京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2013/03/25
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平成24年度末をもって休校となりました。今まで閲覧いただき有り難うございました。

キリギリスの仲間なのに飛んでいる

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 上の写真は,中川のこの時期によく見られる「ヤマクダマキモドキ」で,キリギリスの仲間なのです。キリギリスの仲間の多くが草むらに居て,茂みの中に落ちることで逃げられるように身を守っているのですが,このヤマクダマキモドキは違います。窓ガラスに止まっていたり,土の上を歩いていたりします。結構目立つところでも平気で過ごしています。なぜでしょうね。実は飛ぶことができるからなのです。私も捕まえようとしましたが,あっちに飛んで逃げ,こっちに飛んで逃げしてちょっと時間が掛かりました。長距離を飛べませんので捕まえることはできます。
 さて,「ヤマクダマキモドキ」を漢字に当てはめると「山管巻擬き」となるでしょうか。山は里に対して使われる言葉で,ここ山地を表しています。管巻きは本来,織機と関係ある言葉ですが,その音からクツワムシの別称として使われている言葉です。擬きは字のごとく似て非なるものを表す言葉です。つまり,山にいるクツワムシと見間違えてしまう虫というところでしょう。
 下の写真左を見ると愛嬌のある顔に見えませんか。私だけでしょうか。下の写真右下の部分をご覧ください。この尾端の形からオスだと判断できます。メスは鴟尾(しび)を寝かせたような産卵管を持っています。

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百日紅と書いてサルスベリと読む不思議な木

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 上の写真は庭木として植えられている夏の植物,サルスベリです。サルスベリとは不可解な名前ですね。音のごとく「猿滑り」となります。この木の樹皮はめくれやすく,つるつるした新しい物になるので,さすがの猿も滑って登れないだろうという理由で名前が付いています。実際はというと,猿は苦労することなく簡単に上ってしまいますので名前倒れです。さて,この木を漢字では「百日紅」と書きます。これをサルスベリと読むのは不可能です。当然なのです。百日紅は中国での呼び名ですから。咲き出したら,百日は赤い花が咲き続けることから,「百日紅」となったのです。中国へ行った使節が日本のサルスベリと一緒の木じゃないかとして,この漢字を当てたのです。ですから,この木の呼び名については漢字は中国名,音は和名ということになります。ところで,白花やピンクの花は,なかったのでしょうかね。なぜ紅なのでしょうか。
 下の写真を見てください。花のつくりが変わっています。がくから長い柄が伸び,その先にひらひらと縮れた花びらが6枚付いています。一枚一枚が,まるで,一つの花のように見えます。虫を寄せ付けようとたくさん花があるかのように目立たせているのでしょうかね。さらによく花のつくりを見ていくと,真ん中に雄しべがたくさん集まっているのがわかりますし,中央からのびた雌しべは,街灯のように下向きに柱頭をつけています。また,雄しべの周りに同じく街灯が中央を照らすかのごとく下に向いたもう一つの雄しべが写真では6本伸びています。つまり,上向きに集まっている雄しべと下向きに並んでいる雄しべ・雌しべがあるということになります。
 これは,サルスベリが考え出した実に不思議な見事な子孫繁栄(受粉)作戦なのです。花粉を求めて飛んでいるハチやアブ,ハナムグリなどに,たくさんの花が集まっているかのように長い柄を伸ばした花びらを見せつけます。そして,真ん中上向きの目立つ花粉を見つけさせ,せっせと花粉や蜜を集めさせるのです。このままだと花の出入口が開けっぴろげで狭くないために花粉を持ち去られてしまうだけとなり,受粉できません。そこでもう一工夫,虫たちが真ん中の雄しべに乗っている間に虫の背中に別の花粉を付け,背中に付いた花粉をめしべの先(柱頭)に付けさせようと考えたのです。そう考えた結果,真ん中の目立つ花粉を受粉用から食用のものに変えていき,大切な受粉用の花粉を虫の背中にこっそり付けられるように柄を伸ばして下に向け,めしべの柱頭も下向きにするように進化していったと考えられています。

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今年もご先祖様をお連れしました

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 中川ではお盆を迎える辺りから,校庭に集団で飛び交っているトンボを見かけます。京都市街の学校では,8月前後から飛び始めますので,お気づきの方も多いと思います。
 上の写真に見えているトンボは全部数えると何匹になるでしょう。11匹居るのですが,お分かりいただけるでしょうか。この集団で飛び交っているトンボは,「ウスバキ(薄羽黄)トンボ」という種名をもっていますが,盆トンボ,精霊(せいれい,しょうりょう)トンボ,招来トンボ,仏トンボなどと呼ばれます。お盆のころにたくさん飛んでいることによるのですが,それだけでなく,いろいろな呼ばれ方からお盆とのかかわりが深いことがお分かりいただけるでしょう。昔の人は,ご先祖の霊がこのトンボに乗って盂蘭盆会に里帰りするとして,捕まえたりいじめたりせずに大切にしていたのです。
 さて,このウスバキトンボは,驚くことに産卵から羽化までわずか1カ月という早さです。元々は南方の暖かな地域に住んでいるトンボですが,北半球に夏がやってくると生息地域を広げようとどんどん北上してきます。8・9月には,北海道でも見ることがあるそうです。ただ残念なことに,寒さに弱いので,この近畿でも冬を越すものは居ません。寒くなると北上した仲間は,すべて居なくなります。次の年に,また,南の暖かな地域から北上してくるのです。
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ひっくり返ればさあ大変

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 渡り廊下を歩いていると,何やらジタバタともがいている虫が居るではありませんか(上の写真右のようなスタイルでです)。近づいてみると,クワガタのメスです。あらま,かわいそうにと思いつつ,ついつい写真を撮るために捕獲しました。メスですので小さな大顎ですが,私の指にかぶりつき指の表皮を削り取ってしまいました。その様子を見てこんなに力があるんだと感心させられました。
 さて,調べた結果,このクワガタは,ヒラタクワガタのメスと判定しました。下写真左のように前足の頚節が先ほど太く内側にカーブしていることを最終の決め手としました。パッと見,コクワガタのメスと思っていたのですが,はずれでした。
 中川では,さして珍しくない存在です。湿度の高いところを好みますので、中川の場合,清滝川近くの広葉樹林などで生息していると思われます。しかし,夜行性ですので朝早くにジタバタしているということは,昨晩からひっくり返ったままだったのでしょうかね。この体つきですから,起きあがるのは大変なことでしょう。体長は35mmほどですので,中位の大きさでしょうか。20mm〜60mmくらいがメスのサイズですので。ヒラタクワガタは文字の通り,平べったいという意味があります。オスだとそれがわかりやすいのですが…。夜間採取する元気がありませんので,申し訳ありません。下の写真,脚を突っ立たせて顔を上げてこちらを向いています。ひょっとして私は,彼女に威嚇されているんでしょうか。この後,樹上に逃がしてやりました。
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門扉に張りついて温まる

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 朝,駐車場に車を入れようとしたら,門扉にチョウが張りついているのに気付きました。駐車させながら,あれは何だ,「黒で…,遠目には模様がなくて…」と。もしかしたら!駐車するなり,デジカメを取ってあわてて門扉へ。やはり,カラスアゲハでした。
 逃げられないようにと姿勢を低く静かに近づきましたが,逃げる気配がありません。そうか,日光を受けて体を温めている最中なんだと安心して,刺激しないようにカメラを近づけてバチバチと撮りました。
 カラスアゲハ,都市部では見ることのないチョウで,中川など山間地では結構見ることのできるチョウです。幼虫の食草であるコクサギが,山地に生えていることによります。でも,中川では,杉の植林がほとんどで,そうしょっちゅうお目に掛かったことはありませんし,見つけたとしても,すぐに逃げてしまいます。早朝だったので,翅をいっぱいに広げて早く温まって飛び立とうとしていたのでしょうね。
 でもよくこんなところに止まれるなとお思いかもしれませんね。下の写真を見てください。チョウに限らずちょっとした凸凹や傷があれば大抵の虫は止まれます。足の先が鈎づめといって,返しのない釣り針のようになっています。このため,ちょっとした凹凸があると止まることができるんですね。
 このカラスアゲハは右後翅の尾状突起がなくなっていますが,何かに襲われたのか,何かに引っかかったのでしょうかね。前翅の特徴からオスということが分かりますが,お知りになりたい方は,申し訳ありませんがネットででも調べてください。
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給食室で弱っていたトンボ

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 8月20日(月)に給食室の網戸に止まっていたタカネトンボです。調理員さんに御用となり,職員室の教頭先生まで連れて行かれました。教頭先生はトンボの検索図鑑を睨みながらあれでもないこれでもないと苦労をした末に,タカネトンボにたどり着いたそうです。残念ながら,翌日には,放した場所で死んでいました。ところで,上の写真の黄丸内の特徴からオスと断定できます。第2腹節に生殖前片があることと尾端の附属器の形でわかります。これは慣れれば簡単ですよ。
 このトンボは日本特産種のトンボのようですが,寒冷地を好むので,近畿以西では見られる地域が局所的になり,当たり前のごとくにはお目にかかれないようです。ここで見られたということは,中川も比較的涼しい方に入るということなのでしょうか。それとも何らかの理由で迷い込んできたのでしょうかね。
 タカネトンボを漢字で書けば,「高嶺蜻蛉」となります。高嶺で表すように高い嶺,つまり山岳地帯で見られるトンボということになります。実際のところは,低い山間部でも見られますので,中川に居ても不思議はありません。
 さて,トンボの見分け方はというと東海大学出版会の検索図説を利用していますが,素人には結構難しいので,進んだり戻ったりしながら調べています。
 主な見分け場所は,下の写真の,胸横の模様,左右の目が離れているか線状に接しているか,前翅後翅の三角室の向きが同じか否か,前翅後翅の付け根付近の形が同じか否かなどです。繰り返しますが,専門家ではないのでなかなか簡単には同定できません。むずかし〜い。
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運動場の「道教え」

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 上の写真は,夏になると本校運動場に必ず現れるハンミョウです。近づくと,すっと飛んで数メートル先に逃げおり立ちます。また追いかけると,すっと飛んで数メートル先におり立ちます。こんなことを繰り返すことができる楽しい遊び相手です。山道や河原などの乾いた裸地を好みます。山道などでハンミョウに出会うと自分の進む先へと飛んでは近づくのを待ち,また先へ飛んでは待つかのように見えます。その様子から標題のように「道教え」という別名がついたのでしょうね。
 漢字では,「斑猫」と書きます。「斑」は模様を意味し,「猫」は字の通りネコを表しています。これもおもしろいですね。どうも,虫を捕まえる仕草が,ネコと同じように思えるからだそうです。英語では,「tiger-beetle」虎のような甲虫というところでしょうか。どう猛さから来ているようです。下の写真の口を見てください。鋭い大顎を持っていますね。噛まれると相当に痛そうです。この辺からtigerとついたようですよ。ついでに,下の写真左を見ると,あごやくび,胸にかけて白い剛毛のようのものが生えていますが,何のためなのでしょうね。調べても載っていません。どなたかお分かりの方がおられたらお教えください。
 ところで,「斑猫」というと,この名前の付いた毒があります。毒を持っているツチハンミョウの仲間のことであり,ハンミョウの仲間には毒を持ったものは居ません。日本に伝わったときにツチハンミョウとハンミョウの区別が曖昧だったのでしょう。ハンミョウに噛まれても毒を持っていませんのでご安心ください。でも,噛まれたら痛いことをお忘れなく。
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職員室来訪虫その3

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 職員室を素早く飛び回っている上の写真の虫。職員から,「教頭先生,これはハチですか。」「うん,ちがうな。羽音が大きいからアブかな。」近づいて,「おう,ムシヒキアブや。」と言うなりムシヒキアブより素早く網を取って,御用。かわいそうにまた掴まってしまった虫君です。
 さて,このムシヒキアブの名前は「シオヤアブ」といいます。シオヤとは塩屋のことで,オスの腹端に生えている白い密な毛を塩に見立てたからです。下の写真右でお分かりのように,このシオヤアブは白い毛がありません。つまり,メスということになります。
 ところで,このシオヤアブは,大変どう猛な虫です。葉などの視界の開けたところにとまり,通過する獲物を待ちかまえます。獲物が通過したら素早く追いかけ,一撃のもとに急所に口吻を刺します。相手は,えっ?と思った瞬間にやられています。獲物の中には,あの名ハンターのオニヤンマもいれば,一刺しで毒を注入して倒すスズメバチも含まれています。いかにすごいアブかおわかりいただけると思います。しかし,不思議ですよね。毒がないから急所を刺すわけですが,ここが急所だとどうしてわかっているのでしょうね。下の写真左の顔を見てください。何とも痛そうな針に見えませんか。たまに,人にも刺すことがあるそうですのでお気をつけください。
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迷い込んだがために…

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 廊下がつるつるなので,じたばたしながら早く脱出しようとしてるノコギリカミキリ。またまた教頭先生に見つかってしまい,御用!例のごとく,袋に詰められて写真をバチバチ撮られる始末。出口のない恐怖を味わった後に放免されました。
 さて,ノコギカミキリ(カミキリムシ科ノコギリカミキリ属)のお話ですが,本来夜行性の虫ですので,夜に誤って校舎内に入った後,閉じこめられていたのであろうと思われます。鋸(のこぎり)とは,大層な名前が付いていますが,触角を見ていただければ,なるほどと納得いただけるでしょう。本当に怖いのは,大顎(おおあご)です。結構力強いので噛まれたら相当に痛いと思われます。捕まえるときはご注意ください。
 針葉樹などの朽ち木を餌としていますので,杉の里である中川なら居て当たり前ということになります。でも,夜に突然その姿を見る人は,ゴキブリ(クロゴキブリだろう)と間違えて大騒ぎするそうです。嫌われてしまうとはどちらの虫もかわいそうですね。

作物被害は彼のせいか!

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 カメラ片手に,提出資料用の撮影をしていたら,何かが横切って事務室の屋根に…。黄円内が何かお分かりになりますか。食べ物を取りに来たサルです。
 あわてて北端の花壇に行ってみると,向こうもびっくりしてあわててフェンスを越して北隣の人家へ隠れていきました。口にはヒマワリの若い花がくわえられていました。
 ここの花壇のヒマワリが折れ倒れているのは何の仕業だろう,アライグマか,タヌキかと思っていましたが,なんとサルだったのですね。しかし,ゴーヤはずーっと無事なところを見ると苦いから食べないようです。以前は校舎南のトマトやナス,キウリなどが被害に遭い,ネットをかけていたところです。この分だと,サルと根比べの勝負になりそうです。ほとんど当方には歩がありませんが…。
 さて,一言サルといいましたが,正確には,オナガザル科マカク属のニホンザルという種名になります。尾が短いのにオナガザルに属しているというのはおもしろいと思いませんか。因みに,人間は,ヒト科ヒト属ヒトとなります。
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