京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2013/03/25
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平成24年度末をもって休校となりました。今まで閲覧いただき有り難うございました。

シャコバサボテン(クリスマスカクタス)

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 12月に入り,花芽がどんどん膨らんで,今,見頃になりました。シャコバサボテンは,ブラジル原産のサボテン科スクルンベルゲラ属を元に,主にデンマークを中心にして園芸用に品種改良されたものだそうで,別名,デンマークカクタス,クリスマスカクタスなどと呼ばれています。名前の由来は,葉のように見える茎節の形が甲殻類の「シャコ」に似ているからです。下の写真右をご覧下さい。しかし,花の綺麗さなどから,別名の「○○カクタス〜○○〜」として園芸品種は出回っているようです。写真のクリスマスカクタスも園芸品種名は,不明です。
 去年までは,蕾ができても昼夜の寒暖差がきつくすぐにぽろぽろと落ちていました。今年は,条件を変えたつもりはないのですが,たくさん咲きました。あえて違うところを探せば,30cm高くなったことと,だいぶ乾いたかなと思ったときに,全体にシャワーをかけてやることと液体肥料をかけることぐらいでしょうか。シャワーの水は,ややぬるめですけれど。ここの環境に慣れたのだろうと考えると,このシャコバサボテンも中川の一員になれたと言えるのですけれどね。
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ドングリの大作戦

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 上の写真は校区で見ることのできるドングリの内の2つです。共に殻斗(お椀あるいは帽子と呼ばれている)は鱗片状ですが,クヌギは鱗片一つ一つが細長い棒状に延びています。ドングリは,クヌギが球のように丸っこく,コナラが細長い楕円体のようになっています。
 さて,今日は10月29日付「以外と知らない栗のイガ」で先送りしましたドングリの大作戦のお話です。
 まず,下の写真について,左赤円内は渋皮を示しています。右黄円内は切断時に切れてしまったのですが,胚です。クリやシイと違って総苞が殻斗と呼ばれるようにドングリ(堅果)全体を覆い隠しません。このままでは,若いうちから食べられそうでが大丈夫です。防衛策は立てています。若い内は毒(渋い,腹痛を起こす)をたくさん持っていますので簡単には食べさせません。では,熟せばクリのお話のように食べてもらおうとするのでしょうか。その通りですが,子孫を残してくれるパートナーを選んで食べてもらおうとしています。
 その相手とは,すぐに食べずに運んでストックしてくれる生き物たち,つまり,リスやネズミです。リスやネズミは,一度に大量に食べず,冬の食料としてあちらこちらの土や巣穴の中にストックしておく習性があります。多くは食べられてしまいますが,一部が忘れ去られて生き残るわけです。しかし,リスやネズミだけが食べるのでしょうか。いえいえ,クマなどの大型動物も冬眠用の食料としてたくさん食べようとします。そんなにたくさん食べられたら無くなってしまうのではとの心配が起こります。そこで,ドングリは大量に食べられないように毒分を使う作戦を考え出したのです。
 でも,毒分を持っているなら,小動物は食べられないのでは,と次の心配が起こるでしょうね。大丈夫なのです。大量に食べる大型動物にのみ効くようになっているのです。意味が分かりますか?実は,一つ一つのドングリの毒は弱くしてあるのです。つまり,大量に食べないと毒が効かないように工夫してあるのです。クマは,たくさん食べますが,食あたりを起こす前にやめてしまうということになるわけです。
 さらにもう一工夫しています。胚の生長に必要な栄養です。当然ドングリの中にあるわけですが,なんと,胚が残っていれば,多くを食べられても発芽することができるのです。つまり,ドングリの先端部分を含む一部が残っていれば発芽できるのだそうです。驚きでしょう。ドングリは大量生産することで,生き残る必要数を確保する作戦を立てたのです。
 さらにさらにもう一工夫。ドングリの生産量を年毎に多くしたり少なくしたりと変化をさせています。何故か。一定量を毎年生産すると,捕食者も食料が豊かと判断して数を増やします。それでは,食べ尽くされてしまう危険があります。そこで,時には減らすことで,捕食者を飢えさせて減少させるということもしています。木本植物ですから長生きします。毎年,発芽させて子孫を増やす必要がないからできることなのです。

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新しい接着素材は私のおかげ

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 上下の写真はニホンヤモリです。本校の3年生が,見つけて持ってきてくれました。早速写真に収めて,3年生に返してやりました。おそらく,彼女のことですから,そっと逃がしてやったことでしょう。
 ニホンヤモリといえば,夜,外灯に照らされた窓に何やら怪しくうごめく生き物の影…,というのにふさわしい生き物です。夜行性で,外灯などに集まる虫や家の中の虫を餌としているため,有益動物なのですが,その色形や夜に姿をよく現すことから気味悪がられることが多く,不快生物として名を連ねています。元々は有益動物として,家守や守宮という漢字を当てはめていますのに,残念なことです。私も子どものころ,ヘビ,クモ,イモリなどとともにヤモリも家を外敵から守ってくれるので退治するなと言われていたことを思い出します。でも,皆さんも一緒に住んでいるかと思えば気味悪いですよね。有益動物には失礼ながら,そっと外へ追い出しています。
 さて,このヤモリですが,なぜ,ガラスなどのつるつるした垂直な面や天井などの下面に張りついて動き回ることができるのでしょう。そんなの決まっているじゃない!足が吸盤になっているからじゃないですか,と言われそうです。確かに一昔前までは,そう思われていました。でも,じつは,吸い付いているのではなかったのです。足裏の写真を取り忘れたので有りませんが,縞模様がくっきりと見え,吸盤構造とはだいぶ違います。1本の足裏には,人の髪の毛の10分の1以下の細い毛が50万本生えているらしいのです。4足で200万本もの毛が生えており,さらにその1本1本の先端が,100〜1000本のさらに細い毛に分かれている,つまり,1匹に10億本程の毛が生えているそうです。先端の微細な毛は数百ナノメートル(1ナノメートルは,1mmの100万分の1)という細さになるそうです。ここまで細くなると,物質の分子レベルの力(ファンデルワールス力:簡単に言うと分子同士の引力のことであり,一つ一つの力そのものは非常に小さい)が働くそうで,本によっては10億本で800gぐらいの重さを支えられると書いてあります。つまりヤモリの体重を十分支えることができるということになります。
 この事実が発見されたのは2000年頃と比較的新しく,その後の科学技術の進歩で,ファンデルワールス力を使った接着テープ「ヤモリテープ」も開発されているとか。早ければ,2015年に高値になるでしょうが市販されるかもしれません。また,吸盤と違って,大気圧と何ら関係がない分子同士の引き合う力ですから,空気のない宇宙での利用も大いに期待されるとか。

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テイカカズラの知恵

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 冬になり,テイカカズラの種が見られるようになってきました。種をよく見るとタンポポのように綿をしっかりと広げたような冠毛をつけています。まさに,風の力を借りて種を遠くへ飛ばそうとしています。ただ,タンポポと違って種が大きく重たいので,遠くへ飛ばすためには強い風を利用する必要があります。もう一つ,テイカカズラの種が着実に地面に辿り着くためには,背丈の高い草花が覆い茂っている時期をはずす必要があります。両方の条件を満たす時期は?というと冬が最適となります。おそらく,テイカカズラは繁殖の作戦として,冬の風を利用することを選んだのではないでしょうか。
 また,上の写真左の実(鞘)をよく見てみると,縦に裂けていますが,裂けた方を外に湾曲していたり,ゆるやかにねじれていたりしていることがお分かりいただけると思います。以前,秋(9月11日付)に若い実をホームページ上にアップしましたが,今回の上の写真右を見ていただくと同じように実の中にしっかりと仕舞われています。種が熟して茶色くなり,乾いた冠毛が窮屈そうに真っ直ぐ延びています。この状態ですと,冠毛も真っ直ぐの状態で仕舞われていますので,下の写真のように開いてくれません。
 そこで,冠毛を広げさせる一工夫が必要になります。つまり,窮屈そうに仕舞われている冠毛が外に開きやすいようにしてやればよいのです。それが,外湾やねじれという方法なのです。こうすることで,狭く押し込められていた冠毛が,実の外に顔を出し,自らの力で,さっと冠毛を広げることができるようになるのです。もちろん実の変形は天気の良い晴れたときにということになります。冠毛が開いても風がなければ飛んでいけません。そのまま落ちてしまうのでは…。それが不思議なことに,余り落ちないようです。何処かしら実に引っかかっているのです。上の写真左に冠毛を広げて引っかかっている種を見て下さい。こうして引っかかりながら風を待っているのです。ついでに,この冠毛もすごい工夫があって,1本1本,中が空になっています。パイプ状にすることで軽く丈夫なものとなっています。素晴らしいアイデアだと思いませんか。
 私達人間からすると,そのような仕組みになっているのかと,あたかも機械同様に物として扱ってしまいがちですが,是非とも知恵のある考える生き物として捉えてみて下さい。テイカカズラもすごく賢く生きているんだという実感を持っていただければ幸いです。

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