京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2013/03/25
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平成24年度末をもって休校となりました。今まで閲覧いただき有り難うございました。

以外と知らない栗のイガ

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 上の写真は皆さんご存じの栗のイガです。このイガは小さなイガですので,実りは小さなシバグリが1個だけでした。今日の注目はこのイガの刺です。過去に開いた自然観察会においてこの刺がイガからどのように延びているかを描いてもらいましたが,未だに正解は0人です。ほとんどの方が放射状に刺が延びている図を描かれます。
 やはり,栗の実には注目するが,イガに関してはじゃまな存在として取り去られるだけのようです。昔は天井裏に捲いて,ネズミの侵入を防いだりもしていたそうですが…。
 先に進みます。刺ですが,本が太くて先が細いのは当たり前ですよね。では,放射状に刺が延びているとすると,刺の先ほど隣との間隔が拡がり栗を覆っているイガの本来の形(総苞片)がしっかりと見えるはずです。さらに,刺の間隔が荒くなるのでさほどきつく痛みを感じないはずです。しかし現実には,触れると一定方向からでなく,あちらこちらから刺されます。もう一度上の写真をよく見てください。総苞がほとんど見えませんし,刺の先端が中心からというよりあちらこちらから密に延びていることに気付かれるでしょう。このあちらこちらから延びていることがより痛みを与えやすくさせているのです。
 さて,下の写真を見て下さい。総苞から1本の刺を抜いてみました。お分かりになられたですね。先へ行くほど枝が分かれるがごとく刺がふえているのです。このためにあちらこちらから刺の先端が延びてきていることになるのです。また,刺の先が密に絡まりますから総苞が見えにくくなっているのです。
 なぜこのような仕組みになったのでしょうね。一つは,実りの直前までに大型動物等に食べられないようにするため,もう一つは,虫などを刺に絡めて内部に入りにくくするためが考えられます。見事な防御作戦です。
 では,実るとはじけて栗の実を出すのはどうしてなのでしょうね。イガに守ってもらう方が食べられる心配が少なくなるのに不思議ですね。実は,持っていってもらうことをねらっているのです。ネズミやリスなどの小動物に運んでもらうためです。大型動物は運んでくれず,その場で食べてしまいますので,たくさん食べられない工夫をしているのです。
 機会があれば,この素晴らしい作戦をご紹介します。

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私は ホトトギス です

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 上の写真はホトトギスです。はぁ?と思われる方もおられるかもしれませんね。ホトトギスといえば「テッペンカケタカ」の聴きなしでご存じの鳥を思い浮かべられることでしょう。実はこの植物の名前の由来もこの鳥から来ています。花びらの紫の模様が,ホトトギスの胸の模様を連想させるからといわれています。
 さてこの花をよく見てみると,一見,花びらが6枚に思えますが,がく3枚と花冠3枚からできています。下の方に距と呼ばれるコブのように膨らんだものがついている方ががくです。つぼみを見ていただければ分かります。開花前に花を覆っているのががくですから。また,花の上の方を見ると6本のおしべと先が3つに分かれためしべ(正確にはさらにその先が2つずつ分かれている)1本があります。共に下向きになっていますので,花びらに乗った虫の背中に花粉をつける作戦で受粉をしようとしていることが分かってきます。では,どんな虫が乗るのでしょうか。じっと観察していないので残念ながら分かりません。蜜の場所は,先ほどの距の中にあるとされています。確かに,スズメガは飛翔しながら,マルハナバチは花びら下側の外回りに止まりながら距に口吻を入れているのを見たことがあります。ですから,距の中か付近に蜜があるということになるのでしょう。
 でも,不思議なことにこれらの虫は,花びらの上に乗りません。花冠とがくの隙間から口吻を突っ込んでいます。ホトトギスにすれば,これでは全くおしべにもめしべにも触ってもらうことなく(受粉してもらうことなく)蜜のみを取られていることになってしまいます。果たしてどんな虫が受粉の助けをしているのでしょうね。楽しみです。でも,盗蜜ばかりされていると種ができませんね…。

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秋のキチョウ

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 2年生の花壇にやってきたキチョウです。地面が湿っているので,吸水にやってきたようです。地面に口をのばして水を吸い取っていました。このチョウは町中を始め,この山間部でも見ることができるシロチョウ科キチョウ属の仲間です。キチョウといっていますが,最近の研究で,南西諸島に見られるキチョウと種が違うようで,本州のキチョウをキタキチョウと呼ぶようになってきています。
 このキチョウの特徴を詳しく見ていくと,上図のように,翅の下面に茶色のまだらな点模様があります。下図は翅の上面をとらえています。翅の外縁に見られる夏に特有の黒い帯模様がありません。つまり,黒い帯模様がないことから秋型のキチョウということが分かってきます。なぜか理由は分かりませんが,秋型は黒い帯模様が小さいかもしくはないという変化を起こします。発生は,年に5・6回羽化をし,最後の成虫はそのまま越冬します。3月の暖かい日に飛んでいる黄色のチョウはキチョウで間違いないでしょう。幼虫の食草は,ネムノキやハギ,シロツメクサなどのマメ科植物です。

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事故に遭ったヘビ

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 10月5日(金)駐車場に小さなヘビが死んでいました。体長は20cm弱です。というのは,死後時間が経っていてやや乾燥していましたので,体を伸ばすことができませんでした。何のヘビか分からず,いろいろと調べてみましたが,同定に自信がありません。おそらく,シロマダラの幼蛇だろうと思います。そう決めたのは,下の写真頭部(轢かれて横広になっています)の後頭部の1対の白い紋からです。でも,全身の黒い紋様が何となくしっくりこないので,たぶんとしか言えません。
 しかし,かわいそうに車に上半身を轢かれてしまったようです。早速に誰が轢いたと調べたのですが,よく考えれば,やや乾燥して体が固化していましたから今朝じゃない。シロマダラなら夜行性だから,明るいときに轢かれる可能性はかなり低い。ということで,誰だ?と振り出しに戻りました。
ちょっとしたジョークでしたが,シロマダラの行動の特徴が掴めましたか。夜行性ですので滅多に見ることがなく,ここ中川でも知らない人がほとんどではないでしょうか。
 ついでに,9日(火)には,男子トイレでヤマカガシの幼蛇が見つかりました。こちらは無事保護して逃がしてやりました。毒蛇ですので写真に収めることなくすぐに放ったので,あのとき撮っとけばよかったなぁと後悔しています。黄色の首輪が美しかったのに残念という思いでいっぱいです。

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秋といえばこの香り

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 10月に入ったころから,中川でも金木犀が花を咲かせるようになりました。誰しもがその香りに気付き,「あ〜っ,秋になったなぁ〜。」と感じられることでしょう。秋は,彼岸花,金木犀,菊花,紅葉と秋がどんどん深まり,冬へと入っていくそんな移ろいの姿ですね。
 さて,金木犀は,渡来種で中国から入ってきています。ただ,雄株のみですので,増やすには挿し木や取り木という方法になります。下の写真は,金木犀の花です。下右上が雄しべの写真で2つ付いていることが分かります。下右下は雌しべです。ピントがもう一つですが,中央の1つがそうです。未成熟ですので受粉能力すらないことが分かってきます。
 このキンモクセイという香りはかなり強い香りですので,誰でも気付くことから,昔は大いに用いられていました。その場所とはトイレです。汲み取り式トイレを経験した世代には,この香りとトイレが結びつくことと思います。その通りで,強烈な糞尿の臭いに対抗できるのがこの香りの芳香剤だったのです。臭いは臭いでごまかすという方法だったのです。しかし,水洗トイレ等の普及により,強力な臭いが必要なくなると,キンモクセイの芳香剤は行き場を失います。他の場所で使おうにも,この香り=トイレのイメージが強く,敬遠されがちだったのです。さらに,消臭剤の普及とともに,臭いを取り去りつつほのかな香りを立てる方法に変わってきましたので,この強力な香りは,逆に,鼻につくようになってしまったのです。こうしてキンモクセイの人工の香りは役目を終えて姿を消していきました。
 しかし,自然界においては,キンモクセイの香りが通る人々を甘く優しく包み込むので,ホッとリラックスさせてくれます。そこに,「秋はキンモクセイ」とみなさんが愛するゆえんがあるのでしょうね。

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迷惑がられている虫

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 上の写真を見てこの虫の名前の想像が付きますよね。今日は「ちょっと,それはないでしょう…」と言われるであろう虫,蚊です。
 この蚊の名前は,オオクロヤブカです。街中では余り見かけることはないと思います。カ科クロヤブカ属の仲間とされています。簡単に言えば,藪蚊(ヤブカ)の仲間です。オオクロヤブカは,藪の中や近くに多くいますので,中川では普通に見られますし,みさきの家でテントサイトで吸血している蚊もそうだろうと思います。街中では,ヤブカ属のヒトスジシマカやイエカ属が主流だと思います。大きな蚊だなと思ったらオオクロヤブカを疑ってみて下さい。
 体長は,7mmを超えています。おもしろいことに,蚊の仲間は,体長ではなく翅長で表します。翅長は4mm強というところですので,普通サイズでしょうか。昆虫の仲間には,体長で表すものと翅長(開翅長もある)で表すものがあります。図鑑などを見ていただくとお分かりいただけると思います。
 写真の蚊はメスです。蚊の雌雄も見分け方でもっともわかりやすいのは,吸血行為をするしないですね。オスは寄ってきませんから。これじゃ,寄ってこないオスの特徴が分からないではありませんかと言われますね。蚊の場合,触角に注目して下さい。

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秋の深まりを告げる「秋明菊(シュウメイギク)」

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この季節,中川の街を歩いていますと道の両脇にまぶしいくらいの紅紫の花の一群に出会います。「秋明菊(シュウメイギク)」別名「貴船菊」と呼ばれています。日本の本州以南の山野や山里に自生する宿根草ですが,古く中国からやってきて,野生化したものだそうです。
この植物は,「キク」と名がついていますが,キンポウゲ科アネモネの仲間で,ジャパニーズアネモネとも呼ばれています。白やピンクの一重咲きもありますが,紅紫の八重咲きは京都貴船の奥で多く見られることから「貴船菊」と呼ばれています。
 北山の紅葉にもまして,山里に彩りを添える故郷の花,大切にしていきたいですね。

蜜を求めて

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 「写真のリコリス・アルビフローラで吸蜜をしているチョウは町中から山間部まで普通に見られるクロアゲハです。」と言ってしまえばな〜んやで仕舞いになります。これでは載せる必然性がなくなってしまします。今回は,このクロアゲハと8月22日配信「門扉に張りついて温まる」のカラスアゲハを見比べて下さい。明らかに翅の模様に違いのあることがお分かりいただけると思います。
 実は,どんな生き物でもそうですが,見る機会の数と細かな違いを掴んでいるとパッと見て名前が言えるようになります。つまりは,知識と慣れですから,その気があれば誰でも言えるようになるわけです。みなさんも,すごい!と思わなくてよいのですよ。写真のクロアゲハは,尾端や翅の模様からメスであることが分かってきます。
 ところでクロアゲハの蜜を吸う口(口吻:こうふん)ですが,みなさんストロー状ということはお分かりになっているようですが,なんとこれは顎(あご)ですと言えば,えっ!?と言っていただけるでしょうか。でも本当です。顎が変化して口吻となったのです。もっとも,虫たちの世界では顎といっても人間のように上下に開くのでなく,左右に開きます。ですから,このストロー状の口は左右1対が合わさってできています。ぐるぐると捲いていますが,左右1対が共に捲かれているのです。でもどうやって捲いたり伸ばしたりしているのでしょうね。これは筋肉を使っているんですよ。こんな細いところに筋肉が走っているのです。すごいですね。しかも,口吻の途中(屈折点)から先が,自在に動くようになっていますから1本の筋肉ではないのでしょうね。

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府レッドデータブック 要注目種

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 写真の虫は,一見すれば,マツムシのような…,カンタンのような…,でもどこかが違う…とお感じになられる方もおられるかと思います。この虫は,「マツムシモドキ」と名付けられています。さも,分かっているように話していますが,私も苦労したのです。上述の思いは,実は私の思いです。
 出勤時,上靴に履き替えているとポタリと落ちてきたのです。思わず,おっ,カンタンか!と捕まえました。残念ながら,右足がないことと触角がちぎれて短くなっています。触角は5cmほどあるそうです。体長は12mm〜18mmですから体長の3倍ほどの長さとなりますね。
 形態としてはアオマツムシに似ているけれど全く色が違う…,産卵管がないからオスだろうけど…,翅が鳴く虫のオスというよりメスの翅に似ている…,と大いに悩まされました。あきらめかけたとき,偶然,ホームページに「マツムシモドキ」という名前がヒットしたのです。早速,マツムシモドキの画像検索し,確認することができました。
 この虫は,京都府をはじめいくつかの県のレッドデータブックに要注目種として取り上げられています。言い換えれば,目にすることが余りないということです。たくさん生息しているのか希少種なのか不明だということです。その理由は何でしょう。この虫の生活場所にあります。低山地の樹林上で生活をしていますので,地上には滅多に下りてこないのです。これでは,多いか少ないか分かりませんし,目にすることもないから,図鑑類にも載りにくいということになります。
 一部欠落していますが,私は偶然にも,貴重な虫と出くわしたということになります。そう思うと単純にうれしくなるとともに,ここで見つかるぐらいだから日本中にたくさんいるに違いないと思わせられます。兎に角,どんな生活をしているのかの情報がほとんどなく,不明な点が多いようです。はっきりしていることは,翅の構造から,オスは翅を使って鳴かないということです。コオロギ科マツムシ亜科に属しているのに…。
 名残を惜しみながら,落ちてきた付近の樹に戻してやりました。右後脚がないから長生きはできないだろうけれど,レッドデータブックから消えることを願って。

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ヒメカマキリの記事の修正

 9月22日付「このカマキリよく飛び跳ねますよ」で紹介しました「ヒメカマキリ」の名誉回復の修正記事です。前の記事で「…跳び上がっては下りるという感じですが…」と表記しましたが,大間違いでした。よく飛ぶことが分かりましたので,ヒメカマキリたちの名誉のためにここにお詫びいたします。
 9月25日の夜,職員室を端から端まで8mほど,翅をしっかりバタつかせながら,ふわふわと飛んでいく虫を発見しました。その姿から,風の谷のナウシカに出てくる傷ついたウシアブが腐海に帰っていく様を思いだしてしまいました。もっとも体形が全然違いますけれどね。
 何だ,この奇妙な飛び方をしている虫は?追いかけて,止まった姿を見て,びっくり。あのヒメカマキリだったというわけです。
 かなりの時間,かなりの距離を飛ぶことを知ったのです。飛び跳ね程度ではない。明らかに滞空飛行をしていることがわかりました。空を飛ぶカマキリだったことに感動です。

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