最新更新日:2024/09/27 | |
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3月3日 雛祭り 校内食堂は特別メニュー
●本日,雛祭り
昨日は雨天でしたが,近畿地方で「春一番」が吹いたと発表されました。そのうち桜の開花の話題も報道されることでしょう。 今日は,雛祭り。校内食堂の本日の日替わり定食は,特別メニューで「牛肉とたくあんの混ぜご飯・ちらし寿司風」。副菜にひじき豆とほうれん草のお浸し,すまし汁,デザートはミニケーキ。 明日から1年生の学年末考査が始まるので,今年度の校内食堂の営業は本日が最後。今年度も,愛情こもったおいしい昼食を提供していただきありがとうございました。 1年専門科目「表現基礎1」 手のデッサン
●手のデッサン
1年生「表現基礎1」では「手のデッサン」の課題に取り組んでいます。何かを持っているときの手,というテーマで,各自がそのポーズを決めて,描いています。 【お知らせ】緊急事態宣言解除に伴う教育活動の一部変更について
●京都府の緊急事態宣言解除に伴う教育活動の在り方
3月1日に京都府の緊急事態宣言が解除されたことに伴い,京都市教育委員会の通知に基づいて教育活動の在り方について変更をします。 本日,ホームルームの時間に,以下の内容について生徒の皆さんにお知らせしました。保護者の皆様もご確認,ご理解のほどよろしくお願いいたします。 ★これまで通り,毎朝夕の検温,健康観察票への記入,手指の消毒,マスクの着用,マスクを外す昼食時の対面での食事禁止などの感染防止器対策を徹底して継続する。 ★その上で緊急事態宣言発令中は制限していた以下のような活動について,注意を払いながら実施可能とする。 ・各教科における長時間短距離で対面形式となる グループワーク,ペアワーク等の活動 ・各教科における一斉に大きな声で話す活動 ・理科における近距離で活動する実験や観察 ・体育における密集する運動、近距離で組み合ったり接触したりする運動 ・美術専門科目における近距離で活動する共同制作や鑑賞活動 ・体育の授業における集団で行う活動 ★補習について ・放課後の通常補習は,実施可能。延長する場合は届が必要。 ・土・日・祝日の補習については,補習担当教員の指導の下、 感染防止対策を徹底した上で実施可能。 ★自習室開放について ・感染防止対策を行いながら可能とする。 ただし自習室開放は来週3月10日から実施。 ★登校時間,下校時間について ・時差登校は,3月9日まで続ける。 ・完全下校は,通常通りの17:40。 ・部活動や補習等で延長届が提出された場合は、 完全下校は18:30。 1年専門科目「造形表現」 2分野選択
●1年「造形表現」2分野選択
今年度の授業もあとわずかになってきました。1年生の「造形表現」は,2年生からの専攻につながる実習を,年度当初8分野すべて学習した後,3分野選択,後期からは2分野を毎週並行して学びます。 そして2分野から1つ選択したものを,2年生から専攻実習として取り組むことになります。 ※写真は各分野の実習の様子です。 日本画分野 水干絵具による着色写生 洋画分野 静物画 彫刻分野 モデル頭像の石膏型取り 漆芸分野 研ぎ出し蒔絵パネル(花) 陶芸分野 たたら成形(時計) 染織分野 ろうけつ染め(京野菜) デザイン分野 美工作品展のポスター制作 ファッションアート分野 ベストジャケットの制作 3月1日 第41回卒業式
●第41回卒業式
暖かい春の日差しが校舎にさす佳き日,卒業式を挙行いたしました。 新型コロナウイルス感染症拡大防止の対策を徹底し,保護者の皆様のご理解ご協力をいただきながら,多くの方に祝福されて心温まる卒業式となりました。 式終了後に引き続き「卒業生の時間」で,3年間の思い出の写真と教職員のメッセージを綴った卒業生制作の映像を上映しました。また,サプライズで今年度退職する校長への「卒業証書授与」「記念の絵」の贈呈がありました。 ○卒業式式辞→こちらから 卒業式式辞
式 辞
風光る3月を迎え、鴨川河畔の木々の芽吹きが始まる今日の佳き日、3年生の巣立ちの日となりました。 本日、PTA会長様、美工交友会副会長様をご来賓としてお迎えし、多数の保護者の皆様のご臨席を賜り、第41回京都市立銅駝美術工芸高等学校卒業式を挙行できますことを、心より感謝し、教職員を代表いたしましてお礼申し上げます。 先ほど、89名の生徒の皆さんに、卒業証書を授与いたしました。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。美術専門高校での3年間の学びを全うし、ここに晴れて卒業の日を迎えられたこと、心よりお祝いいたします。皆さんは明治13年、1880年に創立された京都府画学校以来、140年の歴史と伝統をもつ美術学校の卒業生として、社会に巣立ちます。その誇りと大きな志をもって、それぞれの新しい道を歩み始めてください。 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様は本校で確かな力を身に着けられ、立派に成長されました。この3年間、本校の教育活動に深いご理解と温かいご協力を賜りましたこと、高い所からではございますが厚くお礼申し上げます。 「卒業式が最後の授業」と、ある3年生が言いました。皆さんにとって高校最後の授業となる卒業式に、少し時間をいただいて私からお話をします。 皆さんが本校の生徒となった入学式で、私は、ありのままの自分を否定せず、しかし、その自分に留まるのではなく、気づかなかった自分を発見し、広さと深さを増していく3年間にしてほしい、学校は希望を創るところ,この銅駝で新しい希望を創ってください,とお話ししました。私は、皆さんの高校生活の様々な場面に立ち会ってきて、皆さんの変化と成長を強く感じています。 「希望を創る」時間と空間を保障しなければならない学校が、新型コロナウイルス感染症の課題に直面し、大きな制約を受けることになって一年が経ちました。昨年春から長期にわたる臨時休校、学校再開後も続く制限や対策。新型コロナウイルス感染症は、私たちの日常と非日常をひっくり返し、当たり前が当たり前でなくなったことをどう克服するかを迫られました。しかし皆さんは私たちと一緒にその課題に向き合い、様々な気持ちに折り合いをつけながら、銅駝での高校生活を大切に丁寧に過し、今できること、やるべきことに精一杯の力を出して取り組みました。立派でした。 ファッションデザイナーの森永邦彦さんの『AとZ』という本を読みました。森永さんは美術系の学校で学んだ経験がありません。通っていた予備校の英語の授業で、講師の先生が、自分の教え子である学生が自己表現の手段として作った一着の服を見せてくれた時、「ファッションには伝える力がある。服は言葉を持つ」と衝撃を受けたそうで、これが森永さんのファッションとの出会いとなりました。森永さんは昨年の春、緊急事態宣言が出されて、「ブランドを始めてから今まで、立ち止まることが許されない世界にいて、初めて少し立ち止まり、日常について考えた。ファッションの在り方やブランドについて振り返った。何を大切にしてこの先を進むべきなのか。そばにいたいという人間の本能を根底から否定し、人の死に立ち会ったり、人の誕生をともに喜んだりすることが難しい日常。それを非日常化することができるのか。」と自問自答し「ファッションは日常を変える装置と言い続けてきた考えを見直し、日常を取り戻す装置と位置づける必要があった。」と書いています。森永さんは、生地屋も縫製工場もストップする中、アトリエにある様々なテキスタイルをパッチワークでつなぎ、マスクを作りました。切り裂かれた日常を縫い合わせるパッチワーク、人を覆い、人を守るマスク。ファッションはウイルスを死滅させることはできないけれど、医療や医薬品とは異なる方法で、ファッションはどうしたら人を守れるか、と考えました。そしてステイホームが叫ばれる中、絶対的な安心感を与えてくれる場所「HOME」をテーマにして、家のような服、服のような家を創作し、2020年9月に開催されたパリコレクションにオンラインで参加しました。森永さんは「服は日常を変え、服は人を変える。その服の力を信じよう」そう、書いています。新型コロナウイルス感染症の問題は、私たちがこれまで見えていなかったこと、考えてこなかったことを浮き彫りにしました。私たちは今、自分や家族、そして社会をどう守り、どう行動していくのかが問われているのです。 日本で緊急事態宣言が発令されていた5月、ドイツのメルケル首相は「芸術支援を優先順位の一番上に置いている」と演説し、モニカ・グリュッタース文化メディア大臣は「芸術とは、人間の生存という根本的な問題に向き合う上で不可欠なものであり、特に今のような確実性が崩壊し、社会的基盤のもろさが露呈し始めている時代には欠くことができません。」と発言しています。人間の生存にとって、また予測不可能な不確実な時代に芸術の力が不可欠であること、私はこのメッセージを、美術を学んできた皆さんにぜひ胸に刻んで欲しい、そして美術専門高校で皆さんとともに過してきた私たちもしっかり共有したいと思うのです。 『13歳からのアート思考』の著者、末永幸歩さんは、「アートにおける作品は、植物で言えば花。でも本当に重要なのは地面の下です。その人独自の興味のタネとそこから四方八方に伸びる探究の根があるかどうか」と言います。皆さんは、本校に入学後、美術専門科目だけでなく普通教科の学びや総合的な学習の時間、学校行事も含めて「観る」「感じる」「考える」「表現する」活動に旺盛に取り組んできました。私は、皆さんから、中学生までの自分と大きく変わったという言葉をよく聞きました。それは、皆さんが本校でひたむきに学びながら、探究の根を広げ、感性やクリエイティブな力を磨いたからだと思います。予測不可能な出来事に直面する現代の社会、私たちは、正解を一つだと信じ早く見つけることに奔走するのではなく、感性や思考力、創造力を発揮して考え抜くこと、そして自分の周りを開放し、他分野の人と関わり合い、対話や協働によってより良い解を創り出すことが益々重要になります。 詩人の長田弘さんは、こんな文章を書いています。「記憶は過去のものではない、それはすでに過ぎ去ったもののことではなく、むしろ過ぎ去らなかったもののことだ。とどまるのが記憶であり、自分のうちに確かにとどまって、自分の現在の土壌になってきたものは、記憶だ。記憶という土の中に種を蒔いて、季節の中で手をかけて育てることができなければ、ことばはなかなか実らない。自分の記憶をよく耕すこと。その記憶の庭に育っていくものが、人生と呼ばれるものなのだと思う。」 卒業する皆さん、本校で過した3年間の記憶、それを大切な土としてよく耕し、根を深く、広く張り巡らし、世界にただ一つのあなたらしい花を咲かせてください。今ある道がすべての道ではありません。これから皆さんの歩くところが、道になるのです。銅駝を巣立つ日、無限の可能性をもった皆さんに心からのエールを送り、最後の授業の話といたします。 令和3年3月1日 京都市立銅駝美術工芸高等学校長 吉田 功 |
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