京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2013/03/25
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平成24年度末をもって休校となりました。今まで閲覧いただき有り難うございました。

目立つのには意味がある

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 上の写真は,本校体育館東に実を付けているマユミ(シロミノマユミ)です。校区に真弓地区があるので,植樹されています。マユミは,材質が強くよくしなることから,弓の材料として用いられてきました。漢字で真弓と書くのもこのことによります。
 では,本校区の真弓の地名の由来は何でしょう。その昔,坂上田村麻呂が雲ヶ畑から持越峠を通ってこの地に入って弓を作ったことによると言い伝えられているそうです。では,真弓地区は古来よりマユミの木が有名だったのでしょうかね。そこはよく分かりません。ただ,天皇の行幸として雲ヶ畑−真弓−小野郷−京北というコースはあったようですし,後の悲運の皇子,惟喬親王もこの辺りで隠居生活を送ったほどですから,古来より知られていた地であることは間違いないようです。
 話を木に戻しまして,通常,マユミの実といえば,10月半ば辺りから外を覆っている薄紅色の朔果が四裂して下の写真のように種子が顔を出します。花期は初夏ですが,小さな目立たない花ですので,見過ごしやすいかと思います。種子は赤い外皮に覆われていますが,なかなか落下せず,葉の方が先に落ちてしまいます。これは,マユミの戦略かもしれません。
 多くの実を付ける植物は秋に目立つように赤や青や黒といった実を付けます。食べて下さい,ここに美味しい実がありますよとアピールしているのです。秋は,競争率が高いのです。初冬,マユミの葉が落ち,赤い実が目立つようになります。冬,餌が少なくなった小鳥たちにとっては,うれしいごちそうとなり,啄みに来ます。そうです,マユミは競争率が低くなるのを待っていたのです。食べてもらうことで,確実に,種を遠くに捲いてもらうためにです。なかなか見事だと思いませんか。
 でも,鳥に食べられたら,種も溶けて鳥の栄養にされるのではと思われる方もおられるでしょう。鳥は噛まずに飲み込みます。外皮は溶けてもその中身は固い殻に覆われているので素通りしてしまいます。鳥に実を食べさせる植物は,みんな鳥に種を運ばせる作戦を立てていたのです。こうしてみると,植物もなかなか知恵があることに感心しませんか。
 最後に,薄紅色の朔果をマユミとするなら,写真のような黄白色の朔果をシロミノマユミ,濃紅色の朔果をアカミノマユミとして区別しているようです。ほかに,オオバノマユミやフイリノマユミなど姿形から呼び名が分かれてもいます。

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晩秋の中川校

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 10月下旬から最低気温が一桁になる日が続き,カエデの紅葉のスイッチが入る8度を下回る日々もありました。11月には最低気温が5度を切る日も出てきて紅葉が本格化してきました。上の写真は,11月初頭と中旬の頭の写真です。イチョウは,すっかり葉を落とし,山々の紅葉が進んでいることがお分かりいただけます。
 モミジの名所高雄も人出が多く,ここ中川から市街へ休日に行くのは結構大変です。特に,今年のモミジの紅葉の美しさは,ここ近年ではもっともよいのではないでしょうか。日照量,昼夜の寒暖差,適度な湿り気(雨)がうまく重なったと思われます。栂尾から毘沙門橋までの清滝川沿いの紅葉もきれいに色づいています。朝早くから道幅が狭い国道の割りに,写真に収めようと,愛好家が車道であることを忘れてシャッターを切っておられることもしばしば。(実は朝日の射すころの方がきれいなのです。)皆さん事故を起こさないよう,事故に遭わないようお気をつけ下さい。

益虫なのに大の嫌われ者

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 保健室天井にカサカサと動く足音。養護教諭が見上げれば…「キャーッ!」その場に居合わせた6年児童が,「手で捕まえたら脚がバラバラになるから,封筒に入れるように捕まえたらいいよ。」何と,経験豊かなアドバイスではありませんか。さすが,中川の子です。でも,養護教諭は職員室に行ってHelp Me!と教頭先生のところへ駆け込みました。教頭先生は喜んで保健室へ飛んでいきました。可哀想に御用となってしまったことでしょう。
 さて,天井に居たのは,ゲジ目ゲジ科のオオゲジという虫です。ムカデ目に属する多くのムカデの遠い親戚で,多足類ムカデ綱の仲間となっています。その所為かどうか,ムカデと間違われたり,脚の多さと素早い動きに気味悪がられたりするかわいそうな虫です。ひどい紹介の仕方では,害虫として扱っていますが,本当は益虫なのです。特にオオゲジは,家の中の衛生害虫であるゴキブリをはじめいろいろな虫を捕まえては食べてくれます。わたしたちの生活に役立っているのです。
 ところで,ゲジという名前より一般的に呼ばれているゲジゲジと言った方がお分かりになるでしょうね。下の写真を見て下さい。頭部や尾端部を見にくいですがアップにしました。日ごろじっくりと見たことがないのではと思い載せてみました。背板については,七枚有ります。背板(はいばん)とは,虫類は骨(内骨格)をもたないので外回りに堅い骨の代わりとなるものを覆います。これを外骨格と言います。話を戻しまして,背板に赤のような茶色のような部分がありますが,これは気門だそうです。気門とは,空気を体内に取り入れるための取り入れ口です。人間は肺で血液を介してガス交換し,血液が体内へ,あるいは,体外へ運ぶ仕組みになっていますが,虫類は,気門から気管が体内を巡っていますので,空気が直接体内に入り込んでガス交換が行われるのです。骨のつくり以外にも,人間は血液が,虫たちは空気が体内を巡っているという違いもあります。
 先に進みます。脚の数を調べていくと15対もあります。でも,初めから15対ではなく,脱皮を繰り返すごとに歩脚数が増えて最終15対になるそうです。すごいですね。文頭で,6年児童が,体験から脚がバラバラにと言っていましたが,その通りで,外敵に襲われたときに,脚がすぐに切れるようにできています。トカゲの尻尾切りと同じです。しかも,脚がしばらく動きますので,うまくいけば外敵がそちらに気を取られている間に逃げることができるというわけです。スピードも結構速いのですが,15対の脚をどのようにしてリズミカルに動かしているのでしょうね。残念,外へ逃がしたゲジゲジを写真に収めるために再度捕まえるのに必死で,見落としていました。手に乗せたら,今度は観念したのか,じっとして動かなくなってしまいました。お陰で写真には収めやすかったですが。
 ところで,ゲジゲジについて。毒は持っていませんが,余りにもいたずらをすると逃げるために噛むことがあるそうです。ご注意を。

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パンジーに毛虫が!

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 職員室の教頭先生に,「来て下さい。」と子どもが呼びに来ました。何かと付いていくと,プランターに植えているパンジーの横を指さして,「これは何ですか?」と質問が来ました。上の写真がそうです。
 3年生の子だったので育ててみるかと言いつつ,「ツマグロヒョウモンの幼虫だね。まだいたんだ。この大きさだから今からなら蛹で冬越しだな。」と答えました。残念ながら,育てる気はないようでしたが,チョウに育つように,そこに住まわせようと言ってくれました。
 ツマグロヒョウモンというチョウの成虫については,写真がないので調べて下さい。幼虫はスミレ科の植物を食草として育ちます。ですから,パンジーにも当然つきますし,パンジーのおかげで,都市部でも見ることができるチョウです。年に4〜5世代の交代をしますが,他のタテハチョウ科ヒョウモンチョウの仲間が,年1世代交代しかしないことに比べるとかなりの回数といえます。広く長く食草が分布しているからということになりますね。元々南方系のチョウですが,温暖化に伴い関東にまで進出しているそうです。割と寒さに強いので越冬できるのですが,越冬態がないので,暖かくなると幼虫なら動き出したり,蛹なら羽化したりしてしまいます。
 下の写真をご覧下さい。このチョウの体から刺のような突起が多数出ているのがお分かりいただけると思います。まさに,イラガの幼虫を連想させます。刺されれば痛いだろうなぁと思うのですが…。教頭先生は,ヒョイッと掴んで掌に乗せてかわいいかわいいとなでています。「刺されないの。」と聞きましたが,「刺さないよ。毒もないしね。」と答えられました。このチョウはイラガや毒虫を連想させる作戦なのです。食べようものなら毒があるぞと鳥たちに見せつけています。黒にオレンジの目立つ色を用い,刺を見せつけて食べたら大変なことになりますよとアピールしています。おもしろいですよね。毒もないのに毒のある虫のように見せている。以前紹介したベイツ型擬態の一つです。また,成虫のメスの前翅には,黒地に白帯模様が入っています。これも,有毒のチョウ,カバマダラに似せていると言われています。でも,日本にはカバマダラの仲間のスジグロカバマダラが沖縄にいるだけですので,中川で擬態しても余り意味がないようなのですが…。南方から来た渡り鳥には,効果があるかもしれませんね。
 最後に名前の由来ですが,漢字で書くと『褄黒豹紋』です。豹紋とは,翅がヒョウのような柄模様になっていることからです。○○ヒョウモンと名の付くヒョウモンチョウの仲間はすべて豹柄です。では,褄黒とは。褄が着物の裾の両端であり,黒ですから,褄が黒くなっているという意味になります。後ろ翅の外縁が黒い帯状になっていることから褄黒と呼ばれているのです。
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