離任式は3月29日(金)の午前9時より本校アリーナにて行います。どうぞご参列くださいませ。

[退 職] 教 諭 小谷 茂

[転 出] 副校長 竹原 篤    教 頭 藤本鈴香

      教 員 矢野保美、渡辺直毅、重田耕成、由良二郎、田渕久美
          引原彩菜、松本圭代、山川幸雄、小林起久子、佐藤雅子
          森川美保、杉田紅美、内山淳智、川原奈佑美、
          西村紗也佳、関位スズ子

小学校課程修了おめでとうございます

子どもたちに対するメッセージです。

式  辞

 厳しい寒さを潜り抜け、春の訪れを待ちわびたかのように、小鳥はさえずり、背に受ける日の光に温かなぬくもりを感じるこの佳き日に、多数のご来賓並びに保護者の皆様方のご臨席を賜り、東山開睛館第二回小学校課程修了式が、このように盛大に開催できますこと、心よりお慶びと感謝を申し上げます。

ただ今、百十三名に小学校課程の修了証書を授与いたしました。六年生の皆さん、誠におめでとうございます。皆さんは本日をもって開睛小学校から開睛中学校へと進まれます。じ東山開睛館ではありますが、いよいよ中学生になられます。
今を去る六年前の四月、桜の花に彩られた小学校の門をくぐり二一七〇日。早いもので、もう六年経ちました。皆さんは五つの小学校からこの東山開睛館に来られ二年間を経て本日、めでたく本校の小学校課程の修了生となられたのです。

さて、私は皆さんと二年間をこの学び舎で共に過ごしてきました。特に印象に残っているのは昨年度の長期宿泊です。幼さが残る皆さんは、とても無邪気で、悪気は全くないのですがよく先生に叱られていましたね。
一年数カ月ぶりにスキー合宿にも一緒に行きました。随分と大人になった皆さんの姿を見て、とても嬉しく思いました。ここだけの話ですが夜中に私に叱られた人もいましたね。でも皆さんのすることには悪意が感じられない。こちらがいやな思いをすることがないのです。愛すべき子どもたちだねといつも学年の先生方とお話ししていましたよ。これはととても素晴らしいことだと思います。
けれど皆さんが注意しなくてはならないことは、反省が次の行動に生かされないというところにあります。どうか残りの三年間で自分たちを正しく律し、みんなで高まり合える学年にしていってください。
残り三年とは言いますが九年間の義務教育をフルマラソンの42.195キロに例えると、28.13キロの地点にいることになります。マラソンは30キロからが勝負と言います。義務教育もまさに七年からの三年間が勝負。全力でゴールテープを走り抜け、次のステージへとつなげてください。
今日は小学校課程の修了に際して二つの事柄をお願いしておきます。

一つ目は「何事にも全力で取り組む」ということです。

阪急電鉄の創業者小林一三の言葉に次のような言葉があります。

下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら誰もきみを下足番にしておかぬ。

この言葉を先取りされたのが豊臣秀吉でしょうか。織田信長の家来として当時の足軽からとりたてられ、冬の寒いときには信長の草履を懐に入れて温め、信長が出かけるときに草履をはくと温まっている。そのような如才なさが見求められてどんどん出世していったのです。
与えられたことに全力で取り組むことの大切さを教えています。精一杯取り組む人を大切にしない人はいないのです。

皆さんは自分の良さを活かしきって、まずは与えられたことに全力を傾けてください。必ず努力が報われ花開く時が来ます。

次に二つ目は「いつも感謝の気持ちを持って」ということです。

皆さんが今ここに生きているのは当たり前のことではなく、生きていることそのものが奇跡的だということです。皆さんはまずこの地球に生まれました。そして五百万種類もあるという生物の中のヒトとして生を受けました。そして生まれた国が日本であり、お父さんとお母さんの子として生まれたのです。
めでたく生まれても、世界中には十歳を迎える前に亡くなる子どもたちがたくさんいます。食べるものがなかったり、きれいな水さえ飲むことができず、病気にかかっても病院もない。そんな過酷な環境で生きている人達もたくさんいます。
偶然にも私たちは日本という豊かな国に生まれました。そして何不自由なく生活し、今日めでたく小学校課程を終えることができたのです。ですから今日、皆さんが「おめでとう」と祝福されるのは、今日の日をみんな元気に迎えられて「おめでとう」ということなのです。

今日という日を感謝の日にしてください。保護者の皆様には皆さんを慈しみ来る日も来る日も愛情を注いで育てていただきました。その保護者への感謝。そしていつも温かい眼差しでみなさんを励ましてくださっている地域の皆様への感謝。友達や先生方にも感謝の気持ちを持っていただきたい。これが私の願いであります。

いつも感謝の気持ちを持って何事にも全力で取り組んでいただきたいということを申し上げました。


さて、子どもたちの晴れ姿に感慨ひとしおの保護者の皆様、長くもあり短くもあった六年間の小学校課程を終えられ、今日を迎えられましたこと、誠におめでとうございます。東山開睛館の二年でお子たちは大きく大人に近づかれ、悩める思春期に確実にさしかかっています。この時期はよくハンドルのない自動車に例えられます。エンジンはよく動くのですがコントロールがじゅうぶんにできない。一見しっかりしているようで、強がりを言ったり、人の話を聞こうとしなかったりします。大きな事故を起こさないようにハンドルがつくまでの間、学校と家庭が手を結びあってがっちりとガードレールの役割をしていきたいと思います。ご家庭では一層、親子のコミュニケーション、心の絆を大切にされ、子どもたちを温かく支えてくださいますようお願いいたします。 

結びになりましたが、ご来賓の皆様方には、公私ともご多用の中、多数ご臨席を賜わり、誠にありがとうございます。子どもたちが本日を迎えられますのも、皆様方がそれぞれの立場からご支援くださいました賜と、心より感謝申し上げます。今後も子どもたちを見守り、育てていただきますようよろしくお願い申し上げます。
 
それでは皆さん、これから三年間のご健闘を期待しています。頑張ってください。これをもって式辞といたします。

   
平成25年3月19日
        東山開睛館 校長  初田幸隆

卒業式  その5

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 本日の式辞を掲載いたします。

式  辞
 
東山の峰峰を渡る風にもさわやかな命の息吹を感じるこのよき日に、多数のご来賓の方々、保護者の皆様方にご臨席を賜り、東山開睛館第二回卒業式が、かくも盛大に開催できますことに、心より感謝致しますとともに、お慶び申し上げます。

ただ今、七十四名に卒業証書を授与しました。正に本校創設期にその礎を築かれた栄えある皆様であります。本当にご卒業おめでとうございます。

振り返れば、皆さまは今をさかのぼる九年前の平成十六年の四月に、白川・新道・六原・清水・東山の各小学校に入学されました。さらに進まれた洛東・弥栄の各中学校からこの東山開睛館へと歩みを進められました。
この度、これからおそらく二十二世紀まで世紀をまたいで引きつがれる、この東山開睛館の礎を築かれ,めでたくご卒業を迎えられますことを心よりお慶び申し上げます。
皆様はわが校が責任と誇りを持って世に送り出す生徒であり、特に皆様の学業成績は,学年として全市トップレベルであり,格段に努力をされた学年であったといえます。その栄えある皆様方との別れに際し花向けの言葉として夢と志についてお話をいたします。

本校は、「夢と志を育む」教育を標榜しています。有名なウイリアム・スミス・クラークの言葉に、「少年よ大志を抱け」という言葉があります。けれどこの言葉に続きのあることをご存知の方はあまり多くはないようです。
少年よ 大志を抱け!
お金のためではなく
私欲のためでもなく
名声という空虚な志のためでもなく
人はいかにあるべきか、その道を全うするために、大志を抱け

志は私利私欲に基づいてはならない、大義に基づく人としての生き方を全うするための志を立てることの大切さを説かれたのだと思います。
このように、夢と志は随分と異なる概念であり、夢を描くことは志を立てるための第一歩なのではないでしょうか。

お金持ちになりたい。
プロ野球選手になりたい。
おいしいものを一杯食べたい。
皆さんもこのような夢を描かれたことはないでしょうか。
ではその夢を実現するためにどうすればよいのでしょうか。

先日、本校に沖縄から島袋勉さんがおみえになり、四年生から八年生に「夢をあきらめない」というテーマでお話をしていただきました。
島袋さんは沖縄に生まれ、二十歳で会社をつくられました。三十八歳の時、社用でアメリカに行かれた帰り、成田空港の近くの踏切で、貧血で倒れられた際に後頭部を強く打ち意識をなくしてしまわれました。
電車にはねられ、気がつくと病院のベッドの上、両足とも膝から下を無くされていました。
そんな島袋さんはマラソンに挑戦され、ホノルルマラソンでの完走をはじめ、世界各地で開催されている国際マラソンにも多数出場されています。
私が島袋さんをすごいと思うところは富士山への登山に集約されています。
二〇〇七年に富士山に初登山されました。普通富士山への登山は五合目までバスで行き、そこから山頂までの標高差約千五百メートルを登ります。両足とも義足での登山はとても過酷なものでしょう。けれど島袋さんの素晴らしいところはこれで終わらないところにあります。
 あくる年には五合目からではなく、麓の一合目から標高差約二七〇〇メートルを登られました。
そして、さらに三年後には海抜〇メートルの駿河湾から標高差三七七六メートルを自転車と徒歩で登られているのです。
一つの夢、目標が達成できたなら、次の目標をつくる。それも確実により困難な目標を立て、その実現に向けて努力される。
この姿勢から学ばせて頂くことはとても多いのではないでしょうか。
夢を描き,その達成に向けて少しずつ努力を重ねる。そしてその夢の向こう側に見るもの、それが志であり、志を立てるということではないでしょうか。

卒業生の皆様お一人お一人の描かれる夢の実現に向けて、その実現への道筋をじっくりと考えてください。あきらめさえしなければ道筋を変えることは何も問題ではない、ですから夢をあきらめずにじっくりと取り組んでください。そして、その実現に向けた生き方が、単なるお金のためではなく、私欲のためでもなく、名声を得るためのものでもない。人はいかにあるべきか、そのことを卒業されてからも考え抜いていただき、やがて志を「大志」とされて、社会で活躍されんことをお祈りいたしております。

さて、子どもたちの晴れ姿に感慨ひとしおの保護者の皆様、長くもあり短くもあった九年間の義務教育を終えられ、今日を迎えられましたこと、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。本校での二年間の学びを終え、いよいよ次のステージへとすすまれます。開校からの二年間、教職員にとりましては生徒や保護者の皆様方のお顔とお名前を覚えるところからのスタートでございました。誠に至らぬ点も多々あったかと存じます。卒業後も時には良き相談相手として、支援をさせていただきたく存じます。
また、ご家庭におかれましても、なお一層、親子のコミュニケーション、心の絆を大切にされ、子どもたちを温かく支え励ましていただきますと共に、これからも地域人として、本校に対するご支援を引き続き賜りますようお願いいたします。
結びになりましたが、ご来賓の皆様方には、公私ともご多忙の中、多数ご臨席を賜わり、誠にありがとうございます。子どもたちが逞しく巣立っていくことができますのも、皆様方がそれぞれのお立場からご支援ご協力をいただきました賜と、心より感謝申し上げます。これからも地域で生きていく卒業生を、地域の、そしてみなの宝と思い、今後とも温かく見守り、励ましていただきますようよろしくお願い申し上げます。
 
卒業生の皆さん。卒業は新しい旅立ちです。皆さんのご活躍を大いに期待しながら、前途を祝して、式辞といたします。
  
平成25年3月15日        
東山開睛館 校長  初田 幸隆

スキー合宿に思う

 一年数か月前の長期宿泊での様子を思い浮かべますと格段に成長した子どもたちの姿に、本当にうれしく感じた二日間でした。先生方に注意されても中々改善しないこともあるのですが、それでも聞く態度や、よくなろうとする子どもたちの姿に、益々これからが楽しみだと実感しています。
 気持ちのいい子どもたちです。それは私だけが感じているのではなく、山の家の職員の方も「しっかりと聞ける子どもたちですね。たくさんの小学生が来ますがすばらしいこどもたちですね。」とお褒めの言葉も頂きました。
 これも常日頃からのご家庭におけるお子達への、愛情あふれるご指導の賜物と感謝いたします。あいさつもしっかり出来るようになってきました。間もなく小学校課程を修了しますが、社会で通用する人間に成長して頂くために、今しばらく、学校と連携を密にしていただき、共に見守り育んでまいりたいと存じます。
                      平成25年2月24日 校長 初田幸隆
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26年度公立選抜にかかる説明会について

 ここしばらく,厳しい寒さが緩んでおります。季節の動きが肌で感じられる今日この頃,季節と季節の変わり目である節分が過ぎ,本日は立春を迎えました。カゼやインフルエンザの子どもたちが気になる所ではありますが,9年生にとってはいよいよ入試の本番を迎えます。全力で入試に取り組めるよう,万全の体調で臨んでほしいものです。
 さて,京都市と乙訓地域では公立高等学校の受検の仕組みが,平成26年度入試より大きく変わることになりました。
 現8年生からの変更となりますので,2月13日(水)の授業参観の後,7,8年の保護者の皆様を対象に説明会を開かせていただきます。1〜6年では学級懇談会もありますので,これらの学年の保護者の皆様には,来年度にあらためて説明の機会を設けたいと存じます。
 私ども教職員も,この新しい入試制度については,これからの研修で詳しく知ることになります。しっかりと研修し,できるだけわかりやすく簡潔に説明できるようにいたします。
 尚,平日の昼間の説明会でもあり,お仕事の都合等でご参加いただけない方は、おって別の機会をご案内いたします。また,説明会に参加できなくても不利益となりませんよう,9年での進路指導を丁寧に行ってまいりますのでご安心くださいませ。

年頭に思う

 新年を迎え、この一年の東山開睛館の舵をどのようにとるのか、心を新たに深謀遠慮を巡らす時がまいっております。
 おかげさまで、各学年の実態は大きく異なれど、全市や全国レベルでの学習確認プログラム等の結果からみて、全体としての学力向上は大きく前進しています。
 一方で、学習状況調査等の結果からは、道徳性や規範にかかわる意識に課題が見られる項目があるなど、「心を耕す」という面での課題が明らかになってまいりました。
 また、個々の子どもが有する「困り」の実態を見たときに、個の課題としての捉えや個への対応という、極めて個別的対応を有する取組の必要性を物語るなど、学校体制そのものにも踏み込んだ問題が見え隠れしています。
 このように本市教育の良き伝統といわれる「一人ひとりの子どもを徹底的に大切にする」という、教育が本来内包すべき当然の理念を、本校が如何に具現化していくのかを、まさしく今、問われているのだと存じます。
 本校では、この普遍的な理念を単に教職員個々の情意面にとどめおくのではなく、ある時は現在の教育制度そのものの限界に立ち向かうと同時に、またある時は学校運営協議会等の仕組みを備えた新しい学校としての有り様を模索し、新しい学校のスタイルを築くさきがけとしての役割を果たす等、行動として表出してまいりたいと存じます。
 7日から三期が始まります。それに先んじて部活等本日から始まっております。子どもたちの歓声を校長室で聞ける幸せを感じながら年頭の思いを書かせていただきました。本年もどうかよろしくお願いいたします。
           校 長  初田 幸隆

一年間の御礼

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 年の瀬も押し詰まってまいりました。おかげをもちまして小中一貫校としての2年目にあたる平成24年も大過なく閉じることが出来ます。これもひとえに皆様方のおかげと存じます。この一年間お世話になりました大勢の皆様方に心より厚く御礼を申し上げます。また保護者の皆様方の本校教育に対しましてのご支援ご協力に対しましても、教職員一同心より感謝致しております。
 社会に目を転じれば長引く不況の影響が随所に見られ、政治や経済におきましても激動の一年でした。既に「今まで通り」が通用しない時代になっております。「個を生きる」という意味において、「『公』が『個』のために何をしてくれるのか」ではなく「『公』のために『個』が何をするのか」という、社会において果たすべき役割を果たすことがこれからの社会においてはより強く求められてまいります。このような時代、これからの社会を、ひいてはこの国の行く末を任せるに足る人間の育成に、教育関係者だけでなく、全ての大人が心ひとつに取り組んでいかなければなりません。
 教職員一同、間もなく迎える新しい年を、東山区北部の子どもたちが、健やかにそして逞しく育つ年になりますよう全力を挙げて取り組む所存です。どうぞ皆様方も良いお年を迎えられますようにご祈念申し上げ、今年最後のhp.と致します。この一年当hp.をご覧いただきありがとうございました。

            東山開睛館  校長 初田幸隆

ポートフォリオラックに感謝!

 先だって、おやじの会でポートフォリオラックをつくっていただきました。PTAのOBであるプロの大工さんにもお手伝い頂き、おやじの会の皆様が組み立てをして、職員室の一角に納めていただきました。
 この「学びと育ちのポートフォリオ」は、働くこととの関連での育ちを、子どもたち自身はもちろんのこと教員と保護者で共有して、社会で生きて働くための資質や能力をしっかりと見て行くためのいわば記録集です。
 せっかくの小中一貫校なのですから、小学校一年生の段階から9年生の出口を意識して、今できること、将来できるようになりたいこと、そしてそのために今何をしなければならないのか、ということをしっかりと考えられる子どもにしていきたいと思います。
 保護者の皆様と共に子どもの成長を見守ってまいります。
 おやじの会の皆様、ありがとうございました。
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人権についてお話ししました

 本日12月初めての月曜日に全校集会をもち、人権について次のようなお話をいたしました。1年生から9年生までのみなさん、真剣にお話しを聞いてくれました。内容は次のようなものです。

 日常生活でうれしいと感じる時ってどんなときでしょうか。
最近、バスに大きな荷物を持って乗ったことがありました。その時、席に座っておられた若い女性が「荷物持ちましょうか」と言ってくださったのですが、とてもうれしく感じました。
 また、スーパーでレジに並んでいたら、隣のレジが開きみんながそちらに流れると思ったらどうぞお先にと譲っていただいた瞬間。とてもうれしかったです。
そう。共通していることは「思いやり」ですね。「思いやり」を感じた時、自分が大切にされていると思いました。人を大切にするという行いが暮らしを豊かにするのですね。

 一方悲しい気持ちになることもありますよね。この間、京阪電車の中でのことです。優先座席に若者が座っていました。そこにお年寄りが来られてのですが、席を詰めればもう一人座れるのにつめようともしません。彼らは携帯でメールをしていて、お年寄りが目に入らないようでした。「ちょっとつめてすわったら」というと、嫌そうにこちらを見上げました。この瞬間とても嫌な気持ちになりました。
 また、初めてのお医者さんに行った時、無愛想に症状を聞かれ、「カゼやね」とひとことしか声をかけられなかった瞬間。このお医者さんには二度とかかりたくないと思いました。
 共通していることは「無神経」「無関心」ではないでしょうか。要するに人間として大切にされていないと感じた瞬間にいやな思いをしたのです。

 人は一人では生きていけません。一人で生きていけるという人がいたら、今すぐ人のつくった服を脱ぎ捨て、人のつくったものを食べず、人のつくった家にも住まず、親や社会の世話にもならず、唯一人で生きてください。私たちは一人では生きられません。人のおかげで生きています。だから人のためにも生きようと思います。社会貢献しようと思います。それでおあいこです。それが社会です。
社会生活をする限り、みんなが幸せに暮らせるような社会をみんなで目指すのです。その為にはルールが必要です。もっとも大切で基本的なルールは「人権を守る」ということです。人権を守るということから多くのきまりや法律は出来ています。このルールを破ることは絶対に許されません。
 最も当たり前のルールを確認します。人を殺してはなりません。その人は二度と生き返らないからです。人に暴力をふるってはなりません。体を傷つけることは許されないからです。いやがる人に悪口を言ってはなりません。心が傷つくからです。体や心を傷つけることは自分に対してもしてはなりません。
 皆さんの中には苦しんでいる人はいませんか。ドッヂボールをしていていつも当てられている人、いくらニコニコしていても心は傷ついています。仲間外れにされたくないからニコニコしているだけです。仲間を悪者にしたくないから「いじめられていないよ」って言うのです。メールで悪口が回ってきませんか。悪口を言われた人もいやだけど、それにこたえる自分もいやでしょう。メールを無視したら仲間外れにされるなんて、そんな馬鹿なことはないよね。スマートフォンでのラインも使い方次第で友達を攻撃してしまいます。
 人権を大切にするためにはお互いが相手のことを大切に思わなければなりません。自分が大切にされたいのなら、相手を大切にすることから始めるしかないのです。本校のみなさんはすでに行動していますよね。そう、あいさつです。あいさつをするということは相手を大切にするということです。あいさつをされたらきちんと挨拶をし返す。それで自分も相手のことを大切にしたということです。スリッパを揃えるということも次に使うだれかわからない人への思いやり、次に使う人が自分は大切にされていると感じるのです。

 最後に学問のススメという本を書かれた福沢諭吉先生の言葉を紹介します。
「天は人の上に人をつくらず。人の下に人をつくらずと云えり」これはアメリカ合衆国の独立宣言から引用された言葉です。この言葉はとても有名で、神様仏様は人間に上下の区別などつけておられないという教えです。でもこの後に「サレドモ今広クコノ人間世界ヲ見渡スニ、カシコキ人アリ、オロカナル人アリ、貧シキモアリ、富メルモアリ、貴人モアリ、下人モアリテ、ソノ有様雲ト泥トノ相違アルニ似タルハ何ゾヤ」という言葉が続きます。
 「生まれたときに上下があってはならない。けれど学ぶと学ばざるとにより、人の上下が定まっていくのだ。だから学ばなければならない。」という教えです。生まれた時からの上下、その人がどうしようもないことによる上下の関係、肌の色や障害のあるなし、生まれた場所、国、家柄。そのようなことで上下をつくる「差別」という行いこそ卑怯な振る舞いです。
けれど一生懸命努力した人間とそうでない人間にはおのずと違いが出てくる。これもまた真実です。
東山開睛館では一生懸命努力することで自分を大切にし、人のために貢献できる、そんな児童生徒であってほしいと願っています。まず行動です。目の前の人を大切にしましょう。そして誰もが通ってうれしいと感じる学校を共につくっていきましょう。

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京都市立開睛小中学校
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